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 【link】

「Aviation Week」◆(2011/10/26)Senators Call For Pause In USAF Rocket Talks

「Defense News」◆(2012/09/18)Sequestration Threatens Tanker Deal: USAF Official

「Defense News」◆(2012/09/18)Welsh Outlines ‘Foundational' Missions for AF

「Defense News」◆(2012/09/18)Northrop-Agusta Team To Bid on White House Helo

「Defense News」◆(2012/11/01)GOP Lawmaker Urges U.S. Army To Reverse Plan To Retire C-23 Fleet

「Strategy Page」◆(2013/04/19) MORALE: The Distinguished Warfare Medal Is Demoted
 UAV操作員用の従軍章創設案に,退役軍人が反発

「VOR」◆(2012/11/15)米空軍基地の教官らに強姦容疑

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 1

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 2(あとへは引けないアメリカの事情)

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 3(ライセンス生産の宿命)

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 4(連合国が望んでいたもの)

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 5 (自動車工業連合)

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 6 (何よりも望まれた大馬力)

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 7 (戦闘爆撃機と戦略爆撃機)

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 8 (複座万能機成立の条件)

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 9 (戦略爆撃の夢)

「いろいろクドい話」:即席空軍大国10 (木と布で飛行機を造るという間違い)

「いろいろクドい話」:即席空軍大国 11 (写真偵察と爆撃作戦)

「数多久遠のブログ」◆(2010/10/09)グアムに無人機−備えはOK?

「カラパイア」:【画像】 米軍の極秘施設「エリア51」基地内の写真

「くろいあめ,あかいほし」★(2010年 04月 28日)米空軍,HTV-2の飛行試験に失敗

「東京の郊外より…」◆(2013-03-02) インタビュー:初の女性戦闘航空団司令官

「東京の郊外より…」◆(2013-03-05) 強制削減でサンダーバード飛行停止

「東京の郊外より…」◆(2013-03-05) 次の空軍士官学校長は女性将軍へ

「東京の郊外より・・・」◆(2013-03-14) 米空軍が28の質問で事業優先順位を

「東京の郊外より・・・」◆(2013-03-23) 米空軍QDR課長:独立した空軍にこだわらない

「東京の郊外より・・・」◆(2013-04-14) 米空軍「トップガン」教育中断

「東京の郊外より・・・」◆(2013-05-14) 陸自も見習え:米陸軍にA2ADミサイルを

「ワレYouTube発見セリ」:8th Air Force Europe and US Navy Pacific

「ワレYouTube発見セリ」:Blue Angels (NEW CLIP)

「ワレYouTube発見セリ」:America's team (米空軍アクロバットチーム,サンダーバーズ)

「ワレYouTube発見セリ」:Thunderbirds(米空軍アクロバットチーム,サンダーバーズ)

「ワレYouTube発見セリ」:US Air Force Tribute

●書籍

『F-14 トップガンデイズ』(デイブ・バラネック著,並木書房,2017)

 F-14トムキャットは10年前に退役した米海軍の戦闘機ですが,いまも根強い人気を誇る名機です.
 可変翼を採用,長射程の「フェニックスミサイル」を搭載し,世界最強の戦闘機として米ソ冷戦の最前線で戦いました.

 F-14の人気を不動のものとしたのが,1986年公開のトムクルーズ主演「トップガン」です.
 米海軍戦闘機パイロットの挫折・成長を描いたこの映画は,当時空前の大ヒットとなりました.
 わたしも「トップガン」をみてしびれた者の一人ですが,当時はどういうわけか,関心のベクトルは軍用機でなく,トムクルーズが載っていたバイクに行ってしまった不届きモノです(笑

 閑話休題.
 本著の著者デイブ・バラネック氏は退役米海軍航空士官で,戦闘機操縦士エリートの養成校「トップガン(海軍戦闘機兵器学校)」で学び,卒業後は教官として教育に携わりました.
 「トップガン」の撮影に協力・出演したことで知られる伝説の海軍士官としても有名で,複座型F-14トムキャットのレーダー迎撃士官(RIO)として1200時間の飛行時間を有するベテランです.

 本著は,米海軍の飛行士には地上任務があることやコールサインをめぐる逸話など,現場にいた人ならではの内容がすごく面白いだけでなく,記述が実に画像的で,「映画のシナリオ?」と勘違いするという点もすごくおススメできる点です.
 読むだけであなたの頭の中にも映像が浮かぶことでしょう.

 また,軍事用語の解説が実に適切で面白く,海軍独自の風習について触れられているところもあるので,用語解説を読むだけでも充実した時間を過ごせることと思います.

[中略]

 本著には,原著にないお役立ち情報(トップガンの名称の由来など)が追加されており,翻訳本ならではの充実した読みごたえを覚えます.
 原著より盛りだくさんで読みごたえがある内容.
 うれしいですね.

 ちなみに,「トップガン」の続編映画「トップガン2」の制作が決定しました.
 来年にも撮影がスタートするそうです.
 本著を読んで「トップガン」の実際の姿を知ると,「トップガン2」の楽しみは倍増するでしょう.
心からオススメです.

------------発行:おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2017.6.20

『The Pentagon Paradox: The Development of the F-18 Hornet』(James P. Stevenson,Naval Inst Pr,1993/10)
ペンタゴンの兵器調達プログラムがいかにカオスかを,徹底して調べた良書

『アメリカ空軍の歴史と戦略』(源田孝著 芙蓉書房出版 2008/8)

 芙蓉書房と戦略研究学会が一般向けに打ち出した戦略啓蒙書シリーズ,「ストラテジー選書」の白眉のひとつ.
 米空軍の創設から今に至る歴史が洩れなくコンパクトに示されている.
 著者は退役空将補.
 わが空自創設の経緯を,帝国陸海軍から現在にいたる歴史から,組織論を通じてアプローチした高橋秀幸の『空軍創設と組織のイノベーション』と並び,空軍に関心を持つ方なら手に取る必要がある本だろう.

――――――おきらく軍事研究会)平成21年(2009年)3月15日

『アメリカ海軍航空100周年 世界の傑作機別冊』(文林堂,2012.4)

『エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実』(アニー・ジェイコブセン著,太田出版,2012/4/5)

 一瞬,イチロー本か?と思ったのだが,内容は極めて真面目.
 ネヴァダ州の砂漠地帯に設定された,通称エリア51と言う地域で繰り広げられた様々な事件を,100名に及ぶ人々からの丹念なインタビューで掘り起こしている.
 エリア51に関しては,A-12やU2計画の舞台になったり,イスラエルなどが鹵獲したミグ戦闘機を使って試験飛行を行ったりした事も有る.
 その実態は今に至るも不明で,U2等の機密資料も近年,機密が解除されたのだが,そこでもこの地域の名前は,消し忘れの2箇所を含めて,総て黒塗りとなっていたりする.
 貴重な写真も多く,巻末の参考文献も中々充実していて,読み応えのある500ページ以上の大作である.
 訳もざっと見た限りは破綻が無く(この人,前に『風をつかまえた少年』も翻訳していた.この本も軍事では無いが面白い),適切な感じ.
 中々,お勧め.

------------眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2012/04/16(月)

 【質問】
 NORAD(North American Aerospace Defence Command)の定訳は

1北米防空司令部
2北米航空防衛司令部
3北米宇宙防衛司令部
4北米宇宙防空司令部
5北米航空宇宙防衛司令部
6北米航空宇宙防空司令部

のどれでしょうか?

 【回答】
 これですね
http://www.noradsanta.org/jp/history.php
 2や3もけっこうヒットしますが5が公式ということでしょうか.
 Wikipadeaも同じですね.

 ちなみに中国語では「北美防空防天司令部」のようです.
 こっちの方が何か萌えますねえ.


 【質問】
 冷戦当時のアメリカ空軍には,戦術空軍(TAC?)と戦略空軍(SAC?)があったと聞きました.
 どちらも戦闘機があったり,攻撃機があったりしたと思いますが,戦略空軍と戦術空軍の違いを教えてください.
 もし,ソ連と戦わねばならなくなったときは,どっちが参戦するんですか?

 【回答】
 戦略空軍は基本的に爆撃機と給油機,ICBM.
 FB-111もあったけど,あれは爆撃機扱いだったし.
 対する戦術空軍は戦闘機,攻撃機,戦術偵察機を主に装備していた.

 一番の違いはその任務.戦略空軍は平時においては核による抑止,戦時には,命があれば核による攻撃.
 通常爆弾を用いての地上支援なんかもしたりする.
 戦術空軍は戦場における制空,対地攻撃,偵察が主任務で,どちらかというと身軽というか動きやすい.

 ソ連と戦争になった場合に,確実に攻撃任務に参加するのはTAC.
 SACはアラート任務というのについて,いつでも攻撃できる態勢を整えるけど,命があるまでは絶対に核は撃てないので,核を用いた本来の任務を実施する可能性は低い.
 大雑把にいうとこんな感じかな.

 あとは,輸送任務のMACなんてのもあった.

軍事板,2001/05/08(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 現在のアメリカの本土防空ってどれぐらい凄いんですか?
 たとえばロシアがいきなり全爆撃機を米本土に飛ばしても完封できますか?
(ロシア側は迎撃阻止のために欺瞞とか妨害とか一生懸命やるって前提で)

 【回答】
ロシアの全爆撃機: Tu-160/160M:16機,Tu-22M:100機,Tu-95:63機 (H6:27機,H16:36機).

 とりあえず,ロシア戦略空軍全爆撃機(+護衛戦闘機)VSアメリカ空軍本土防空部隊 という対戦が行われたとしたら,アメリカ側が本土(この場合アラスカは除くとして)の上空に一機の爆撃機も入れないことができるか,と言えば多分無理.

