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◆◆◆◆◆F-35
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兵器FAQ目次

※ 多国間開発機だが,便宜上こちらのジャンルに

F-35の猫耳モード


 【link】

「Blogs of War」◆(2013/03/25) F-35 stealth jump jet has lost 4.5% of testing time due to grounding orders

「bloomberg」◆(2012/03/10)U.K. Reviewing Lockheed’s F-35B Model, U.S. Official Says
(米海軍中将によれば「英国はF-35Bを再考中」)

「Defense News」◆(2012/06/15)GAO: F-35 Program Needs Prepare for Budget Cuts

「Defense News」◆(2012/06/16)Norway Orders 1st 2 F-35s in $10B Deal

「Defense News」◆(2012/06/21)Lockheed Fighter Bid Weighed 7,000 Pounds

「Defense News」◆(2012/06/26)Lockheed, Union Working on F-35 Reach Tentative Deal

「Defense News」◆(2012/07/01)F-35 Base-Sharing Plan Defuses Spat Between Italy's AF, Navy

「Defence News」◆(2013/02/22) U.S. Grounds Entire F-35 Fleet Over Engine Issues

「Defence News」◆(2013/03/02) F-35 Cleared for Flight Following Engine Issue

「Defence News」◆(2013/03/06) F-35 Report Warns of Visibility Risks, Other Dangers

「kojii.cocolog」◆(2013/05/17) F-35 の飛行試験動画

「kojii.cocolog」◆(2013/05/21) F-35B の垂直離着陸

「kojii.net」■(2012/03/26) 今週の軍事関連ニュース
>F-35 関連の話題を集中投下

「kojii.net」■(2012/09/10 10:12) F-35 をめぐる批判報道のボキャ貧

「Military Technology」◆(2013/06/05) Royal Air Force completes first F-35B vertical landing sortie

「Strategy Page」◆(2013/04/17) WARPLANES: F-35 Costs Driving Away Buyers

「Strategy Page」◆(2013/04/24) WARPLANES: F-16s Step Up For Tardy F-35

「Strategy Page」◆(2013/06/04) WARPLANES: Harrier Rescues The F-35B

「USNI News」◆(2013/05/24) Document: F-35 Costs Decrease .5 Billion in 2012
 F-35戦闘機の運用コストは,予想よりかなり少なくて済んだらしい.

「YouTube」◆(2013/05/13) F-35 Flight Test Intentional Departure
F-35戦闘機の高迎角・失速特性テスト

「週刊オブイェクト」◆(2010/03/19) F-35Bが垂直着陸に初成功

「週刊オブイェクト」◆(2013/04/05) F-35Bの夜間垂直着陸(動画)

「週刊オブイェクト」◆(2013/06/01) アメリカ空軍はF-35A戦闘機の初期作戦能力取得を2016年に早める

「東京の郊外より…」◆(2013-02-19) トルコ高官がF-35問題を語る

「東京の郊外より…」◆(2013-02-24) F-35飛行停止の続報:エンジンブレードに亀裂

「東京の郊外より…」◆(2013-03-01) 米軍F-35計画トップ:製造企業を再度痛烈批判

「東京の郊外より・・・」◆(2013/03/24) F-35:今頃やっと外国人が初操縦

「東京の郊外より・・・」◆(2013-03-27) 亡国のF-35:星が発注?と小ネタ3つ

「東京の郊外より・・・」◆(2013-04-20) F-35運用コストはF-16より1割増

「東京の郊外より・・・」◆(2013-05-16) これが豪腕女社長:LM社CEOがぬけぬけと語る
 F-35問題

「東京の郊外より・・・」◆(2013-05-28) F-35米軍価格1%ダウン

「ワレYouTube発見セリ」:Airman 1st to Fly F-35 Lightning II

「ワレYouTube発見セリ」:F-35 Lighting Jet hovering

「ワレYouTube発見セリ」:F-35 BF-01 Lightning II Ground Testing

「ワレYouTube発見セリ」:Latest F-35 AA-1 Lightning II Promo

「ワレYouTube発見セリ」:X-35 Joint Strike Fighter Jet


 【質問】
 「ライトニング2」とは?

 【回答】
 2006年に命名された,米英5軍統合戦闘機F-35のニックネーム.
(F-35 JOINT STRIKE FIGHTER PROGRAM)

 一時期はA型の開発を止める話も出ていましたが,現在は生産初号機が完成し,年末に予定されている初飛行に向けて各種試験が行われています.

 愛称のライトニング2は以前,F-22のニックネーム候補でもありました.
 そしてライトニングという名前の戦闘機は,過去にアメリカとイギリスの両方に存在しており,両国が共同開発したこの統合戦闘機の名前としても相応しいものです.
 ただ,戦闘機の愛称として雷系は定番過ぎて,面白みが無いといえば無いのですが・・・

 アメリカ軍の先代ライトニングは,第2次大戦時に活躍したP-38ライトニング戦闘機.イギリス軍の先代ライトニングはイギリスが開発生産した,最後のマッハ2級戦闘機イングリッシュ・エレクトリック/BACライトニング.

P-38 (戦闘機) - Wikipediaより

BACライトニング (戦闘機) - Wikipediaより


<この記事へのコメント ↓>

 ライトニング2じゃ面白みがないので,

スーパーライトニングとか,
ウルトラライトニングとか,
ハイパーライトニングとか,
ビッグライトニングとか,
トワイニングとか,
ビクトリーライトニングとか,
フリーダムライトニングとか,

にしてほしい.
 数字じゃ味気ないな.

Posted by ぽへぽへ at 2006年07月11日 09:22:44

「週刊オブイェクト」,2006年07月10日
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 F-35がレーザー装備してるとか聞いたんですけど,ほんとですか?

 【回答】
 673ABLのことだね.
 対航空機および地上目標に対する機上搭載レーザー.
 現在実用の段階に入っているが,大気圏から超高速で落下する大陸間弾道弾を大出力レーザーで撃破するシステムの開発が,ここにクローズアップされてきたという代物.

 もともとABLは,改造したボーイング747-400F輸送機の周りに構築され,メガワット級の化学レーザーを照準する独特の機首取付け型ターレットを有するというものであったが,その指向性エネルギー武器(レーザー)をF-35への転用を図ったのが開発系譜.

 バイス・プリシデント,JSFのデピュテイ・プログラム・マネジャ-いわく,
「低い発見率と航空機を脅威の傍まで浸透できるようにする電子攻撃の間には相乗効果がある.
 我々はこの能力をEA-6Bのようなスタンド・アローン航空機を保持するよりも,遥かに低いコストで働かせることができるよう提案中である」
らしい.
 F-35は電子攻撃において非常に高い性能を誇っているため,AEAと同じ役割を行えるよう改修することがすでに可能になっている.

 で,一番知りたいところだろうが,このエネルギー武器は,ゲームのように大きな爆発を起こさず,局所化された損傷を敵に与え,先に書いたように出所不明確に射撃することができる特徴をもるため,どこから狙われたのか,そして何が起こったのかを敵機が知るのが困難になる.
 照準対象は燃料タンク,エンジン等で,レーザーの熱効果によって目標に一瞬で穴を開けてしまう.
 燃料タンクの場合は飛行不能になるほどの損傷を与え,エンジンに焦点を当てた場合,エンジン機能をいともたやすく停止させてしまう.
 また,このエネルギー兵器は電子装置に対しても高い効果を挙げられ,高電力の衝撃波により電子部品を破壊,コンピュータ・メモリを消去することもできる.

 が,問題も山積みで,今のところは,ロッキード・マーチン社は2010年までにF-35用の「指向性エネルギー装置」のフル・スケールの開発プログラムを達成する予定.
 固体レーザーの電池に代わる航空機エンジンからの駆動シャフトにより,動力を与える変形型をAC-130・ガン・シップにも装備することが計画され,また無人飛翔体に対する適用も計画されている・・・というのが現状.
 ロッキード・マーチン社とレイセオン社は合同プロジェクトで,高エネルギー兵器の開発も行っている.

名無し上級大将 ◆80fYLf0UTM

内部図解
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 YF-35が存在しないのはなぜですか?

 【回答】
 X-32/35がそれに相当します.
 X-32/35は,元々DARPAがASTOVL計画として始まり,その時点では直接実用化を前提としないX-32(今のX-32とは別)を製作・テストする予定でした.
 しかし計画が,実配備を目的としたJAST=>JSFと発展し,結果XナンバーながらX-32/35は実用を目指す機体のプロトとなりました.
 実験的要素は強いながら,ACF計画のYF-16/17とそれほど立場は違わないと思います.
(まあ,でも,それくらいの事は,X-35の実用型がF-35になった事に比べれば,そうたいした事じゃない様に思えます)


 【質問】
 X-32って何?

 【回答】
 X-32は,統合打撃戦闘機(JSF:Joint Strike Fighter)計画に基づいて開発された,ボーイング社のステルス試作機(概念実証機).
 下部に巨大な空気取り入れ口があること,水平尾翼を廃したデルタ翼機であることが特徴.
 2001年,ロッキード社の概念実証機X-35との比較試験に敗れ,X-32は不採用となった.

 航空機の中の「ブサかわいい」系.
faq100807x32.gif
faq100807x32v.gif

 【参考ページ】
http://www.boeing.com/history/boeing/jsf.html
http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/x-32.htm
http://www.fas.org/programs/ssp/man/uswpns/air/fighter/jsf_development.html

X-32
faq120326x32.jpg
faq120326x32b.jpg
こちらおよびこちらより引用)

【ぐんじさんぎょう】,
を加筆改修

 X-32「くぱあ~」

ゆずこせう in mixi,2012年03月15日 09:09

 X-32のウェポンベイは,確かにエロイ.

ますたーあじあ in mixi,2012年03月16日 16:23


 【質問】
 だいぶ先の話ですけど,F-15Eの後継はF-35って本当?
 搭載量の差は,命中率(一機あたりの攻撃力の効率?)でカバーするんでしょうか?

 【回答】
 違います.

F-16をF-35A
F/A-18C/DをF-35C
AV-8とA-10をF-35B

で代替します.
 F-15Eはフレームの寿命が年300時間飛ばしても,50年も持つ化け物なので,当面代替の兆しがありません.

軍事板
青文字:加筆改修部分

F-35CライトニングII


Bernoulli in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年11月16日 12:58


 【質問】
 F-35はステルス性ではF-22よりも優れてるの?

 【回答】
 イヤ,それはない.

