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◆◆◆国際法的論議
<◆◆白燐弾
<◆総記 目次
<兵器FAQ目次
白燐弾を集積する女性兵士
(画像掲示板より引用)
【質問】
白リン弾を人口密集地で使うことは,国際法違反にあたると報じられていますが,本当ですか?
【回答】
そうした報道に対しては,「どの条約のどの条項が当てはまるのか,言ってみせろ」と言いたい.
1980年に制定された特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の
「焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書V)」
で,人口密集域への焼夷兵器の使用を禁止されているが,イスラエル軍の使用したM825A1白燐煙幕弾は除外対象だよ.
●焼夷兵器とは,焼夷効果を第一義的な目的として設計された兵器をいう(第一条その1「定義」より)
●焼夷効果が付随的である弾薬類(発煙弾や照明弾)は焼夷兵器に含めない(第一条その1-b-iより)
[参考:焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III)]
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/mt/19801010.T4J.html
M825A1砲弾は Smoke Projectiles
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/smoke.htm
として設計されており,この議定書の定義上,明確に規制対象外となっている.
条文をそのまま読んで解釈すると,それ以外に解釈のしようが無いのだ.
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2556478/3668678
注)水色の砲弾がM825A1白燐煙幕弾.
JSF
以上,mixiより
青文字:加筆改修部分
【珍説】
ご無沙汰しております.イタリアの飯田亮介です.
今日は,イタリアのRainews24テレビ局が製作したドキュメンタリーをご紹介いたします.ひどく心を揺さぶれたので,皆さまにも紹介したくなりました.
〔続きは↓参照〕
http://www.doblog.com/weblog/myblog/7844/2037678#2037678
つまらない例を出そう.
日本国内でタバコを吸うことは合法だ.だからタバコは吸ってよい.しかし,それを問題視する人がたくさんいて,そのため様々な議論を経て制限されることになった.場所・宣伝方法・パッケージ表示について現在のようになったのは,害毒についての情報が開示されキチンと危険性が開示されたからだ.
ちなみにオレはヘビースモーカーだけどw
地雷も核兵器もナパームも,軍事ヲタの現在の法だけがすべてで,倫理はさしはさむ余地はないというならば,世の中はとっくに進歩をとめているだろうね.くだらね.
http://www.doblog.com/weblog/myblog/7844/2037678#2037678
コメント欄
【事実】
ますたろうじゃねーか.
そいつはサッカー板ではちょっと(だいぶ)アレで有名なんで,許してやってくれや.
こういうタイプ(志向は真逆なれど,まさに小林よしのり型)って,頭が情緒スイッチだけで生きてるからさ.しょせんDQNなんで.
だから
「アメリカが→ファルージャで→市民が悲惨」
って型にハマったら,スイッチがオンになって,後はもうWPだのなんだの関係なしに,もうぶっちゃけ何でもいいのよ.DQNだから.ゴール裏だもの.思考もぴょんぴょん飛んじゃってるさ.平素から.
んで,「アメリカが市民を悲惨なんです!アメリカ憎いのだ!我々は国の超えて共感がぐぺぺぺぺ」モードに入っちゃうと,
「いや,WPだろうと他の武器だろうと,命の悲惨さは同じだろう」
とか
「同程度に誤射には気をつけてるだろうし,同程度に起こりうるだろう」
とか
「そもそもその文デタラメなんだけど,そっから疑わないわけ?」
とかそんなの全部飛ぶからさ.DQNなんで.
だからとんちんかんな「地雷が」とか出ちゃうわけ.だってWPとか正直地雷も一体なんだか知らないんだもん.
そんでこういう馬鹿は,そもそもオタワ条約の基礎作ったのがアメリカであり,しかも後に政府公約となり,んで90万の北朝鮮陸兵を支えきれないから朝鮮半島だけ除外してくれ,まだ休戦中なんだ,って言ったのに,逆に中国と北朝鮮と反米団体に猛反対されて,当の反戦派が孤立しちまった,っていう悲惨な過去を知らないで「地雷が」って言っちゃうのよ.難しいこと分からないから.
しかも,「知らなくても発言が許される」くらいに思ってる節がある.
ま,なんつーか,許してやってくれや.
ほっとけば「WPとか関係なし,そもそも兵器という存在と国家というオールマィティな存在が結びついて国民をむほほほほ」モードにまで進化するからさ.