 Tu-95の最大速度はマッハ0.8ちょい,他の二種はマッハ2+.
 200機近くがきれいにシンクロして侵攻してきたら,アラスカのレーダーで探知してすぐに動員をかけても,全機迎撃は難しそう.
 Tu-95以外は低空侵入を目的として作られた機体だし,Tu-95は対地ミサイルを先行させて,対空システムの破壊を狙うだろうから.
 アラスカ方面にはちゃんとF-15の部隊が配備されているが,実はそれほどの対空迎撃体制は今はない.

 ただ実際には,そんな大規模な作戦を行おうとしたら,どうやっても隠しようがなく,準備の進行に従って米側も戦闘機の移動やAWACSの展開を始める.
 確かに,米軍は小RCS低空侵入目標(ステルス巡航ミサイルとか)に対する迎撃能力に問題があるといわれているが,爆撃機サイズとなるとさすがに対応可能であり,そうなると完封は微妙だが(可能性を言い出すときりがない),少なくともほとんどの爆撃機は落とされそう.

 ただし,それは全面核戦争を意味するので,ICBMやSLBMが空軍基地やレーダーに降り注いでいるだろうから,そっちの面から迎撃能力は落ちる.

 となれば,爆撃機にもだいぶ勝算が出てくる.

 これ以上仮定の話を続けるのはこのスレでは好ましくないから,話はここでおしまい.

 なお,今はテロを警戒して,アメリカ領土の上空は冷戦時代以上に常時監視されていて,何かあったら迎撃機が10分以内に目標を捕捉できる体制を常に取り続けている.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 "Space A"とは?

 【回答】
 アメリカ合衆国4軍,コーストガード等の軍人,予備役,退役者が,アメリカ合衆国軍の運用する基地間の(不)定期便などの空き(Space Available)を利用して旅行すること,またはそのサービスです.
 当然,定期便に空きが無ければ利用できませんし,作戦や業務の人員貨物が優先されますので,順位は一番下となります.
http://www.militaryhops.com/

 CQ誌で,米軍の基地のある(基地しかない)島からアマチュア無線を運用するために,退役軍人の方々がこのサービスを利用して島に上陸するという記述がありました.

 自衛隊にもこんなサービスあるのかな?

クローム・ツァハル in mixi,2010年04月22日11:23


 【質問】
 AMARCとは?

 【回答】
 航空宇宙整備・再生センター(Aerospace Maintenance and Regeneratin Center)の略称.
 アリゾナ州ツーソンにある,米空軍のAFMC:空軍資材軍団が管理する3軍統合サービス施設.
 第2次大戦後,余剰航空機の処理施設として,降雨量の少ない同地にデイビズモンサン空軍基地として開設されたのが起源.
 現在の施設の広さは3000エーカー(約12平方q)

 米4軍,沿岸警備隊,その他官庁の航空機材を保管,再生作業を行って新たな任務のために航空機を送り出したり,部品取りを行ったり,スクラップをおこなったりする.
 ピーク時はヴェトナム戦争で,1973年末には6080機を管理.
 2006年現在では約4200機を管理している.
 STARTに基くB-52や巡航ミサイルの廃棄作業も担当.

 再生後,海外に売って得られる利益は年々増加しているとか.

 一部施設は公開されているが,野ざらしの機材の影にはガラガラ蛇が隠れていたりするので,注意が必要だとさ.

 詳しくは「航空ファン」2006年7月号,p.22-25を参照されたし.


 【質問】
 米海軍航空生理学実験所(the NAVAL Aviation Physiology Laboratory)とは?

 【回答】
 高高度を飛ぶ軍用機の機内与圧(cabin pressure)が失われた場合,人間の心身がどのような反応を示すかを,実地に体験するための施設.
 低酸素症(hypoxia)で意識を失う(become unconscious)までの,18〜30秒の間に,パイロットは機体を安全な高度(safe altitude)まで降下させなければならないので,それを同施設で訓練する.
 また,パラシュートで海面に着水したときのサバイバル実技訓練も行うことができる.

 【参考ページ】
「元米陸軍大尉が教える!!軍隊式英会話術」 vol.38(2007/12/21)


 【質問】
 ミッチェル准将による爆撃実験は,なぜ米空軍独立に繋がらなかったのか?

 【回答】
・戦略爆撃や戦場航空阻止(BAI),航空阻止攻撃(INT)の概念がまだなく,航空部隊の任務としては近接航空支援(CAS:Close Air Support)しか考えらていれなかった.
・「高射砲の命中精度改善が,航空機の進歩改善と足並みを揃えて進展している」ので,実際の戦場では実験通りにはならないと考えられた.

◇     ◇     ◇

 ウィリアム・「ビリー」・ミッチェル陸軍准将(1879-1936)は,第1次世界大戦では在仏米陸軍航空隊司令官として西部戦線で功績を立てたが,その経験から独立した大空軍を提唱した.
 彼は空軍力の優位を実証するため,チェサピーク湾において,ドイツ海軍から捕獲した軍艦数隻を,彼の指揮する爆撃機隊によって撃沈してみせた.
 この実験を,世界中の新聞が大見出しで報道した.

 しかし,陸軍参謀総長ジョン・J・パーシング元帥(1860-1948)を始め,上司達は空軍独立に不賛成だった.
 パーシング元帥は退役する前日,1924/9/13付の陸軍長官に当てた最終報告の中で,次のように自分の見解を明らかにした.
「アメリカ航空部隊は,戦場における陸軍部隊に,補助兵力として必要な助力を与えるものであり,地上部隊との緊密な協力によってのみ,その最善の効果が生み出されるのである」
 そして,
「戦争中に敵国の諸都市や軍事施設に大荒廃をもたらした」
という航空部隊の話は偽りであり,地上部隊が実地検分したところでは,その損害は殆ど「取るに足らぬもの」であることが分かったと言明.
 また,
「将来の戦争では航空爆撃で,いくらか大きな損害を受けるであろう」
とはしたものの,
「陸軍部隊が主戦力であり,また,勝つためには敵軍を地上で圧倒しなければならない」
と力説.
 ミッチェル准将の爆撃デモンストレーションについては,
「しかし,高射砲の命中精度改善が,航空機の進歩改善と足並みを揃えて進展しているように見える」
と主張した.

 しかし,ミッチェル准将も自説を曲げずに各方面を説き回り,陸軍航空隊副司令官を解任されてテキサス州サンアントニオに左遷された後も,沈黙を強制される事を拒否した.

 1925年9月,米海軍飛行船「シェナンドア」が墜落大破し,船長始め,搭乗員13人が惨死した.
 この時,ミッチェル准将は新聞に声明書を発表し,米陸海軍最高統帥部の
「無能力,犯罪ともいえる職務怠慢,国家利益に反する国防の管理行政」
を非難.
 これによって彼はワシントンで軍法会議にかけられ,上官に反抗したかどにより有罪とされ,
「階級,指揮権,職務から,向こう5年間停止処分に付され,一切の給与,手当てを没収する」
と陸軍当局に通告された.

 1926年1月,ミッチェルは独立空軍事件をアメリカ国民に訴えるため,退役したのだった.

<参考文献>Carl Berger 「B29」,サンケイ新聞社出版局,1971/3/5, P.9-11


 【質問】
 ヒューズ・エア・ウエスト706便空中衝突事故について教えてください.

 【回答】
彡(゚)(゚)「ワイは戦闘機パイロットや!これからエルトロ基地に帰るで!」

彡(^)(^)「うーん,今日もいい天気☆」

(*^◯^*)「ん?」

彡(゚)(゚)「ん?」

┏━━━━━┓
┃   / \  ┃
┃ /     \┃
┃ (゚) (゚)ミ  ┃
┃ 丿     ミ ┃
┃ つ   (  ┃
┃   )  (   ┃
┗━━━━━┛

 1971年6月6日,ヒューズ・エア・ウエスト706便のマクドネル・ダグラス DC-9-31旅客機と,アメリカ海兵隊所属の戦闘機F-4Bが,相互に認識不足のまま空中衝突した事故.
 両機合わせて50名が死亡.
 パラシュートで脱出することに成功した,戦闘機のレーダー観測士が,唯一の生存者.

 事故を調査したNTSBは,両機の外部監視と回避操作の怠慢が事故原因であったと認定した.
 旅客機DC-9の機体構造(窓枠の太さ)にも問題があったようだ.

なんでも実況J,2016/10/19(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 米軍(陸海空,海兵隊)パイロットの養成システムについて,入隊後はどのようなコースを経て実戦部隊に配属されるのでしょうか?
 日本では航空学生/幹候→T-3/T-7→T-4→F-15/F-2→実戦部隊という感じですが,米軍だとどのようになっているのでしょうか?
 また,日本に比べてエリミネートされる率どうなのでしょうか?

 【回答】
 以下,資料は20年前のものであるので,その点は留意されたし.

米空軍
 T-41(飛行時間30時間)→T-37(同90時間)→T-38(同120時間)→T-38B(同36時間)
 なお,戦技訓練としては元々F-4で120時間の訓練があったが,T-38Bの訓練に変更された.
 これで,基本戦技訓練まで終了し,実用機転換訓練に入る.
 ちなみに,空自の場合は,戦闘操縦課程までの飛行時間が395時間なので,空自は100時間以上訓練時間が多い.

米海軍・海兵隊
 T-34C(飛行時間70時間)→T-2C(同96時間)→TA-4J(同105時間)
 なお,現在はT-45の訓練課程がT-2C/TA-4Jの訓練課程に変わっているので,飛行時間は変わっていると思われ.
 これで,基本戦技訓練まで終了し,実用機転換訓練に入る.

眠い人 ◆gQikaJHtf2


 【質問】
 aviation cadet programって何?

 【回答】
 1960年代はじめぐらいまでは,士官学校,ROTC,士官候補生学校以外にパイロットになる道として,aviation cadet programというのがありました.
 で,これは大卒でなくとも入れたので,aviation cadet 出身のパイロットには高卒の人もいました.
 たとえばGM副会長のロバート・ルッツという人は,高卒で海兵隊に入り,戦闘機パイロットになるという夢をかなえるためにaviation cadetの課程を修了し,士官に任官してパイロットになっています.
 この人は大学も出ていますが,それはパイロットになった後のことです.

