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「Military Technology」◆(2013/06/05) Northrop to bid for US Navy’s CANES full deployment contract

「社会生活VIP」◆(2012/01/23)デカい船作ってるけど質問ある?


 【質問】
 艦の能力が同じなら,小さいほうがいいのはなぜですか?

 【回答】
 フネがデカイと,作るのも作った後で整備するのも大変.
 作るにも整備するにも,より大きいドックが必要になる.
 要するに金が掛かる.

 また,デカいフネは,港の底を浚って水深を確保しなきゃならない(でないと港に入れない)し,岸壁も荷下ろし/積込み用のクレーンもデカイのが必要になる.
 つまりは港湾インフラを圧迫する.

 で,民間線ならともかく,軍艦の場合は損傷した時の復旧要員が必ず必要なので,デカいフネはその分,乗組員の人数が必要になる.
 それだけ人件費がかかるだよ.

 でも必要最小限の大きさにして装備を詰め込むと,すぐ転覆する危ないフネになるし,後から装備をつけ足したりして改造して長く使う事が出来ないので,小さくコンパクトにすればいいというものでもない.
 例えば昔,日本海軍が5500トン級の軽巡洋艦と同じ片舷兵装を持った,「夕張」という艦を作ったが,発展性が無く,成功とはいえなかった.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 船型についての質問です.
 平甲板型,長船首楼型,短船首楼型,中央船楼型,遮浪甲板型などの用語をよく見かけますが,どういった違いがあるのか解りません.
 区別の仕方とそれぞれのメリット・デメリットなどを教えてください.
 また,他にも船型があれば教えてください.お願いします.

 【回答】
*平甲板型(フラッシュデッキ)
 文字通り,艦首から艦尾までが全通した一枚の甲板でつながった船型.
 船体強度上合理的な構造である.ただし,乾舷が低くなる.
 艦首乾舷を高くするため,シア(甲板の反り)が大きいのが外見の特徴.

*船首楼型(フォクスル)
 船楼とは全通甲板の上に設けた水密構造物のこと.
 艦首部分に船楼があれば船首楼型.
 これが船体後部にまで伸びているものを長船首楼型(ロングフォクスル)と呼ぶ.
 平甲板型に比べて艦内容積が広く,復元性が優れているが,船首楼が途切れる段差部分の強度不連続が欠点になる.

*中央船楼型
 船体中央部に船楼が設けられたもの.
 船体の太い中央部が広く活用でき,艦内スペースが広く取れる.
 ただし,艦の前後の交通性が悪く,強度と凌波性に問題がある.

*遮浪甲板型(シェルターデッキ)
 長船首楼型の上部構造(船首楼)がさらに艦尾まで伸びたもの.
 つまり,平甲板型にさらに全通甲板をもう一枚設けたもの.
 復元性・対波性が最も強く,乾舷が高くて船体スペースが大きく取れる.

 この他に,かつて商船ではよく用いられていた三島型があります.
 これは船首尾と中央に,それぞれ船首楼,船央楼,船尾楼があるものです.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE


 【質問】
 商船構造と軍艦構造って具体的にどう違うんですか?
 他スレで聞いたら「適用する規格が違う」といわれたのですが,さっぱりです.

 【回答】
 軍艦の方が商船に比べて竜骨や肋骨が太くて頑丈な剛構造(だっけか?)で作られてる.
 艤装の重量を支える以外にも,構造自体が堅固に仕立てられて防御に寄与してる訳.

 それと艦形が,
商船:〈□□〉
軍艦:<□>
な感じになってる
 商船は積載量を稼いで経済速度で巡航するのに適した艦形,軍艦は最大船速が稼げる艦形になってる訳やね.

 抗堪性の違いもありますよ.
 商船ではなるべく仕切りが少ない方が使いやすいが,軍艦では,被弾時の周辺被害や浸水を考えて隔壁が多く,一コマが小さい構造になっています.
 このため,工程が格段にややこしくなる.
 もちろん,商船でも衝突,座礁などがあるので浸水には配慮しますが,精々1区画,あるいは2区画の浸水で沈まないというレベルであり,軍艦のように防水区画の5,6箇所なら戦闘続行可能というのとはまったく違います.


 【質問】
 カタマランって何?

 【回答】
 Catamaran とは,2つの船の胴体を甲板で繋いで一つにした形の艦船のこと.
 船を横に並べてつなげたら,安定性が増すし,甲板も広く作れるんじゃね?という発想のものだが,旋回などの運動性能が劣るため,軍艦などには不向きとされてきた.
 カヌーやヨットでは比較的よく見られるが,軍艦では海上自衛隊のひびき型音響測定艦や,北韓のソホ型フリゲートくらいか.