 定番のグロセキュに正解(たぶん)がありました.
http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/f-35-design.htm

「Low Observability」の項にあるけど,正面から見たRCSが
F-22:0.0001~0.0002m2,
F-35:0.0015m2(約10倍)

B-2とF-35は互角
F-35はF-117より優秀.

 で,ある角度についてはF-35のRCSがF-22より小さいと言われるが,それ以外はF-22の方が小さい.

 憶測するなら,F-35は攻撃機という性質上,攻撃してから発見,迎撃される可能性が高いため,後方からのRCSに十分配慮したと言われています.
 F-22は正面命の機種なので,後方からのRCSについてだけはF-35の方がF-22より小さい,ということかもしれません.
 要確認.

unknown date

▼ ネットでは未だに「F-35はダメ」で,F-22の再生産を望む意見を見ることが出来ます.
 しかしF-22を導入したら,思わぬトラブルが待っていたかも知れません.

 米空軍では第5世代戦闘機の中でF-22はF-35にリンク16を用いた戦術データリンクを行うと,F-22の売りとも言えるステルス性に影響が出るので,F-15やF-16のような第4世代戦闘機にMAPSと呼ばれるシステムを装備した通信ポットを搭載するという計画を立てています.
 実際,2011年のリビア爆撃ではF-22が収集した情報をデータリンク出来なかったという事態が生じています.

第5世代,第4世代機間の通信でステルス性の維持が課題:航空宇宙ビジネス短信・T2

 一方でF-35は発展型多機能データリンク(MADL)を装備しており,波形を変えつつ通信が可能.
 実はF-22にもMADLを搭載する計画でしたが,予算不足で実現しませんでした.
 これはF-22が1990年代のリンク11全盛期に設計されたのに対し,F-35は2000年代のリンク16の使用を想定した時代に設計されたという違いがあります.


(動画はF-16に搭載されたリンク16の説明を紹介したもの)

F-35 LightningⅡ*EAGLET

 F-22クラスの第5世代戦闘機を保有していない空自にとってはあまり関係ない話ですが,未だにF-22を連呼している方にとってはこの話をどう思われるでしょうか.
 むしろF-22を採用しなかった方が,後々コストのかかるトラブルを起こさずに済んだかも知れません.
 まして米海軍のE-2Dや中国海軍の052D駆逐艦の登場で,ステルス性の優位性が失われつつある今,ステルス性よりも機体の運用やネットワークを重視すべきかと思います.▲

ねらっずーり in mixi, 2014年06月29日
青文字:加筆改修部分

F-35 コックピット
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 F-35について質問です.
 下記のような投稿がられてました.

――――――
 軍板ではTFRが,
『3機種統合による重量超過と,それによる開発費高騰で炎上』
と吹聴しているので,真に受けている奴が多いが,実際にGAOの報告を見ると,機体価格が80億から120億に上昇した主因は,インフレ等による製造コスト上昇で,ダイエット改設計による上昇分は4億円にすぎないし,自重超過も機種統合ではなく,ステルス攻撃機の場合,ウェポンベイで2割弱自重が嵩むというだけではなかろうか?

 寧ろ四百万行に及ぶソフトウェアで開発費が4-5兆円に及んでいるのに,1機当たり開発費負担が23億円で済んでいるのは,三軍統合・国際共同開発の大きな成果だろう.
 また「デブな攻撃機」という評も,貧弱なエンジンしか作れないから軽量化最優先させざるを得ない国の発想で,タービン1段ファン1段増やしバイパス流量を増やしてA/B推力を増強させたF135増強版が出れば,推力重量比でもタイフーンに追いつくだろうし,足の長さもWBに増槽積めるようにするのは技術的に不可能ではない,
 携行弾数も,ミーテイアの翼を折畳にして爆弾架3発回転弾倉に積めるようにすればよい.
 総じてステルス外形は後から獲得できないが,推力・航続・携行弾数は発動機や付属品で改善可能だし,米軍が次期主力戦闘機の欠点を放置するはずもない.
 開発段階のこの程度のアラを吹聴して,駄作と決め付けるのは時期尚早だし,共同開発でF-35炎上と言い立てて居るものは,別の意図があるのではないか?」
――――

 そこで質問です.

・「 タービン1段ファン1段増やし,バイパス流量を増やしてA/B推力を増強」は可能でしょうか?

・「足の長さも(F-35)WBに増槽積めるようにするのは,技術的には可能」は真?/偽?

・「携行弾数もミーテイアの翼を折畳にして爆弾架3発回転弾倉に積めるようにする」は可能ですか?

 ウソで駄目なら指摘できるように,駄目な技術的理由を教えてください.

軍事板,2009/06/21(日)
青文字:加筆改修部分

 【回答】
 えーと,細かな検討を行ったと言うより,「僕の考えたすごい兵器」に近いものを感じるな.
 どこから突っ込んだものか……

> タービン1段ファン1段増やしバイパス流量を増やしてA/B推力を増強」は可能でしょうか?

 可能でしょう.
 それが効率的かどうかは別にして.
 その上,重量・サイズの増加でF35そのものを改修しないと搭載できなくなるでしょうけど.
 既存機と違って,ステルス機の改修は,かなり大変でしょうね.

> A/B推力を増強させたF135増強版が出ればも台風に追いつくだろうし

 技術が先に進めば,F35が“現行のタイフーン”に推力重量比で追いつくのは可能でしょう.
 ただしそのころには,タイフーンのエンジンも改良されて推力が増強されているでしょう.
(実際,エンジン増強の研究が進んでいます)
 準ステルス機のタイフーンのほうが,改修は容易でしょう.

> 航続・携行弾数は発動機や付属品で改善可能

 ペイロード・レンジは機体構造固有のものなので,ちょっとの手直しでは改善不可能です.
 付属品というのが,CFT等も含めるのならば可能ですが,それは失われる能力と引き換えです.

> 「足の長さも(F-35)WBに増槽積めるようにするのは技術的には可能」は真?/偽?

 技術的には可能です.
 ただしウェポンベイを食いつぶす行為は,そのまま兵装搭載量の減少を招きます.
 ウェポンベイは,2000lb爆弾とAAMを一発ずつ搭載できますが,燃料を搭載した分だけ,武装を下ろす必要があります.

> ・「携行弾数もミーテイアの翼を折畳にして爆弾架3発回転弾倉に積めるようにする」は可能ですか?

 無理.画像参照.
 爆弾の支持方法を考えると,回転弾倉は,図のような方法以外には無い.
 加えて,ミサイルへの配線と,ミサイルを機外に放り出す機構が必要.

 AGM-154やCBU-87(直径40cmくらい)が一発つめるスペースしかない部分に,支持フレームとギミック満載の回転弾倉(それも直径20cm近いミサイルを三発収める)を収めるなんて,不可能ですよ.

極東の名無し三等兵,2009年06月24日 22:09

>・「 タービン1段ファン1段増やしバイパス流量を増やしてA/B推力を増強」は可能でしょうか?

 そんなことを論じる以前に,ジェットエンジンの事を何にも分かってないとしか・・・
 まぁ,そんな改造は,全く新型のエンジンを造るのと同じでしょうね.

 F119系はF100系よりも段数減らしてるのに,元の設計の方向性を理解していないとしか.

>・「足の長さも(F-35)WBに増槽積めるようにするのは技術的には可能」は真?/偽?

 ウェポンベイに増槽積んだら兵装積めなくなるでしょう.

>・「携行弾数もミーテイアの翼を折畳にして爆弾架3発回転弾倉に積めるようにする」は可能ですか?

 ロータリーランチャーなんか積む余裕は無いです.
 積んだらSDB以外の爆弾が積めなくなります.

JSF,2009年06月24日

>・「 タービン1段ファン1段増やしバイパス流量を増やしてA/B推力を増強」は可能でしょうか?

 完全に別のエンジンですね,これ.
 こんなことしたら,エンジンの全長も最大直径も変わるから,機体も設計しなおしですね.

 しかも,ステルス性と兼ね合いから,機体形状全般も変更しなけりゃならんでしょうね.

ゆきかぜまる,2009年06月24日 21:26

 ただ,「ソフトウェアの開発が負担」という部分と,「ステルス外形は後から獲得できない」という部分は,間違ってないだろうと.

 ちなみに 7 年ばかり前,「@IT」にこんな記事が載ったことが.

「@IT」:次世代戦闘機で試される大規模コード管理
http://www.atmarkit.co.jp/news/200205/21/jsf.html

井上@Kojii.net,2009年06月24日 14:35

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より


 【質問】
 F-35の統合アビオニクスにおける,ソースコードについてお聞きしたい事が.
 統合アビオニクスでは,LMとBAEだけがソースコード作成に携わっているのでしょうか?
 米英以外の開発国がソースコード作成には関わっていないのでしょうか?

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年07月28日10:20

 【回答】
 機能ごとに担当メーカーが違うので,それぞれの機能に関わる部分は,別のメーカーでやってます.
 ただし,全体をとりまとめて制御するとか,個々のシステム同士をすりあわせるとかいう部分は,システム インテグレーターである LM の仕事ということになります.
 ただ,重要なサブシステムの開発に関わっているメーカーは,米英に限られるといえるのでは.

井上@kojii.net by mail


 【質問】
 F-35共同開発国同士で機密を保持したまま,ソースコードの共有化は出来ないのでしょうか?

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年07月28日10:20

 【回答】
 機密保持と共有化って,根本的に相容れないような気がするんですが…
 何のためにソースコードの情報にアクセスしたいのかによって,解決策は違います.
 内容が見られれば済む場合もあれば,手直しが必要な場合もありますから.

井上@kojii.net by mail


 【質問】
 F-35って新しいだけに,電子機器はF-22より優れているのですか?

 【回答】
 まず,新しいからって,別に搭載する電子機器の世代が数世代離れてるなんてわけではない.
 電子機器の性能や使われてる技術だけでいうなら差なんて無いよ.

 あと電子機器は世代の差よりも,搭載する機体の大きさ=積載容量の方が問題になりがち.
 旧式でも大型機に搭載するため,高出力でレーダーレンジが広い機器と,新型だけど小型機に搭載するため低出力でレーダーレンジも狭い機器じゃ,どっちが性能が優れている?ってことになるし,レーダーレンジの広い機器を搭載したいけど,新型戦闘機は小型で搭載容量の限界があるため,大型の機器は詰めず,小さく低性能しか積めないなんてこともある.
(低性能が言いすぎならば,やや小さくて出力が要求には不十分なものしか積めないと言い換えることも出来る)

 でもってさらに,
「その機体の目的と合致しているから,小型でも大型でも高性能でも低性能でもあんまり関係ない,
 そいつにとって一番ベストな電子機器」
という見方もある.

