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◆◆◆◆パイロット
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<◆◆種類別 目次
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兵器FAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【質問】
 戦闘機パイロットも,小太りな人が多いとか,小柄な方が G に強いとかいう話がありませんでしたっけ.

井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 【回答】
 当然ながら厳格な身体検査がありますので,極端に大柄・小柄の方は問題外ですが,それにパスをすれば特に問題はありません.
 ただ,それは必要最低限であって,過酷な環境下に耐えうる身体能力がなければ,体格はそれ以前の問題にしか過ぎませんが.
 なお,小柄な愚弟に言わせれば,大型機を除く一般的な戦闘機の場合,狭いスペースに筋肉質の体を押し込む関係で,若干小柄の方がスペースに多少余裕でるため良い,とのことですが,これは小柄な愚弟の言ですのでその分は差し引いていただければと考えます.

 また,「小柄の方がGに強い」というのは末梢血管などのこともあり,ある意味では真実ですが,それ以上に体質・適性(訓練含む)の問題の方が大きく,致命的に効くわけではないとのことです.

へぼ担当 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 航空自衛隊のFパイロットの訓練課程は,

初等練習機(レシプロ)
→中等練習機(亜音速ジェット)
→戦闘機の複座練習機型
→戦闘機

となっていますが,米空軍や米海軍など,他国のFパイロットの訓練課程はどの様になっていますか?

 【回答】
 手元の資料が四半世紀以上前のものですが,シミュレータの適用拡大と機種の変更くらいだと思いますので,参考までに.

豪州空軍:基本練習機(60h)→MB326H(225h)→転換練習機(25~30h)
ベルギー:基本練習機(150h)→アルファジェット(150h)→転換練習機(75h)
フランス:基本練習機(20h)→中間練習機(135h)→アルファジェット(120h)→戦技練習機(100h)
ドイツ:基本練習機(25h)→初級練習機(123h)→高等練習機(138h)→転換練習機(80~110h)
イタリア:基本練習機(20h)→M.B.339(240h)→転換練習機
英国:基本練習機(20h)→ジェット・プロボスト(160h)→ホーク(130h)→転換練習機

米国空軍:T-41(30h)→T-37(90h)→T-38(120h)→T-38B(36h)→転換練習機
米国海軍:T-34C(70h)→T-2C(96h)→TA-4J(105h)

眠い人 ◆gQikaJHtf2


 【質問】
 〔航空機は〕一般的には,増加タンクつけっぱで訓練とかするもんなんですかね?

seld in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 【回答】
 航空ファン2007年7月号によれば,増加タンク装着は嘉手納展開などフェリーフライトの時がメインで,実際の嘉手納ベースでの訓練では増加タンクなしのクリーン状態で行ったようです.
 ただし,真相は闇の中.
 当たり前の話ですが訓練の想定として,ステルスミッションを行いたい場合は当然クリーン状態でしょうが,F117が典型例でしたが,万が一の墜落の際など,サイトでモニターしやすくするためリフレクターを装着したり,想定と状況により様々と考えるべきでしょう.

へぼ担当 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 空軍の戦闘機パイロットは,ミサイル全盛時代の昨今においては,挌闘戦やガンアタックの技術はもはや不要ですか?

 【回答】
 現代でも,別にミサイル全盛ではないんだけど.
 信頼性が低かったり,何だかんだと意外に命中率も低かったのと,ミサイルでは意図的に外す威嚇射撃ができないため,銃器も必要とされている.
 またミサイルでも命中を期待するなら,敵機の後方から狙うのがベストなので,結局相手のケツを取り合おうとして格闘戦も発生する.

 また,威嚇や,ミサイル使う程ではない小目標への攻撃や,ミサイル無くなったときの自衛等でも,無いと困る.
 アメリカはベトナム戦争時にそれに気付いた.

 結果,それらの訓練を軽視したり廃止したりするには至っていない.
 最新鋭のラプターにも機関砲は付いてる,

軍事板,2009/08/22(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 現在においての全般的な話として、軍の戦闘機とパイロットというのは固定されているのでしょうか? この機は、この人の専用機,みたいな。
 それともローテーションで、このシフトはこのパイロット、次のシフトは別の人みたいに交代制なんでしょうか?

 以前、
「整備士は固定だけど、パイロットはシフトがあって、専用機というのはない」
と聞いていたのですが、最近になって
「パイロットの育成には機体を作るより金が掛かるから、予備パイロットなんていない」
という話を聞いたもので、はて? どっちが正しいのやらと悩んでいます。

 【回答】
 パイロット一人一人に専用機は与えられない

 例えば定数18機の飛行隊では,だいたい1~2機がドッグに入っていたり、朝いちのPRでOUTになり,ドッグに入っている機体から部品の付け替えて午後から飛ぶ機体などがあるため,常に18機が飛べるわけではない、といった感じ。
 パイロットにしたって,休暇やアラート明けの下番、出張や訓練等が有るので,だいたい機体定数の1.5~2倍が所属していると思えばよいらしい。

 そもそも、個人割りの機体というのは非常に効率が悪い.例で例えた通り,OUTになると修理が終わるまでそのパイロットは飛べない.
 戦中でも,緊急発進などの時は搭乗割りではなく,早い者勝ちで調子の良い機体に争って乗っていたようだ。

 「整備士は固定」というのは,これはたぶん機付き員のことを行っていると思う。
 整備員の中でも特定の機体を管理する者を機付き員と呼び、その意味では彼らこそが「自分の機体」を持っていると言える。

 「予備パイロットなんていない」というのは,たぶん自衛隊に米軍のような予備役パイロットがいないことを言ったのではないだろうか?

軍事板

 イラストやプラモのインストで「○○中尉機」などとなっているのは,報道写真などでその人物と一緒に写真に納まっていたりするときの機体の場合が殆ど.
 米海軍の様に,便宜上専任パイロットが決められている場合もあるが,それでもローテーションで複数のパイロットが乗る.