 3胴型のトリマランという形状の艦船もあることはあるが,あまり何隻も横に繋げてしまうと,赤壁の戦いになってしまうので注意.

 【参考ページ】
http://nztsuyoshi4.blogspot.com/2005/11/catamaran.html
http://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%83%B3
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8C%E8%83%B4%E8%88%B9
http://en.wikipedia.org/wiki/Catamaran
http://fr.wikipedia.org/wiki/Catamaran

ぼくがかんがえた,すごいカタマランくうぼ

カタマラン自動車

(画像掲示板より引用)

【ぐんじさんぎょう】,2010/04/28 21:00
を加筆改修


 【質問】
 日清・日露戦争時代の軍艦は,三笠などの戦艦も含め,比較的軽装甲の艦ばかりでしたが,太平洋戦争時代となっては,大和を始め,全体に鎧を纏ったかのような重装甲となり,現代に至っては,また軽装甲が主流となったのはなぜですか?

 【回答】
 まず,戦闘艦設計の基本的な思考法として
「とりあえず,自分が持ってる武器は敵も持っている」
という考え方があると思いねぇ.

 それを踏まえた上で,「最低限,同格の艦と撃ち合っても沈まない」程度の装甲を持つ,というのがWW2までの考え方.

 戦後,戦闘艦の主武装がミサイルに変わって,
「どうせミサイルが当たったら沈む――ミサイルを防げる装甲を持ったら身動きできなくなる――から,ミサイル防御は防御システム(バルカンファランクスとか,あれ)に任せて,装甲は取っ払おう」
というのが現代の考え方.
 また,装甲を施しても,装甲で覆えない電子兵装などが破壊されると無力化されるというのも要因の一つ.

 装甲に比して攻撃力過多の武装を持つ艦はむしろ例外と思っていい.
 例えば近代化改装する際に,金銭的な問題から武装面のみ強化されて防御面はそのまま,とか,このままでは敵国の船に損害を与えられないのであえて武装のみ強化した,とか.

 三笠などは当時の水準では別に「比較的軽装甲」ではないよ.
 当時の戦艦の主砲が30センチ砲だったから,それに適した装甲だっただけ.
 後に主砲がどんどん大きくなると,それに伴って装甲も厚くなった.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 アルミ系材料は,軍艦ではあまり使われないの?

 【回答】
 アルミニウムの融点は660度なんですが,通常艦内で火災が発生した場合,その火災温度は1000度近くに達します.
 ということで,一度艦内で火災が起これば,アルミの構造物は間違いなく溶融してしまいます.
 ですので,現在は水上艦を含む軍艦では,アルミは使用しないのが常識になっています.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2007/07/11(水)

 70年代に水上艦艇に,アルミ合金が多用された時期があった.
 しかしアルミは高温に弱いから,鋼製船体に比べ,火災による被害が大きい.
 フォークランド紛争では被弾した英軍艦が,簡単に沈没したり大破したりした.

 ちょっとした衝突事故で大破した米軍艦もあり,現在では軍艦の主要構造には極力アルミは使わないのが常識.

軍事板,2007/07/11(水)


 【質問】
 大戦頃の巡洋艦に,最新鋭の装備をしても無駄ですか?
(つっても後進国しか,当時の巡洋艦なんて持っていないんですけど.)

 【回答】
 Italyでは,大戦中の軽巡洋艦にPolarisミサイルを搭載できる(実際には搭載しませんでしたが)ように改造したりしていますが,外観は殆ど当時の巡洋艦の儘でした.
(最後部の砲塔を取り払って,サイロを突っ込んだんだか)

 他に,大戦中の巡洋艦に近代兵器を搭載した例としては,
米国のCleveland 級軽巡洋艦(後部砲塔を撤去してテリアまたはタロスSAMを搭載),
Baltimore 級重巡洋艦(後部上構と砲塔を撤去してテリアSAMを搭載),
Oregon City級 重巡洋艦(上構,砲塔を全て撤去して,タロスとターターSAMを搭載),
Baltimore 級の2隻(同上
があります.

 英国では,Swiftsure級の改造型であるTiger級がそれにあたりますが,1946年から1959年まで掛けて改造されています.

 フランスは,軽巡洋艦De Grasseが大改造を受けましたが,1938年着工のものが防空巡洋艦として1956年に竣工.

 オランダが,1938年着工のDe Ruyter級 軽巡洋艦2隻のうち1隻を,テリアSAM搭載のミサイル巡洋艦に改造しています.