 単に新しいから優秀なんですか? なんてのは最強論議と同じくらい,無駄なことだ.

 とはいえ,F-35のコンフォーマルUHFデータリンクアンテナは,F-22の機体間通信よりも,通信能力,効率,互換性ともに,より優れていると言われてる.
 まあ,先に完成したF-22からの電子機器実証データも反映されてアップデートがなされたものが,「後から積める」という点では差は出るしな.

 実機がちゃんと完成してるわけでもないんで,運用した時どうなってるんだかわからんし,F-22のも後から改良された部品にアップデートは可能なわけだが.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 F-35に搭載されるAN/APG-81・ASEAレーダーにはEA(電子攻撃)機能があるの?

 【回答】

 次期F-Xとして有力候補となっているF-35に搭載される,AN/APG-81・ASEAレーダー.
 APG-81には敵機のレーダーをマイクロ波で破壊する,EA(Erectronic Attack)機能が装備されているという話を聞きますが,ちょっと調べてみました.
AN/APG-81 - Wikipedia

 とりあえず,これといったソースは見つからなかったのですが,AN/APG-79が前の日記でも紹介した通り,ミサイルに対するECM技術が装備されている以上,APG-81にそれがないとはちょっと考えにくく,やはり事実である可能性があります.

------------
自衛隊FX ラプターがだめなら:Yahoo!掲示板

 そして何よりも,機外搭載で運用した場合のステルス性の低下を補うために,F-35搭載のAN/APG-81にはF/A-18E/FのAN/APG-79同様,EA(電子攻撃)機能がついています.
 これによって敵のレーダーや通信機器を破壊,又は電波・通信妨害を行い,ステルス性の低下をカバーできますから.

------------引用終了

 この投稿者ultraseven_exultramanjackさんの発言が事実とすれば,F-35はミサイルに対するECM機能しか持たないF-22よりも,かなりアドバンテージの高い戦闘攻撃機という事になります.
 この発言のソースは見当たりませんが,海外のソースから見ると,こんな話があります.

------------
F-35 radar makes showing at electronic attack exercise:F-16net

The AN/APG-81 is the world's most advanced fighter fire control radar. It has extremely robust electronic warfare capabilities, and these tests validate years of laboratory testing versus a wide array of threat systems.

------------引用終了

 これはAPG-81を開発しているノースロップ・グラマン社の担当者の話ですが,これによるとAPG-81は電子戦機能を持っていると話しています.
 APG-81はEAに対する防備の実験に成功しており,その事も言っているのでしょうが,それと同時にこちらも,このレーダーでEAが可能であるという事も言っているというのは,ちょっと考え過ぎでしょうか?

 このようにECMの装備などがしっかりしていれば,何もF-22だのF-15SEなど選定しなくとも,Su-30などに対するアドバンテージは可能だという事になります.
 そして中国が空自のF-35調達を恐れる理由はまさに,これにあると思われます.
 中国も技術ではダイバータレスインティークなど向上はしているものの,アビオニクスではまだ日本やアメリカに劣っており,レーダーのEA機能はおろか,日本でも開発が出来たASEAレーダーの開発すら成功していません.

 それにしても中国が必死に米議会にロビー活動までして,F-22の輸出禁止を継続はさせたものの,その次のF-35が,これまたF-22より厄介な戦闘機だったというのは,何とも皮肉な話です.

バルセロニスタの一人 in mixi, 2011年02月15日10:11
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 F-35のキャノピーに埋め込まれてる導爆線ですが,なぜあんなグニャグニャ曲がった複雑な形状なのでしょうか?
 キャノピーを爆砕するだけなら,あんなに複雑である必要があるとはちょっと思えないのですが…

 【回答】
 割残しを防ぐため.
 曲がった部分では導爆線が重なって働くので,確実に,強く割り取られる.
 すると切り取り線と同じような理屈で,残りの部分も簡単にきれいに割れる.
 また,鋭角的な導爆線部分を作ると,鋭角部同士をつなぐ割れ目ができて,でかい一枚の切り抜きじゃなく,小さな板がたくさんになり,スムーズに吹っ飛ばせるって話を読んだような気がする.

 単なる直線だけで,全部を確実に割ろうとすると,全体の爆薬量を増やす必要があり,安全上の問題が生ずる.
 最低限の爆薬で確実に割り取るための工夫.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 F-35Bが開発中止になるっていうのは本当でしょうか?

 【回答】
 この時期の機体としては順調です.
 ひょっとすると今のスケジュールのままで本格生産にかかれそうなぐらいです.
 F-35Bは要求仕様には入っていませんが,一定のペイロード制限下で垂直離陸可能です.
 しかしハリアー同様,短距離離陸にした方がペイロードを増やし,仕事がたくさんできます.

 F-35Bには重量問題が出ていましたが,1年ぐらい前に解決.
 軽量化手法がA,Cにも一部応用できると言われています.
 もっともF-35Bは,その過程で搭載可能な爆弾のサイズが少し小さく制限されましたが.

 価格についてはF-35Aで60億円程度.
 問題は議会が生産を遅らそうとしていることで,そうなると75億円を超える可能性があり,軍とロックマーティンは早期量産を訴えています.
 初期のごく少数の機体は当然もっと単価が高くなりますが,数を考えると平均単価には大きく影響しません.

▼ 【追記】
 F-35のV/STOL型のF-35Bが,超音速飛行に成功しました.
 これでF-35開発に弾みがつく事になります.
米第5世代ジェット戦闘機F-35 STOVL,初の超音速飛行:sorae.jp

 米海兵隊や英海軍・空軍にとってはAV-8Bや,今は引退しましたがシーハリアーの難点であった,亜音速による対空砲火による撃墜の可能性は,かなり薄まる事になります.
 実際フォークランド紛争ではシーハリアーは,アルゼンチン軍の対空砲火で9機の損害が出ています.
第2次フォークランド紛争?- 独りで歩いてく人のブログ

 このようにF-35Bは,米海兵隊にとっても英海軍にとっても悲願の超音速V/STOL戦闘機でした.
 しかもステルス戦闘機となればなおさらです.

 しかしF-35の開発に懸念の声も出ています.
大丈夫? F-35戦闘機,コスト削減で脆弱化:GIZUMOTO JAPAN

 F-35はコスト削減により,エンジンクーラントの停止バルブと油圧ライン,ドライベイの鎮火システム6個の内5個の取り外す事にしました.
 これでは,もし燃料を満載した状態で非常に高い圧力がかかり,非常に高温になったものが,高温の金属片と270VDCの電気部品と近接する場合,停止バルブとドライベイ(燃料が吹き込む場所)の鎮火システムが,まともに機能しない可能性があり,対空砲撃への対処が出来なくなる可能性があります.

 さらにはF-35のステルス性にも疑問が出ています.
 オーストラリアの軍事雑誌「エア・パワー・オーストラリア」によると,実際には発見されやすいそうです.
 F-35の機体形状からすれば,この話は決して不思議ではありません.
 なぜならF-35はF-22とは違い,機体に武器をウェポンベイに完全に装備する形状になっておらず,ウェポンベイに搭載できるのは,対空ミッションでは空対空ミサイル4発,対地ミッションでは空対空ミサイル2発,JDAM爆弾2発しか収納できず,それ以外の武器は翼下パイロンに装備せざるを得ません.

 もっともロッキード・マーティンは,エンジンヒューズと鎮火システムによる生存可能性向上は非常に少ない上に ,この脆弱性の低下は想定の範囲内だそうですが・・・.

 やはり日本のF-35開発への参加が求められそうになります.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年06月29日09:38

▼ 【追記2】
 F-35Aの量産型第1号機が,初飛行に成功しました.
Lockheed Martin Flies First Production F-35 Stealth Fighter:defence aerospace

 この調子だとロッキード・マーティンは,F-35AとF-35Cを優先して開発し,開発が遅れているF-35Bは,遅れて量産型が初飛行という事になりそうです.
 既にF-35に関する秘密保護協定を結び,次期F-Xとしてほぼ決まったも同然の日本にとっては,朗報と言えるでしょう.
 後はF-35Bをどうするかです.
 日本も調達はしないが,開発には参加する姿勢を見せてアメリカに恩を売り,イスラエルのような優先的な調達と兵站支援を引き出す必要がありそうです.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年03月01日14:50

 【追記】
 F-35Aの完成機が,米空軍に初めて調達されました.

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米空軍にF35戦闘機を初納入 ロ社,総額30兆円に:共同通信


 米航空大手のロッキード・マーチン社は9日,米空軍に対し,レーダーに探知されにくい最新鋭ステルス戦闘機F35の完成機を初めて納入したと発表した.
 米軍は海兵隊や海軍を含め,今後約20年で2400機以上を総額3820億ドル(約30兆7千億円)かけて導入する計画で,「史上最高額の装備調達」(政府監査院)が本格化する.

 納入されたのは空軍仕様のF35Aで,日本政府が次期主力戦闘機の有力候補とする.
 ロ社によると,6日に1機が西部カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に到着した.
 さらに8機が納入を待っているという.
------------

 やはり予想通りF-35Bはそのまま開発のまま,開発があらかた終了しているF-35Aが,先行して調達となりました.
 F-35Aの調達により,空自の次期F-Xも,F-35がアドバンテージを持つものと思われます.
 もちろん米空軍優先の生産になるかと思われますが,日本とイスラエルはF-22を売ろうとして米側の都合で断念させられたという経緯があり,その代替措置としてF-35を優先的に輸出する方針を示しているように見える事から,F-35の調達は中継ぎを待たずに行われるかも知れません.

バルセロニスタの一人 in mixi, 2011年05月11日11:53


 【質問】
 米海兵隊F-35Bを採用するようですが,同機を空母から運用することも検討しているのでしょうか?
 空母からの運用が可能であることは,なんとなくわかりますが.

 【回答】
 まず,海兵隊がなんで飛行機を持っているかというと,強襲上陸した海兵隊員を援護するため.
 真っ先にくるのはCAS.
 連中がハリアーが大好きなのは,どこにでも展開してライフルマン(歩兵)を援護できる,というところに着目したから.
 それ以前の採用機だと,滑走路を使うか,空母の甲板に間借りさせてもらう必要があった.