 撃墜マークは,「複数のパイロットがその機体で記録したもの」だったりプロパガンダだったり.
 典型的なプロパガンダの例としては,ベトナム戦時代の北ベトナム空軍にいたミグ21,機体番号4326,キルマークを13個描いた「トーン大佐機」が,西側のメディアにも紹介されたことがある.
 当時の北ベトナム空軍は,米軍機の撃墜機数に無人偵察機までもスコアに数えており,1機のミグ21に複数のパイロットが搭乗の上,13機を撃墜したとしたらあり得ない話ではないが,トーン大佐が1人で挙げた撃墜機数だとしたら,超人的なスコアではある.

 「トーン大佐」は3機撃墜のスコアを持つ,グエン・バン・バイ少佐のことであるとする説もあるが,詳細は今も不明.

軍事板

北ヴェトナム空軍機
(トーン機ではありません.トーン機画像は未入手)


 【質問】
 戦闘機に撃墜マークが描かれていますが,普通の軍隊では,パイロット個人専用の戦闘機はありえないですよね?
 だとしたら,戦闘機に描かれている撃墜マークは何の数なんですか?

 【回答】
 例えば米海軍の場合,ある機にはパイロットと整備員が割り当てられ,名前がキャノピー付近に書かれる.
 そのパイロットが撃墜を記録したら,その機にマークが書かれることもある.
 だがこれは管理上の慣習であるため,その機にいつも同じパイロットが乗るわけではない.

 逆にWW2のドイツではガーランドなど,有名エースは例外的に専用機を3機から4機確保していた.
 そのうち整備が完了してるのに乗って出撃してる.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機のパイロットは,自分の搭乗する機体をどう決めるんですか?

 【回答】
 1個飛行隊に戦闘機は20機くらいあるが,常に何機かは壊れている.
 性能の限界を目指しているため,戦闘機はよく壊れるからだ.
 もしくは定期点検中で使えない.

 訓練や実戦で戦闘機を飛ばす場合は,整備側が使える機の中から,何番機をどのような任務に割り当てるか決める.
 出発前の点検で故障が見つかったら,急いで兵装外して他の飛べる戦闘機に取り付ける.
 パイロットは決められた機番の戦闘機に乗る.
 ただそれだけ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 世界で初めて飛行機で飛行機を撃墜した人の名前は,記録に残っていますか?

 【回答】
 フランス空軍のVB24飛行隊に所属したヨゼフ・フランツ軍曹とクエノー伍長です.
 両名は1914年10月5日にヴォワザン複葉機に搭乗し,ランスのジョンシェリ上空で,ドイツ軍のアヴィアティク機を打ち落としています.

 なお,これ以前の8月25日には,ドイツ軍の複座偵察機が,イギリス軍の非武装の航空機3機に墜落に追い込まれています.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2005/09/04(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 エースの条件の5機は相手が戦闘機の時だけですか?
 攻撃機や爆撃機や偵察機とかヘリや飛行船とか・・・は関係なしですか?

 【回答】
 戦闘機と攻撃機と偵察機を区別することはあんまり意味ないですよ。
 ただ、WW2ドイツ空軍は、爆撃機と戦闘機では分けてカウントしてましたね。
(総撃墜数はカウントするが、機種別のカウントもする)
 特に、四発重爆は撃墜困難なため、多機種より評価が高かったようです。

 現代では、一応、有人機であれば撃墜にカウントするのが通例かと。
 ただし、無人偵察機をカウントしていた例もあります。(ヴェトナム空軍など)


 【質問】
 第一次・二次大戦期の各国の航空隊には,撃墜数数十機の撃墜王と呼ばれるパイロットがひしめいていましたが,近現代では,五機撃墜でエース扱いされるなど,その定義や存在数がまったく変わってしまったのはなぜでしょうか?

 【回答】
 定義で言うなら5機以上(第1次大戦のアメリカ参戦までは10機以上)で変化はない.

 ハルトマンのような超エースが出にくくなった背景としては,4年以上も強国同士が延々と戦い続けるような戦争は,第2次大戦以後起こっていないので,航空戦も第2次大戦に比べて小規模になったため.

 長く続いた戦争であっても,大国が小国をボコる戦争か,小国同士の小競り合い(第2次大戦の規模に比べて)が延々と続くような戦争だったので,航空戦も第2次大戦に比べて低調だった

 だからエースそのものが出現しにくくなっている.
 第2次大戦後だと
朝鮮戦争
印パ戦争
ベトナム戦争
中東戦争
くらいだろ.

◆gAE1Jhk7GA in 軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 史上,最新のエースは?

 【回答】
 空戦撃墜の名サイト、
http://users.accesscomm.ca/magnusfamily/airaces1.htm

によると、イラン空軍のA.Hodaが1981年の1機目から始まって1986年に5機目を落としてエース・ポイント達成、その後もう1機落としています。
 これが今のところ最後のエースかと。

(system ◆systemVXQ2)

 なお,2005年1月になって,新しい撃墜王が誕生した模様.

(,,゚Д゚)< 史上空前のミス・ショット
 アフリカはベニン共和国のボイヤー氏、南アで覚えたゴルフがしたくて、空軍基地側の原っぱで一心不乱にボールを打っていた。
 ところが,その中の一打が大スライスして鳥の群に突入、命中した一羽が空軍基地に落下した。
 下ではおりしもミラージュが発進するところ。閉じる寸前の風防に鳥が飛び込み、そのままパチン。
 鳥はコクピット内を暴れ回り、パイロットはパニック。
 機体は格納庫に向けて滑走し、同型機に突入、大爆発。
 パイロットは寸前で脱出したものの、複雑骨折で入院。格納庫内では計5機のミラージュが黒こげになっていた。

 事件直後、空軍司令官から
「我が国の全戦闘機が破壊されました。ゴルフで」
との報告を受けた大統領は、6時間も風呂の中から出てこなかった。

 ボイヤー氏は起訴されたものの、弁護側の「ゴルファーの9割はスライスを打つ」との説により,賠償のみで決着した。
 ただし全額完済までに14万5320年かかる。
 これは「ゴルフ史上、空前のミス・ショット」ということで,イギリスの新聞に載ったんだそうである.