 いずれも,長い期間を経て建造されているため,一線にいた期間は短く,また,大改造するにも船体が若いならいざ知らず,老朽艦では費用対効果が望めず,結果的に大改造が難しいと思いますよ.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2003/04/06
青文字:加筆改修部分

 Iowa級戦艦のKentuckyは戦後暫く建造が放棄されていたが,ミサイル戦艦として改造される予定だった.
 結局,艦首はもぎ取られ,機関は補給艦に転用されたけどね.

 後,Alaska級のHawaiiも,同じくミサイル大型巡洋艦に転用される予定であった.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2003/06/19
青文字:加筆改修部分

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 艦を自沈させる際に開放するキングストン弁は,どんな艦にも(現代の艦にも)付いているのでしょうか?

 【回答】
 キングストン弁はそもそも,艦船の機関冷却用海水取入装置についているバルブ.
 ボイラー用の水を取水する所に付ける弁だから(自沈専用では無い),ボイラーを搭載した船なら付いてる.

 艦船の中でもダイレクトに海と繋がってる装置のバルブなので,これを抜くと,船内に直接海水が流入,あっという間に沈没する.
 なので,軍艦が自沈する時にはこのバルブを抜くのである.

 なお,「キングストン弁」というのはメーカーの名前に由来する.
 この弁が壊れたり緩んでたりすると,あっという間に船が沈んじゃうので,高い信頼性が求められた.
 「キングストン」というメーカーのものが,信頼性の高さからよく使われてたので,いつのまにか代名詞に.


 【質問】
 アーサーW.ラドフォードって何?

 【回答】
 1977年4月16日に就役した,「スプルーアンス」級駆逐艦6番艦.
 1997年5月,ステルス性を高めるために平板で囲まれた新型マストが取り付けられたことで知られる.
 1999.2.5 00:40,バージニア岬でサウジ船籍の貨物船サウジ・リヤードと衝突.
 2003.3.18退役し,2004.4.6除籍.

 【参考ページ】
http://hush.gooside.com/Text/0A/01A/A11mAsama_.html
http://en.wikipedia.org/wiki/USS_Arthur_W._Radford_(DD-968)
http://www.shipstructure.org/radford.shtml
http://www.navy.mil/search/display.asp?story_id=6392
http://www.nvr.navy.mil/nvrships/details/DD968.htm
http://united-states-navy.com/dd/dd968.htm
http://www.navsource.org/archives/05/968.htm
http://navysite.de/dd/dd968.htm

最初に見たときは,コラージュ写真だと思っていました……
(画像掲示板より引用)

【ぐんじさんぎょう】,2011/08/25 20:30
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 【質問】
 最近の護衛艦とか,航空機はデータリンクというもので情報を共有するそうですが,データリンクそのものは無線ですよね?
 いくら艦艇をステルス化しても,電波出してたらすぐに場所を特定されちゃうんじゃないでしょうか?
 それとも敵味方識別装置みたいに,ごく短時間の発信だから大丈夫,とかいう考え方なんでしょうか?

 【回答】
 航空戦の場合,早期警戒管制機が情報を発信して戦闘機はそれを受信するだけなので,別に問題はなし.
 もちろんAWACSは電波出しまくりだが,通信以前に強烈なレーダー波出しまくりなので,キニシナイ.
 戦闘空域から離れたところにいるから,攻撃される可能性は低いし.
(ロシアは超長射程の対電波誘導対空ミサイル,というのを開発してるけど)

 海洋戦の場合,そもそも軍艦は戦闘中はレーダー全力発信中でそうしなければ戦闘できないから,やっぱりキニシナイ.
 艦艇のステルス性は主に,対艦ミサイル自身の発するアクティブレーダー.ホーミングを避けるためのもので,航空機のような「相手(敵艦や敵戦闘機)に発見されないようにする」ためのものではないから.

 世界の大概の対艦ミサイルには,公表してないだけで対レーダー波逆探知誘導のモデルがあるようだが,そうしたものには迎撃手段や電波妨害で対抗する.

 本気で対艦ミサイル攻撃される時は自己誘導型赤外線誘導型電波逆探知型・・・と各種の誘導方式を混ぜて撃って来られるので,ステルス性を完璧にして自分も電波出さないかわりに,レーダー使えないから相手が見えない,でも大して防御能力上げられないので,それよりは多少危険でもレーダー全開にして戦闘する.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 タンブルホーム Tumblehome って何?

 【回答】
 おフランスの華麗なデザインだったように思います.
 かつての戦列艦を思わせ,上部構造物の重量軽減対策とそれなりに理屈も有りますが,かの国の事だけにワインの飲みすぎか,単なるデザイン先行かと疑ってしまいます.