 その上で海兵隊のSTOVLのF-35が正規空母に展開するのかと言うと,あまり必要性が無い.
 海兵隊の都合で飛行機を使いたいのであれば,海兵隊員を乗せた強襲揚陸艦から展開できる.
 海軍の側から見たら,正規空母の寸法と支援設備を前提にして,搭載量と航続距離を延ばしたC型を作らせてるわけで,支援設備が要らないB型のメリットが消えうせると,「性能が半端」,つまり他の艦載機と足並みを揃えられないと言うデメリットが目立ってしまう.

 ただ,C型が遅延して空母から使えるステルス機を海兵隊しか持っていないとか,そのときの作戦で使うステルス機の数がどーしても足らないとか,そもそもが調達数が減らされて,海軍と海兵隊の航空隊は合同しなきゃ数が揃えられないという可能性も無いわけではなく,そのときの情勢や事情によっては,正規空母から使うこともありえる.

 けど開発段階の現状では,そこまで突っ込んだ話はできていない.

ふみ in 軍事板,2009/08/02(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 F-35は兵装重量の為に垂直離陸を諦めたという事ですが,これは将来ミサイルが小型化した場合には,垂直離着陸で運用する事も出来る様になるんでしょうか?
 また,誘導爆弾,ミサイル等の小型化はどの程度まで現実性があり,コストを無視したとして,現時点の技術でどこまで可能なんでしょうか.

 【回答】
 遅延やら何やらで,計画値とスペックがかなり変わっているはずなので,ちょっとまだ判断しかねる面があるが,燃料を大幅に削らないといけない可能性が高い(重いのは兵装より燃料).
 現実的とは言いがたい.

 兵装の小型化については,現時点ではSDB程度かなあ.
 精密誘導化が進展して,従来の爆弾では威力過剰というケースが出てきている.
 空対空ミサイルは小型化どころか射程を延ばす動きがある.

軍事板
青文字:加筆改修部分

 なお,2010/03/18に,F-35は垂直着陸試験に初成功しており,まだ「垂直離着陸を諦めた」とは言い難い.


 【質問】
 オランダ,F-35計画から離脱するの?

 【回答】
 井上@kojii.netさんのHPと,2ch軍板次期戦闘機スレを覗いていたら,こんな記事を発見したので,日記に書いておきます.
kojii.net>今週の軍事関連ニュース (2010/05/25)

 この記事の元記事が,おそらくこれです.
Dutch Parliament Votes to Cancel First JSF Aircraft:defence aerospace.com

 オランダはF-35開発参加国で,イタリアと同じレベル2で参加しているだけに,F-35開発では大きな痛手になります.
 そうなれば,離脱する国が続出する可能性があり,問題は深刻です.
 なお,オランダではF-16後継機種の選定に入りますが,有力なのはユーロファイター・タイフーンかJAS39グリペンになるかと思われます.
 オランダの穴埋めのために,レベル2参加国に日本が入る事を要請される可能性もあります.
 もちろん普天間問題が解決してからになりますが.
 これは日本にとっても対岸の火事ではなさそうです.

 しかし,とうとう離脱国まで出てきたF-35.
 一体どうするんですかね・・・.

・訂正
 マイミクの井上@Kojii.netさんからの指摘で,IOE&T専用機がキャンセルという事で,かつ総選挙の後決めるという事です.
 ご指摘ありがとうございました.
 しかし世界的に中道左派政党が退潮している今で,F-35推進派のオランダ労働党が勝てるかどうか・・・.

バルセロニスタの一人 in mxi,2010年05月25日17:35


 【珍説】
――――――
二律背反する防衛省の戦闘機調達:清谷信一公式ブログ

 その上,英国がプログラムから脱退する可能性すらあります.
 空母用にはユーロファイターの海軍用を開発すればいいという声が,国防省や産業界から上がっています.
 独英伊など,ユーロファイターのパートナー各国で調達が減っていますから,それを補えるというメリットがBAEにはあるのでしょう.
 また最悪,グリペンNGを採用する手も残っています.
 英独では特に防衛費の削減は,極めて厳しくなっています.
――――――

 【事実】
 イギリス海軍のクイーンエリザベス級空母と,ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ級空母を混同していませんか?
 確かに全長はほぼ同じか,クイーンエリザベス級の方が短いのですが,全幅ともなると2倍の違いがあります.
 空母には即急性から,甲板に艦載機を並べておいて,有事には発艦できるようにしておくのが普通ですが,タイフーンだと幅を取ってしまい,甲板に並べる艦載機の機数が少ないばかりか,艦載できる機数も減らされてしまいます.
 また,クイーンエリザベス級はF-35Bの運用を念頭に建造されたので,今更それを変更するのは不可能です.
 ましてイタリア海軍の軽空母「カヴール」では,タイフーンの運用は無理です.
クイーン・エリザベス級航空母艦 - Wikipedia
アドミラル・クズネツォフ (空母) - Wikipedia
カヴール (空母) - Wikipedia

 ましてグリペンNGなんて論外.
 というかタイフーンの空母艦載型って,それ開発されているんですか?
 話はそれからです.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年08月31日10:48

▼>空母用にはユーロファイターの海軍用を開発すればいいという声が,
>国防省や産業界から上がっています.

 実際に上がったのは確かです.
 Timesが「5年前」に記事にしています(笑
 JSFの技術移転交渉がうまくいかないことに対しての,ブラフ臭い記事ですが.
http://business.timesonline.co.uk/tol/business/article745430.ece

 で,最近また記事になったのも事実で,Daily Mailに記事があります.
http://www.dailymail.co.uk/money/article-1319132/Clear-decks-European-Typhoon.html
記事によると,
“BAE Systems had already designed a naval carrier version of the Typhoon in the late Nineties”
(BAEは90年代に,艦載型タイフーンの設計を終えていた)
だそうな.
 もっともこの記事には,
「ハリアーの退役計画を中止して,Q.E.級に載せる」
なんて案も書いてあるので,正式に決まったとかそんなものではないのも確かです.

BMP in FAQ BBS,2010/11/16(火) 23:17
青文字:加筆改修部分

 シータイフーンとかが実現するなら,マジで見てみたい(笑)

 スキージャンプなんかじゃ離陸,もとい,離艦は不可能だから,前脚にカタパルトに引っ掛けるフックを増設する必要がるなあ.
 もちろん,それに伴って,構造を強化する必要性が出てくる.
 母艦のほうも,それなりのカタパルトを用意しなけりゃならんなあ.
 今から,QE級にカタパルトを設置できるように改設計するのか.

 あ,着艦はどうするんだろ?
 主脚とその周辺の構造強度を強化しなけりゃならんなあ.

 それ以前に,シータイフーンは太りすぎになって,戦闘機としては活動できないだろーなー.
 フルマーよりひどいことになるんじゃなかろうか.
 シータイフーンを開発する金があるくらいなら,トランシェ3がとうの昔に実現しているだろうな.

2010年11月17日,ゆきかぜまる

 イーグルをチョチョイといじっても,ホーネットになるわけないと俺ですらわかるぞ・・・・

2010年11月17日 00:31,inn=MotoK

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 オバマ米大統領による,F-35の代替エンジン開発中止の可能性には,どんな意味がありますか?

 【回答】

 オバマ米大統領が,F-35の代替エンジン開発予算計上の法案に,拒否権を行使する可能性が出てきました.
 これにより,F-35に搭載される予定のP&W F135エンジンの代替エンジンは,開発されない可能性が出てきました.
米大統領,拒否権行使も 議会のF-35関連予算案に:共同通信

 代替エンジンが開発されなければ,F135がもし何らかの理由で使用停止になった場合,換えのエンジンがないという問題が出てきます.
 ロバート・ゲーツ米国防長官は,その点をちゃんと理解しているのでしょうか・・・?

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年06月08日16:59


 【質問】
 F-35のEODASによる,BMD探知実験の結果は?

 【回答】
 F-35に搭載されているEODAS・AN/AAQ-37を用いた,弾道ミサイル探知実験が成功しました.
 これによりF-35も,BMDの戦力の一つとなりえる事になりました.
Photo Release -- Northrop Grumman Distributed Aperture System (DAS) for F-35 Demonstrates Ballistic Missile Defense Capabilities:Northrop Grruman

 ただ,EODASの探知距離は32kmなので,自衛隊のBMD構想には,あまり役には立ちそうにないと思っていたのですが,どうやら800マイル(1280km)から探知できるもので,これだったら日本の防空識別圏内でも探知は可能となります.
拡大地図を表示

 中国や北朝鮮からの弾道ミサイルは,防空識別圏内から探知すればいいので,これにXバンドレーダーと連動したデータリンクを行えば,ミサイル防衛に一役買う事になります.
 また,1280kmだったら,黄海沿岸にミサイルを配備しても,探知する事も可能となるでしょう.

 ちなみにこの記事を見つけたのは,マイミクのこうちゃんさんでした.
 情報提供ありがとうございました.

 ちなみにF-35には,THEUSと呼ばれるレーザー機関砲の搭載に関する開発計画もありますが,さすがにターミナルフェーズでの弾道ミサイルの撃墜は厳しいかも知れません.
 こちらは資料集めがあるので,来週取り上げる予定ですが,斬新な兵器であるのは間違いないでしょう.

 そのF-35に搭載されるF135代替エンジンですが,米国防総省は開発終了を通告.
 これに対しGE(ジェネラル・エレクトロニック)社と英RR(ロールスロイス)社は,自費による開発を継続する事を表明しました.
F-35代替エンジン開発終了通告=GE,自費で継続目指す-米国防総省:時事通信

 自費での開発は,米下院軍事委員会のマケオン委員長も支持しており,これは認められる可能性が高くなります.
 というのも,もしF135に不具合が発生すれば,F-35はその不具合が改善されるまで,飛行停止になる可能性があり,これは自国や同盟国の安全保障の問題に繋がります.
 自費で開発できれば,下手な国家予算の浪費も避けられますからね.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年05月18日10:40
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 F-35BとSM-6による実弾迎撃試験について教えてください.