 ただし,本当はこれはミラージュ戦闘機ではなく,L-39アルバトロス練習機である模様.
 この件について調べたブログがあるので,そちら参照.

 まあ,元がタブロイド情報だし.


 【質問】
 何機程度落とすと…パイロットとして凄いのですか?

 【回答】
 その時代の,同じ軍に所属するパイロットとの比較にしかならない.
 第二次大戦のドイツは冗談みたいな記録を持つエースを輩出したが,当時の同盟国の日本の場合は精神論を抜きにしても,ノーダメージで戦闘をクリアしても,航法ミスや燃料切れで多数の未帰還機を出しているから,三桁撃墜のスーパーエースなんてのはいない.
 米軍は一定回数の出撃でパイロットを後方に下げるからのべつまくなしの出撃で,スコアを稼ぐパイロットもいない.

 ベトナム戦以降になると5機撃墜というエースの基準そのものが達成困難となり,現代では大規模航空戦そのものが発生しづらい.空に上がる前に地上で叩いて済ますからだ.

 この先は国家同士の総力戦なんてものも考えにくく,撃墜記録そのものが稀有となりかねない.

(軍事板)

 米軍がエースの養成に熱意を傾けるのは,統計的分析からメリットのほうを評価しているからである.
 以下引用.

 例えば,全期間を通じ,1300人以上のエースが誕生しているが,それは養成した戦闘機パイロットの総数10万人の1%以下にしか当たらない.
 つまり,5機以上を撃墜したエースは,エリート中のエリートという事になるが,この少数者が全撃墜戦果の30-40%を占めているのだ.
 〔第2次大戦の〕第8空軍の例では,5000人の戦闘機パイロットの内,5.2%に当たる261人が40%,海兵隊空軍の場合は124人で43%の戦果を挙げている.
 ジェット時代になっても,この原則は崩れず,朝鮮戦争では4.8%のエースが38%の戦果を挙げたという.

 当然のことながら,エースの生き残り率も高く,3軍を通じての〔WW2〕トップから20傑までで,戦死者はマクガイア,ブレディ,ハンソンの3名に過ぎない.
 米空軍がこうした分析から,エースの養成に熱意を傾けたのは,当然と言えよう.

(秦郁彦 from 「第2次大戦 世界の戦闘機隊」,酣燈社,1987/7/1,P.31)


 【質問】
 EF-111の回避機動につられて地面に激突した戦闘機があるそうですが,これは撃墜スコアになるのですか?

 【回答】
 それはイラクのF1だったと思う.
 最初は撃墜と認められなかったらしいが,戦後になって第1号の撃墜として認められたとか.
 まあ地形追随レーダーが無いとはいえ,イラク人パイロットの練度不足は明らかか?

軍事板


 【質問】
 戦闘機で敵戦闘機を撃墜したら,金一封などが出るのでしょうか?
 第二次世界大戦以降,ヨーロッパ・アメリカでお願いします.

 【回答】
 ソ連なんかでは,撃墜すると賞金が貰えました.
 英国空軍の操縦士が,ソ連でHurricaneの操縦訓練を行うついでに迎撃戦闘や援護戦闘を行い,相手の機体を撃墜した際に,可成りの賞金を貰ったと言う話があります.
 1機1000ルーブルで,彼等は最終的に16000ルーブルを稼ぎ,持って帰った賞金は英国空軍に寄付したそうです.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2006/01/18(水)
青文字:加筆改修部分

 日本軍では,戦記物を読むと,初撃墜が公認されたときに清酒1本もらえた,なんてのがよく書いてるね.

軍事板,2006/01/18(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 今のところ,戦闘機のパイロットが耐えられる最高Gは?
 技術革新かトレーニング方法の開発か何かで,今以上に伸びる可能性はないのでしょうか?

 【回答】
 個人差があるが,耐Gスーツを使っても9Gくらいが肉体的な限界に近いとされる.
 もちろん,ごく短時間であれば12Gや15Gに耐える人もいるが,下手すると体に障害がでるおそれすらある.

 今の技術の延長線上では,ここから急激に肉体の耐G性能があがることはないだろう.
 血液の流れを制御するのではなく,肉体にかかるGを軽減できる方法ができればいいが.

軍事板

 なお,一応,液体式Gスーツの開発はあちこちで進められています.
 Gセンサと空気バルブの組み合わせよりレスポンスタイムが短い(と言うかGが掛ると同時に圧力が掛る)メリットがあります.
 重いと言う問題がありますが.

TFR◆ItgMVQehA6

 ただし,これが実現したところでG耐性が飛躍的に向上するというものでも無い.
 G耐性はおいそれと上がらないので,逆に低い旋回Gでも高い機動が行える,いわゆる「超機動」が空戦機動の主流になりつつある.
 従来のセオリーでは,機体の運動エネルギーを維持したまま高速,高Gで旋回したり(維持旋回),運動エネルギーを一旦位置エネルギーに変換して減速後旋回したり(ヨーヨー)していたが,超機動では余剰推力に任せて減速後,低Gで旋回,その後再加速を行う.
 高い推重比を持った機体にしか出来ない芸当ではあるが.


 【質問】
 戦闘機のパイロットって強烈なGがかかると,内出血とか打撲みたいな症状が起きるものなのでしょうか?
 後,出来れば戦闘機パイロットの職業病を一覧してくれれば幸いです.

 【回答】
 打撲みたいな症状ってのが,内出血の事.

 航空機に乗っていて過激な機動をすると,強烈なGが掛かって心臓の血液送り出し能力よりも遠心力などで血液が「偏る」という現象が起きる.
 足先や手の先に血液が偏ると頭・・・というか脳に廻る血液が減って,脳が上手く回転しなくなったり視力が極端に落ちる,という現象が起きる.
 これを「ブラックアウト」と呼ぶ.