伊地知のヘタレ in 軍事板
青文字:加筆改修部分

 日露戦争時のロシア艦では,戦艦ツザレウィッチと その後継のボロディノ級に採用されています.
 これらは前から見るとヒョウタンツギのようで笑えまするな.
 もう,む〜ちゃくちゃでござりまするがな.

ハナビシ・アチャコフスキー in 軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ 英Wikiの「タンブルホーム」を,一行飛ばしくらいに斜め読むと,木造軍艦時代からの構造で,上部ガンデッキを狭く作ると重心を下げられるとかボーディングが難しくなるとかの利点があったらしいです.

 他にも色々書いてありますが――鋼船時代の仏についての記述もあり――,そこまで読む気力が無かったので,詳しい方お願いします!

名無しクルセイダー信者 in FAQ BBS,2009年6月27日(土) 1時6分
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 軍艦にCICが作られたのはいつ頃からなのでしょうか?

 【回答】
 ざっと調べた限りでは,米海軍ではフレッチャー級がCIC室の装備を始めた最初の駆逐艦でした.
 ただし初期の艦には備わっておらず,1943年になって装備が決定され,これに従って既成の艦も改装が行なわれたようです.
 CV-6エンタープライズも43年にCIC室を設けており,米海軍では大体そのあたりなのではないかと.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 なんで軍艦の司令部って艦橋に置くんですか?
 巨砲時代から今まで,もっとも弾丸が命中しやすいような気がしますが…
 司令部が吹き飛んだらや指揮が取れないのでは?

 【回答】
 「視る」ことが最良の情報収集手段だから.

 周りが見えないと指揮のしようがない.
 だからより遠くまで見通せるよう,高い艦橋が造られる.
 この傾向は電子兵装が=レーダーが発達するまでは変わらないよ.

 もっとも戦艦の場合,司令官クラスは戦闘中は艦橋の根元にある,「司令塔」と呼ばれる分厚い装甲に囲まれた中に篭る.
 ここは戦艦の中でも最も装甲が厚い部分の一つ.

 後部には副司令部になる施設も予備に用意されてるし,そもそも軍艦の艦橋ってのは決して占有面積大きくない.
 君の主観ほど命中しやすいわけじゃないんだよ.

 ただしやはり周りがよく見えなくなるので,ここに入ることを嫌がる人もいた.
 かの東郷平八郎は
「危ないですから司令塔に入ってください」
という部下の言を,
「あそこは周りがよく見えんから嫌じゃ」
と退けて,断片飛び交う露天艦橋で戦闘指揮を執った.
 でも東郷平八郎は全く無傷で,司令塔の方が直撃弾を食らってしまったというオチが.

 第2次大戦から現在ではCIC(戦闘指揮所)というものが作られ,これは大概,艦体の中にあり,艦橋部にはない.

軍事板
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faq07gn03w.jpg
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 近代以降の軍艦のマストって,旗を掲げる以外の役割あるの?

 【回答】
 帆走設備が完全に無くなり,レシプロ蒸気機関を搭載した軍艦以降のマストと言う事であれば, 前ド級艦は鋼製の棒マストが2本程度が一般的で,これには通信設備や旗流信号の掲揚,探照灯台の装備,砲戦時の見張所(ファイティング・トップ)の設置などがされています.
 ド級艦以降ではこの棒マストが大型化した3脚マストが一般的です.

 この3脚マスト以降,マストは艦橋機能をと一体化して行き,マストには見張所,指揮所,探照灯台,信号所などを始め,方位盤を始めとする戦闘指揮関連の構造物が取り付けられた,戦艦長門のような櫓マストが多く見られるようになります.
(マストと艦橋を組み合わせたドイッチュラントやエムデンのような艦もあります)

 WWUからそれ以降は,この艦橋がかつてのマストの役割を果たすようになります.
 その後,レーダーの急速な発展に伴い,また水上戦闘の変化に伴って,マストは砲戦設備が必要が無くなり電子機器のプラットフォームとして,ヤード構造を排したMAC形式や,前部マストに機能を集中させ,重量軽減の為に鋼管を組み合わせた構造で自衛艦なども採用している, ラティス・マストなどが見られるようになります.

 電波を発信するアンテナは配置が難しい.互いに干渉したりすることもあるそうです.
 そこで,垂直方向に場所を広くとれるマストはとても便利.
 最近のステルス化が進んだ艦船でもやはりマストはあります.
 形はサンアントニオ級揚陸ドック艦のように変わっているものもありますが,マストであることには変わりませぬ.