そんなのガンジーに
「それはそれで単なる無政府主義」
って喝破されてるのにね.70年前に.
ちなみにアメリカ人はみんな地雷禁止条約知ってるわけよ.だってテレビドラマで放送されたからね.退役軍人会絡んでるし.
反「米帝」市民は世の理想と顛末を儚み,馬鹿は知らずにギャアギャア喚くわけ.
だって,単にアメリカが嫌いなだけだから.何でも良いのよ.
(名無しT72神信者)
>白燐(黄燐)は少量(小匙1杯未満)摂るだけで,吐き気,
>嘔吐,肝臓障害,心臓障害,腎臓障害,ひどい眠気をもよおすし,
>時には死に至ることもある.
食うなよ・・・.「買ってはいけない」じゃないんだから・・・
(名無しT72神信者)
それ以前に,こんな基本的な疑問点が出てくる証言の主,ジェフ・エングルハートなる「兵士」が本当に実在するのか?,本当に本物の兵士なのか?,取材料欲しさとか売名行為とかのためにやってるんじゃないのか?など,大いに疑問なんだが…….
【珍説】
>なんか馬鹿なサカオタがWPを地雷扱いw
>
>http://www.doblog.com/weblog/myblog/7844/2037678#2037678
地雷が「非人道的兵器」になって保有制限の論議がされているのを知ってますか?
そこのサイト含め,ヲタな揚げ足とりに過ぎなくてムカつくな.
(masterlow)
特定の兵器が制限されてきた歴史は,その殺傷能力に対する議論があったからこそ.
化学兵器か否かなんていうのは,瑣末なディティールに過ぎず,そのディティールをもとに一転突破全面展開は図れないと思うよ,残念ながら.
地雷・核兵器・ナパーム,これらがなぜ制限兵器となったのか.どういう議論をへて使用されることが問題視されるようになったのか.
オレは専門家には敬意を表するが,これまでにここに書いているような知識はあっても知恵はない議論なら,それは退けざるを得ないね.
(同)
【事実】
ね,自分から地雷なんてとんちんかんなこと言い出したから,収拾つかなくなってるでしょ.
WPは,「戦争が終わっても流動放置されて大問題になる」というわけでもないし,回収に天文学的なお金と労力と犠牲がかかるわけでもない.テロリストやゲリラが勝手に作って埋めて収集がつかなくなるような兵器ですらない.
ただの特殊な,非常に特殊な用途の弾薬.
オタワ条約が戦争紛争終了後の次世代について,元紛争地域への経済支援と新たに地雷を設置しようとするゲリラへの対処が後の規定として盛り込まれる方向に深化するに至って,その主眼は明らかに「紛争後」条約であることが判明しているのに,コイツは単に武器規制条約だと思ってる.
地雷が足吹っ飛ばすから悲惨だ,悲惨だからやめよう,ってそんだけの条約だと思ってる.
大口径禁止に毛が生えたもんだと思ってる.
つまり単なる無知.
しかもあげくに自分もミリオタだとか言い出すし.
軍板にもこういうのよくいるよね.小林よしのりスレッドとかに.
>特定の兵器が制限されてきた歴史は,
>その殺傷能力に対する議論があったからこそ.
白燐弾を使用するよりは同重量の通常の榴弾を使用する方が,遥かに高い殺傷力を示す.
WP弾は標定マーカーであり,効力射には使えない.
ゆえに,そんな低い殺傷力の兵器を制限しようなんて議論にはなりっこない.
>これまでにここに書いているような知識はあっても知恵はない
>議論ならそれは退けざるを得ないね.
知識は有って当然.殺傷力の優劣を論じる以上,爆発力や化学特性について知っていなければ議論がなりたたないからだ.
知恵の有る議論をする為にも知識は必要だ.
白燐弾からホスフィンが発生すると信じているような馬鹿者に,殺傷力の優劣を論じられるわけがない.
>化学兵器か否かなんていうのは,瑣末なディティールに過ぎず,
>そのディティールをもとに一転突破全面展開は図れないと思うよ,
既に殺傷力について論じられている.
100年前からある兵器だが,今の今まで全く問題にされてこなかったことを反戦論者は不思議に思うべきだ.