 【回答 válasz】
 米海軍はF-35Bと海軍の地上施設・デザート・シップ(LLS-1)の連携による実弾迎撃試験に成功したと公表しました.
 これはF-35に搭載されているETOSやEODAS,APG-81AESAレーダーにより,イージスシステムの要であるSPY-1レーダーでは探知出来ないレーダー水平線上のミサイルや敵機を発見し,DDGにデータリンクを送信し,DDGがSM-2やSM-6で迎撃するというものでNIFC-CA(海軍統合射撃指揮対空)の一環と言える重要なテストです.
 NIFC-CAではイージスシステムベースライン9を搭載したDDGが探知出来ないレーダー水平線上の敵機を米海軍のE-2Dが探知し,そのデータを戦術データリンクで送信してそのデータを基にSM-2やSM-6で迎撃するというものですが,F-35もこのNIFC-CAにおける索敵の手段の一つと成り得る事が今回のテストの成功で証明されました.

F-35, SM-6 Live Fire Test Points to Expansion in Networked Naval Warfare:USNI News

「海のNIFC-CA」とF-35Bが超水平線標的をSM-6で迎撃 : 海国防衛ジャーナル


 このNIFC-CAは我が国の防衛省でも導入が検討されており,導入が決定すれば,空自が導入を決定しているE-2Dと海自のDDGとの共同作戦能力(CEC)による海自と空自の統合作戦の向上が期待出来ます.
 空自はF-35Aを来年度から調達を開始し,また海自もイージスシステムベースライン9の導入も決定し,米政府や米議会も許可を出しています.

 海自と空自がNIFC-CAを運用した統合作戦が可能になれば,所謂A2ADの脅威の無力化がますます推進される事になるでしょう.
 また,南シナ海での抑止力として海自のDDHに空自がF-35Bを導入した上で数機程度程艦載させて,「自らも迎撃可能なAEW」として運用する事も可能です.
 まぁ,これは海自の夢とも言える「戦後初の空母の運用」とも合致した構造にもなりますが.

ねらっずーり in mixi, 2016年09月24日
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 F-35の戦術核搭載能力について教えてください.

 【回答】
 空自の次期F-Xの候補機になっているF-35ですが,戦術核が搭載される模様です.
次世代F35に戦術核兵器搭載へ

 搭載するとすればウェポンベイではなく,翼下パイロンに搭載されるかと思われます.
 そしてミサイルはさしずめSLAMでしょうか.
 ▼これは私の予想に過ぎませんが,戦術核搭載のAGM-84Hになるかと思われます.
 最大射程からしても,その可能性が高いとみていいでしょう.
SLAM(ミサイル)-Wikipedia

 とはいえそのF-35の開発が未だに完了しておらず,量産開始もまだ望めない状況.一体どうなるのやら.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年05月03日19:00

▼ 上記の質問に対してF-35用の戦術核弾頭の搭載プラットフォームにAGM-84HSLAMが使用される見込みとありましたが,これの根拠が不明です.

 トマホーク用の戦術核弾頭を完全廃棄するこの時勢,核弾頭搭載モデルのないAGM-84にわざわざ費用かけて,核弾頭搭載モデルを開発するとは思えないのですが.
 これって単に,「念のため」B61戦術核爆弾の投下能力を与えただけって話になると推測します.

疑問者 in FAQ BBS,日付:2010/5/15(土)
青文字:加筆改修部分

 確かにAGM-84に核弾頭搭載モデルは存在しませんでした.
 誤った情報を流してしまった事を深くお詫びし,二度とこのような事がないよう,再発防止に努めてまいりたいと思います.

 ちなみに私の根拠はこのYahoo!知恵袋の記事からでした.

引用開始――――――
ハープーンなどの対艦ミサイルに陸上の敵施設などへの攻撃能力はあるんですか?-Yahoo!知恵袋

 これにもいろいろと理由はありますが,大型(下手をするとハープーンの10倍)対艦ミサイルはとても高価なので,対艦攻撃専用とするのはもったいなかったのでしょう.
 ……核弾頭搭載型もありましたし.
――――――引用終了

 おそらく私は,ロシア製対艦ミサイルの話とAGM-84の話を勘違いしてしまったようです.
 ちゃんとチェックしていれば,こんな事にはならなかったはずです.
 本当に申し訳ありませんでした.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年05月18日08:56


 【質問】
 F-35のレーザー砲は,カトリング砲の後継となれます

 【回答】
 筆者もこの分野では,またまだ勉強中ではありますが,F-35にはカトリング砲と並んで,レーザー砲も搭載する計画もあるようです.

 『次世代戦闘機 F-35 ライトニングII』(ジェラール・ケイスパー著,並木書房,2010年4月16日),P221~223より引用.

――――――
 ロッキード・マーティンの先進開発プログラム社は,F-35Bのリストファンを,高エネルギーレーザー装置と入れ替えることを検討していた.
 (略)
 エンジンから軸駆動電源を持つF-35Bは,レーザー兵器を運用するための理想的な戦術戦闘機である.
――――――

 また,同書では,現在アメリカとイスラエルが共同開発している戦術高エネルギー・レーザー(THEL)を,応用するという話もあります.
戦術高エネルギーレーザー - Wikipedia

 ボーイング社も,高エネルギーレーザーの開発に乗り出しています.
Boeing to develop high-energy laser for Pentagon:Jane`s

 確かにF-35Bには,リストファンと通常飛行用のエンジンと,2つのエンジンがあるだけに,レーザーの発電機としてはかなり有効とも言えます.
 F-35Bの開発に日本も参加すべきという意見があるのは,この辺からなのでしょう.
 そうは言っても空自が選定したいのはF-35A.F-35Bではないので,あまり開発に参加しても意味はなさそうですが,F-15J/DJの後継機種を考える上では,結構参考にはなるかも知れません.

 レーザーならば光速ですから,ミサイルよりは確実に命中します.
 アニメのようにレーザーを受けたからと言って,機体が溶解する事はないでしょうが,エンジンやアビオニクスなどが無力化されて,十分墜落させる事は可能です.
レーザー砲がつげる宇宙戦争の時代:リアリズムと防衛を学ぶ

 これを考えると,F-35の開発を今更中止する事は出来ないでしょう.
 F-22よりもF-35の方に,改造の可能性が多く秘められているのですからね.

 〔略〕

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年05月28日10:44
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 F-35は戦術偵察任務にも兼用できるの?

 【回答】
 F-35は戦術偵察任務にも用いられる事が出来るようです.
 以前にもお伝えした,F-35のEOTS(Electro-Optical Targeting System,電子・光学式照準システム=IRST,CCD-TVカメラ,レーザーの融合装置)があるので,いちいちパイロンの各ステーションに偵察ポットを装備しなくとも,単体で戦術偵察活動が行う事が可能になります.
 本当はF-35の公式サイトをソースにしたかったのですが,どうも落ちているようなので,二次情報になりますが,アシナガバチさんのブログから引用します.

――――――
2011年度「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)と中国空母ワリヤーグ最新動向:アシナガバチの巣作り日記

 最近公開となった,F-35の新公式ホームページのISRの項目で,下記の通り記述されています(下記抜粋と翻訳).
--------------------------------------------------------------------
With speed, stealth and integrated sensors, the F-35 can fly critical intelligence, surveillance and reconnaissance (ISR) missions with more sophisticated data capture than any previous fighter aircraft.
 速度,ステルス性,そしてセンサー統合により,F-35は過去の如何なる戦闘機よりも,より詳細なデータを捕獲し重要ISR任務に当たることが出来る.

Information gathered by F-35 sensors can be immediately shared with commanders at sea, in the air or on the ground, providing an instantaneous, high-fidelity view of ongoing operations.
 F-35のセンサー類で収集された情報は直ちに海上,空,又は地上の司令官に共有が可能であり,遂行中の作戦の瞬時で正確な状況を提供する.
--------------------------------------------------------------------

 F-35の情報収集能力に関しましては当ブログの過去記事「次期戦闘機選定で防衛省が要求書交付」も参照願います(EOTS(Electro-Optical Targeting System,電子・光学式照準システム=IRST,CCD-TVカメラ,レーザーの融合装置)による撮影動画があります).
――――――

 この前の日米外務防衛閣僚会議(2+2)では,
「情報共有や共同の情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動の拡大といった協力を促進」
する事が,日米双方の具体的対応の一つとされていますので,ますますF-35の選定が一歩近づきました.
 また,RF-4Eの後継がF-35ともなる可能性も出てきました.

 そうなると百里の偵察航空隊は,ひょっとしたら解隊されて,第7航空団の一飛行隊になる可能性もあります.
 F-35で偵察活動が出来るのなら,独立した飛行隊は必要なくなりますからね.

 もっとも私としては,タイフーンを繋ぎで選定して,後に偵察機や電子戦機に改造すべきと考えていただけに,これは逆風なわけですが・・・.

 まぁ,でも松島のF-2補填分や電子戦機もあるので,私は諦めはしませんよ(笑)

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年06月28日13:35
青文字:加筆改修部分

▼  【追記】
 某所から反論が来ました.
 詳しくは伝えられないのですが,要約すると
「F-15やF-16,トーネードの世代だと逃げ足も速く,ダッシュ力もあるから」
という事.
 確かにRF-4はマッハ2.2,F-15はマッハ2.5,トーネードもマッハ2.2と,速度は速いので,それを考えるとマッハ1.8しか出ないF-35では,確かに役不足なのかな,と.
 ただ既存のターゲティングポットでも,EOTSでも視界の狭さを考えると,果たして一般の偵察用としてはどうなのかな,なんて話もあります.

 ついでに言うと米海軍では,F/A-18E/Fはマッハ1.6しか出ませんが,AN/ASD-12 SHARP戦術航空偵察ポッドを搭載することで,偵察機としても使用していますけどね.
 だから速度が早ければいいというわけでもなさそうで,そこは空軍と海軍の運用の違いもあるのかも知れませんね.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年08月03日11:12
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 空自のF-35A墜落しましたが,これはF-35欠陥機であることの証明?

 【回答 válasz】
 では,F-35は欠陥機なのかを検証してみました.

> 空自F-35戦闘機が墜落,その現状と今後 問題への対応や調達計画への影響は…? | 乗りものニュース
> https://trafficnews.jp/post/85256

> 最新鋭のステルス戦闘機F−35Aはなぜ墜落したのか?(週プレNEWS) - Yahoo!ニュース
> https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190415-01086650-playboyz-pol

 以下のソースから精査した結果,F-35は欠陥機ではないのが証明されています.

①米空軍やロッキード・マーティン社からの飛行停止命令が出ていない

 フォトジャーナリストの柿谷哲也氏によると,米空軍やロッキード・マーティン社からの飛行停止命令は出ていないとの事です.
 実際そうしたニュースはありませんし,英空軍やイスラエル空軍も「注視はする」と言いながらも,運用停止は行っていません.
 これは機体トラブルの可能性がない事の証明です.