 また逆に頭に血液が偏ると,毛細血管の破裂などの障害が起きる.
 この時は目の欠陥が過剰に充血するので視界が赤くなり,「レッドアウト」と呼ばれる.

 激しい機動をしたら鼻や耳の血管が破裂して鼻血や耳血が・・・という人は結構いるらしい.

 このような傷害を防ぐ為,戦闘機パイロットは「対Gスーツ」というものを着用している.
 これは戦闘機の機動に合わせて体の各所を閉めつけたり開放したりして,血液の偏りを防ぐもの.

 戦闘機パイロットは強烈なGが架かる環境で日々生きているので,様様な持病・・・というか障害に悩む事に.
 一番多いのは肩凝り・・・というか首の筋肉と首の骨(頚椎)の異常.
 頚椎は重い頭を貧弱な骨と筋肉で支えてるので,障害が起きやすい.
 その次は心臓の異常.何故かは上を読めば解ると思う.

 4G辺りまではジェットコースターみたいで心地良いが,5G辺りからは降りた後にかなり疲労する.
 20歳で戦闘機パイロットになったとすると,五体満足なままでいられるのはせいぜい30代前半までとか.

 あと当然ながら?,実際にそこまで体に負担が掛かるような機動をする時というのは,基本的に空中戦中なので,その状態で敵機を捉え,自機と敵機の位置を確認し,機関砲やミサイルの操作を・・・,といった事をしなくてはならない.
 当然脳細胞フル回転なわけで,脳の血管に負荷が掛かった状態で,さらに脳を回転させるその状態は,他人に説明するのが困難なほどの極限状態とか.

軍事板,2006/04/09(日)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/09(vasárnap)

青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész


 【質問】
 スクランブル発進する戦闘機の搭乗員は,いつブリーフィングを行っているのですか?
 自衛隊関係のDVDを見たところ,物すごいダッシュで戦闘機に取り付いて,あっという間に発進しているので,ブリーフィングというかスクランブルの内容の話などしてる暇がなさそうです.

 【回答】
 あれは演出も含まれているので.
 実際には離陸前に,待機室に逐一最新の情報が送られて来るので,それを参考に打ち合わせてから離陸します.
 スクランブルの緊急指令が来た時どうするか,というのは,スクランブル待機に着く前にブリーフィングして決めます.
 気象情報や器材情報なども伝えられます.

 スクランブル任務に就いている時は,待機室にいる段階で既に「スクランブル任務中」.
 待機室にいる状態は「ただ戦闘機に乗っていないだけ」ということになります.
 待機中も最新の情報を伝えられます.

 ダッシュは,待機室にいるレーダーや気象状況の監視結果を受ける連絡要員が,緊急発進下令の電話を受けてベルを押した後です.

 目標の位置等については,乗り込んでから離陸するまでの間に指令され,離陸したあと更に防空司指揮所より誘導されて目標に向かいます.

 空母戦闘群(空母機動部隊)も艦隊の周囲に「防空識別圏」が設定されており,その空域に「所属不明機」が侵入してきた場合,空母の甲板上に待機している編隊が緊急発進して対処します.

 ちゅうか,そのDVDには要撃管制の流れは紹介されてなかったのか?

unknown

▼ こんな記事みつけました.
 戦闘機ではなく指令の方ですが.

--------------------
元航空自衛官だけど何か質問ある?

Q.
 劇場版パトレイバー2のスクランブルシーンって,本職の人から見たらどんな感じ?

A.
 詳しい事は言えんが,なかなかリアル.

 但し,ヘッドセットに手を掛けて話すと,術校では教官にはったおされます.
「てめぇ!コンソール座る前になんで調整してねぇんだ!」
と.
 それから高度は,「アルト」と略する事が多い.

 言えるのはそんぐらいか.
--------------------

Fabius (KT) in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 オーダーメードのパイロットスーツの仕立て屋の話を考えているのですが,パイロットスーツって普通のスーツと何がどう違うのかさっぱり分かりません.

軍事板

 【回答】
 耐Gスーツ Anti-G Suit のことなら,高いG(加速度)が戦闘機パイロットに掛かることによって発生するG-LOCを軽減させるためのパイロット・スーツ.
 過剰なGがパイロットに掛かると自動的に圧搾空気がスーツ内に送り込まれ,気嚢が膨張して下半身を圧迫し,血液の降下を軽減,それによって脳の虚血状態を防止する,というもの.
 激しいGの増減が機体に加わるジェット戦闘機では,これを監視するために操縦席にGメーターが従来から備わっており,耐Gスーツへの自動加減圧はその情報が利用される.

 【参考ページ】
http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php?%C2%D1G%A5%B9%A1%BC%A5%C4
http://www.mod.go.jp/asdf/iruma/special/020/p2.html
http://www.warbirds.jp/ansq/12/A2003670.html
http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/98/5/0503.html
http://www9.plala.or.jp/m01/pai5.html


引用元 http://www.camocorp.co.za/Protective%20clothing%20List.htm


(画像掲示板より引用)

【ぐんじさんぎょう】,2009/6/24 21:40
に加筆


 【質問】
 G-LOCって何?

 【回答】
 G(ravity)-Loss Of Consciousness の略で,Gによって失神すること.
 空中戦機動などで強力なGをかけた場合、または急激なGの変化が起こった場合に,心臓と脳との血圧の差によって,パイロットの脳に流れる血液が著しく減少すると引き起こされる.
 3~4Gではグレイアウト(目に見えるものから色彩が失われる)、ブラックアウト(目が見えなくなる)が起こり,5G以上になるとG-LOCが起こる.

 【参考ページ】
http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php?G-LOC
http://www.aeromedical.or.jp/igaku/kouku9.htm
http://www.stratosphere.jp/aviation_dic/html/alpha.html

【ぐんじさんぎょう】,2009/6/30 00:30
に加筆

G-LOC

(うそ)


 【質問】
 映画『ナイトオブザスカイ』に,ipodを使用しながら戦闘機に乗るパイロットが居ます.
 友人とこの映画を見ていたのですが,その一人が,音楽を聴きながら飛ぶ元ネタがあると言っていました.
 その友人も元ネタ自体を知らないのですが.
 この音楽を聞きながら飛ぶパイロット(?)の元ネタを知ってる方は居ませんでしょうか?