 ただし現在ではこの制度は廃止されています.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 イーグル乗りだけなぜ「ドライバー」っていうの?

 【回答】
 ファントム乗りの事を「ライダー」と言っていたから.

 あと,セイバー乗りの事は「セイバーダンサー」,スターファイター乗りの事は「アストロノーツ」とか言ったりしたらしい.

 アメリカ人は練習機に「テキシィアン(テキサン)」,「トロージャン(トロイア人の意味」とか”馬を乗りこなす事に冠する名前”をつけたりするので,飛行機を「馬や自動車のように乗りこなす」イメージがあるらしい.


 【質問】
 映画「トップガン」は本当なのでしょうか?

 【回答】
 トップガンは実在しました.
 正式名称をNavy Fighter Weapons School(NFWS)と言って,ミラマー基地に置かれていた海軍の正式の上級戦闘機パイロット養成学校です.
 でも1996年7月を以て発展的に解消し,現在は Naval Strike and Air Warfare Center(NSAWC)となっています.
 また場所もミラマーではなく,ファロン基地に移っています.

 「ベストガイ」は……笑ってください.

(軍事板)


 【質問】
 以前,TVでアメリカ軍のパイロットは,出撃前に麻薬をやらされるという話をしてたのですが,本当なんでしょうか?
 本当なら何故そんな事をするんでしょう?
 恐怖や罪悪感の緩和なら敵と真っ向から撃ち合う陸上の兵隊のほうが必要でしょうし,クスリだ疲労の払拭をしなきゃならんほどワークロードが高いんでしょうか?
 麻薬使用者に高価な機体を扱わせたり重要な任務に付かせたりするのは,リスクも大きいような気もします.
 ベトナム戦では当然のように行われてたそうですが,現在もそうなんでしょうか?

 【回答】
 麻薬ではなく,覚醒剤です.アンフェタミンが「Go Drug」と俗称されて使用されています.
 罪悪感を払拭するためではなく,疲労,眠気による誤りを防止するためです.

 覚醒剤使用下のパイロットは,判断時において
「過剰な防衛反応→地上の砲火を自機への攻撃と誤認→十分な確認をせずに,あるいは止められても攻撃→誤爆」
に繋がり,アフガニスタン空爆作戦において,カナダ軍に死者を出した同士討ちや結婚式の祝砲誤爆もそれが原因ではないかと言われています.

 とはいえ,疲労,眠気下の判断も当然危険なわけで,限られたパイロット資産を使用する上で,覚醒剤の弊害の方がマシ,というのが現時点での米空軍の見解です.
 このため,覚醒剤使用を拒否することはできますが,そのパイロットは後方に回されたりするようです.

 現在,弊害なしに24時間×7日間行動させられるような薬剤の開発が進められています.

(system ◆systemVXQ2)


(画像掲示板より引用)


 【質問】
 アメリカ軍が戦闘時に処方する精神薬を詳しく教えてください.

 【回答】
 パイロットの場合アンフェタミン.

 10年ぐらい前の米空軍資料だけど,今でも大きな変化はないみたいだから参照してください.
http://www.airpower.maxwell.af.mil/airchronicles/apj/apj97/spr97/cornum.html

 読めばわかるけど,
「だから米空軍パイロットにアンフェタミンは欠かせないのさ」
的なことが書いてあります.

 で,上記サイトにところどころ「Amphetamines」と書いてあることでわかるように,アンフェタミンと言っても単一ではなく,アンフェタミン類,ぐらいに考えてください.

 誘導体によって性質は異なり,米空軍はデキストロ・アンフェタミン(デキセドリン,というのが空軍ものでおなじみの商品名)を愛用してました.
 ただ,上記サイトでは「問題ない」と書いているものの,誤爆,友軍攻撃の原因となっているという非難もあります.
 2004の資料を見ると,現代ではプロヴィジル(Provigil:商品名.化合物名はBenzhydrylsulphinylacetamide) という,アンフェタミンとは違う系統の,より副作用が少ない薬剤が使用されているようです.

軍事板


 【質問】
 アメリカ軍の戦闘機のパイロットは出撃前に覚せい剤を支給されるそうですが,そのせいでパイロットが覚せい剤中毒にかかって,戦争終結後に本国で覚せい剤を購入した場合,やっぱり覚せい剤の不法所持って事で豚箱にぶちこまれるのでしょうか?
 それとも,そうならないように軍は対策をとるのでしょうか?

 【回答】
 中毒になるほど服用しません.
 米国内法で非合法な「覚醒剤」なら当然,捕まって豚箱入り.
 一民間人の嗜好の問題なので軍には何の責任もない.
 てか,コーヒーなんかも立派な「覚醒剤」だよ.
 みそもくそも一緒にするアホが,世間には多過ぎる.


 【質問】
 映画などでたまに見るのですが,アメリカの戦闘機がミサイルを発射するとき,「発射!」に代わる言葉を言っているのを見るのですが,あれは何て言っているのですか?
 例えばイーグル戦闘機が撃つとき,
「イーグル2,何とかかんとか!」
というようなことを言ってたんですが,どう聞いても
「イーグル2,バックトゥー!」
としか聞こえないのです.

 【回答】
「フォックス・ツー(Fox Two!)」
だと思われます.
 これは空軍の戦闘機がミサイルを発射するときのコールで,自衛隊の場合でも

FOX Air-to-air weapons employment.
フォックス・ワン
Fox one
A radio call from a friendly aircraft announcing that he is firing a radar-guided missile.
 スパロー等,レーダーホーミング・ミサイル
フォックス・ツー
Fox Two
A radio call from a friendly aircraft announcing that he is firing an Sidewinder.
 サイドワインダー等赤外線ミサイル
フォックス・スリー
FOX THREE
Simulated/actual launch of AMRAAM/Phoenix missile.
 機関砲
FOX FOUR Bomber gunner has simulated firing on a target.

となっています.

 1と3の違いは,3は中〜長距離ミサイルの発射時に使用される点.

 ただし,1はセミアクティブ,3はアクティブレーダー誘導を指す,という資料もあります
(下に示すFM 1-02,Ch. 3からの引用)

――――――
FOX (Number) Simulated/Actual launch of A/A weapons.
 ONE Semi-active radar-guided missile.
 TWO: Infra-red guided missile.
 THREE Active Radar guided missile.
FOX THREE (X) SHIP: Valid missile shot against (x) separate targets (Assumes 1 missile per target)
2nd FOX THREE: Simulated or actual launch of multiple active radar-guided missiles on the same target.
None are NATO-standard codes.
――――――

 アクティブで短距離用のレーダー誘導ミサイルは米軍にありませんので,今のところ中長距離AAMは自動的にFOX3.
 南アのR-Darter アクティブレーダー誘導ミサイルが,確か近距離兼用としての開発が終わった頃のはずで, そうなるとFOX3でも短距離ということになりますが,上記サイトのようにFOXコールは米方言なので関係ありません.
 ちなみにフォックス・フォーは自爆(体当たり).パイロットの間のジョークですけどね.

軍事板
青文字:加筆改修部分

 この”FOX”とは,Foxtrot の略です.
 軍事用語(正確には無線用語)にはフェネティックコード,というのがあって,アルファベットを単独で発音する時にはこの単語を喋る,という決まりがあります.
 例えばAを「エー」と表現すると,AなのかE なのか分かり辛いからです.そこでAは「えー」ではなく,「あるふぁ」と告げます.
 それと同様に,F は Foxtrot(フォックストロット)と言うわけです.

 では何故に F なのかと言えば,「火器使用」の意味でFire のF なのです.


 【質問】
 米海軍飛行隊の航空機に付いてる”テールレター”は,何を意味してるんですか?

 【回答】
 テイルコードの頭につくNとAは,それぞれ太平洋艦隊と大西洋艦隊に所属する航空団であることを意味します.
 二つ目のコードは,所属する航空団ごとに割当てられたアルファベットです.

大西洋艦隊航空部隊    太平洋艦隊航空部隊    海軍予備航空部隊
CVW-1 (AB)          CVW-2 (NE)          CVWR-20 (AF)
CVW-3 (AC)          CVW-5 (NF)
CVW-7 (AG)          CVW-9 (NG)
CVW-8 (AJ)          CVW-11 (NH)
CVW-17 (AA)         CVW-14 (NK)

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 HC-130などの救難機を表わす「H」など,米軍機の略称が何の頭文字なのかを一覧にしたサイトってありますか?

 【回答】
 命名法については,
http://www.designation-systems.net/
という素晴らしいサイトがあります.

 これによると米軍用機は
Status Prefix + Modified Mission + Basic Mission + Vehicle Type
に続いてシリーズ番号,シリーズ文字という命名法によっています.
 これによって,例えば今は亡きコマンチのプロトタイプ,YRAH-66Aは

状況:プロトタイプ,副任務:偵察,主任務:攻撃,機種:ヘリコプター

のシリーズ66中のA型という意になるわけです.

 詳しくは,上記サイトの中の
http://www.designation-systems.net/usmilav/aircraft.html

 主任務にはLがありませんが,ABLにAL(Airborne Laser)が使用されており,二文字の主任務コードということも合わせて例外となっているそうです.
 このあたりも上記リンクでどうぞ.

(system ◆systemVXQ2)


 【質問】
 なんでアメリカの戦闘機はF8のあとF86とか桁が増えてんの?
 そんでセンチュリーシリーズの後なんでF4とかF14とかになってんの?

 【回答】
 かつて米海軍と陸軍飛行隊(後に空軍)では別の制式体系をもっており,ネーミング・ルールが異なっていた.
米海軍式 F6F(F:戦闘機,6:そのメーカー6番目,F:メーカー符号(グラマン))
米空軍式 F-86(86番目制式戦闘機)

 1962年にそれが3軍共用命名則に統一され,その時新たに番号が振りなおされた.