WPは新兵器などではない.骨董品の部類に入る.
「WPが化学兵器か否かなんてのは些末なディテールに過ぎない」
と言いたいなら,そういう実例を新たにお前が自分で引っ張り出してくるべきだし(例えばWPは実際は目標射撃ではなく凄まじい大虐殺を効果的に実現するとか),地雷や核兵器やナパーム弾が制限兵器になった経緯と,今回WPがこれら制限兵器に加わるべき理由を関連づけて書くべきだろう.
だいたい,化学兵器か否かが些末な問題だなんて,コメント書き込んでいるみんなが言っていることじゃない.
化学反応をネタに言葉遊びしていたコメント群は
「化学兵器でないから危険じゃない」
という主張とは真逆で,人間が都合で定義した用語(化学兵器)を,論理素っ飛ばして「危険」「安全」のレッテルを張っている滑稽さを笑っているだけだと読み取れないのでしょうかね.
そもそも
「化学兵器だから危険だ」
で”一点”突破を図っていたのは,白燐弾で問題提起した側でしょう.
議論の効率化のために定義済みの用語(化学兵器)を利用するのは大変結構.
ただ,その「化学兵器」の用法が間違っているのではないか?という意見に対して,論理的な返答せず,挙げ句
「化学兵器かどうかは問題でない」
と主張するならば,とりあえず化学兵器であるという定義を下げるべきです.
その上で,制限兵器に相応しい存在であることを理知的に論じて下さい.
所詮,「制限兵器」なんてのも人間が定義した用語に過ぎないので,納得いく説得がされるならば,白燐弾を制限兵器だと認めるのは吝かでありませんよ.
>地雷・核兵器・ナパーム,これらがなぜ制限兵器となったのか.
地雷・・・「内戦であることをいいことに,埋めた地点を記録せずに適当に埋めた馬鹿が居たから」
核兵器・・・「大量破壊兵器だから」
ナパーム・・・「燃えてるのが第一目的だから」
全て白燐兵器には当て嵌まりませんね.ホルホル
地雷核兵器ナパームはそれぞれ色々な理由があって制限されようとしています.
地雷は紛争後の処理が天文学的な労力が必要であり,また複製も簡単で,そして犠牲になるのはおもちゃと間違える子供たちが非常に多い.
これはナパームも同じです.
しかし,これがWPと関係があるとは思えませんね.理由は多くの人が語っています.WPは特殊な砲弾です.
WPが地雷やナパームと同じだと主張したいのなら,誰もが納得できるだけの論証をお前が示すべきです.
それができていない以上,今までお前が示してきたものは,「知識もなく知恵もない」プアーな論でしかありません.
【珍説】
その手段がもたらした事象について語っているのであって,手段そのものについて語っているわけではないのは,よくよく話の流れを見ればわかるだろうに.
一回,白リン弾浴びたほうがいいな,この人たちは.アホか.
(masterlow)
【事実】
WPの話から突然地雷の話を出して,「話の流れを見ろ」とは,どんな激流くだりですか?(笑)
【質問】
◇特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)
(3)焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III)
文民及び民用物を焼夷兵器による攻撃目標とすること,人口周密地域にある軍事目標を焼夷兵器による空中からの攻撃目標とすること等を禁止している.
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/ccw/ccw.html
白リン弾が対人使用を目的に使われたならば,これに該当するのではないでしょうか?
まあ,そもそもこの条約自体批准してない国では「非合法」ではないのですが.
(masterlow)
【回答】
(1)白燐弾は「焼夷兵器」ではない.
(2)付随被害によるものは,「文民への攻撃目標」に該当しない.
(4)砲撃は「空中からの攻撃」ではない.
(1)まず『焼夷兵器』の定義から行こうか.
-----引用開始----
◇特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)
第一条(定義)
この議定書の適用上
1 「焼夷兵器」とは,目標に投射された物質の科学反応によって生ずる火炎,熱又はこれらの複合作用により,物に火災を生じさせ又は人に火傷を負わせることを第一義的な目的として設計された武器又は弾薬類をいう.
(a) 焼夷兵器は,例えば火炎発射機,火薬瓶,砲弾,ロケット弾,手榴弾,地雷,爆弾及び焼夷物質を入れることのできるその他の容器の形態をとることができる.