 【回答】
 湾岸戦争の時,F-117ステルス戦闘機のパイロットたちは,無線封鎖されてたので無線を聞く必要がなく,暇なのでヘッドホンステレオを持ち込んで音楽を聴きながら飛んでいたそうだ.

 元ネタと言うならそれじゃない?

unknown

▼ 映画「アイアン・イーグル」(1985)に,主人公が音楽を聴きながら戦闘機(F-16)を操縦するシーンが 出てきます.
 主人公が父親救出に向かうための訓練シーン,および実際の救出に向かったときの戦闘シーンがそうであったと記憶しています.
 もちろん,より以前に同様のシーンがある映画があるかもしれませんが,私が知る範囲ではこれが一番古いのではないかと思います.

 以下引用.

――――――
 かなり荒唐無稽なストーリーはともかく,ウォークマンでロックを聞きながらコックピットに座る,御気楽な主人公に感情移入出来るかどうかが,一番の問題.

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=42
――――――

NullDevice in FAQ BBS,2011/9/20(火) 12:51
青文字:加筆改修部分

http://www.youtube.com/watch?v=req_EkbRmSw
 敵空軍基地攻撃直前に,カセットテープを再生するシーンがあります(6分7秒ごろ)

 ちなみにイスラエル空軍が協力しているので,米空軍F-16役は,イスラエル空軍のF-16A/B,敵のMig役はクフィルC2です.

90式改 in FAQ BBS,2011/10/16(日) 21:50


 【質問】
 本職のパイロットの人って,フライト・シミュレーション・ゲームは上手いの?

 【回答】
 ポテンシャルは,やはり高いみたいです.
 以下引用.

-------------------------

 百里のアラートハンガーに行った時,待機していたパイロットがエアロダンシングのスクランブルミッションしてるのを見たときはリアルで吹きかけました.
 実際に現役のパイロットと対戦した知人曰く,
「(初めてプレイしたパイロットが)慣れてないうちは勝てたけど,そのうち全然勝てなくなった.
 恐らく,普段からやってる戦術機動を使ってきたんだろうけど,珍妙な機動をしてきた.
 何であんな無駄としか思えない機動をして速度が維持できるかわからなかったし,こちらが全力で逃げようとしても,しばらくしたら背後に憑かれてる.正直,勝てる気がしなかった」
とのこと.
 むしろ,現実の戦闘機動が再現できるエアロダンシングすげー!(確か元空自のパイロット監修の筈)

 ちなみに,空自の場合は数年前からPS2を調達しています.
 実際,90年代以前から補給のストックナンバーの割り振りにゲーム機が加わってます.
 たぶん,あのPS2も官給品だと思います.ソフトは違うと思いますがね.

 今も空自が支援活動を行っているクウェートの地でも,官給品PS2がバリバリ稼働中.
 ほとんど各個人にTVと供に割り当てがあるらしいです.
 でも,ゲーム目的よりもDVD再生がメインとか.

 〔略〕

 サバゲでも元陸自のレンジャー1人に全滅させられかけたことも….あれは化け物でしたねえ….

―――チハ97式改 in mixi,2008年03月07日00:32

新所沢の三等兵◆Uk

 そういえば数年前,電車のシミュレーションゲーム(電車でGO!)がはやったとき,何とか現役の運転手にやらせようとして駄目で,仕方が無くOBにプレイさせるというのを複数の番組で見た記憶が有ります(笑)

 まぁ,現役がクリア出来ないのはかなりマズいから,それは駄目という事なんでしょうけど…
 おそらくやらせてもかなりいいスコアを出しそうですが(笑)

ちくお

 鉄道の運転士,機関士の場合は,その路線の風景の動きとか路面の振動なども含め,自分の五感をフルに利用して会得しているので,そうした要素を除去している『電車でGo!』では,鉄道の運転士,機関士は逆にスコアを出せないそうです.
 前に現役運転士の方から伺った記憶があります.

 「カシオペア」の向谷実さんが編集されているトレイン・シミュレータは,ゲーム要素と言うよりも,風景が微に入り細に入り再現されている拘りが有る為,鉄道の運転士,機関士からも評価が高く,これのクオリティを上げたものが東急の電車運転士養成用シミュレータに採用されていますね.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 260

 昔の蒸気機関車時代には,バラストの流れ具合で速度を読み取った機関士もいたそうですが.

井上@Kojii.net

 実機とシミュレーター訓練を組み合わせるのは私の職場でも同じですが,シミュレーター作りで一番難しいのは解析モデルもさることながら,操作入力量と実機の挙動とどう合わせていくか,と言うところにあったりします.

 その点がうまく合っていないと,例えば車で言えば,アクセルをちょっと踏んだつもりがいきなりアクセル全開になったり,急ブレーキを掛けたつもりが全然かからなかったり,と徐行や一定速度運転がなかなか出来ない物となってしまったりしまして.
 その点の感覚がある程度合致しないと,五感はともかくとして(ゲーム)バランスの非常に悪い物となってしまいます.

 私の分野で言えば,熟練の操作員が操作しても,すぐにスクラム(原子炉緊急停止)する嫌な原子炉となってしまいますが,実はこれは実機にも言えることで.
 保護系がたくさん付いた現物では,バランスが悪いとすぐに安全保護が誤作動――有る意味では正常作動ですが(汗)――してしまい,原子炉スクラムで大騒ぎ.現在なら全く持って試運転が終わらなかったであろうことも,過去にありました.
 要は何事もバランスや,適切な調整が必要と言うことで.

へぼ担当

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より

▼ 概ね同意ですが,以下私見です.