 【質問】
 統合呼称制度以前の米海軍機の型番中で製造メーカーを区別するアルファベット(グラマン:F,ヴォート:U,マクダネル:H等)は,どのような規則に基づいて付けられたんでしょうか?

 【回答】
 適当…としか答えが出ないっす.
最初は,CurtissのCとかDouglasのD,Great LakesのGと言う感じで頭文字を割り当てていたのですが,Grummanの様に,後から,頭文字が割り当てられない会社が出てきた為,今度は空きアルファベット(但し,IとXは除く)を割り当てたら,今度はそれに収まらなくなったので,倒産や消滅した会社のアルファベットを再割当したけど,これもまた足りなくなったので二重発番しておいて,空いたら再々割当を行う,と言う感じでどんどん収拾がつかなくなっています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2


 【質問】
 仮に,NATFなる艦上戦闘機が実在した場合,機体名称は,F-22N又はF-24Aのどれになりますか?

 【回答】
http://www.designation-systems.net/usmilav/aircraft.html
にあるとおり,米軍の軍用機命名システムは多くの例外を含み,予想の付き難いものです.
 理屈ではF-22Bとなりそうですが(最後のアルファベットはSeries Letterであり,Aから順にふる),上記サイトにも引用されているとおり,F-16の海軍型はF-16Nとして提案されています.

 また,F-22,YF-23の次の制式名がF-24ではなくF-35に飛んだ以上,デザイン・ナンバーが24に戻るのか,36となるのか,はたまた45にでもなってしまうのかも不明です.
 あとは上記サイトを見て妄想してください.


 【質問】
 艦隊即応中枢とは?

 【回答】
 艦隊即応中枢は,Coronado基地にあった海軍航空機中間整備部の後継組織です.
 2006年10月10日に艦隊即応中枢司令官になったMichael Hardee海軍少将は式典で,
「半世紀に渡る課題だった海軍航空整備部門の再編が完了した.きょうは歴史的な日だ」
「現在,将来にわたって必要なのは戦闘機整備に必要となる高い整備能力である.われわれは今後,進歩しつづけることが必須である」
と述べています.

 南西方面艦隊即応中枢は,旧海軍航空隊ノースアイランド補給処(カリフォルニア)にあり,他に5つの艦隊即応中枢(FRC)がCOMFRC立ち上げに伴い設立されます.
 残りの各即応中枢(FRC)は,西部方面,北西方面,中部大西洋方面,東部方面,南東方面の5つとなります.

 ⇒FRCSWが設立されたノースアイランド補給処(カリフォルニア)は,海軍航空部隊の西海岸における戦術拠点となっており,太平洋地域の作戦における整備拠点でもあります.
 あわせて,ガスタービンの整備も行なわれており,FRCSWは水上艦艇整備の場でもあります.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)10月16日


 【質問】
 米軍艦載機に「万歳」と書かれていたのを見かけたんですが,あれにはどういう意味があるのでしょうか?

 【回答】
 「万歳」はVAQ-136がモチーフとして使ってますね.
 空母「キティホーク」艦載機の部隊には旭日旗をモチーフにしているマーキング&パッチが非常に多いです.
 VFA-192が旭日旗を一部に使ったパッチを用いていますし,もういないけどVFA-151が武士のカブトをかぶったドクロを部隊パッチに使ってます.「大和魂」なんて書いてある.

 理由は単純で,かっこいいからです.
 考案者は別として,本人は漢字の意味もよくわからないらしい.
 かっこよさげなモチーフを集めて紋章を作っているだけです.

886名前:名無し三等兵投稿日:2005/12/12(月)14:58:30ID:3vQIcWDd

 昔,朝日新聞の文化欄で,ニューヨークで
「二角形」
という文字が入ったTシャツを着てる奴を見かけて,
「君,クールだね」
と声をかけたという話を読んだな.
 ま,日本人も意味も分からず英語のプリントが入っている服きてるし,同じだな.

 【質問】
 航空母艦を保有していない海兵隊が,あえて艦上機であるF/A-18を保有しているのは何故でしょうか?
 ただ航空戦力を保有するだけなら,F-35Bやハリアーなどの垂直離着陸機で事が足りると思いますし,もっと強力な陸上機でも良いと思います.

 【回答】
 自国の領土や基地があるところから遠く離れた場所に上陸作戦をしかけるのに,陸上機ではどうしようもないわな.
 で,上陸作戦を行う時は海軍と共同作戦が行われるのだから当然,海軍の空母も参加する.
 ならば艦上機がベスト.

 とはいえ海軍からは,「便乗者」である海兵航空隊は「邪魔者」扱いされる事が多く,いろんな軋轢があった.
 海兵隊が,揚陸艦に載せて運用できる垂直離着陸戦闘攻撃機を導入したのは,そういった事情もある.

 しかし垂直離着陸機は,性能ではどうしても普通の航空機に性能面で劣るため,普通の艦上戦闘も装備せざるを得ない.
 もし通常の航空機と全く遜色ない垂直離着陸機があるのならば,それだけを装備したい,というのが本音だろう.

軍事板,2005/11/07(月)
青文字:加筆改修部分

▼ 江畑氏の表現を借りれば,違う部隊だと「空気が違う」から支援がやりにくいのだという.
 陸軍と空軍の連携時にも,こいつがトラブルの原因になるとか.
 地上の兵士は,適切な場所に爆撃が来ないので腹を立てる.
 一方,空のパイロットは,いつ対空火器に狙われるか気が気でない・・・・・
 互いのことを頭では理解していても,体験的には理解できない.

 海兵隊は基本的に軽歩兵で,上陸時には航空機による火力支援が必須.
 そのときに最大限の連携をとるためには,できるだけ「空気が合う」自前の飛行隊のほうが都合がいい.

軍事板


 【質問】
 TAIとは?

 【回答】
 Tac Air Integrationの略.
 米海軍と海兵隊が戦闘攻撃飛行隊を削減し,戦術航空任務を統合運用する計画のこと.

 海兵隊はこれまで太平洋/大西洋艦隊の各2個CVWにVMFA(海兵隊戦闘攻撃飛行隊)を交代で派遣してきたが,将来的には全CVWへ10個のVMFAを派遣.
 一方,海軍は3個VFA(戦闘攻撃飛行隊)をUDP(Unit Deployment Program)飛行隊に指定する.

 ソースは「航空ファン」 2006年4月号,p.18


 【質問】
 アメリカ陸軍は空軍との協定で攻撃機や輸送機を持てないらしいですが, なんでそんな協定を組んだのですか?
 地上軍が近接航空支援を要請した場合,同じ陸軍所属ならすぐに攻撃機を飛ばせるでしょうが,空軍所属なら,書類上の手続きとかで間にあわないのでは?

 【回答】
 1962年に米陸軍と空軍の間でグラマンOV-1よりも大型の機は空軍所属とする,という中身の協定が結ばれたから,協定ではサイズは重量で規定されていると思うが,具体的な数値は忘れた.
 これにより,当時米陸軍が保持していたカリブー(U-7だったかな? 調べるのめんどい)などが空軍に移管されている.
 したがって,この協定が改訂されないかぎり,米陸軍はA-10もAC-130も保有できないし,空軍は既得権を手放すはずがない.
 なんでアホな協定ができたのかって?
 この手の愚策は全てマクナマラとその一党のゴリ押しだ.

「全軍の航空需要を基本的にカバーする責任は誰が持つのか」
という点を明確にするため,空軍が担当します.
 固有の需要については,海軍やら海兵隊やら陸軍のヘリやらもありますが.航空会社としては空軍担当が明確になっています.

 また,陸軍と空軍の縄張り争いの結果でもある.
「航空機に分類されるものは全部自分のモンだ!」
と言う空軍と,
「自分が戦うのに関わるものは全部自分で持ちたい」
と言う陸軍,
 両者の溝は埋まらない.

 そこで1962年に,米陸軍と空軍の間でグラマンOV-1よりも大型の機は空軍所属とする,という中身の協定が結ばれた.
 協定ではサイズは重量で規定されていると思うが,具体的な数値は忘れた.
 これにより,当時米陸軍が保持していたカリブー(U-7だったかな? 調べるのめんどい)などが空軍に移管されている.
 したがって,この協定が改訂されないかぎり,米陸軍はA-10もAC-130も保有できないし,空軍は既得権を手放すはずがない.
 なんでアホな協定ができたのかって?
 この手の愚策は全てマクナマラとその一党のゴリ押しだ.

 また,当然ながら軍隊には「予算」というものの制約があるので,自分の規模が 大きければ大きいほど多額の予算が貰えて,軍部内での発言権も増す.
 それもあって,軍隊は放って置くと何でもかんでも自前で持ちたがる.
 これは,軍隊もまた官僚組織である以上,当然.

 ついでに言うとアメリカ陸軍は自前で揚陸艦を多数保有している.
 理由は
「海軍は頼まないと来てくれないし,こっちが運んで欲しい時にすぐ来てくれないから」.
 少し前までの海上自衛隊の揚陸艦保有トン数よりも多い数の揚陸艦を保有していたりした.

 特に,アメリカ空軍は元々陸軍航空隊から独立した組織なので陸軍との仲はとても悪い.
 特に冷戦時代は,空軍が飛び抜けて多額の予算を割り振られていたのと,地上発射型の核ミサイルをどちらが管轄するかで揉めたので,いっそう関係が険悪化した.

 もっとも,どこの国でも陸海空軍間の仲はとても悪いのが普通.
 限られた予算を奪い合う仲だから当然だわな.


 【質問】
 アメリカで最強攻撃機「ウイリアムテル」コンクールが再開された,というのは本当か?

 【回答】
 本当.
 ただし,特殊な機体(ベストのパーツをかき集める)に仕上げたり,コンクール専用にパイロットを訓練したりするのはダメ,というきつい縛り付きでの復活のようです.
 それまでは,半年も前から上手な連中を専属にしてしまい,整備チームも専属,最大限の権限でパーツを奪ってくるという状態で,実戦に支障すら出る状態だったために中止になったそうな.
 まあ,そんなわけで実戦には意味ないカスタム最強機はやめて,ぶっつけ本番で勝てる部隊が偉い,という方式で再開ということのようです.