 ついでに水平線というのがあります.
 いくら性能のいいレーダーでも,水平線の向こうは探知できません.
 だから,なるべく高いところにレーダーを持っていって遠くまで探知できるようにします.
 低空目標を探知するときには結構重要.
 まぁ高くしたらしたで重心の問題もありますが.

 なお,ドイツ国防軍のザクセン級ミサイル・フリゲイトを見れば分かるように, 現代軍艦のマストとは上部構造物と一体化しつつあります.
 これは主,にマストに搭載する電子機器の大型化が原因です.


 【質問】
 米戦艦(ペンシルヴァニアとかね)の籠マストは何故あーするのか不明.
 あれって空気抵抗や建造コストがどうなのか解からない.
 昔,高校の「技術」の先生が「ペンシルヴァニア」の1/100の模型を浮かべた時,全力航行中だったにも係わらず,突然の突風で転覆したのには笑った.

アルザス in 軍事板
青文字:加筆改修部分

 【回答】
 籠マストの利点は頑丈(被弾に強い)ことらしいですな.
 が,司令塔や射撃指揮装置を載せるには強度が足りないということで,順次,三脚墻に変更したそうです.
 開戦時に籠マストが残っていた艦は,大規模な改装をしていなかっただけ.

 「高校の先生が・・・」のくだりで,戦艦ミシガンが荒天下で倒壊事故起こしたのを思い出して笑ってしまった.
 確かに空気抵抗大きそう.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 軍艦旗掲揚位置って決まってるの?

 【回答】
 英国の場合は,1864年以来,軍艦旗(と言うか軍用船舶旗/Ensign)は艦尾に掲揚し,艦首に所属国旗(Jack)を掲揚しています.
 艦尾に掲揚スペースがなければ,後部マストに掲揚したりしますが.
 商船の場合は,トップマストに行き先の国旗を掲揚するんだったかな(うる覚え).
 これがDe facto Standardで概ね各国は同じです.

 フランスは,EnsignとJackは三色旗,マストトップにも国旗を掲げた例がありますね.
 イタリアの場合,Ensignは同様ですが,Jackはサヴォイ王家(青で囲まれた赤地の白十字旗)の紋章旗でした.

 ドイツのEnsignとJackは,Hitler政権当時は鉤十字旗でEnsignはそれに鉄十字をあしらったもの,Weimar時代は黒白赤の横三色旗に,鉄十字とカントンに黒赤金の横三色旗をあしらったものです.

 日本は,Ensignは旭日旗(軍艦旗)で,Jackは日の丸ですし,米国はEnsignは星条旗ですが,Jackは星条旗のカントン部分(星の部分)になります.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)


 【質問】
 EnjoyKorea見てきて韓国のディーゼルエンジンが壊れた(?)軍艦の画像で,旗がどうこう〜って話があったんだけど何か風習があるの?
 軍艦旗でぐぐってみたけど,それっぽい答えに当たらなかったので質問.

 【回答】
 外国に寄港する時は,その国の旗に最大の敬意を払うのがマナー.
 軍艦の旗の風習ってのは,他国の港に入るときはその国の旗を自艦にあげるってのがあって,これは「別に戦いに来たんじゃありませんよー」という意味が主にある.
 マストだったら寄港先の旗が一番上,自国旗はその下.

 韓国海軍の軍艦旗を知らんが,仮に韓国海軍が軍艦旗と国旗が同じものを使用していたとするなら,非常にまずいマナー違反.
 メインマストに大きな軍艦旗を掲げるってのは,戦闘時である事が一般的.
 つまりこれは「やる気まんまんですよ.ゴルァ!」と思われても仕方が無いかもしれない.
 一般的には,この手の親善寄港では,相手国の国旗を立てる.

 軍艦外交って実は歴史もあるし,非常にマナーを問われるし,国家の品格や所属国の寄港先に対する微妙なスタンスまで意図的に表現されたりする事もある.

 で,ググってみると韓国の軍艦旗は国旗とおなじ太極旗らしい.
 これが韓国海軍が全て承知で意図した事なのか,海軍マナーが未成熟なだけなのか,それが問題なんだが
これは多分後者だろう.
 日の丸よりデカいペプシ旗を掲げるのは礼儀知らずと言われても仕方ない.

 なお,自衛隊の場合は

第15条 自衛艦は,次の各号に掲げる時間,艦尾の旗ざおに自衛艦旗を掲揚しなければならない.

 (1) 停泊中にあつては,午前8時から日没までの時間.ただし,(略)自衛艦が外国港湾に停泊中の場合においては,必要に応じ何時でも掲揚するものとする.
 (2) 航海中にあつては,常時

 (武力行使等の場合)
第15条の2 (略)自衛艦が,武力を行使する場合には,自衛艦旗をメインマストに掲揚するものを例とする.
2 前項の規定は,自衛艦が戦闘訓練を行なう場合に準用する.