(b) 焼夷兵器には,次のものを含めない.
(i) 焼夷効果が付随的である弾薬類.例えば,証明弾,曳光弾,発煙弾又は信号弾
(ii) 貫通,爆風又は破片による効果と付加的な焼夷効果とが複合するように設計された弾薬類.例えば,徹甲弾,破片弾,炸薬爆弾その他これらと同様の複合効果を有する弾薬類であって,焼夷効果により,人に負わせることを特に目的としておらず,装甲車両,航空機,構築物その他の施設のような軍事目標にたいして使用されるもの
-----引用終わり-----
白燐弾はスモーク・マーカーであり,発煙弾に相当する.
焼夷効果は副次的なものであり,特定通常兵器使用禁止制限条約に置ける『焼夷兵器』の定義から外れる物である.
故に,本条約加盟国であっても白燐弾の使用は全く問題が無い.
ちなみに,CCWにアメリカは批准していない.
(2)
>文民及び民用物を焼夷兵器による攻撃目標とすること
民間人を目標としていなければ問題が無い.敵武装兵を狙ったものなら使用を許される.
結果的に弾が逸れて民間人を巻き込んでも条約違反ではない.
ジュネーブ条約も同様な運用がなされている.
戦争法
http://www.mahoroba.ne.jp/~felix/Sociosphere/PeaceResearch/Law_of_War.html
ただし軍事目標への攻撃で民用物に付帯的な被害が出ても,故意になされたものではなく,また,目標の破壊による軍事的な利益に比較して軽微な場合には違法ではないとされる.
(3)(4)
>人口周密地域にある軍事目標を焼夷兵器による空中からの攻撃目標とすること等を禁止している.
手榴弾及び榴弾砲からの攻撃は「空中から」ではない.
これは航空機からの攻撃を意味している.
また当時のファルージャは退避勧告が出されている.
それで退避しないで被害を受けた住民がいたのなら,自業自得.火事場をほっつき歩いていて,火に巻かれて死んだ人間の責任が,誰か他の人間にあるわけがない.
退避したい意思があったのに,退避させてもらえなかったのなら,それを妨害した武装勢力の犯罪行為.
【質問】
「焼夷兵器の禁止に関する議定書」は,「人口密集地に対する“焼夷効果攻撃”を禁じ」ているのでは?
【回答】
白燐弾はそもそも発煙弾なわけですが.
そのために作られたので.
そして,白燐弾を焼夷目的に使った根拠は見当たりませんし.
それは赤十字の意見からも分かるとおりです.
また,「広範囲に被害をもたらす」ことが目的ならば,もっと有効な兵器や使用法がありますしね.
「白燐弾を焼夷目的に使う」必要性が見当たりません.
つまり,「イスラエルが白燐弾を焼夷目的に使用した」という,「使用目的の根拠」も,「効果の点から見た根拠」も,非常に薄弱なものとしか言えませんな.
葉月@御剣財閥
----------------------
1 「焼夷兵器」とは,目標に投射された物質の化学反応によって生ずる火炎,熱又はこれらの複合作用により,物に火炎を生じさせ又は人に火傷を負わせることを第一義的な目的として設計された武器又は弾薬類をいう.
----------------------
その焼夷弾を使って,
----------------------
「2 いかなる状況の下においても,人口周密の地域内に位置する軍事目標を空中から投射する焼夷兵器による攻撃の対象とすること」
-----------------------
これが禁止されとるわけです.
凄く大雑把に言いますと,問題となった白燐弾は発煙を目的に設計されているため,たくさんばらけて,さっさと酸化して煙を発生させるように設計されているので焼夷兵器ではない,ということ.
燃やしたいのなら,継続して対象物を加熱し続けることが出来るように,内包する燐の塊を大きくします.
そういうのは,燃やすために作られているので焼夷兵器になりますね.
くるりん★ポポフ
条約が使用を制限したのは,"条約が定義する「焼夷兵器」のみ"です.
「焼夷効果攻撃」ではありません.
その点はハッキリしています.
例え焼夷効果があっても副次的であるならば,使用は制限されません.
そしてそもそも白燐煙幕弾は焼夷兵器扱いされません.