 ただし,どこまで各部隊がそれを守るかは不明.


 【質問】
 F-117が退役し,A-12も計画中止になりましたが,何故,米空軍や米海軍は専用のステルス攻撃機を保有しないのでしょうか?
 他の機種でステルス攻撃機が代替できるとも思えませんし.

 【回答】
 米空軍はともかく,米海軍(空母機動部隊)は費用対効果がクソすぎるから.
 紛争現場に急行できるよ!というメリットも,世界各地に前方展開できる飛行場(同盟国)を持つことが出来るようになったので,空軍とそれほど大きな差がなくなった.

 それに展開したところで,その攻撃力は空軍のとは比べ物にならないくらいに貧弱.
 そんなのにわざわざ金をかける必要はない,ってことでリストラが進みまくって,今では空母艦上には殆どホーネットしか居ません,という切ない状況になった,

 また,戦術攻撃機は有人機から無人機に需要が移りつつある.
 有人ステルス攻撃機は戦術的・戦略的価値が薄いと判断されたため.
 ただでさえ,ステルス機は非ステルス機に比べてイニシャルコスト,ランニングコストが多めに掛かるし,機体重量,飛行性能,兵器やその他装備の搭載量,兵器やその他装備の運用効率に制約が掛かる.
 それらのデメリットを上回るメリットが無ければ,わざわざ調達する必要もない.

 今はプレデターのような無人攻撃機がステルス化しつつあり.敵地に侵入することさえなく一方的に攻撃する方向に進化してきている.
 現に,無人攻撃機であるX-45とX-47を目下開発中.
 なので,有人攻撃機はもう必要なくなった.

 これらの無人攻撃機が就役するまでの繋ぎは,F-22やF-35などの有人戦闘機,モスボール中のF-117で十分と判断されたので,それらがステルス攻撃機の任務を代用している.

 そのため,米海軍は1990年代から一貫してステルス攻撃機を要求し続けてきたが,予算上の都合等から蹴られ(開発中止)続けて,仕方なく現在は非ステルスのF/A-18で我慢してる.

 空軍は強い戦闘機が居るから,攻撃機のステルス性能はそれほど優先順位高くないんだけど
(制空権握れるから対空ミサイルくらいしか脅威がない),
海軍は戦闘機がしょぼいから,どうしても侵攻能力の高いステルスがほしかったのに,残念.

 現時点では一応,F-35CやX-47Bベースの無人攻撃機等が導入予定になってる.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 米軍では,イラクなどで作戦中の兵隊さんに家族からのクリスマス・プレゼントを届けるために,輸送機が足りなくなり,担当者は気が狂いそうになるというのは本当ですか??

 【回答】
 パウエル元国務長官の自伝に,そんな記述があったような気はしたが・・・
 湾岸戦争の時の話で.
 家族からのクリスマス・プレゼントが膨大な量――戦地で頑張っている夫や子供の為に焼いたクリスマス・ケーキなんかも,大変な量になるそうで――で,しかし士気を維持するため,必ずクリスマスまでに届けなくてはならず,担当者は非常な苦労を強いられるとか.

 また,人気取りの為に前線の兵士にプレゼントをする有名人もわらわらいるそうで.
 カリフォルニア知事になったシュワちゃんも,
「イラクで頑張っている兵士達の健康維持の為にクリスマス・プレゼント」
というわけで,ダンベルセットなどの健康器具を何百セットと寄付したそうで.
 これはさすがに担当者が
「クリスマスには輸送が大変だから,もう少し後にしてくれ」
と頼んだとか.

青文字:加筆改修部分


 【質問】
 米空軍のエアロバティックチーム,サンダーバーズのF-16は,72時間以内にエアロバティック用の仕様から,作戦参加出来る状態に機体を戻せるそうですが,72時間の間にどういった事が行われるんでしょうか?

 【回答】
 積極的に機体を戻そうとしていたのは最新鋭と呼ばれたころ.
 今なら余剰の機体があるから無理して戻す必要がない.

 簡単に説明すると,戻すときはアクロ用のウェイトや機材を降ろして,空いている場所に精密機器をどんどん積み込む作業になります.
 コクピットも同様にパネルを戻します.
 パイロンも現用火器に対応したものに交換し,機体+武装の全体バランスを統制した後,火器管制を含めたソースを起動してノーマル状態の出来上がり.
 それからさらに現用機との作戦ができるレベルまで,さらにソースを入れこんで行きます.
(本当は細かな面倒臭い作業が色々あるのですが,専門的で思い出すのも面倒)
 飛行,射爆撃などの基本的なルーチンを確認した後,問題なければ即時作戦豆乳〜

 でもやる必要が無い.
 あわてていじった機体より,常時ベストな作戦機の方が安心だから.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 米軍のパイロットやエビエーターがNASAに転属になった場合,軍籍は残りますか?
 また,NASAに転属になった後,軍に戻って来る事は可能ですか?

 【回答】
 通常軍人が宇宙飛行士になった場合,軍籍はそのままで,NASAに出向という形になるので,軍には戻れる.

 いったん軍を除籍になったら,普通は戻れないはず.
 昔の例で,宇宙飛行士のスレイトンが軍をやめ,NASAに籍を移したという例がある.
 この場合,軍の恩給がもらえなくなったそうだ.

 米軍の場合,予備役があるので,そこから現役に編入という事もあるみたいだが,よく知らん.
(ベトナムのエースで,予備役から現役になった例がある.)

軍事板,2001/03/19(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 アメリカに南部空軍と言う国防総省の指揮下にない空軍があり,そこは自衛隊も保有していない戦略爆撃機を,世界の空軍でも10本の指に入るくらいの数を保有してると聞いたのですが,本当でしょうか?

 【回答】
 本当だよ.だってB-17やB-29なんて自衛隊では保有できないもの.
 つまり,南部連邦空軍は旧式軍用機を飛ばして喜んでるマニアの集団なんだ.
http://www.commemorativeairforce.org/
 これほど多種多様の戦闘機を保有した「空軍」は,世界にも無いと思われ.

 でも,現代の戦争では役に立たないだろうね.


 【質問】
 アメリカの大統領専用機は「エアフォース・ワン」と呼ばれていますが,「アーミー・ワン」とか「ネイビー・ワン」とか「海兵隊ワン」とか「沿岸警備隊ワン」とかのコールサインがある機も存在したのでしょうか?

 【回答】
 まあ,大体は当たってる.

 大統領が海軍機,陸軍機,海兵隊機,沿岸警備隊機などの航空機に搭乗した場合,そのコールサインは以下のようになる.

 海兵隊機に搭乗した場合は「マリーンワン」
 通常はヘリコプターのことのみ.

 陸軍機の場合は「アーミーワン」
 1957年から1976年まで,海兵隊と共にヘリコプター輸送を担当 .

 海軍機の場合は「ネイビーワン」
 今のところは,2003年に対潜哨戒機のS-3ヴァイキングがブッシュ大統領を乗せたというだけ .

 沿岸警備隊機の場合は「コーストガードワン」
 今まで,該当機は無し,形だけ.

 民間機の場合は「エグゼクティブワン」と呼ばれている.
 本来,アメリカ大統領は,公私ともども民間機に乗ることはないということだが,リチャード・ニクソンはしばしば民間機を使用していたということでも有名.

名無し上級大将 ◆80fYLf0UTM in 軍事板

 更に詳しくは,ここの解説が参考になります.
http://tbirds.hp.infoseek.co.jp/afone_j.html#1

 以下は全くの余談ですが,この春に日本でも上映されたTHE SENTINEL(邦題は「ザ・センチネル/陰謀の星条旗 」)という映画には,Marine Oneが地対空ミサイルで撃墜されるシーンがあります.
 このシーン,私がUnited航空の機内で見た時は削られてたんですよ.
 だから日本で上映する時の宣伝トレーラーを見た時に,そのシーンは見覚え無かったので変だなと思ってたんですが,そう言えば
「International版では不適切なシーンはカットされます」
とかなんとか書いてあった事を思い出しました.
 フィクションと言えど,大統領機が落とされるのは「子供に見せられない!」「不適切!」という事でしょうか.

 なお,映画自体はIN THE LINE OF FIRE(邦題は「ザ・シークレット・サービス」)2のような映画でした.

 大統領の行くところはどこでも飛行禁止空域になります.そこにうっかり侵入するとこうなります.
http://flash.aopa.org/asf/know_before/high/high.html
 IDなどを入力する項目がありますが,何も入れる必要ありません.
 「Proceed]ボタンを押せば映像画面に行き,再生ボタンを押すと始まります.
 これは飛行禁止空域を説明する,クイズつきのflashです.

Fabius (KT) in mixi支隊


 【質問】
 先程,米から沖縄に向けて米大統領専用機が旅立った様ですが,国外に出る時,大統領専用機には空軍の護衛機とか付くものなのでしょうか?
 また,専用機には攻撃するような物は付いているのでしょうか?
 前に題名忘れました(米大統領役がハリソン・フォード)が,映画の中で,大統領専用機を追う敵国機に後ろに向けて煙幕ミサイルの様な物を発射した記憶があるのですが,実際の所どうなんでしょう?

ケロック in 軍事板,2000/07/21(金)
青文字:加筆改修部分

 【回答】
 たしかE-4Bって言う飛行機が同伴する.
 E-4Bは空中指揮機で乗員は94名.
 機内に会議室,ブリーフィングルーム,作戦コンソールなどがあり,全世界の米軍司令部,部隊と通信を維持 するため,さまざまな通信機器を搭載しており,また,核戦争を想定し電磁波の対策も施してある.
 米大統領がエアフォース・ワンで東京に来る場合,一機が横田で待機している.