②GAO(米会計検査院)の966項目の不具合はいずれも初期ロット生産の機体

 GAOは去年,F-35に966項目の不具合があるという報告を出していますが,いずれも初期ロット生産の機体(ブロック1やブロック2)の機体で,ブロック3Fにアップデートされている空自のF-35には全く関係ありません.

③F-35の緊急着陸回数はF-16に比べて少ない

> 三沢基地の緊急着陸回数('97年8月〜'98年7月)
> http://www.rimpeace.or.jp/jrp/misawa/msw989/98kinq/mw98kinq.html

 これは22年前に三沢基地での緊急着陸回数のデータですが,F-16が13回も緊急着陸したのに比べ,F-35は2017年と2018年で7回しか緊急着陸していません.

> F35A緊急着陸,計7回に訂正 防衛省,三沢の13機中5機で | 共同通信
> https://this.kiji.is/490802790178014305

 1年ベースで平均して3.5回ですから,F-16に比べたら安全性が高い事は火を見るより明らか.
 また,墜落事故も米海兵隊のF-35Bと今回の空自のF-35Aと2件でうち,米海兵隊のF-35Bは,関賢太郎氏によれば燃料系統の配線不良から発生したもので,こちらは改修されています.
 一方,F-16は2日間で3回墜落事故が起きた事もありますが,F-16は欠陥機だと誰も言わないのはどういう事でしょうか.

 余談ですがそのF-16を改修して製造されたF-2は,墜落事故は2回(パイロットはいずれも脱出成功)で,任務中での事故は2月に起きた事故が初めて.
 しかもヒューマンエラーによるもので,意思疎通の不備が原因でした.

 以上からF-35が欠陥機とはとうてい思えない事実ばかり.
 そもそもF-35欠陥機論は安倍政権がF-35を100機ほど追加調達してから始まったものですが,今回の機体は野田政権時代に調達が決定された機体です.
 これでは,安倍政権を叩きたいから事実をねじ曲げてF-35を欠陥機に仕立て上げるために言い出したと言われても仕方ないでしょう.

 最後にパイロットの安否が1日も早く確認される事を願います.

ねらっずーり in mixi, 2019年04月20日
青文字:加筆改修部分

 このF-35についてはネット界隈ではかなり批判されていました.
 その理由は欠陥戦闘機だからという事.
 もっともその理由は,単発だからとか開発が遅れてるからだとかスーパークルーズが出来ないからだとか,外付けパイロンでステルス性が下がるだとか,当方から見たら難癖にしか見えないものばかりでした.
 酷いのになると「戦闘機導入でコストがかかって国が滅びる」なんてものもありました.

 しかし単発でもF-2は墜落事故は1件で,それも配線の誤接続,かつ三菱重工小牧南工場でのテスト飛行中によるもので,空自の訓練や任務での墜落事故はありません.
 また,ステルス性云々についても,中国やロシアでは長距離からステルス機を探知可能なレーダーを開発していますし,空自も長距離からステルス機を探知出来るE-2Dの調達が始まろうとしています.

 F-35で特筆すべきなのはそのステルス性だけでなく(あるいはそれ以上に),重要なのはネットワークの処理能力です.
 F-35のリンク16は海自のDDGや陸自の野外通信システムとも連携が可能で,三自衛隊による情報共有の効率化が可能になりました.
 また,ETOSやEODASによる光学センサーとその情報を伝えるHUDによるネットワークシステムは,従来の戦闘機にあった死角を無くし,極論からすれば背後に敵機がロックオンしようともその前に敵機をロックオンしAAMを発射する事が可能なのです.

 また,戦闘機のコストで国が滅びるなんて意見に至っては,過去の戦史を参考にすれば一目瞭然です.
 イギリスはバトル・オブ・ブリテンで国民に総動員令をかけスピットファイアとその部品を大量生産し,稼働率を90%以上にまでしましたが国は滅びず,ドイツ空軍との戦闘に勝ち抜きました.
 また,イスラエルは稼働率90%以上の空軍力を持ちますが国は傾いていません.
 確かに国防費の増強し過ぎは旧ソ連を見ればわかるように国を傾かせるには十分ですが,戦闘機のコストだけでは国は傾きません.

 F-35に対する不当な批判が目に余るので,あえて書かせて頂きました.

 なお,ステルス性を生かして空自のF-35Aで敵地攻撃なんて話がありますがそれは不可能です.
 確かに空自機の稼働率は90%以上,制空戦闘は米海空軍やイスラエル航空宇宙軍に匹敵すると言われていますが,対地攻撃,特に敵地攻撃に必要な精密爆撃についてはその限りではありません.
 よって,このような話はあり得ないと見ていいでしょう.
 むしろ巡航ミサイルや対艦ミサイルの飽和攻撃に対する迎撃に向けられると当方は見ています.

ねらっずーり in mixi, 2016年12月04日
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 F-35A block3Iとは?

 【回答 válasz】
 やれ開発炎上だ,やれ失敗作だのと言われてきたF-35.
 中には,F-35を導入したら国が亡びるとかアメリカの最強最強詐欺とか植民地的導入とか訳の分からない罵倒までされた不運な戦闘機と言われてきましたが,蓋を開けてみたらロードマップ通りに完成していました.
 ロッキード・マーティン社はF-35Ablock3Iのソフトウェア開発が完了した事を発表しました.

Development of F-35 3i Software For USAF IOC Complete | F-35 Lightning II

 これによりF-35Ablock3Fでは不可能だったAIM-9XやAAM-5のような短距離AAMの運用が可能となります.
 もっとも,F-35Aを始めとする第5世代戦闘機はBVR(視覚外戦闘)を主任務としていますが,アラート任務も含まれていますので,完成型とも言えるF-35Ablock3Iの開発が完了した事は,F-35計画がいよいよ最終段階に入った事を示しています.

 一方,イスラエル空軍向けF-35A初号機「AS-1」が最終組み立てに入り,6月にはロールアウトします.

First F-35A "Adir" for Israel Taking Shape in Fort Worth | F-35 Lightning II

イスラエル空軍向けF-35A初号機,最終組み立て開始 6月にロールアウト | FlyTeam ニュース

 さらに9月には航空自衛隊向けF-35A初号機「AX-1」がロールアウトする予定です.

空自向けF-35A初号機「AX-1」,9月26日にロールアウトか | FlyTeam ニュース

 既にオランダ空軍には向F-35初号機がロールアウトしていますが,今年に入って日本やイスラエル向けのF-35Aがロールアウトする予定で,F-35はしばらくは西側の空の守る主翼を担う事になります.

 またA2AD戦略等,巡航ミサイル防衛では12基のパイロンにミサイルが搭載可能で,EODASやETOSといった光学センサーを搭載しているF-35Aは,我が国の空のみならず我が国の国民の生命と財産を守る装備となるでしょう.

ねらっずーり in mixi, 2016年05月15日
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 LRIPって何?

 【回答 válasz】
 2014年9月,
F-35 LRIP 8が間もなく受注されるとのロイターの報道がありました.

 LRIPとは少数初期生産 (LRIP=low-rate initial production)の略語で,「LRIP 8」とは少数初期生産の第8期目の意味になります.
 「LRIP 8」では合計43機が作られますが,その内訳は
(1) F-35A
アメリカ空軍向けが19機
イスラエル向けが2機
日本向けが4機
ノルウエー向けが2機
イタリア向けが2機
(2) F-35B
米海兵隊用に6機
英国向けに4機
(3) F-35C
米海軍用に3機
海兵隊向けに1機
となっています.
 引き渡しは2016年春からを予定しています.

 その後は,LRIP-9と10で154機が生産され,その後2018年からフルレート生産に入る予定になっています.


 報道が事実なら,F-35A Block3Fのソフト開発が成功したという事になります.
 F135エンジンの火災事故でソフトについての情報がなかっただけに,この記事が事実なら,F135の事故の原因とその改善の状況によりますが,予定通り2017年度には空自にF-35Aが納入される事になります.

Lockheed, Pentagon say near deal on next batch of F-35s:Reuter

ロッキード・マーティン,間もなくF-35 LRIP 8を受注 | FlyTeam ニュース

 記事からすると機体とアビオニクスというドンガラと一部のアンコは生産されますが,肝心の重要なアンコであるF135エンジンの受注は,火災事故の原因が判明するまでお預け状態.
 やはりF136エンジンの開発再開が望まれます.
 IHIなどで協力してF136エンジンの開発再開は出来ないのでしょうか・・・.

 【参考ページ Referencia Oldal】
http://tokyoexpress.info/2014/11/27/%E6%88%91%E3%81%8C%E7%A9%BA%E8%87%AA%E5%90%91%E3%81%91%E6%AC%A1%E6%9C%9F%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9Ff-35a%E3%81%AE%E7%94%9F%E7%94%A3%E3%80%81%E6%BC%B8%E3%81%8F%E9%96%8B%E5%A7%8B-2/
https://flyteam.jp/news/article/40337
https://www.defenceturkey.com/en/content/f-35-LRIP 8-finalized-contract-agreement-1861
https://www.aerospacemanufacturinganddesign.com/article/lockheed-martin-f35-lrip8-contract-112614/

ねらっずーり in mixi, 2014年09月14日
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 F-35戦闘機エンジン出火問題について教えてください.

 【回答 válasz】
 2014年6月23日,エグリン Eglin 空軍基地を離陸しようとしたF-35A「AF-27」が離陸直前,後部胴体にて火災発生.
 乗員は脱出し無事だったが,機体は焼損する事故が発生した.

 このため,7月3日からF-35は全機飛行停止となり,開催中の英国ファンボロー航空ショウでの飛行展示は中止を余儀なくされた.

 米国F-35開発担当の責任者の発表によれば,調査の結果,火災の原因は3段目ファンの先端がステーターと過度に摩擦,高熱となり火災に至ったものと判明したという.
 すなわち,ブレード・デイスク一体型(IBR=integrated bladed rotor)(あるいはブリスクとも呼ぶ)ファン3段目の先端が,ファンケース内側のシュラウドと接触,過度に摩擦,高温となったのが原因.

 F135エンジンのコンプレッサーは,低圧系としてブレード・デイスク一体型(IBR)ファン3段で構成され,ここで圧縮されたエアが同じくIBR高圧コンプレッサー6段に送られる仕組み.
 IBRファン3段は,それぞれ間にステーターを挟み,ファンケースの中で回転する.
 各段のファンの先端は,エアリークを少なくするためケース内側に張られた摩耗シュラウドとの隙間を最少にしてある.
 この隙間を,ファン先端が摩擦するほどタイトにすることで圧力損失が少なくなる.