ちゅうふうに細則がある

 ちなみに満艦飾の飾り方も別に通達されている.恐るべし法治国家.


 【質問】
 こんなニュースが入ってきました.
http://www.kockums.se/news/090513japanese.html

 コックムスがユニバーサル造船に,GFRP 製掃海艇の建造に必要な技術を供与することになった,っていうんですが,そんな話が出てましたっけ?

井上@Kojii.net

 【回答】
 もともと,原材料の米松の入手難と船大工の後継者難から木造からFRP化は既定路線だったのですが,おそらくそれとリンクしている物と考えます.
 というわけでJ Ships Vol.36 pp28-29,45によると,現在最新の「ひらしま」型MSC3隻(最終艇「たかしま」も2008年9月末進水とのこと)が最後の木造船となり,その後はFRP化されるとありますので,ほぼ間違いない物と考えます.

へぼ担当

 ええ.20MSC から FRP になるのは知ってるんですけれど,海外から技術移転を受けるなんて話,あったのかなあと.
 以前から国内で研究はしていたでしょう,確か.

井上@Kojii.net

 おそらく間違いなくやっている物と考えます.
 ただ,私たちのような実績最優先の世界にいると,研究していたから物を作ることができるというわけではなく,技術導入と研究を同時並行させながら第一船を作るという発想の方が自然に感じられます.
<まあ,私たちが極端な世界に住んでいるからなのですが.

 また,仮に技術導入を図るとしても,ずぶの素人と十分な基礎研究を積んだ上での導入では全く意味が異なりますし,二重投資の嫌いがあっても十分な基礎研究を積むことが,将来の展開にも大いにプラスになる物と考えます.
 昨今の技開は完成体は別として,実用化より十分な基礎研究を重視する傾向にあるように考えますが,これは人それぞれの見方ですね.

へぼ担当

 どうせならGFRP船ではなく大胆にCFRP船で・・・
 コックムスならヴィズビィの技術がある筈.

JSF

>CFRP船

 耐衝撃性とかコストとかいう問題を考えると,掃海艇の場合,実は GFRP の方がいいかもしれませんよ.
 船体に使うのはドライカーボンじゃなくてウェットカーボンだから,飛行機やレーシングカーのモノコックに使うカーボン素材と同一視はできませんし.

井上@Kojii.net

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より


 【質問】
 船舶を停留させるイカリですが,船の排水量と比較してどの程度の重さなのでしょうか?

 【回答】
 重量自体はそんなんでもない.せいぜい3トンかそれ以上.

 ただ,どっちみち錨自体の重さはあんまり意味を成さない.
 錨泊というのは,錨が海底に食い込んで船を引きとめる力よりも,錨に繋がれた鎖の重さと,海底に横たわる鎖の摩擦抵抗で停泊してる場合のほうが多い.

 錨自体の食い込む強さが問題になるのは,台風などの強風で船が流されるような状態のとき.
 この際に重要になってくるのは,錨の重さよりむしろ形状.一番適してるといわれる形が,今の護衛艦の主錨に採用されているもの.


 【質問】
 イカリに付随する鎖の摩擦力で船を停めるため,イカリ自体はさほど重くないということですが,では,なぜイカリは釣り針のような形をしているのでしょうか? 球形でもいいのでは?

 【回答】
 錨が海底に食い込んで艦を引き止める力を把駐力といいます.
 通常の錨泊では錨に付随する錨鎖の重さと摩擦力で艦を停めています.
 しかし,荒天時などでは錨の把駐力の強さが問題になってきます.

 現在の船に用いられる錨はシャンク(柄の部分)とクラウン(根元の部分)がヘッドピンで固定されていて,ある程度回転するようになっています.
 これで荒天時に錨鎖が引っ張られた際にアンカーヘッド(釣り針のような部分)が海底に食い込み,最大の把駐力を得られるようになっています.
 球形ではこの把駐力が全く得られません.

 なお,かつてはホールス型と言われる,アンカーヘッドの爪が丸い矢印のような形の物が主流でしたが,現在の護衛艦では英海軍風のアドミラルティー型と呼ばれる,鋭い楔のような形状のアンカーヘッドの錨が主錨として用いられています.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 仮に軍艦にスパコンを積むとしたら,既存の発電システムでまかなえるのでしょうか?
 整備に手間がかかるだけで,べつに積んでも船自体がとまったりはしない,ということでオーケー? 