 エア・フォースワン自体には,危険な地域の上空を飛行する場合があるため,赤外線ジャマーを装備しているそうだ.

 ちなみに,ハリソン・フォードが出ていた映画は,飛行機の名前のままの「エアフォース・ワン」

軍事板,2000/07/21(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版によれば,
ノースロップが次期空中給油機の入札見送り,ボーイングが単独入札へ
〔有料〕http://bit.ly/ckxIJz
だそうで.とうとう泥仕合にも決着の日が?

へぼ担当,2010年03月09日 19:44

 【回答】
 当事者 2 社が「応札しない,降りる」とプレスリリースを出してますから,確定です.

井上@Kojii.net,2010年03月09日 19:52

 KC-45は夢に終わりましたか・・・.

バルセロニスタの一人,2010年03月09日 20:06

 共和党政権時代にエアバス=ノースロップグラマンに決めた.
 民主党政権になったので,ボーイング工場が地元にある議員が引っ繰り返しました.

 要は議員の利権ですね・・・

JSF,2010年03月09日 20:36

 でも実際,KC-45とKC-787(KC-767?)と,どっちが性能がいいのですかね?

バルセロニスタの一人,2010年03月09日 20:46

 そもそもKC-45とKC-767では大きさが違います.

 空軍は当初,大きな給油機を欲しがりました.
 だからKC-45の方が有利でした.

 ところが今回の選定で不可解な事が起き,小型の機体が要求されるように180度方針が変わりました.
 それを聞いてエアバス・グラマン組は「やってられるか!」と辞退したのです.

JSF,2010年03月09日 20:48

 個人的には提案がKC-787になるのか,KC-767になるのか注目しています.
 いずれもベストセラー(もしくはベストセラー確実)の機体ですが,多少デリバリーが遅れても最新型を提案するのか,枯れまくりに枯れまくった機体での初期トラブル根絶を目指すのか興味深いところ.
 もっとも今から787を注文しても,民間型の購入待ちの列の前に待ちきれないというのが米空軍の本音では?と言うところですが.

 個人的には米空軍が,以前にあまりにも大きな機体にこだわったことに違和感を感じていたところでした.
 まあ,KC-10の実績を考えれば分からなくもないのですが,それ以上にKC-45は大型の機体だったため,ぶっちゃけ米国内の運用でもどうよ?と言うところだったのが個人的な感想ですね.

へぼ担当,2010年03月09日 21:20

 すでに Boeing は B.767 ベースで行くって発表済みですよー.
 ただし,フライトデッキは B.787 のものを移植してくるそうですけれど.

 せめて 2 機種同時調達になれば良かったんでしょうけれど,それを押していた John Murtha 下院議員が 2 月に亡くなったのは,Northrop Grumman の応援団にとっては痛かったかも.

井上@Kojii.net,2010年03月09日 21:23

> B.767 ベース
 やはり鉄板コースと言うことですか.
 フライトデッキの移植はB.767-400の段階でB.777クラスの物を実現していますので,B.787 のものを移植しても生産性が上がるメリットと両立できるのでしょうね.

 ただ,今度はエンジンがどうなるのやら.
 ガチな鉄板はCF6ですが,ここでRRのtrentだったら笑うところですね.
 情報がありましたら,後ほどkojii.net本館の方でよろしくお願いします.

へぼ担当,2010年03月09日 21:53

 エンジンは P&W の PW4062 に決定済みであります.

井上@Kojii.net,2010年03月09日 22:05

 KC-767ATとして提案されていたプランでは,PW4000だったモサリ.
 そもそもModel767のRollsRoyce社製エンジンは,RB211しか試験してないと思うモサリよ.
 C-5Mとの共通性をGEが売り込んでくれれば,この先愉快なことになるモサリが.

 ちなみにKC-10代替も狙ったKC-777なるプランがあるモサリが,こちらとの共通性を考えるなら,KC-767もPW4000になるモサリね.

※ PW4000と言ってもそれぞれ94in型と112in型で,低圧軸系は別物モサリ.
 KC-45の原型A330も,PW4000の100in型が搭載可能モサリが,提案はCF6-80E1だったモサリ.

モッサー=ハルゼー,2010年03月09日 22:12〜22:20

 ついでに P&W のサイトでいろいろ資料を拾ってきたけれど,どうしてこんなにジェットエンジンの断面図って美しいんだろう…

井上@Kojii.net,2010年03月09日 22:45

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分

 結局ボーイングの勝利に終わりそうです.
 それも疑惑の勝利として.
ウォールストリート・ジャーナル紙ヘッドライン(9日付)

 米空軍次期空中給油機計画(KC-X)は,ノースロップグラマン・EADS連合が提示したエアバスA330MRTT(KC-45)と,ボーイングが提示したKC-767とで選定作業が行われ,一回はKC-767に決定しようとしたところ, ボーイング社と国防総省との間の収賄事件により,選定は降り出しへ.
 2008年にはノースロップグラマン・EADS連合のKC-45に選定されたものの,ボーイング社やボーイング社の工場を基盤とする米連邦議員が,会計検査院(GAO)に異議を申し立て,会計検査院は空軍の選定方法に誤りがあったとして,選定やり直しを指示しました.
 選定は空軍から,国防総省の調達担当部門が担当する事になりました.

 そしてノースロップグラマン・EADS連合は,入札から離脱を決定しました.
 その裏事情をJSF氏が教えてくれました.
 その話は驚くべきもので,機体はKC-45の方がKC-767よりも大きく,空軍は大きい空中給油機を導入したがっていたので,KC-45が有利だったのに再選定では何故か小型の機体が要求されました.
 そしてそれにブチ切れたノースロップグラマン・EADS連合は「やっとれん!」と離脱したのです.
 そしてこれは議員の利権であると評しています.

 しかしアメリカ連邦議員も日本の一時期前の土建政治屋とあまり変わらないな,としか思えません.
 ジャーナリストの落合信彦さんや経営コンサルタントの大前研一さんは,アメリカには利権議員はいないと言っていましたが,これは覆されました.
 まあ,わかってはいた事ですがね・・・.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年03月10日06:32

▼ 【追記】
http://www.defensenews.com/mobile/index.php?
storyUrl=http%3A%2F%2Fwww.defensenews.com%2Fstory.php%3Fi%3D4571037%26c%3DAIR%26s%3DTOP
〔リンク切れ〕

 まだKC-45を諦めていなかったのか・・・
 しかも破格の値段で売り込みを計っている模様です.
 どこのヤ〇ダ電機ですか,こりゃ?

 ただKC-45がKC-767と違って機体も大きく,給油燃料や輸送物資積載量が多いのも確か.
 となれば,まだKC-45の大逆転も有り得ます.
 そうなれば,日本のF-Xにも影響を与えるでしょう.
 ボーイングとしては,元を取るためにF-15SEにF-Xをプッシュする可能性はありますし,EADSはアメリカに続けとばかりにタイフーンを押してくるでしょう.
 サウジのF-15SE購入問題と並んで注目されます.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年04月09日05:37


 【質問】
 「エアフォース・ツー」は副大統領機,「エアフォース・スリー」は両院議長機,フォーは国務長官機,ファイヴは国防長官機・・・というように,アメリカ政府首脳陣の序列に応じて**・@@と延々とコールサインが決めてある,というのは本当ですか?

 【回答】
 副大統領が搭乗した場合は「エアフォースワン」ではなく「エアフォースツー」になるというのは本当.
 副大統領が単独で移動する場合は,最近はボーイング757を改造したC-32が多い.

 だが
>「エアフォース・スリー」
>は両院議長機,フォーは国務長官機,ファイヴは国防長官機・・・

は間違いなので注意.

名無し上級大将 ◆80fYLf0UTM


 【質問】
 米空軍の,グアムへの無人偵察機配備について教えてください.

 【回答】
 米空軍が,2010/09/01からグアムのアンダーセン空軍基地に無人偵察機「グローバル・ホーク」1機を初配備したことが2010/09/08に判明しました.
 米太平洋空軍によると,同基地内にはすでに地上施設を整備しており,来年の早いうちに3機での運用体制を整えるということです.
 担当者は
「太平洋地域は米にとって死活的に重要だ.
 同盟国とともに災害救援を含む,あらゆる緊急事態に効果的に対応できるよう,最新鋭装備を導入するものである」
と述べています.

⇒ グアムはハワイと並ぶ米軍拠点としての整備が進められており,潜水艦,F-22,C-17の配備等が行われています.

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)9月13日(月)


 【質問】
 デビスモンサン空軍基地に保管されている機体が,再運用された実例を教えてください.
(部品取りは除きます)

 【回答】
 台湾のS2F-1,中南米のP2V,最近ではP-3もその辺の保管されているものの再就役ですし,A-4なんかでも再就役しているものがあります.
 後,民間機でも,チャーター便航空会社なんかは此処に保管されているものを再運用しているケースも多かったりします.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板
青文字:加筆改修部分

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 以下の記事のような米空軍解体論ってどうよ?

米国で「空軍解体論」が浮上
朝鮮日報,2007/11/20

 米国でリベラル色が強いとされる月刊誌『アメリカン・プロスペクト』11月号で,安全保障問題に詳しいケンタッキー大学のロバート・ファーリー教授が,空軍を陸軍から独立させた1947年の議会決定を見直すべきだと主張し,論議を呼んでいる.
「米空軍は解体されるべきで,陸海軍によって空軍力を運用すべきだ」
というのが,同教授の意見だ.
 ファーリー教授はその理由として,米空軍の任務失敗例が恥ずべきほど多い点を挙げた.
 今年8月にはアフガニスタンに駐留する英軍が,米空軍の爆撃により罪のない多くの民間人が殺傷されているとして,爆撃中止を求めた.
-----

 【回答】
 陸軍航空隊に戻した所で誤爆は減らないよ.なんだかなぁ.