 調査結果によれば,火災事故を起こしたF-35 「AF-27」では,ファンは設計上許されている摩耗限界を遥かに超え,高温となりファンには微小クラック micro-crack が多数発生していた.
 事故の3週間前に行われた飛行で生じた微小クラック.
 通常の飛行包絡線範囲内の充分内側での穏やかな機動で,ヨウ(yow),ロール(roll),それに垂直方向の”g”荷重を組合わせた2秒間の飛行だった.
 これでエンジンが僅か曲がり,ファン・ステーター(静翼)がファン・ローターに接触,過度な擦れを起こした.
 この時の摩擦熱は設計温度の1,000F(540℃)を越え1,900F(1,040℃)に達していた.

 この微小クラックが成長して高周波疲労破損(high cycle fatigue failure)を起こし,破断.
 燃料タンクを破り,火災に至ったという.

 その後の他のエンジン検査で,ファン部分に異常な摩耗が見付かったエンジン5台が交換された.

 また,対策として,次の二つを実施することとなった.

* システム開発実証試験(SDD)参加中の21機の飛行に”burn-in”手法を取入れる.
 これは,問題の摩耗許容式シールの摩耗が設計温度内(1,000F)で緩やかに進むよう機動飛行の順序を予め設定して,それに基づいて試験飛行を行う方法.
 これでSDD機は,飛行包絡線を拡大して計画通りの試験ができる.

* P&Wは,設計温度内に収まる新しい摩耗許容式シールの設計を進めており,10月から試験を開始する.
 そして引渡し済みエンジン156台には準備でき次第改修を行う.

 F-35プログラム最高責任者,クリストファー・ボグデン(Christopher Bogdan)空軍中将は7月14日,
「事故後直ちに使用中の98基のP&W F135エンジンを詳しく調べたが,事故を起こしたエンジンと似た状況を示すエンジンは皆無であった.
 すなわち,本件は特異事象であり,設計上の問題とは考えられない.
 これで事故の全体像が判り,原因は解明されたと考える」
と語った.

 7月15日になり,米空軍および米海軍の耐空性審査当局は,
「エンジン火災のため飛行停止となっていた次世代型ステルス戦闘機F-35は,制限付きで飛行再開を認可する」
と発表した.
 飛行再開は,エンジン検査を終了し,飛行包絡線,つまり飛行高度と速度の範囲にある程度の制限を付けて許可された.

1枚目:F-35に搭載されているP&W F135エンジンの見取図:(USDOD)
図の左,青く示してある箇所がIBR型ファンで,3段の構成,この3段目が大破,火災となった.
F135は,全長5.6m,直径1.3m,ドライウエイト1,7㌧(3,750kg),推力は最大43,000lbs(191.4kN),中間28,000lbs(124.6㌧.推力重量比11.5.
構成は,コンプレッサー「3段ファン+6段高圧コンプレッサー」タービンは「1段高圧+2段低圧」.

2枚目P&W F135エンジンのコンプレッサー部分の詳細図:(Alp Aviation)
左から
①ファン1段目(IBRではない),
②ファン2段目(IBR),
③ファン3段目(IBR).
2段目と3段目はそれぞれデイスクと一体構造
この3段目が高周波疲労破損(high cycle fatigue failure)を起こし,デイスクもろとも破壊した
製作担当のAlp Aviationはトルコ企業

3枚目:F135の3段目ファンの構造図:(Air Force Magazine July 2014)
ファンとデイスクが一体(IBR)になっている
このファンの先端がケース側シュラウドと過剰に接触,摩耗,高温となり破損した

(図No. faq210526en1~3,こちらより引用)

 米国防総省によれば,F-35に搭載されるF135エンジンの火災事故の原因が特定された事により,機体とエンジンの量産を開始したとの事です.
 これによりLRIP8の量産が始まり,空自への納入も予定通り2017年度内には行われる事になります.

米F35戦闘機エンジン出火問題が解決,発注を再開−国防総省:THE WALLSTREET JOURNAL ※リンク切れ

 ただ,F-35の開発にあたってはVTOL機能をも詰め込んだりしたことや国際共同開発での内紛など,マクナマラ理論の弊害が出たのは確か.
 機体は素晴らしい性能を持っていますが,一方で開発の手段においては「失敗作」であったのは否めません.

 その意味で,第6世代戦闘機開発においてはそれを教訓にして頂きたいと,米国防総省や米航空産業に願いたいところ.
 まぁ,当方は米市民権を持っていないので,それをすべきとは言えませんが・・・.
 これは現在のATD-XとF-2後継の国産戦闘機を開発している我が国にも教訓となりえそうです.

 なお,その後の2016年9月23日にも,アメリカ・アイダホ州のマウンテンホーム空軍基地でF-35Aのエンジン火災事故が発生している.
・F-35ではIPPの排気口と吸気口が近接しているのだが,エンジン始動に必要な圧縮空気を供給するIPP(Integrated Power Pack)の排気口から,高温の排気ガスがIPPの吸気口に逆戻りしてしまい,IPPが安全のために自動停止.
・その時点で,エンジンは燃焼が可能なところまで回転数が上がっていたが,IPPの自動停止によってエンジンの回転が低下.
・そこでエンジン制御系統が,(エンジンは作動しているという認識の下で)回転を上げようとして燃料供給量を増やしたために,結果として燃料が過剰供給.
・すでにエンジンの温度は始動操作によって上がっていたため,その燃料に引火して火災に.
というのが凡そのプロセス.
 これは機体の後ろから強い追風を受けていたときに限って発生する現象だったという.

米空軍の事故調査報告書によるグラフ
エンジンの回転が下がった(上のグラフ)にもかかわらず,燃料供給量を増やした(下のグラフ)結果,その燃料に引火して火災発生
(図No. faq210526en4,こちらより引用)

 【参考ページ Referencia Oldal】
http://tokyoexpress.info/2014/07/16/f-35%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E7%81%AB%E7%81%BD%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%8C%E5%88%A4%E6%98%8E%E3%80%81%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E5%81%9C%E6%AD%A2%E3%81%AF%E8%A7%A3%E9%99%A4%E3%80%81/
http://tokyoexpress.info/2014/09/10/%E6%AC%A1%E4%B8%96%E4%BB%A3%E6%88%A6%E9%97%98%E6%94%BB%E6%92%83%E6%A9%9Ff-35%E7%81%AB%E7%81%BD%E3%80%81%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E7%A9%B6%E6%98%8E%E3%81%A8%E5%AF%BE%E7%AD%96/
https://news.mynavi.jp/article/aero_tech-238/
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/115580

ねらっずーり in mixi, 2014年10月25日
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 2017年の,米空軍パイロットの低酸素症によるF-35A飛行禁止措置について教えてください.

 【回答 válasz】

 米空軍ルーク空軍基地のF-35A部隊は,パイロットが相次いで低酸素症にを発症した事から,飛行禁止措置を取りました.

> ルーク空軍基地のF-35Aが全機飛行停止措置に:航空宇宙ビジネス短信・T2:
> https://aviation-space-business.blogspot.jp/2017/06/f-35a_10.html

> F-35s at Luke Air Force Base grounded after pilots suffered oxygen deprivation:airforce times
> https://www.airforcetimes.com/articles/f-35s-at-luke-air-force-base-grounded-after-pilots-suffered-oxygen-deprivation

 この事案で奇妙に思ったのは,moneyfreedomさんがご指摘しているように米海兵隊のF-35Bには同様の事案が発生していない事,さらにF-35Aを運用中のオランダやイスラエルには同じ事案は発生していないという事実です.
 また,空自もF-35Aの操縦過程を修了し,三菱重工小牧南工場から我が国で製造されたF-35Aが初飛行しましたが,やはり同じ事案は発生していません.

> 空自パイロット2名,ルーク空軍基地でF-35プログラムを修了 | FlyTeam ニュース
> http://flyteam.jp/news/article/80193

> JASDF pilots graduate Luke’s F-35 program > 944th Fighter Wing > Article Display
> http://www.944fw.afrc.af.mil/News/Article-Display/Article/1198149/jasdf-pilots-graduate-lukes-f-35-program/

> 空自F-35A戦闘機の国内生産初号機,名古屋小牧で初飛行 | FlyTeam ニュース
> http://flyteam.jp/news/article/80415

 米空軍ではF-22Aでも低酸素症が発生しました.
 この時の調査はかなり苦労を要しました.
 原因は今も公式発表は,当方の浅学もあってはっきりした事は解っていませんが,米空軍では生命維持システムの改善等を行い,F-22を飛行再開しています.

> 米空軍,F22ラプターの飛行再開へ 4か月ぶり 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
> http://www.afpbb.com/articles/-/2829318

 しかし今回,米空軍だけに見られた事案なだけに,米空軍にとっては深刻な問題ですが,今のところ空自,オランダ空軍,イスラエル空軍,米海兵隊には発生していないので,米空軍固有の問題と思われます.
 空自のF-35A納入には特に支障は無いでしょう.

ねらっずーり in mixi, 2017年06月18日
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 F-35のパイロットの評判は?
Hogyan értékelik a pilóták az F-35-et?

 【回答 válasz】

 シンガポール空軍でも導入が決定したF-35.
 そのF-35のパイロットの評判はどうでしょうか.

> F-35のパイロットが語る「ステルス機の絶対的な心理的優位」 | BUSINESS INSIDER JAPAN
>  https://www.businessinsider.jp/post-33403

 元アメリカ海兵隊少佐ダン・フラットリー(Dan Flatley)氏によれば,F/A-18でF-22と模擬空戦した時に全く捕捉出来なかった無力感を感じたと告白,
 AWACSからF-22が接近しているという警告を受けた時の不安や,F-22と対峙した時に冷静さを失っていたのを告白しました.
 さらに,F-35のパイロットとなった時に心理的優位が持てると述べました.

 ブラットリー氏はF-35シリーズとF/A-18シリーズでは情報量に圧倒的な差があり,これが心理的優位に立てると述べています.
 F-35が機体に6ヶ所設置されているDASのセンサーが,敵機の機影の情報をパイロットのJHMCSやHMDに伝達し,ロックオン出来る事で心理的に楽になれるという事でしょう.