●焼夷兵器とは,焼夷効果を第一義的な目的として設計された兵器をいう(第一条その1「定義」より)
●焼夷効果が付随的である弾薬類(発煙弾や照明弾)は焼夷兵器に含めない(第一条その1-b-iより)
[参考:焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III)]
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/mt/19801010.T4J.html
M825A1砲弾は Smoke Projectiles として設計されており,この議定書の定義上,明確に規制対象外となっています.
条文をそのまま読んで解釈すると,それ以外に解釈のしようが無いのです.
JSF
以上,mixiより
青文字:加筆改修部分
【珍説】
通常兵器であっても,陸戦の法規慣例に関する条約(ハーグ陸戦条約)およびその条約付属書の下で,ファルージャにおける白燐兵器の使用は不法であると論ずることができる.
第23条:不必要の苦痛を与える兵器,投射物その他の物質を使用すること.
【事実】
その条項は対象兵器の範囲が非常に曖昧なので,「ダムダム弾の禁止に関するハーグ宣言」で明確に名指しされたダムダム弾以外の兵器に関しては,該当するかどうかが個々に判断されます.
ショットガン*1やアンチマテリアルライフル*2の対人使用をこの条項に当て嵌めるべきだという解釈論*3は以前からよく聞きますが(つまり慣習法的なものと言える),しかし白燐弾に関しては今までそのような議論を聞いた事がありません.
また特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の「焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書」では定義上,白燐弾はそもそも焼夷兵器に該当しません.*4(しかも,そもそもアメリカはこの議定書を批准していない)
もし仮に焼夷兵器であるとしても,議定書は焼夷兵器の軍事目標への攻撃を禁止していません.使用条件の制限はあります.*5
前述のショットガンやアンチマテリアルライフルの対人使用(対人狙撃)を禁止しようという解釈論にしても,榴散弾*6や機関砲による掃射*7での対人使用は除外されており,地上からの火砲による焼夷攻撃がハーグ陸戦協定に触れる可能性は低い.
なお,もう一度言いますが,CCWの定義上,白燐弾は焼夷兵器に該当していません.
〔原注〕
*1 散弾銃の事.
*2 12.7mm以上の大口径狙撃ライフル.以前,対戦車ライフルと呼ばれていた種類を指す.
*3 戦場でのショットガン,アンチマテリアルライフルの対人使用禁止は条約を広義に解釈したもので,現状では自主規制に近くあまり守られていない.違法使用と訴えられた例自体も無く,CCWで明確に禁止規定を制定しようという動きは未だ実現していない.
*4 焼夷兵器の定義とは,焼夷効果を第一義的な目的として設計された兵器をいう(第1条その1).焼夷効果が付随的である弾薬類(発煙弾や照明弾)は焼夷兵器に含めない(第1条その1-b-i).
*5 人口周密地域で焼夷兵器を空中から投射する事(つまり空爆を指す)の禁止(第2条その2).人口周密地域で空中からの投射以外の焼夷攻撃を行う場合,民間の巻き添えを最小限に留めるための実行可能な全ての予防措置をとる事(第2条その3).
[参考:焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III)]
*6 弾体に散弾を詰めた榴弾.砲弾型と航空機投下型爆弾がある.現在は廃れ気味.
*7 フルオート射撃で薙ぎ払う事.
【珍説】
コレですが...
>(i) 焼夷効果が付随的である弾薬類.例えば,証明弾,曳光弾,発煙弾又は信号弾
「焼夷効果が付帯的である弾薬類」っていうことは,そもそも焼夷効果を目的としてつくられたのではないが,その効果があるっていうことだよね?
だとしたら,焼夷効果を目的に使うとしたら,それは話は別なのではないか?
http://blog.goo.ne.jp/nakanisi-sakai/e/ed22a023d62abd92ccaf7e4da59ddd22
--------------------------------------------
しかしベナブル中佐(米国防総省広報官)は,通常の砲弾ではターゲットにできない陣地からゲリラを移動させるのに,白リンは有効な兵器だと語った.
彼はBBCに,
「それは焼夷弾として敵の戦闘員に対して使用された」と語ったのだった.「破壊力が強いだけの砲弾では損害を与えることができない掩蔽壕(えんぺいごう)のような陣地に潜む敵と戦うときには,・・・その陣地に白リン弾を撃ちこむことは一つの戦法なんだ」
と,彼は言った.