JSF in mixi,2007年11月22日23:57

 個別の誤爆の事例について状況や原因をしっかり分析しないで,単に組織論に押しつけるなんて,素晴らしく次元が低い主張ですね.
 この教授,空軍の JTAC が陸軍部隊に配属されて前線に出ているなんて,知らないのかなあ.

井上@Kojii.net in mixi,2007年11月23日 00:53

 誤爆やオーバーキルという戦術的問題と三軍編制の見直しという国家戦略を混同して語られても,どう反応していいやら.
 このトンデモ教授に学位やったのは,どこのどいつだ(笑)

kz in mixi,2007年11月23日 18:13

 原文はこれ.

Abolish the Air Force
http://www.prospect.org/cs/articles?article=abolish_the_air_force

JSF in mixi,2007年11月23日 20:26

 誤爆やオーバーキルがどうとかいうよりも,

・空軍独立は,戦略爆撃の思想によるものである
・しかし,独立後の空軍は戦略目的の達成に役立っていない
・しかも,(冷戦崩壊と対テロ戦争という流れは) 戦略爆撃とは別物の任務様態である
・よって,昔のように陸軍の一部にする方が合理的である

という趣旨だと読めました.

 しかしねえ…….
 官僚機構がどうとかいうなら,空軍を一本化した馬鹿でかい陸軍を作ることの方が,よほど手に負えない stobepipe を作る結果になるんじゃないですかねえ.

 要は,情報の把握・伝達や指揮系統をどうするかという問題と,正しい目標を正しい兵器と正しいやり方で叩けるようにするという問題なのであって,陸軍と空軍をひとまとめにすれば解決する,って問題じゃないでしょう.

井上@Kojii.net in mixi,2007年11月23日 20:43


 【質問】
 米空軍は,F-15C/Dの後継機にF-22Aを開発したと聞きましたが,どう見てもF-15C/Dを全て代替するにはF-22Aの機数が足りません.
 米空軍は,代替し切れない分のF-15C/Dはどうするつもりなのでしょうか?

 【回答】
 F-35Aで一部を穴埋め予定ですが,米空軍としてはF-35Aではなく,F-22Aで埋めたいというのが本音で,あの手この手で導入数を増やそうとしてます.

 ただ,頼みのF-35Aもぁゃιぃ雰囲気なので,F-15Eベースでさらに改良を施した物が,ボーイングから提案されていたり,砂漠で眠っている,寿命のまだかなり残っているF-15A//Bの再生を研究してみたりと,いろいろ試みられてます.
 現在の米空軍のF-15C/Dは,日本のF-4EJ改なみに寿命がピンチなので,けっこう差し迫った問題でもあります.

 F-16が一応E/Fという段階まで進化してますが,残念ながら今の時点では,米空軍に採用の予定がありません.

 それでも,最大の敵もいなくなったし,当面ライバルっぽい国にも,F-22Aの派遣である程度対応できるので,今の数でもなんとかなりそうな雰囲気も・・・ 
 現状ではF-22相手にF-15を10機以上も当てないと勝てないので,純減でも戦力減にはならない.
 お金かかるしね.

青文字:加筆改修部分
軍事板


 【質問】
 グローバルホークのグアム配備について教えてください.

 【回答】
 アメリカ空軍の無人偵察機・RQ-4グローバルホークが,グアムに配備される事になりました.
 偵察目標は中国と北朝鮮である事は自明です.

最新鋭偵察機,夏にもグアム常駐へ=米太平洋軍,4機配備−北・中国監視を強化
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1149470&media_id=4

 ブッシュ政権の頃は,下手に中国や北朝鮮を刺激しないために,グアムへの無人偵察機の配備はして来なかったのですが,オバマ政権の外交姿勢の変化により,中国の軍拡や北朝鮮の核開発への対抗策を練る必要が出てきました.
 先ずは台湾への武器輸出,次はグローバルホークのグアム配備です.
 特に米国防総省の制服組の間では,中国の軍拡を深刻な問題とに受け止めています.
 実際,米太平洋軍司令官が中国を訪問した時に,中国軍当局者から,西太平洋を中国の勢力圏に入れるよう要請がありました.
http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=lancer1&articleId=10044052102

 太平洋軍司令官は冗談だと思いつつ,断りながらも中国軍の戦略を垣間見たと,米議会に証言しています.

 グローバルホークは高高度を飛行が可能ですから,北朝鮮の港や海南島の中国の海軍基地などを偵察の際,S300クラス以外の地対空ミサイルの迎撃を受けても届きませんし,
 無人機なので,機密保持のために自爆して機体を破壊する事も可能です.

 しかし米中関係はさらに悪化する可能性はありますし,北朝鮮は六カ国協議を拒否する可能性もあります.
 米中,米朝関係は今後も目が離せません.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年03月23日17:53


 【質問】
 「シーマスター」って何?

 【回答】
 P6M SeaMasterは,1950年代初頭,大型の核爆弾を輸送できる核兵器運搬手段が不足していたアメリカ海軍が計画した,ジェット・エンジン搭載の核攻撃用大型飛行艇.
 マーチン社によって1952年から開発が始められ,1955年に試作1号機が完成,1959年から量産が開始された.
 しかし,予測される運用困難さ,大型艦上攻撃機の実用化,潜水艦発射弾道ミサイルが実用化の見通しが立ったことにより,1959年8月に計画は中止され,量産型3機は廃棄された.

 【参考ページ】
http://www.shipboard.info/blog/archives/2005/07/post_167.html
http://flyingboat519.blog96.fc2.com/blog-entry-10.html
http://privatepyle.naturum.ne.jp/c20110308.html
http://www.hobbyshop-sunny.co.jp/www/scale/view.php?id=20356


(画像掲示板より引用)

【ぐんじさんぎょう】,2011/10/04 20:50
を加筆改修

 地面効果翼機,じゃなくてジェット飛行艇なのね.
 なかなかナイスガイですね.

大橋 博倖 in mixi,2011年09月30日 22:18

 サンダーバード何号?

赤の9番 in mixi,2011年09月30日 22:27

 Ωの腕時計かと思った(笑)

コタロ in mixi,2011年09月30日 22:57

 わしも,オメガの腕時計が真っ先に頭に浮かんだ(笑)

ソフトヒッター99 in mixi,2011年10月01日 01:02


◆◆◆パイロット関連


 【質問】
 アメリカ軍は,パイロット一人回収するために,なぜ多大な損失を出してまで救助作戦を行うんですか?
 明らかに救出に向かう特殊部隊とヘリコプターの方が高価だと思うんですが.

 【回答】
 実はパイロットの方が高価.
 パイロット1人育成するのには膨大な費用と,お金では買えない『膨大な時間』を必要とする.
 そのパイロットの『経験』を失うことも大変大きい損失となる.
 ついでというとナンだが,アメリカの場合「人権」というものが大きいので,パイロットを見捨てることは国家の威信を損なうことになる.

 さらに,士気と言ってしまえば抽象的で説得力がないが,まさにそれを得るための行動でもある.
 射撃訓練の標的を丸型から人型に変更することで,戦場における兵士の発砲・命中率を向上させたという有名なエピソードと同様,戦場心理の研究から生まれた,あくまで実利的な工夫の一つ.
 主従関係や祖国愛では兵士の戦意を維持できない近代的軍隊においては,「戦友の信頼は裏切れない」という心理が,最も重要な動機付けとされている.
 成功率の低い救出作戦を組織として実施することは,組織(=戦友の共同体)への帰属意識を高めることができる.

  海兵は死ぬ
  死ぬために我々は存在する
  だが海兵隊は永遠である
  つまり―――貴様らも永遠である!

てな洗脳演説で帰属意識を醸成するのと同じベクトルの組織行動.

負傷したパイロット


 【質問】
 Dr. Steve Schallhornとは?

 【回答】
 退役大尉.
 TOPGUN→Lasik執刀医へと華麗なる転進,もとい転身を遂げた人物.
 が米海軍内に視力矯正プログラムを立ち上げたおかげで,それまではパイロットの資格がなかった軍人達も,飛行機を飛ばせるようになったそうです.


バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
青文字:加筆改修部分


◆◆◆ヘリコプター


 【質問】
 なんでアメリカ軍の軍用ヘリには,インディアンの部族名がつけられてるんですか?
 アパッチとかカイオワとか…

 【回答】
 ヘリコプターは「騎兵」部隊に装備させる計画があった(実際された)ので,騎兵繋がり.

http://www.chinook-helicopter.com/origins/origins.html
要約すると,陸軍の航空機にインディアン(北米先住民)の部族,族長,言語名をつけることは1969年4月4日付けのArmy Regulation (AR) 70-28によって定められたとある.
 「昔から陸軍ではインディアンの名前はよく使われていた」とあるので,その慣例を規則に取り入れたということのようだ.
 名前の選定に当たってはその歴史,音の響き,航空機の用途などが考慮されるとのこと.

 近年はネイティヴ・アメリカンの人たちによって
「自分たちの偉大な部族名を,軍の兵器につけないで欲しい」
という運動も起きている.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 米陸軍では輸送ヘリの護衛に攻撃ヘリを使うことがあったようですが,観測ヘリは使われなかったんでしょうか?
 観測ヘリでもある程度の武装は搭載できるので十分かと思うのですが.

 【回答】
 米陸軍内でも十分だと考えた人がいた.
 で,実行した.
 どうなったか?
 それは映画「ブラックホークダウン」を見るべし.

 根本的にまず「観測ヘリ」は”観測・偵察”が仕事なわけで,それを「輸送ヘリの護衛」に使ったら,観測偵察任務に使うヘリがいなくなる.
「じゃあ観測ヘリの機数を増やせば」
と言ったら,
「本格的に攻撃ヘリとして使うには能力が不充分だが,観測ヘリとして使うには既に観測ヘリがあるからいらない」
という,中途半端な存在が増えることになる.

「それじゃあ攻撃ヘリとしても観測ヘリとしても十分な性能を持った万能ヘリを作れば・・・」
と言ったら,
「確かにどちらの任務にも使えるが,攻撃ヘリとして使うには観測ヘリとしての機能が邪魔(観測機材の分兵装を積みたい).観測ヘリとしては無意味に重武装」
という”機用貧乏”なものが出来あがる.

