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◆◆◆◆◆F-4
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<◆航空 目次
<兵器FAQ目次
ファントム(幽霊)
(画像掲示板より引用)
【質問】
ファントムの系列を教えてください.
【回答】
<米海軍型>
F4H-1:シリーズ初の本格量産機.
F-4B:F4H-1のブロック6以降は,62年9月からF-4Bと改称された.
EF-4B:艦隊電子戦支援群(FEWSG)での運用を目的に,高速機のシミュレートと各種試験用機材の空中試験機としてB型から1機のみが改造された.
NF-4B:NADC(海軍航空機開発センター)で機材開発試験に用いられた機体.2機が改造された.
QF-4B:無人標的機
F-4G:自動要撃/自動着艦が可能なように改装された機体.2ウェイデータリンク装置AN/ASW-21などが装備され,12機がライン上にて改装される.66年6月に元のB型規格に戻された.
F-4J:B型,及びG型の発展形.B型と比較してAN/APG-59レーダー,AN/AWG-10
FCS,J79-GE-10エンジン,AN/ALQ-91 ECMシステムなどの装備が追加された.新規製造.
F-4J(FV)S(モデルFVS):計画のみに終わった機体.可変翼ファントム.F-14の前に見向きもされなかった(ぁ
DF-4J:標的機の空中操縦に用いるための機体.少なくとも1機が改装された.
EF-4J:EF-4Bと同じく,FEWSGに配備された機体.76年12月にEF-4の名前が与えられている.
F-4N:J型で採用された改良の大半が盛り込まれたF-4Bブロック12〜28の改装機.
QF-4N:QF-4Bの老朽化による機体強度低下のための機動制限と,損耗による機体数の減少への対処として,リタイアしたN型を改修した機体.
F-4S:J型の寿命延長計画.F/A-18Aの戦力化までのつなぎと,思うように進まないF-14Aへの改変への遅れのギャップを埋める為に改装された機体.J79-GE-10Bへの換装などの様々な改装が施された.78年6月から実戦部隊に配備された.海軍では,CVW-5のVF-151/-161が86年3月25日に.海兵隊ではVMFA-112が92年11月に運用を終了するまで,実戦部隊に配備された.
QF-4S:88年に改修が始まった高速無線標的機.
RF-4B:偵察機ー.配備先は海兵隊.90年9月30日まで運用.
<米空軍型>
F-4C(F-110A):F-4Bの空軍型.戦闘爆撃機として使用するため,FCSや爆撃管制装置等が換装された.
EF-4C:F-4Cから36機が改装された,レーダーサイト等を制圧するワイルドウィーズル機.AGM-45の運用に制限があったこともあり,活動範囲も限定的だった.
RF-4C:RF-4Bと実質的に同一の機体.足回りや空中給油方式等は空軍式.
F-4D:限定的な改装に留まったF-4Cとは違い,戦術戦闘機として米空軍らしい独自性を盛り込んだ機体.ガンポッドも使えます.
EF-4D:F-4Dから4機改修され,ワイルドウィーズルW/Xのテストベッドにした機体.制式採用には至らなかったが,この機体でのデータが
F-4G『ワイルドウィーズルX』として結実する.
F-4E:機首部に20mmバルカン砲を搭載したタイプ.様々な(ない物ねだり感が強い)改善要求があったものの,固定機関砲の搭載は切実なものであったことが伺える.これ以外にも,真のTSF(戦術攻撃戦闘機)として,空軍が必要する改修が行われている.更に,F-4E-48(71-237)以降は左主翼にTIESO(電子/光学式目標識別装置)が追加されている.
RF-4E:前縁スラットなしのF-4Eの胴体に,F-4Cの機首を取り付けた偵察機.150機生産されたが,全て輸出用.
F-4G『ワイルドウィーズルX』:EF-4C/DではAGM-78等の新型ARMの運用に新たな配線が必要であったため,制約を抱えていた.このため,F-105Gの後継機として設計されたワイルドウィーズル機.下手すると,F-16CJ/DJの能力すら現在でも上回っている部分が存在する.
F-4X/RF-4X:GDが開発していたHIAC-1 LOROPカメラを搭載し,最大速度マッハ3.2,巡航速度マッハ2.7を実現しようとする計画(RF-4X).元々速度性能の向上を行うF-4X計画からの発展.アメリカは直に(F-4X/RF-4X共に)乗り気ではなくなったが,イスラエルさんマジ乗り気.F-4Eを1機提供するくらいには.