 対戦で勝てるか?という話だとちょっと変わります.
 ゲーム性重視した様な(エースコンバットとか)ゲームだと,本職の方は実機の制約をそのままゲームに持ち込んでしまうので,必ずしもゲーム的にうまい機動になるとは限りません.
 これはフライト・シミュレータに限らず,ゲーム全般に言えます.
 サバゲーで陸自出身者のチームが,一般の方で構成されたチームに負けたそうですが,それは一般の方の方が実際にはありえないような(命が怖くて出来ない突入とか,塹壕に隠れながら片手でライフル乱れうちとか)事をするからだったそうで,やっぱりゲームはゲームかなぁ,と.
 空では常に危険回避しなくてはならない意識でいるパイロットが,ゲームとは言えやっぱり無茶はしにくいのではないかなと考えます.
 シミュレーター訓練でも,シミュレータだからと言ってアボートとか激突とかは許されません.

 しかし,ゲームと言ってもリアル性を重視したものになると,プロシージャまでしっかり再現してきます.
 そうなるとプロシージャに慣れている本職の方は,とても有利ですね.
 一般に手に入る物でも(MSFSでも),それがリアル性重視のものなら,民間機軍用機とわず,プロシージャはほとんど再現できてます(Janes F/A-18のパッチ製作には本職の方が参加されているという話です).
 『Falcon4.0』は韓国軍に実際に,導入訓練用に採用されたと聞きます(ソースは結局みつけられなかったです).
 で,それで対戦となると,本職の方は一瞬の判断と操作を確実に出来る訓練を毎日されているわけで,その点は適わないでしょうね.

 勿論,ここまでの話は,そのゲームをプレイする為のコントローラーがゲーム機付属のものではなくて,最低でも専用コントローラーで(操縦桿とスロットルがついていれば),という前提での話です.
 操作系が全然違うなら,もう普通のゲーマーとあまり条件は変わらないと個人的には思います.

 それと,業務用シミュレーターと,一般に売られているフライトシミュレーターの違いの中で一番大きいものの一つは,風が考慮されてない,もしくはその再現性の厳密さの度合い,と聞きます.
 実際,市販のシミュレーターばかり乗っていると,あまり考慮しなくていい要素になってますが,本職の方は常にもっっっと強く意識しています.

> むしろ,現実の戦闘機動が再現できるエアロダンシングすげー!(確か元空自のパイロット監修の筈)

 エアダンは当時,家庭用で出ていたシミュレータとしては最高峰だと思います.
 同じく家庭用では「OverG」も現役のイーグルドライバーでデモしてましたね.
 ・・・が,「監修」という言葉は時々疑った方が良いです.
 某フライトシミュレーターは*****監修と言いながら,名前借りただけって事もありました.
 レース・ゲームでも同様の,,,,あれ,こんな時間に誰だろ(略

> サバゲでも元陸自のレンジャー1人に全滅させられかけたことも….あれは化け物でしたねえ….

 あ,上で元陸自の方がやられたと書きましたが,レンジャーは別です.
 むしろサバゲーの方がレンジャーの戦い方をするので,そこに横一列体形で制圧しようとしていた元陸自部隊がやられた,と言う話でした.
 出典はサバゲーの紹介してたマンガだったんだけど,タイトルが思い出せない....

Fabius (KT) in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


(画像掲示板より引用)


 【質問】
 空軍アクロバットチームの機体は,アクロバット飛行中,カラフルな煙をなびかせていますが,あの色付きの煙はどのように出しているのでしょうか?

 【回答】
 オイル(スピンドルオイルが使われる)に着色剤入れてる.
 そのオイルをジェットエンジンの排気口に噴射し,蒸発させて煙にする.
 大概,アクロバット用に使う機体はこのスモーク用にオイルタンクを増設している.

 自衛隊の場合,色付きスモークは航空祭をやると周辺の住民から
「干しといた洗濯物に色が付いてダメになった」
「車にカラフルな染みが付いた」
という苦情が来るようになったため,今は色付きスモークは禁止.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 子供の頃(20年くらい前)にTVの「衝撃の映像特集!」みたいな番組で見たんですが,外国のアクロバット部隊で,低空で高速ですれ違ってみせる,と言う演技の最中に空中衝突して観客席に落ちてきた,という事故の映像があったのですが,これはいつ頃起きた何処の国のなんと言うアクロバット部隊のものなのか,わかる方はいらっしゃいますか?

 【回答】
 アクロバット飛行中の空中衝突事故で,観客に犠牲者が出たというのは数える程しかないので,おそらくこれでしょう.

――――――
「1988年8月28日:(空中衝突)イタリア空軍 の曲芸飛行隊フレッチェ・トリコローリのフィアットG.91が,ドイツのラムシュタイン空軍基地で開催されていた航空ショーで飛行中3機が空中衝突を起こし墜落.
 そのうち1機が観衆の中に墜落したため,地上の観客とパイロット合わせて75名が死亡,346名が負傷した.
 この惨事以降はドイツ国内のアメリカ空軍基地の航空ショーは開催されなくなった.」

――――――wiki「空中衝突」より抜粋

 アクロバット中の事故自体ははけっこう起きている.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 この記事↓見て思ったんだけど,F-15って上昇時に移行する際も9Gでるの?
 旋回だけじゃないの?

【ソウル18日聯合】
 慶尚北道浦項沖で6月7日に墜落した韓国空軍の次期主力戦闘機F-15Kの事故原因は,機体の高度を上げる際にかかった重力に耐えられず操縦士が意識を失ったためだとわかった.
 空軍の金銀基(キム・ウンギ)参謀次長が18日,明らかにした.

 金次長は,「事故機の機体やエンジンには何の欠陥も見つからなかった」とし,操縦士が飛行高度が下がった状態を修正する時に重力加速度(G)のために意識喪失(G-LOC)し海上に墜落したと説明した.
 G-LOCは,戦闘機の出力速度が一般人が耐えられる6Gより高い7~9Gまで上昇した場合に,操縦士の脳を流れる血液量が減少することで一時的に発生する現象を指す.