-------------------------------------------
↑これ原文がみつからなかったので,違うソースを以下に.
-------------------------------------------
"It was used as an incendiary weapon
against enemy combatants, " spokesman
Lt Col Barry Venable told the BBC - though
not against civilians, he said.
incendiary weapon=焼夷弾{しょういだん}
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4440664.stm
------------------------------------------
「ただし民間人には使っていない」
としながらも,それを焼夷弾として使ったことを自ら認めていますが何か?
(masterlow)
【事実】
>焼夷効果を目的に使うとしたら,それは話は別なのではないか?
いいえ.貴方は文盲ですか? 焼夷兵器の定義にこうあります.
>物に火災を生じさせ又は人に火傷を負わせることを第一義的な目的として
>設計された武器又は弾薬類をいう.
「設計された」とあります.設計時点で焼夷兵器かどうかが決まります.使用法については関係有りません.
WP弾はスモーク弾として設計されているので,焼夷兵器の定義から外れます.
白燐弾は焼夷効果はオマケでしかないから,焼夷効果は二義目的になる.だから『条約で定義される焼夷兵器』には該当しないのです.
条約を持ち出したたならば,条約を尊守してください.
兵器を,設計目的以外の使用をするということは,サッカーでいえば,ディフェンダー(第一義的な目的)として養成してきた選手を,ほかの選手の故障やら何やらのために急遽,間に合わせのフォワード(二義目的)として起用するようなものです.
本来がポジション違いなのですから,しょせんは間に合わせでしかありません.
もし仮に,目的外使用の結果,絶大な効果があると分かれば,新たに,その「目的外使用」を目的として,新設計し直され,新しい兵器として登場します.そのほうが効率的だからです.
フォワードとして連日ハットトリックを決める大活躍したディフェンダーがいたとしたら,チームはその選手をフォワードとして養成し直すでしょう.それと同じです.
だから,それぞれの兵器について「どういう第一義目的で設計された」ものなのかが非常に大事な問題であり,それゆえに「設計された」という文言を条約にもわざわざ入れてあるのです.
端的に言えば,
「消火器を殺傷用鈍器として使用,人を撲殺した.
消火器に何か問題でも?」
ってこと.
それに,戦闘員を目標にして使うのは,どっちにしても合法なんですが(笑).
>◇特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)
>(3)焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III)
>文民及び民用物を焼夷兵器による攻撃目標とすること
【珍説】
どのみちアメリカはこの条約を批准してないから,もういいよ,そんなとこは,どうでも(笑)
(masterlow)
【事実】
いや,あの,これ,条約なんですわ.
条約って法においてどういうように見なされるか,あなた一般教養とかで習いませんでしたか?っていうか,高校時代に公民とかで,法のピラミッド図みたいなもので習いませんでしたか?
あなたの違和感とは関係なく,厳密なリーガルマインドによって解釈施行されるべきものなんです.
それとも,なんか価値観の比べ合いでもしたいんですか?WPを使うのは合法,という条件とは関係なく.
だいたい,条約持ち出したのはお前だろ.
自分で持ってきたソースで自爆してるのに気付いて話題逸らしか,情けない野郎だな.
都合の良いときには,付け焼き刃な理科学知識で問題を提起しておいて,都合が悪くなると
「問題はそこじゃない」
と論点ずらしをするのは止めて欲しいね.
Q. 白燐弾が「化学兵器」ではないとしたら対人使用していいものなの?
A. そももそ白燐弾が「化学兵器」と断定するには見解が分かれると思います.
※ただし現時点では,白燐兵器の違法性を自ら認める資料が出てきてしまっているわけですがw
ただし,その焼夷効果については,すでに指摘があるとおりです.
アメリカがこの白燐の使用を認めたことの背景には,白燐が一般的に煙幕やマーカーとして使われていたということから,化学兵器であるという指摘をかわせると思ったことがあるのと,もうひとつ,アメリカが焼夷兵器の制限に関する国際条約を批准していないという事実があるからだと思います.
つまり,化学効果ではなく,もっぱら焼夷目的なら対人使用しても,アメリカは「無罪」なわけです.アホですね,アメリカは.
対人目的または建造物などの焼夷目的で使われる兵器は制限されるべきであり,アメリカにその条約の批准を求めることは,当たり前の話です.