F-4E(S):ポシャったRF-4X計画だったが,HIAC-1カメラを普通のF-4Eに搭載した機体.追加で2機に搭載され,計3機がひそかにイスラエルに運び込まれた.
QF-4C/D/E/G,QRF-4C:無人ターゲットドローン機たち.動画サイトだと,AIM-9Xとかのドローン役で出てるから見ればいいと思うよ.
<輸出型>
<イギリス軍>
ファントムFG.1(F-4K):英海軍のシービクセン後継機.FCS周りにも改修がなされているが,何よりの特徴はエンジンをスペイMk.202ターボファンエンジンへ変更したこと.ベースはF-4J.ガンポッドの運用は海軍型では不可.空軍へ機体を引き渡す際以降のみ装備可能.
ちなみに,最高速度は全ファントム系列中最も低く,実用上昇限度も低い.
ファントムFGR.2(F-4M):F-4Kから艦上機用の装備を取り払ったタイプ.英空軍が望んだ戦術戦闘機であるために,FCS周りや無線設備,ガンポッド運用能力等は空軍用に改修/追加されている.
F-4J(UK):フォークランド諸島防空のため,1個飛行隊が派遣された穴を埋めるために急遽調達した機体.No.74
Sqnに配備された.装備品のイギリス規格への変更は最低限に抑えられている.イギリスが運用したファントムの中では唯一エンジンがJ79エンジンの機体.
<ドイツ軍>
F-4F:前縁スラット付F-4Eとほぼ同一タイプ.AIM-7の運用能力は持たず,細かい点でF-4Eとは異なっている.これはF-104G戦闘爆撃機の後継機として戦術攻撃能力を重視したため.なお,当時は防空はUSAFE(在欧米空軍),RAFG(在欧イギリス空軍)が主力を担っていた.
F-4F ICE:東西ドイツ統一後,RAFGは撤退し,環境の変化の結果,ドイツ防空を自前で行う必要が出てきていた.そのため,レーダーをAPQ-120からAPG-65GYへと換装し,AIM-120の運用能力を獲得したタイプ.98年の計画修了までに,110機ほどが改修を受けた.
<イスラエル軍>
F-4E クルナス2000:戦術攻撃能力向上と,機体寿命の延長を図ったタイプ.機内アビオニクス全般の更新が主.130機(RF-4E含む)を改修予定だったが,F-15I等の導入により55機程度で打ち切られたよう.
<トルコ軍>
F-4E『ファントム2020』:レーダーをEL/M-2032に更新するなど,アビオニクスの更新を中心とした改修が施されたタイプ.IAIの協力を受け改修された.
<ギリシャ軍>
F-4E(改):F-4F ICEのように,AIM-120運用能力付与する改造が施されたタイプ.
<スペイン軍>
RF-4C(改):アビオニクスを中心とした改修が施されたタイプ.99年半ばまでに改修は完了した.
<航空自衛隊>
F-4EJ:F-86F戦闘機の後継として配備された機体.総合計140機.ベースはF-4E-45.バッジシステムにリンクするためのデータリンク装置が追加されているほか,爆撃コンピュータや空中給油装置等が取り外されており,要撃戦闘能力を重視した航空自衛隊独自のタイプとなっている.
F-4EJ改:F-4EJの改良型.レーダーをAPQ-120からAPG-66へと換装.HUD,セントラルコンピュータ,航法装置,レーダー警戒装置等アビオニクスを中心とした改良が行われた.この改修はFI(要撃戦闘機)としての能力向上が中心であったが,改修によりFS(支援戦闘機)の任務もこなすことができるようになった.2010年7月現在でも,第301,第302飛行隊に配備されている.
総生産機数:5195機
初飛行:1958年5月27日
最終生産機:F-4EJ 140(17-8440)号機/1981年5月
運用国:アメリカ,イギリス,日本,ドイツ,スペイン,エジプト,トルコ,オーストラリア,韓国,イスラエル,イラン,ギリシャ
参考文献
世界の傑作機 No.74『F-4ファントムU海軍型』
世界の傑作機 No.82『F-4ファントムU輸出型』
世界の傑作機 No.86『F-4ファントムU空軍型』
<以下感想>
多分これで完成.一通り網羅した筈です.
解説を簡潔に書こうとするとすげぇ大変.
簡潔に説明/論述する能力が欲しいです.
なお,記載したタイプは何かしらの独自性があるタイプになります.
導入国は,一度でもF-4系列機を部隊配備し運用した国となります.