 2人の操縦士が同時に意識を喪失したとする空軍側の説明に対し,理解できないとの見方もある.
 しかし空軍は,今回の事故は機体やエンジンの欠陥でも操縦士のミスによるものでもないとの判断している.
 そのため,機体やエンジンメーカーに戦闘機価格約1000億ウォンの賠償も請求できなくなった.

 金次長は,合計40機を導入するF-15K戦力化計画について,計画通りに進める方針を示した.
 F-15Kは,墜落機を含めこれまで6機が導入された.

聯合ニュース

 【回答】
 その記事には,墜落機は9Gかけた,なんてひとことも書いてないようにみえることは置いといて ,90年代にF-16の墜落事故が多発して,原因を調査していくうちに3-4Gの割合に低い加重でも,パイロットの体調によってはGロックが発生,しかもパイロット自身はそれを自覚できないことがわかってきた

 同時に有効な防止方法も開発されたらしい.
 具体的にどーするのかまではわからんが,今回の墜落事故は韓国空軍のパイロットの健康管理体制がなってなかったということなんだろうが,それじゃカッコ悪いので大昔の大G=Gロックという図式を持ち出したのでは ないか?
 韓国メディアの技術理解水準は日本以下だから,記者が知らんかっただけ,つーのもありえるけど.


 【質問】
 無人戦闘機は実用化されないんでしょうか?

 【回答】
 キューイングによる遠隔操作がどの程度発達するかによる.

 対地攻撃ならばすでに,パキスタンの部族自治区などで米国が多用しているのは再三の報道などで,ご存知の通り.

 偵察,捜索,対地攻撃,と無人機の使われる任務は次第に増加している.
 米空軍でも高高度大搭載量,航続時間大のUAVは導入されているし,他軍でもそれぞれ取り組みがある.

 いわゆる空軍の抵抗についてはいろいろ表れているが,いずれは無人戦闘機が現れるだろう.
 まずはUAVの自衛戦闘から始まるにせよ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 将来的は有人戦闘機はなくなり,無人戦闘機になるだろうという考えも聞きますが,無人戦闘機というのは遠隔操作になるだけなのか,それとも漫画やアニメのように,自律行動を取れるようにするのでしょうか?

 【回答】
 無人機の将来形は,まだ霧の中です.

 一応,離着陸程度は当然自律で行い,目的地までの直行,地点経由の飛行も当然できるでしょう.
 問題はそのあとの任務遂行時で,この部分は地上からの完全遠隔操縦,後続の母機からの遠隔操縦,プログラム通りの杓子定規な行動,一定のルールに従った反応を返す行動,他機との関連で動く行動,など様々なものが考えられ,実験されています.
 遠隔にしても,旋回一つにいたるまで人が指令するものから,概略,つまり「ここを避けてこの目標に爆弾を落とす」といった遠隔操縦もあります.
 他機との関連も,役割分担を行うもの,一機が目標を発見すると周囲の機が集まって集中攻撃するもの,目標重複を避けるための連絡を行うものなど,いろいろです.

system :軍事板,2004/01/16
青文字:加筆改修部分

 ただ,1950年代の終りから60年代初頭に掛けて,地対空ミサイルが究極的に発達するため,戦闘機などは無用の長物だと言われた時代がありました.
 これは米国の主張で,この考えを具体化したものとして,Boeing IM-99 Bomarcが開発され,それを真に受けて,英国やカナダでは自国で開発していた戦闘機を中止,あるいは縮小してしまいましたが,後にそのIM-99はとんだ食わせ物だったことが判り,英国はF-4Kを,カナダはCF-101を購入せざるを得なくなり,英米関係の緊張,カナダ内部の政治問題と化しています.

 この様に,各国とも痛い目にあっているので,無人戦闘機で構成された飛行隊というのは,かなりの確率で主流たり得ないのではないかと思います.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2004/01/15
青文字:加筆改修部分

 まあ,ルーチン化し易く,危険度が高い任務から無人化されて行く潮流は,大きくは変わらないのではないでしょうか.
(ベトナム期のRPVブームと,その後の退潮は良く存じております)
 偵察・観測任務のプラットフォームに関しては,UAVに置き換えられていくのは確実でしょう.
 攻撃任務も,固定目標攻撃は確実に(既にトマホークという形でかなり無人化されてますし),CAS・SEADといった任務も,アドホックな部分にマンインザループを残しつつ徐々に無人化されていきそうです.
 空対空戦闘は,最後に残った人間の砦となるのでは・・

 この分野,戦場をネットワークで覆い,非脆弱に維持する能力から,アメリカの優位は動かなそうですが,まだ技術的奇襲の可能性は残ってるとは思います.

軍事板,2004/01/16
青文字:加筆改修部分

 【反論】
 巡航はともかく,離着陸の完全自動はかなり難しい.
 当然と言いきれるほどのものでもなかろう.
 1950年代のF-106なんかも,離着陸以外はSAGEに連動しての自動飛行が可能とか言われたし,シャトル・オービターも着陸だけは,いまだに自動化していない.

 無人機の自動着陸ってどんなもんか知りたければ,JAXAのALFLEXの開発状況をみれば良いかと.
 動画もある.
(接地直後にバウンドして,ヒヤッとさせたり)

 旅客機のハードランディングの動画集めたサイトがあったんだけど,URL忘れちゃった.
 「人間ってすげぇ」って思ったもんだけど・・・

 なお,プレデターも,接地まで自動という意味ならば,いままで一度も自動着陸をやっていない.
http://www.fas.org/irp/program/collect/predator.htm

軍事板,2004/01/16
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 UCAVは戦闘機に代わる抑止力になれるの?

 【回答 válasz】

 海国防衛ジャーナルの最新記事にUCAVに関する記事が書かれましたが,この記事は私が言いたかった事が全て書かれてるという点では,もろ手を挙げて歓迎する記事でした.