 また最近,対ステルスレーダーが開発された事で陳腐化されたと言われるステルス性も強みとしています.
 AWACSやAEWのレーダーならともかく,戦闘機のアビオニクスのレーダーではステルス機の探知は難しいと述べています.
 戦闘機の敵はやはりステルス機という事でしょうか.

 そしてブラットリー氏は
「彼らのスキルや技術は関係ない.
 技術的な格差があまりにも大きい」
と述べています.
 これは別の言い方をすれば,大したスキルや技術が無くとも,F-35で訓練をすればF-15やF/A-18とも互角かそれ以上に戦えるとも言えます.

 この事実は大きいと言えます.
 少子高齢化により自衛隊応募者の減少が懸念される状況において,航空学生や空自幹部候補生のパイロット志願者の減少も懸念されています.
 実際,米空軍ではパイロット不足が発生しており,空自でも同じ現象が予想される中,F-35のようにスキルや技術が無くとも戦闘機をある程度操縦出来る適性さえある人物が操縦すれば,F-15やF/A-18を毎日飛ばして模擬空戦を行うパイロットの技術を凌駕出来るという事になります.

 海自でもP-1哨戒機にはパイロットを補助するHUDが搭載されています.
 陸自でも10式戦車や90式戦車のアップデートでは,同様の装備を期待したいところ.

 機械が人間をサポートする装備が求められているとすれば,F-35は決して間違った選択肢とは言えないでしょう.

ねらっずーり in mixi, 2019年03月16日
青文字:加筆改修部分

 それより前の2016年03月には「Defence News」に,ノルウェー空軍大佐で米空軍ルーク基地においてF-35の飛行教官を務めるモーテン・「ドルビー」・ハンシェ氏が,F-35の空戦性能を高く評価する記事が掲載されています.
 これまでF-35の空戦性能はF-16にも劣ると言われていましたが,実際はその逆だったという事でしょうか.

Norwegian F-35 Pilot Counters Controversial ‘Dogfighting’ Report:Defence News

★F-35Aの空戦性能はすごい,と昨夏レポートと反対の感想がノルウェー空軍少佐から出ています:航空宇宙ビジネス短信・T2

 ハンシェ少佐の話によると,F-35は防御に回ると鞭のように激しく移動でき,速度の減速は自動車の減速よりも早く出来るとの事です.
 また,迎え角を取るとF-35はパイロットの「ペダル入力」より早い反応を示し,機首の移動はF-16より迅速だと評しています.
 さらに,F-35の難点であったヘッドレストによる機体後部の見えにくさも,シートを前方に移動し側方に体を傾けて視界を確保してから頭を回して後方を覗く事が可能になるので,問題はないという見解を示しています.

 さらにまた,これはハンシュ少佐の意見ではありませんが,F-35にはEODASやETOSなどの光学センサーがあり視界の死角をカバー出来る能力もあります.
 加えてAN/APG-81AESAレーダーもありますので,長距離の多目標の索敵も可能です.

 つまり,F-35の空戦性能はF-16はおろかF-15にも勝ると言っても過言ではないでしょう.

 特に我が国の場合,戦闘機よりもむしろ巡航ミサイルや弾道ミサイルの迎撃が安全保障における課題の一つとなっており,巡航ミサイル迎撃では12基のパイロンを持つF-35は予定の42機よりも多く導入すべきでしょう.
 また,この空戦性能ならば迎撃し漏らした巡航ミサイルをGAU-12 イコライザー機関砲により迎撃することが可能になります.

 中国では,米シンクタンク・ランド研究所のレポートによれば,経済成長の鈍化により空母や原潜の建造が中止し,安価な装備の拡充に方針転換をするだろうという予測を立てています.
 まぁ,空母については中国政府の悲願なだけに,1〜2隻は建造すると思いますが・・・.
 そして,その安価な装備は弾道ミサイルとの事.
 もちろん巡航ミサイルの拡充も予想されます.

サーチナ|中国海軍に黄信号,空母や原潜の建造がストップするかも=米で指摘,中国メディアも注視

 これ等の報道から見るに,繰り返すようですが空自のF-35Aの調達は42機とは言わず追加調達すべきでしょう.
 巡航ミサイルは迎撃しなければなりません.
 それは国民の生命と安全を守るための手段なのですから.▲

ねらっずーり in mixi, 2016年03月13日
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 F-35値下げについて教えてください.

 【回答 válasz】
 ロッキード・マーティン社のヒューソン最高経営責任者は,F-35の売却価格の大幅値下げを発表しました.
 F-35は1機あたり1億ドル(115億円)しますが,この価格が下がるという事になります.

>【トランプ次期大統領】ロッキードがF35を値下げへ トランプ氏の圧力に屈する - 産経ニュース
>http://www.sankei.com/economy/news/170114/ecn1701140010-n1.html

>F35コスト削減「合意近い」=トランプ氏と交渉−米ロッキード:時事ドットコム
>http://www.jiji.com/jc/article?k=2017011400100&g=int

 これは空自にとっても朗報です.
 115億円になると言われるF-35Aの大幅値下げとなると,調達価格は100億円を切る可能性があるだけに,追加調達も可能になります.
 トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統(大統領)と電話会談するなど,中国共産党政府軍事的脅威の封じ込めに意欲を示しており,今後は日本に対しても台湾防衛のための米海軍艦艇や米空軍基地の防護のための制空権と制海権の確保のための装備の増強を求める事が予想されるだけに,F-35の追加調達が容易になったという事は歓迎すべきでしょう.

 なお,F-35Aの戦闘行動半径は空対空ミッションだと1400㎞で,F-15Jの1900㎞より500kmほど劣りますが,那覇から尖閣諸島や台湾近海をカバーしており,離島防衛や米艦防護には十分と言えるでしょう.

F-35Aの戦闘行動半径
地図に円を描く (Google Maps API V3版)より
(図No.faq170114mp)

>F-35情報館
>http://f35jsf.wiki.fc2.com/

 なお,トランプ政権での在日米軍の大部分の撤退の可能性が無くなった(海兵隊の撤退はコスト上想定されますが)ものの,中国人民解放軍の軍事的脅威に対する封じ込めのために適切な防衛負担が求められるだけに軽空母保有論は現状では必要無くなったと当方は愚考します.(※)

 (※)ただ,当方としては軍事ケインズ主義から,軽空母保有論については否定するつもりはありませんので,どうかご理解ください.

ねらっずーり in mixi, 2017年01月14日
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 F-35C米海軍最後の有人戦闘機になるの?

 【回答 válasz】
 2015年04月,米国防総省の下部機関にあたる米海軍省のレイ・メイバス長官は,F-35Cが最後の有人戦闘機になると発言しました.
 つまり現在F/A-18E/Fの後継機種にあたる第6世代戦闘機・F/A-XXは無人戦闘攻撃機(UCAV)になる事を示唆しています.
 もっとも,海軍作戦部長のジョナサン・グリナート海軍大将はF/A-XXは有人戦闘機になると発言していただけに,方向転換を意味するのでしょうか.

Mabus: F-35 Will Be ‘Last Manned Strike Fighter’ the Navy, Marines ‘Will Ever Buy or Fly’ - USNI News

★F-35は最後の有人戦闘機になるとの海軍長官発言から見えるF/A-XXの方向性:航空宇宙ビジネス短信・T2

 ただ,最後の有人戦闘機というキャッチフレーズはF-104の時も聞いたような・・・.
 ミサイル万能主義は結局ベトナム戦争では役にも立たず,米空軍や米海軍は慌てて格闘戦の訓練を強化,アグレッサー部隊を創設・編成するなどしました.

 地対空ミサイル(SAM)や地対空砲,さらには戦闘機による迎撃によるパイロットの人的損害を無くすために開発されたUCAVですが,米海軍戦闘機は制空任務も行わければなりません.
 しかし有人戦闘機ならコックピットから全周を見渡せるので,攻撃を受けたのを確認する事が可能であり,それにより交戦規則により回避して反撃する事が可能ですが,UCAVの場合全周でカメラを観る事は難しく,それが出来てもデータ送信量が過多になるので,UCAVオペレーターにはその確認が難しいと軍事ライターの井上孝司さんは述べています.
 この意見には当方も賛成です.

航空機とIT (42) 無人航空機(6)UAVでどこまでできる? | エンタープライズ | マイナビニュース

 また,UCAVには新たな問題も発生しています.
 元々無人ISR(情報収集,監視,偵察)用途に運用されていたRQ-1とその攻撃能力を強化したMQ-9によるテロリストに対する対地攻撃による誤爆や巻き添えによる民間人の殺害(コラテラル・ダメージ),さらにそれ等のオペレーターによるPTSDの発症も上げられます.

 そのため欧州のNGOでは無人機禁止に向けた運動も起きています.
 この動きは現在ではまだ小さいものの,米退役軍人団体とドイツのNGOによる対人地雷廃絶キャンペーンにより対人地雷禁止条約が創設された事を考えると,決して座視できない動きと言えます.

無人戦闘機と殺人ロボット開発への「反撃」 - SWI swissinfo.ch

 UCAV禁止に向けた動きは,我が国の自衛隊にとっても無関係ではありません.
 技本は現在離島防衛型UCAVを開発していますが,これが無駄になる可能性があります.
 そこで我が国だけでも将来導入予定のUCAV運用を考えていかなければなりません.

 イスラエルではF-15Eのイスラエル輸出型であるF-15IにUAV管制能力を付与し,兵装システム士官にUAVの管制を行っています.
 米空軍ではUCAVオペレーターの人手不足が指摘されていますが,この方式なら人手不足も解消されます.
 また,UCAVによる誤爆も防げます.
 上記で書きましたが有人戦闘機の場合,全周が見渡せますのでその周囲の村落を発見出来れば,攻撃の中止か誤爆しないような攻撃を行いますが,UCAVの場合,カメラに映った映像からしかオペレーターに見えず周囲の風景が見えないので,誤爆やコラテラル・ダメージを与えてしまう要因となっています.
 SAMの射程・射高から離れた空域からなら遠くの風景が確認出来ますので,戦闘機からのUCAV管制ならば誤爆やコラテラル・ダメージを防ぐ事が可能になります.

 我が国でも無人ISRの導入は進んでいる一方で,UCAVの導入には消極的です.
 一つには上記のように国際世論のUCAVに対する反発があります.
 我が国でも誤爆やコラテラル・ダメージを防ぐUCAV運用・管制を考えていくべきではないでしょうか.

ねらっずーり in mixi, 2015年04月19日
青文字:加筆改修部分


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