〔略〕
邪夢@蛸神教 in mixi,2010年07月21日19:56
F-4接写
名前の由来となった「ファントム(幽霊)」のマーキングも見える(青い絵)
黒いのはカエル
しまだ in 「軍事板常見問題 mixi別館」
2010年11月10日 10:54
青文字:加筆改修部分
【質問】
F-4ファントムについて質問です.
F-4ファントムの試作型と極初期型には,翼の付け根に機銃が付いていたそうですが,なぜその後の型では装備されていないのでしょうか?
後に機首を延長してバルカン砲積んだりしていますけれども,もともと機銃を積んでいたのであれば,そのままでよかったのでは・・・?
【回答】
F-4は長い長い開発までのストーリーがあったが,「F-4」としては試作段階から機関砲はないよ.
ミサイル万能主義って一言でかたずけられる事が多いが,機種に拠っての,その有無の理由は若干異なる.
F-4はそもそもが,レーダー誘導ミサイルを主武器にした,全天候型防空戦闘機として発注されたから,近接接近用のガンは不要とされた.
インドシナ介入で空軍が本家米海軍よりも大量採用され使用されると,ガン不備の欠点を指摘する声が上がった.
つまり,本来想定した使い方ではない場面での文句って言う訳だ.
そこで急遽装着する事になったが,エアフレームに影響がないのは,偵察型の機首カメラ部分をバルカン砲スペースに収めたから.
なのであの位置になった.
余談ながら今日では,ガンは本当に必要で有効だったのか論も出ている.
ナム戦初期のガンヒステリーだったのではないか?
ナム戦初期の米軍の苦戦は確かにミサイルの性能不足も一因だったから,ガンは有効だったかもしれないが,いざそのタイプが生産された頃には,ミサイルの信頼性も高くなり充分有効で,F-4Eではガンのみで撃墜した記録はない.
ガン未装着時代に搭載したガンポッドでの撃墜記録はある.
「ラストガンファイター」と呼ばれたF-8も,ガンのみでの撃墜記録はない.
F-4は同時期に,レーダーのルックダウン能力不足を指摘されていた.
海軍型は新型F-4でルックダウン能力を向上させ,同時に地表の影響を受けにくいAIM-9Gを開発した.
空軍型の新型も同じレーダーを搭載する予定だったが,ガン搭載の為に小型化した(能力は劣る)レーダ―を搭載する方を選んだ.
F-4E系のルックダウン能力不足はその後も長く欠点とされ,寿命延長能力向上改造では,F-4E系運用各国ともレーダー換装を真っ先に行っている.
軍事板,2010/12/26(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
F-4ファントムに機関砲が復活したのは,ヴェトナム戦争の戦訓を踏まえてミサイル万能論を放棄したため?
▼ 【回答】
マクダネル社史によると,F-4EはF-4Dを簡易にした地上攻撃型として要求され,開発が始まった.
これとは別にマクダネルは,ファントムの「砲撃型」を米陸軍に提案していて,基礎研究を継続していた.
この両者を合体させたのが現行のF-4E.
対空銃撃用の銃砲は,弾丸の沈下の影響をできるだけ抑えるため,プラスの取り付け角を持つが,こうした経緯を踏まえて誕生したF-4Eの,バルカン砲の取り付け角はマイナス1.2度で,対地攻撃を主眼にしていると断じざるを得ない.▲
ベトナム戦争でも,米戦闘機軍が撃墜した敵戦闘機の約八割はAAMによる.
しかも世界の傑作機のF-4空軍機編だったと思うが,それに載ってるベトナム航空戦の国際共同研究の抜粋によると,機銃による撃墜主張の大半は誤認とされている.
20mmガンポッドを搭載したF-4Dでは,銃撃による確証撃墜があるが,Eで主張されたものは,戦後の検証ですべて不確実とされている.
経済的な理由でミサイルよりガンを好んだイスラエル空軍でも,ストックなEによる銃撃撃墜は確認されていない
.
軍事板,2010/04/04(日)
青文字:加筆改修部分
▼ 上記の回答で,「対空銃撃用の銃砲は,弾丸の沈下の影響をできるだけ抑えるため(以下略」としていますがこれは根拠がないのでは?
確認したところF4D,F8Uは対空戦闘が主眼ですがどちらも機関砲の取り付け角は下向きです.
出典は両方とも『世界の傑作機』からです.
F8Uは28ページの記述から(標準-1度,対地用に-2.3度に変更可)
F4Dは54の図および55ページの記述から(-4度)になります.
それと,過去に「F-4ファントムを語るスレ」において,F-4Eの機関砲の主目的について議論が交わされています.
そのなかで今回,回答の根拠としてるマクダネル社史には,
「F-4EはF-4Dを簡易にした地上攻撃型として要求され,開発が始まった」
とは書いていないようです(レス番532〜.