 【回答】
 タイプにもよるが,イージス艦は推進用の主機関とは別に,電子機器や兵装,船内環境維持に要する所要電力をまかなう為,ガスタービン発電機(容量2,500kw.)を基本的に三基搭載.戦闘被害に備え分散配置している.
(これ以外にも,やはりタイプによっては非常用ディーゼル発電機等が搭載され電力確保している)

 なお,現在公試中である日本の最新鋭イージス護衛艦あたご型に採用されている現用最新鋭,
AEGIS System Baseline 7 phase 1は基本的に民生品を転用した市販品で構成されている.
(それ以前は軍の特注だった)

 システムを構成する全てのコンピュータはUNIXベースのPowerMAXを使用.
 これはシステムの制御・応用プログラムの実行には,情報機器組み込み用のOS同様リアルタイム処理可能なUNIXである.
(ソースコードは軍の特注時代のものから逐次書き直されている)

 コンピュータシステムの構成は
Concurrent社Power MAXIONSMP system(Power PCx4,Power PCx8)4台
  〃   Power HawkT62013台

Power PCx8個構成のPower MAXIONSMP system ⇒ SPY-1Dの制御
 〃 x4個構成の    〃       ⇒ WCS/FCSの制御

Power HawkT620⇒ aegissystemの指揮・意思決定要素

 これらのコンピュータシステムは取得改革の一環として,ある特定の会社製の機材,ソースコードに依存しないPOSIX互換を義務づけられているが,Baseline7 phase1はコンピュータシステムもOSもConcurrent社製で統一されており,IBMのPowerPCで構成されているSMPシステムが採用されている.

 何気に振動解析等特定用途向けに市販されているシステムの最上位品ベースに軍事向けの規格に沿うよう改修されたものなので,見た事がある名前が出ていたりする
>Power PCはMacのCPU等に使われている(いた)ものの上位版

 イージス開発当時の話になるが,イージスシステム向けのレーダーとコンピュータ一式,および冷却系を維持する為,既存艦の発電システムでは所要電力がまかない切れなかった事もある.
 最初に建造され就役した米イージス艦・タイコンデロガ級巡洋艦は,専用設計された新型艦のあまりの取得費用の高価さに加え,至急戦力化が求められた為,既存の駆逐艦スプルーアンス級をベースにイージスシステムを搭載すべく再設計されたもの.
 スプルーアンス級自体,一世代前の巡洋艦クラスの大型船体に加え,高い発電容量を誇る,現在でも非常識一歩手前くらいの発展余裕がある艦で,実際に就役期間を通じ新機材を搭載し続け,各種派生型が構想・就役し続けた艦だが,イージスシステム搭載はやはり発電能力が不足した為,電源周りを完全に更新する事となり,ドミノ倒しよろしく,船体の大部分を再設計する事となった.
 それでもなお,重量配分と船体側の強度不足問題から発電機積み増しによる発電量増大が断念され,結果的に当初構想から能力の一部を削るなどして対処している.

 これらの点からみて,既存の現用艦に対しイージスシステムを後付で搭載する事は困難といえる.
 ただし,メーカー側は折に触れ,既存艦艇に対する後付搭載プランを出して売り込み図ったりもしている(笑)

 あと,
>積んでも船自体がとまったりはしない,ということでオーケー?
という点だが,既存のイージス艦では推進と発電は別系統となっている.
 ただし,新装備の実験艦が航行不能になったり,機雷と接触した損傷に対処したり自爆ボートに突っ込まれ横腹に大穴が開いた際,さらにはアフリカで海賊に斬り込まれた(!!)際には所要電力をまかないきれず,艦の機能が停止したり,停止しかけた事もある.

 基本的にイージスは搭載前提に設計された艦なら停止しないが,何らかの損傷を受けた際には,その消費電力ほかが他よりネックとなる事もある,程度にとらえておけばいいと思われ.


 【質問】
 ロボット船の研究はどの程度進んでるんですかね?
 自動車の自動走行よりは楽そうに思えるんですが.

Posted by ぽてとぱい at 2007年05月29日 21:49:08

 【回答】
 M0船なんかは構想としては近いのかなぁ(既存の船と比べればの話)

 機関だと自動車とは比較にならないほどの量の監視項目,職人芸的な微調整,洋上で機器が逝ったときの処置…
 船橋だとDGPSで位置は取れるけども,対船舶の位置関係をどうするか
 視界が悪いから疑問信号を打つ,
 追い越すときにどっちから追い越す,
 そのときに相手船は了解しているのか.
 AISで舵角やら進行方向・速度は取れるけども,信用に足る精度・レスポンスなのか.
 輻湊海域だとプロットするのも目視のが早いこともある(何で自動車道よりもアフォみたいに広い海で衝突が起きるのか,考察してみると面白い)

 単純に自動走行ってことだと,決められた狭いレーンを決められた方向に揃って走ってることが,専用道では担保される自動車のが楽じゃないかと思う.
 船で自動操縦って,市街地の細かい路地を自動で走らせるようなもんですよ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2007年05月29日 22:17:06

以上,「週刊オブイェクト」コメント欄,2007年05月28日付

 【質問】
 船の場合にも専用道を作ればいいだけの話では?