 別に軍事に限らないが,”どちらの任務もこなせる多芸な存在”というものは結局,「帯に短し,たすきに長し」か,「日本刀で魚をさばく」ことになりやすい.

 多少,数とお金がかかってもそれぞれ任務に合わせた単機能のものを充分な数揃えたほうがベスト.

 朝日ソノラマ文庫の,確か「地獄のヘリ作戦」(H. L. ミルズJr.&R.A.アンダーソン著,1995.5)だったと思うが,武装偵察ヘリ(OH-6)の作戦実態を描いた傑作があるから探して読みなさい.
 そういう妄想はふっ飛ぶから.
 ただ,肝心の著者は,君が思いついたダークサイドに迷い込んでしまい,RAH-66計画を推進したわけなんだけどね.


 【質問】
 米陸軍は,攻撃ヘリより攻撃機を持ったほうがよくないですか?

 【回答】
 米陸軍が攻撃ヘリを使うのは,64年だったか66年だったかの空軍との協定で,攻撃用固定翼の所属は空軍のみとすることになった,
 この協定のおかげで,フィアットG91の米でのライセンス生産計画や,「攻撃型」F-4ファントム構想が潰れてしまった.

軍事板


 【質問】
 米沿岸警備隊でHH-60,HH-65,HH-68以前に運用されていたヘリは何がありますか?

 【回答】
 Sikorsky VS-316(S-48・陸軍名称R-4)を陸軍から移管を受けた海軍から1943年11月に受領してHNS-1としたのが最初です.
 次いで,1947年からSikorsky S-51(陸軍名称R-5F)を9機引き渡されて,HO3S-1Gとして使用しました.
 更に,Piasecki HJP/HUP-1(PV-14)が1947〜48年に引き渡され,救難任務に就いています.
 1950年からは,Sikorsky HO4S-2Gを採用しようとしましたが,HO4S-3G(H-19)の方が性能が良く,30機が引き渡されています.
 また,小型救難用には,Sikorsky S-52の軍用型HO5S-1Gを8機採用しています.
 そのHO4Sや雑多な機種の後継機としては,タービンヘリコプタを採用することとなり,S-55の部品を多用したSikorsky HU2S-1G (後のHH-52,S-62)を採用しました.

 長らく,HH-52を用いていましたが,1979年にAerospatiale HH-65を採用,その後,HH-68へと進んでいます.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 投稿日:2006/06/21(水)

▼ 1962年2月,沿岸警備隊に初めて水陸両用Helicopterが配備されました.
 それまでは,カッターが辿り着けない場合は飛行艇を使って救難活動をしていましたが,飛行艇は時化の時には余り役に立ちません.
 その着水は風に向い,着水スピードを出来るだけ落とし,押し寄せる波濤という水の丘を乗り越えながら,2度,3度とジャンプして何とか着水を遣り遂げました.
 しかし,寄せ波と言うのは,遠くの嵐が起こしたうねりであり,50〜80kts/hの高速で進んでいます.
 それに向かって着水するというのは,陸上の小山に激突する様なもの.

 初期の水上機は未だ速度が低かった為,波の頂の直ぐ裏側に着水し,次の山が来るまでに速度を落とすか停止する事が出来ました.
 3分の2は運で,3分の1が腕で….

 事故が多くなると,外洋着水は緊急着水しか認められなくなりました.
 第二次大戦でも,飛行艇の外洋着水は依然,緊急時の操縦法とされていました.

 これに風穴を開けたのがやっと1944年の事.
 ある名物中佐が,San Diegoに赴任した時,うねりと並行に着水すれば良いのではないか,と言う逆転の発想を,PBMで証明して見せたからです.

 戦後,荒海への着水はやや安全になりましたが,この方法とて,うねりの状態や場所,移動速度を掴まなければ話に成らないので,海の観察方法を会得するのが必要でした.

 その後も,事故が続き,遂に上層部は,外洋着水をする場合には,操縦士から管区司令部に報告し,司令部要員がその申告が妥当か否かをチェック,妥当ならば管区司令官の決裁を経て,やっと着水と言うプロセスを踏む事になりました.

 ある時,海軍のP2Vが大西洋に不時着水しました.

 沿岸警備隊に救助要請が下り,直ぐに飛行艇は彼らを見つけたのですが,海面は凪であったにも関わらず,75km先にカッターが居る事もあって,着水は認められませんでした.
 つまり,危険を冒すより,カッターに救助させた方が良いと思った訳.

 海軍は事情を知らなかったので周章狼狽し,結局,救助を空軍に要請し,空軍のHU-16が該当海域に到着して沿岸警備隊の飛行艇が周辺を旋回する中を着水して,生存者を救助しました.

 結局,為す術もなく基地に戻ると,其処には空軍のHU-16が先着していて,海軍の関係者や生存者に囲まれて,お礼を受けている最中でした.
 その夜,誰かが司令部の命令受領室のドアに痛烈な落書きを書き殴る事件があり,各地から強い抗議の声が上がります.
 この出来事を放置出来ないと考えた沿岸警備隊長官は,許可無しでの着水権限を与える様,命令を変更しますが,これも人命を救助する必要がある場合だけに限られました.
 つまり,操縦士がその判断の正当性を証明し,機体を壊した場合,その責任は全部操縦士に帰せられると言う厳しいものでした.

 彼ら水上機乗りが好んだ機体はPBMで,これに愛着を持っていました.
 この機体に惚れ込んでいたが故に,P5Mになって着水を短距離で遣り遂げるプロペラのピッチ逆転スイッチの使い方を誤る操縦士が続出しました.
 PBMは機能するまでに7秒掛かりますが,P5MやHU-16は殆ど瞬時に機能するので,着水するまで使ってはならないのです.
 この為,機体を歪めたり,フロートや翼を壊す事故が結構ありました.

 このP5Mは整備サイドからも評判が最悪で,高価,かつ維持するのに手間が掛かるのと,Helicopterの発達で外洋着水の数が少なくなり,最早この機体を維持する必要性が感じられなくなりました.
 P5Mは早々に海軍に移管され,HU-16が導入される事になりましたが,HU-16の安全着水の限界は0.9mで,最初に導入した空軍でも事故が絶えませんでした.
 それでも,特性を理解した乗員達にはGoatと呼ばれて親しまれたそうです.

 こうした外洋での救難活動の困難さから彼らを解放したのが,水陸両用HelicopterであるHH-52です.
 初めてHH-52が使われたのは,初号機配備1ヶ月後の1963年3月22日.
 この機体は見事に水上に着水して,海軍の漂流者を救い,海軍の救難Helicopter操縦士から羨望の眼差しで見られました.

 飛行艇と違い,水陸両用Helicopterは着水時の前進速度は0なので,操縦士はRotorのPitchを変更させるだけで水上の機体を制御出来,荒れていても,Rotorに機体の全重量を掛け,機体をうねりに軽く乗せれば良いだけ.

 後にHH-3Fが配備されると,双発化で安全性が高まり,航法装置も充実していました.
 ちなみに,HH-52は25年で15,000人を救助したそうです.

 その後,これらの機体は老朽化し,HH-65とHH-60が導入されました.
 しかし,新型機は水陸両用Helicopterではなく,着水は出来ません.
 従って,再び危険なBasketとSlingによる引上げに方法が戻ってしまいました.

 沿岸警備隊の大多数のヘリ操縦士達は,装備が充実している現有機よりも,救難の容易だった水陸両用Helicopterの導入を願っているそうですが,果たして,EH-101の導入はあるんでしょうかね.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in mixi,2007年09月22日22:02
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 アメリカはマジで宇宙から他国を攻撃して,人を殺そうとしているんでしょうね.
 アメリカが言う「自由」というのは,「アメリカが何をしようが自由だ」という事なんでしょうか?

米大統領,宇宙政策を見直し=活動制限拒否,兵器開発の懸念も−Wポスト
----------------------------------------------------ここから引用----
 18日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は,ブッシュ大統領が新たな国家宇宙政策の指針文書に署名したと報じた.
 宇宙での米国の活動を制限するような将来の軍備管理協定を拒否する内容で,宇宙政策全般の見直しは10年ぶりという.
 新たな政策指針文書は冒頭で,「宇宙での行動の自由は,米国にとって空軍力や海軍力と同様,重要だ」と指摘しているという.
 米高官は同紙に対し,「新たな政策は宇宙兵器の開発や配備に関するものではない」と述べた.
 しかし,米シンクタンク,ヘンリー・スティムソン・センターの共同創設者であるマイケル・クレポン氏は,政策見直しにより,米国が宇宙兵器の開発や試験,配備を目指すのではないかとの国際的疑念が高まるとの懸念を示したという.
-----------------------------------------------------引用ここまで---

あつこば in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 将来的に宇宙空間が戦場になる事は確実です.
 中国もそれを意識しています.
 近い将来にアメリカと中国が大規模な宇宙軍拡競争を行う事になるでしょう.
 宇宙空間で使用するレーザー砲も,もはや夢の兵器ではなくなりつつあります.
 中国は既にアメリカの偵察衛星へのレーザー照射を行っています.

 ・・・と言う事は置いておいて,今回の見直しの理由はそういった少し遠い未来の話ではありません.
 狙いはミサイル・ディフェンスです.
 人工衛星にキネティック弾頭(EKV)を搭載し,弾道ミサイルを宇宙空間で撃破するシステム.これの構築に必要な措置です.
 あくまで防衛兵器と言い張りながら配備を進めるでしょう.

 2年前の記事ですが,こういうものもあります.

DARPA,宇宙をめぐる軍拡競争でリードするための諸計画を披露

 核電磁パルスに対する防御策を開発中,とあります.
 アメリカは,中国軍が超高高度核爆発による電磁シャワー攻撃を行う可能性について懸念しています.

JSF in mixi


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