こちらも目を通していただけると参考になるかと思います.
名無し三等兵 in FAQ BBS,2010/5/13(木) &
5/28(金)
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
F-4ファントムは10mの高さからワイヤーで吊り下げて落下させても,ランディングギアに何も問題がないと94'の『エアワールド』の84頁にあったんですが.本当に壊れる事はないんでしょうか?
【回答】
民間機だと着陸時の沈下率1m/sくらい,
陸上戦闘機はこの倍ちかく,
艦上戦闘機は更にその倍くらいといわれてる.
F-4の降着装置は沈下率7.2m/sまで耐えられるという事だが,
(http://www.f-4ej.com/encyc/sa-gyo.htm)
10mからの落下速度は14m/s,
安全率を考えても普通無事とは言えない高さだと思う.
【質問】
F-4ファントムIIのジェットエンジンのインテークと,本体(コクピット)の間にある「板」は,何の役割を果たしているんですか?
【回答】
▼ 「可変ランプ」といって,超音速を出した時に発生する衝撃波をコントロールするもの.
あれがないと,超音速突破飛行時に派生した衝撃波によって,空気がインテーク内に入ってこなくなるので,それを防ぐために意図的な空気の流れを作るもの.
F-15などでインテークが可動するのも同じ.
F-4のインテイクを,ランプ(斜板)が上に来るように90度回転させたのがF-15のインテイク
.
なお,F-4のものも可動する.
軍事板,2008/10/21(火)
青文字:加筆改修部分
▲
機体表面を流れる境界層と呼ばれるごく薄い空気の層があるんですが,これは気流が機体表面付近で減速される事で形成されます.
この流れの遅い空気をそのまま吸い込んでしまうと吸気圧が減少してしまうので,インテークと機体の間にダイバーダと呼ばれる隙間を設けた上であの板(スプリッターベーン)で分離します.
ベーンで分離した空気は,ベーン表面に開いた極小の穴から吸い込み,ベーン後方のブリードエア排出口から排出します.
また,このベーンは速度に応じて可変し,ベーン先端で発生する衝撃波を直接インテーク内に取り入れないようにもなっています.
また,もう一つの目的として,超音速気流への対策があります.
超音速飛行時に音速を超えるエアをエンジン内に吸い込んでしまうと衝撃波の影響で,かえって必要量のエアが取り込めないことがあります.
このため,超音速気流を減速してダクト内に導いて空気量を確保する必要があります.
その対策として,インテークより前に突き出した部分で衝撃波を発生させ,これによって超音速気流を圧縮・減速してダクト内に導く方法がしばしば取られました.
(F-104やMiG-21のインテークコーンなど)
F-4はこれより進化した方式で,スプリッターベーンを動かすことで,速度によって異なる衝撃波を最適の角度にコントロールしています.
名無し軍曹◆Sgt/Z4fqbE
【質問】
F-4ファントムUの後部座席はレーダーなどの操作を行うそうですが,レーダーの作業とはどのような物なのでしょうか?
レーダー以外にどんな作業があるのでしょうか?
前の席にレーダー画面はついてないのでしょうか?
【回答】
元々,PhantomIIは海軍の「全天候」防空戦闘機として開発された機体で,レーダーの搭載を主眼に開発された機体です.
従来の機体は,昼間戦闘が重視され,レーダーと言っても簡易なものしかありませんでした.
全天候戦闘用のレーダーは大きく,嵩張る代物で,操縦士が片手間に操作出来る代物ではありません.
そこで専用の操作員を置いて,彼らにその操作を行って貰うようにしたものです.
従って,海軍型の場合はレーダーの操作が主な任務で,操縦装置はありませんでした.
空軍型PhantomIIの場合は,後席にも操縦装置があります.
レーダーの作業と言うのは,機種によって様々で一概には言えませんが,機体運航の際の障害物回避,悪天候の回避,戦闘機では探知目標の発見,セミアクティブレーダーホーミングミサイルの誘導,後方警戒,偵察機では地上目標の発見などが挙げられます.
レーダー操作以外にも火器管制,航法,後方の監視,爆撃照準,最悪の場合,空軍型では操縦という作業があります.
なお一応,前席にもレーダー画面はあります.
眠い人 ◆gQikaJHtf2
F-4「ファントム」の前席と後席
(うそ)
【質問】
「F-4のパイロットは足癖が悪い」
って話を以前聞いた事があるんですが,これって具体的にはどういう意味なんでしょうか?