>白燐兵器の違法性を自ら認める資料
出てきてません.怪しい報道や証言などを元に,master
lowが妄想を膨らませているだけです.アホですね,master
lowは.
>その焼夷効果については,すでに指摘があるとおりです.
ありません.怪しい報道や証言などを元に,master
lowが妄想を膨らませているだけです.アホですね,master
lowは.
>化学兵器であるという指摘をかわせると思ったことがある
証拠がありません.怪しい報道や(以下同文)
>対人目的または建造物などの焼夷目的で使われる兵器は制限されるべきであり,
WPのような威力の殆どないものまで制限されるとなりますと,それより殺傷能力の大きい銃砲類まで制限しなければならなくなるでしょう.火縄銃すら使用不可.弓矢しか使えなくなるでしょうな(笑).
そんな「制限条約」は,条約としての実効力を失わせるだけであり,本物のいわゆる「非人道兵器」を使用制限させる上で,かえって有害です.
結局,「白燐教徒」の正体は,「非武装中立論者」と同じ空想的平和主義者でしかありません.
こんな奴が,「俺も軍オタだ」などと述べていた(週刊オブイェクト・コメント欄)のですから,お笑いです.軍事分野の「金子達仁」かっつーの,お前は(笑).
【質問】
包丁でも使い方で人が殺せるように,兵器は道具である以上,「開発目的」より「使用したときの効果」が問題視されるのは当然なのでは?
白燐弾は千度と言われる熱を持った燃焼する白燐をばら撒きます.
その燃焼時間は,ばら撒かれた一個ずつの塊の大きさにもよるでしょうが,十数個以上の塊がばら撒かれ,もともとの仕様である大量の煙が発生すれば,専用に開発された焼夷弾ほどでないにしても,相当の焼夷効果と対人効果が期待できるのは,容易に想像できます.
白燐弾使用の問題点は白燐弾自体の合法性や,発生する煙の有毒性ではなく,白燐弾の人口密集地での使用という「使用方法,使用対象地域」の問題ですし,そこから推論される使用者(この場合イスラエル)の「目的」ですね.
参考
http://0000000000.net/p-navi/info/news/200901070318.htm
http://nofrills.seesaa.net/article/112357881.html
光太郎 in mixi
青文字:加筆改修部分
【回答】
>「開発目的」より「使用したときの効果」が問題視されるのは当然
その場合,問題になるのは『使用者の意図』であり,『包丁自体の凶器性』ではないですが.
『包丁で人間の腹を刺せば死ぬ』『消火器で人間の頭を殴れば死ぬ』
それはわかっています.
で,包丁や消火器に何の問題があるのですか?
>白燐弾は千度と言われる熱を持った燃焼する白燐をばら撒きます.
発火温度は摂氏2800度と言われていますね.
ちなみに言うと,マッチをこすって火がつく時の温度が2500度です.
>その燃焼時間は,ばら撒かれた一個ずつの塊の大きさにもよるでしょうが,
>十数個以上の塊がばら撒かれ,もともとの仕様である大量の煙が発生すれば,
>専用に開発された焼夷弾ほどでないにしても,
>相当の焼夷効果と対人効果が期待できるのは,容易に想像できます.
日本のような木造や藁葺き屋根ならともかく,日干しレンガやコンクリートの建物に,ただ燃えている物をばら撒くだけでは,ほとんど焼夷効果は見込めません.
実際にガザでも,トタンの屋根で弾かれています.
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2559312/3693506
屋根でコンコン弾かれているのが見えるでしょうか.
対人効果については,このような写真が残っていることからも想像できますね.
そりゃあ直撃したら酷い火傷を負うでしょうが,効果範囲はこんなもんです.
>白燐弾使用の問題点は白燐弾自体の合法性や,発生する煙の有毒性ではなく,
>白燐弾の人口密集地での使用という「使用方法,使用対象地域」の問題ですし,
>そこから推論される使用者(この場合イスラエル)の「目的」ですね.
・白燐煙幕弾は,何かの条約で禁止されているわけではない.
・発生する煙に,危急の有毒性は無い.
ここまでわかってもらえて感激です.
なお,民間人を狙って意図的に撃てば,投石だろうと何だろうとハーグ陸戦条約違反です.