未来の戦場は無人機(UAV)が主役になるのか:海国防衛ジャーナル

 中盤の中国UAVによる飽和攻撃に関しては,完璧と言えるぐらいに反論ができている記事です.
 さらに当方で補足しますと,
・飽和攻撃出来るぐらいのUCAVを飛翔させるなら,そのための遠隔操作操縦システムが大量に必要になるという事.
・通信衛星や地上誘導ステーション等の機材コスト,
・それを運用する人員の育成のためのコストを考えると,中国軍にそれだけの費用が出せるというか
という点があります.
 日本はもとよりアメリカだって出せないでしょう.
 アメリカですら出せないものを中国が出せるわけがありません.

 さらに当方が着目したのは以下の点でした.

------------
 UAVは対国家に使える兵器ではない.
(略)
米空軍参謀長ノートン・シュワルツ大将は,
「リーパーのようなUAVはA2/AD(接近阻止・領域拒否)環境下には対応できない」(Flihtglobal)
と言ってますね.
 だからこそ,
「第5世代戦闘機のF-35開発を進め,B-2ステルス爆撃機を保有しているのだ」
(同上)とシュワルツ大将は明言しています.
 さらに,米空軍航空戦闘軍団のマイケル・ホステージ大将も同様に,
「プレデターやリーパーは強度の強い作戦環境下では使えない代物だ」(ノーボスチ)
と発言しています.
 UCAVは,対国家向けのCAP(戦闘空中哨戒)機として運用するには能力が足りないとのことです.
(略)
 中国のUAV運用にもあてはまります.
 そのことは中国の無人機の専門家も認識しています.
(Youtube動画の説明なので略)
 翼竜の設計担当者たちも,
「UAVが有人機に完全に取って替わることはない」
と考えていることが分かります.
 そもそも,有人機のいらない未来が近いなら,中国がJ-20を開発していることに説明がつきません.
------------

Anti-access/area denial challenges give manned aircraft edge over UAVs:Flihtglobal

Predator drones ‘useless’ in combat scenarios - Air Force general — RT USA

 安全保障をブログで語っている人の中によく
「無人機が未来の戦場の主役になるし,戦闘機はコストだけかかってミサイルや無人機の攻撃には敵わない」
と豪語される方を見ますが,実際は米空軍のシュワルツ参謀長や同じ米空軍のホステージ大将が語っているように,UAVは中国の軍事戦略(実際は単なる心理戦・陽動作戦に過ぎない)であるA2AD対策はもとより対国家戦とうい高強度紛争では役に立たないと明言しています.
 せいぜい自動小銃や対戦車ロケット(またはミサイル),迫撃砲,爆薬ぐらいしか持たずゲリラ戦しか出来ないテロリストとは違い,戦闘機や地対空・艦対空ミサイル,それを装備した艦船や戦闘装甲車両を持つ国家とでは戦力が違います.
 国家はそれ等の武器でUCAVを撃墜出来るのですから.

 なお,イラクやアフガニスタンはこれ等の強高度国家には含まれません.
 当時のイラクは湾岸戦争と経済制裁,そして当時の為政者だったサッダーム・フセインの空軍幹部の粛清で空軍の再建はなされず,アフガニスタンに至っては各軍閥で空軍が分割され,まともな部品も教育も行われなかったのですから,空軍はあってないようなものでした.
[中略]

 さらに中国空軍無人攻撃機でプレデターと同じ性能を持つと言われる翼竜の設計担当者たちが,
「UAVが有人機に完全に取って替わることはない」
と名言しているように,UAVが戦闘機にとって代わる事はありません.

 さらに海国防衛ジャーナル氏はこうも述べています.

------------
 同時に,防空を主任務とする日本にとってUCAVなど必要ありません.
 制空型のUAVに至ってはまだ存在すらしていませんしね.
 防空の主役もまた,当面は有人機なのです.
------------

 制空型UAVがまた登場せず,これからも登場する可能性が低い以上,確かにプレデターやリーパーのようなUCAVは自衛隊には必要ないでしょう.
 中国軍やロシア軍に撃墜されるのがオチでしょうね.
 それだったら戦闘機1機分とも言える遠隔操縦システムを導入してまで導入する必要はないでしょう.
 現在,実証機をそのまま配備したTACOMだけでも十分に対応出来ると思います.

 ただ,空自のF-2パイロットが不足する可能性があるので,アベンジャーのようなターボファンエンジンのUCAVは考えた方がいいかも知れませんが,以前にも書きましたけど,その気になればF-15Jでも対艦ミサイルは運用可能ですし,2016年度からはF-35Aも導入されますので,以前このページでも語った事のあるアベンジャー導入論ですが,今となっては必要なのかとも思います.

 また,SEADではハーピーのような無人機も登場していますが,実際はSEADでも相手にミサイルを撃たせて返り討ちにするというワイルド・ヴィーゼル任務は,やはり無人機には無理だという指摘もあります.

最近読んだ本 : F‐16 - エース・パイロット 戦いの実録:Kojii.net ココログ別館

 技本では離島防衛用のUCAVを開発中とのことですが,離島防衛だったらむしろ潜水艦からのハープーン地上攻撃型でもいいような気もします.
 ただ,AH-Xが未だに再選定されていない今の陸自の状況なら,陸自部隊の近接航空支援用に必要なのかも知れません.

 いずれにしても,UCAVが海上侵攻や離島防衛に対する抑止力としては,戦闘機に代わる事はあり得ないのは確かです.
 何人かの無人機や巡航ミサイルを崇拝している安全保障を語る人のブログが,迎撃や高強度戦を無視して戦闘機では脅威の変化に対応できないという珍理論を唱えていたのは,今でも呆れて言葉も出ない思いがします.

 RQ-4やTACOMのような無人偵察機は確かに必要ですが,スティンガーやVADSでも迎撃出来るようなMQ-9レベルの無人攻撃機は必要ないでしょう.
 少なくとも抑止力にはならず,単なる玩具になるだけですからね.

ねらっずーり in mixi, 2013年10月06日
青文字:加筆改修部分


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