なんか変な挙動をするらしいですが,あまりよくわからないです.
【回答】
「足癖」というのはこの場合ラダーの操作のこと.
現代のジェット戦闘機の大半は,旋回の時はエルロンとエレベーターの操作だけで曲がることができ,上空ではほとんどラダーの操作の必要はありません.
しかし,F-4シリーズの機体は,ラダーも一緒に操作しないと旋回することができません.
さらに,低空・低速時などには,ラダーを通常と逆の方向に操作しないと,うまく操縦できないことがあります.
F-4の操縦に慣れたパイロットは,他の機種に移ったときもついこの操作を引き継いでしまい,結果的に妙なフラフラとした飛行になってしまう,ということのようです.
【質問】
エンジン停止したファントムを基地まで400kmほど僚機が風防のフレームで押して生還したって話はマジですか?
【回答】
当然ガセだと思うよな
で,おれも以前ガセだガセだと騒いだら,表彰式の写真つきエアフォースマガジンの記事がリンクされたことがある(笑)
両機の4人とも空軍の表彰をもらったとか.
エンジン停止機がアレスティングフックを降ろし,僚機3機が交代で損傷機の下に潜り込んでキャノピ・フレームでフックを押して飛行を継続させたんだと.
指の先にやじろべぇを置いて走る原理とかなんとか書いてあったぞ.
亡き長久保氏が航空ファンだったかにも紹介してたらしい.
例によってあの悪文なんで,おれには何のこっちゃわからんかったが.
ちなみに件のリンク,保存してあったが今は404になってる.
たしか空軍サイトで表彰の一覧を見られたと思うが,ひまな人,調べてみて.
軍事板
この件に関しては,"Pardo's push"で検索すると出てくるはずです.
アレスティングフックを下ろさせて,そこを押したんですよね.
【質問】
ドイツのファントム改修はどんなものか?
【回答】
EADSドイッチュラント社の提案によるドイツ空軍のICE(戦闘能力向上)計画では,まずレーダー換装によるAIM-120
AMRAAM運用能力付与がなされ,そのためにF/A-18「ホーネット」用に開発されたAPQ-65パルスドッブラー・レーダーを搭載することになった.
この他,ハニウェル H-423レーザー・ジャイロINSや,CPU-143/Aセントラル・エアデータ・コンピュータの搭載,MIL-STD1553Bデータバスの採用,新型IFF,コクピット・ディスプレイの更新等があるが,第1段階として,残存する全F-4Fに,H-423やCPU-143/Aを搭載する改修が施された.
F-4F ICE試験機の飛行試験は1989年に始まっており,92年7月に,転換訓練を担当する,ウィットムントハーフェン基地のJG71「リヒトホーフェン」に配備された.
ドイツ空軍では2004年にタイフーン運用を開始予定で,2011年頃までにタイフーンへの改変を終える事になっている.
なおEADSは,ICEに準じた改修を韓国空軍にも提案したが,韓国はF-16C/D導入を急いだため,採用されることはなかった.
詳しくは『航空ファン』 2003/5号, p.53-55(石川潤一著述)を参照されたし.
改修されたファントム
(うそ)
【質問】
ギリシャのファントム改修計画は?
【回答】
EADSドイッチュラント社の提案による,ドイツ空軍のICE(戦闘能力向上)計画に準じたもので,「ピースイカロス2000(PI2000)計画としてEADSは受注.
同計画はAUP(アビオニクス改修計画)とも呼ばれるように,エンジンや機体には手をつけず,アビオニクス改修が中心で,97年8月に契約が結ばれた.
APG-65の他,ミッション・コンピュータやエアデータ・コンピュータ,ヘッドアップ・ディスプレイ,多機能ディスプレイの更新,GPS-INSを含めたCNIアビオニクスの一新などで,もちろん回線はMIL-STD1553Bデータバスに切り替えられている.
F-4E PI2000はAMRAAMの他,レーザー誘導爆弾やAGM-130空対地ミサイルなどのスマート兵器が運用できる.
1号機の初飛行は2001年11月で,半年ほどドイツ国内で飛行試験を行った後,2002年6月にペロポネソス半島西部のアンドラビダ基地に配備され,飛行試験を続けた.
F-4E PI2000の部隊配備は2002年末に始まっており,現時点では未改修F-4Eと共に混成配備されている.
詳しくは『航空ファン』 2003/5号, p.54-55(石川潤一著述)を参照されたし.
他のファントム改修計画もそうだが,機体の残り寿命を考えた場合,果たしてコスト的に見合うものになるのかどうかが気になるところ.
改修されたファントム
(うそ)