もっとも,相手が軍服を着ず,民間人に紛れて攻撃を行ってくるような都市ゲリラ戦法を行ってきている場合は別ですが……
その場合は,民間人を危険に晒しているのはゲリラ側,という解釈になります.
【珍説】
つか,〔WP使用の〕合法非合法のみが論点になるなら,そもそもアメリカのイラク侵攻は合法と言い難いしね.
http://www.doblog.com/weblog/myblog/7844/2054855#2054855
http://www.doblog.com/weblog/CommentServlet?CMD=INPUT&weblogid=2077161#3023648
【事実】
「国際法的に非合法!」と言い出したのは,上述のようにmasterlowのほう.
それを突っ込まれると,
「合法かどうかは問題ではない」
などと言い出すのは,無責任人間のやること.
ちなみに,主張者は「イラク侵攻の非合法性」を一切論証できていない.どんな主張をするだろうかは,容易に予測できるが……(笑).
自分の主張を通したいのなら,そういう無責任は自ら反省して正しておくべき.ウソツキ少年や無責任坊やの主張が通るほど,世の中は甘くない.
主張を通したくないのなら,チラシの裏にでも書いてろ.
【質問】
masterlowが自分の巣で,倫理観がどうのこうのとか言い出しちゃってますけど?
【回答】
露骨に論点ずらしとは,masterlowは面白い人だ,敗北宣言出したも同然なのに.
ていうか,倫理観の話がしたいのなら,最初っから法の話持ってくるなよ.
倫理観の話なら,もうそれは彼なりの反戦与太話の世界なんで,軍オタ側から特に言うことはないですね.
「世の進歩」なんていう,彼ごときがゴール裏で考えるようなろくでもない将来予測に興味なんかないですし,付き合う義務もありません.
彼が反米プロパガンダに引っかかって糞ソースでギャーギャー喚く,その事実のおかしい部分を指摘しているだけですので.
訂正されてもなお固執する,彼なりの「糞ソースに基づく倫理観」だのに興味はないです.
ま,元ミリオタなら,糞ソースに煽られるのをやめるべきですね.
倫理観を(誰かに)問いたいなら,糞ソースに立脚するのはやめましょう.
反戦は妄想からは生まれませんよ.
【珍説】
192 :名無しさん@お腹いっぱい.:2010/02/04(木)
20:59:33 ID:CIqy32zz
JSF完全敗北キターーーーーーーーーーーッ!!
「イスラエル軍が白リン弾使用で処分」
イスラエル政府がこのほど国連に提出した報告によれば,一年前のガザ攻撃の
際にイスラエル軍が白リン弾を用いたことに関して,2人の将校が懲罰処分を
受けたそうです.「鋳られた鉛」作戦終結間近だった1月15日,ガザ市南部の
Tel al-Hawa 地区にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営す
る学校に向けて白リン弾を用いるようにこの2人が命じたのは越権行為であった
というのがイスラエル政府の説明です.
人口密集地での焼夷兵器の使用は国際法で禁じられていますが,イスラエルは
これまで独自の調査の結果として,民間人の多いところで白リン弾を用いた事実
はないと主張してきました.今回,昨年秋に国連がまとめたゴールドストーン報
告書で出された疑義に対する回答として,はじめて国際法に抵触する戦争犯罪行
為があったことを認めたことになります.
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-ccd5.html
【事実】
これは白リン弾だから処分されたわけじゃないよ.
イスラエル軍,准将ら将校2人を処罰 ガザの人口密集地攻撃で
http://www.cnn.co.jp/world/CNN201002020012.html
>イスラエル軍報道官は将校2人の処罰は白リン弾の使用とは無関係と地元紙に説明している.
通常弾であろうと白リン弾であろうと,民間人に目掛けて撃つ事は違法だよ.
白リン弾であろうが通常弾であろうが,処分内容は同じってこと.
だから白リン弾イコール使ってはいけないもの,とイスラエル軍が認めたわけじゃない.
よってJSFの主張には何の影響も無いね.
戦争板,2010/02/04(木)
青文字:加筆改修部分
ちなみに2010年9月16日(木)に,ガザからイスラエルへ撃ち込まれた迫撃砲9発のうち,2発が白リン弾だったことが,翌日判明しているが,普段「白燐弾ハンターイ!」な連中が,これを声高に非難した形跡は,知る限り全くない.