みどり in FAQ BBS

 【回答】
 うん,船にも航路は設定されてる.
 でも,そこには(自動車道のような)向かう方向によって違うレーンが設定されているわけでもないし,交差点に信号があるわけでもない.

 特に,船舶がひっきりなしに往来する東京湾のような場所で,AI制御で船を安全に動かすことを,
『市街地の細かい路地を自動で走らせるようなもん』
と形容するのが,間違いとまではいえないと思う.

極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in FAQ BBS

 【質問】
>船で自動操縦って,市街地の細かい路地を自動で走らせるようなもんですよ.

 以前NHKでいかに車の自動操縦が大変かという番組を見た感じでは,いくらなんでも車=船ということは無いと思います.
 やはり難しさでは車>船でしょう.
 車も船も現時点で実現困難と言うことでは同じだと思いますが,ちょっと誤解を招くような表現だと思います.

みどり in FAQ BBS

 【回答】
 これも違うんじゃないかな.
 『自律走行車』の研究は非常に盛んで,アメリカではレースなども行われているが,『自律航行船』の研究が自動車ほど盛んであるとか,レースがあるとは聞かない.

 そもそも車に比べて,船の研究はコストがかかる.
 車より船の方が単純に高価いし,自律走行車を何十台も用意して道を借りて研究するのと,自律走行船を用意して実際の航路で試験するのでは,後者の方がリスクもコストも桁違いだ.
 船には,そういった技術以外の困難も付きまとうんだよ.

 むろん,みどり氏が何か情報をお持ちなら,話も違ってくるけど.

 おそらく,現時点で実用化されている自律制御の船は,ロシアのプログレス補給船くらいじゃないのかな?
 質問者の言う『ロボット船』とは,だいぶ意味が違うだろうケド.

極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in FAQ BBS

 【質問】
>そこには(自動車道のような)向かう方向によって違うレーンが
>設定されているわけでもないし,交差点に信号があるわけでもない.

 これはむしろ逆に車が難しい理由になると思うのですが.
 今更ビルや家をぶっ壊して自動車道を作り直すようなことは出来ない以上,レーンや交差点は純粋に難易度を上げるだけではないですか?
 その点,船の航路は作り直すことも不可能ではないので(実際には相当困難でしょうが),むしろ実現の可能性が高い気がします.

 またちょっとした坂や起伏があっただけで,衝突警戒レーダーみたいなものが遮られる可能性がある車に比べて,船はそれだけでも有利だと思います.

 ちなみにそれなりに自信のある書き込みのようですが,車より船の方が難しいと言うのはその手の技術者の基本認識なのでしょうか?
 もしそうならそのソースを示して欲しいです.
 それとも単に個人的な想像ですか?

>技術以外の困難

 単に船の方が金が掛かると言う根拠なのかも知れませんが,それはまた別の論点だと思います.

みどり in FAQ BBS

 【回答】
 具体的なソースはありませんが,こちらの根拠は,『自律走行自動車は,レースが行われるくらい研究が進んでいるが,自律航行船はそういう話は聞かない』という点です.
 こちらは制御系の技術者ではありませんが,その方面は少し聞きかじったことがあります.
 その中でも,自律航行船の話は,小型の水中機器(魚雷や調査機器など)かボートを除いて,ほとんど聞かないのです.
 商用の貨物船など,航路で運用する船に関してはまず皆無ですね.

 自動車などの自律走行なら,ググるだけでもたくさん見つかるのですが.自律航行船は,自動車ほどに研究が進んでいないのは,技術的,経済的,その他の理由により,それが困難だから,という認識です.
 むろん,何か実例を知っているのでしたら,教えていただければ幸いです.

 さて,次は,みどり氏が『難しさでは車>船でしょう』と考える根拠をお教え願えませんか?
 具体的な情報としては『NHKの番組を見た感じ』以外に,見当たらないので.

極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in FAQ BBS

 横から失礼しますが,船舶の運転をしたことがありますか?
 風の影響すらほとんど受けない車と違い,船舶の場合は,風,波,海流,慣性に影響されるため,車以上に臨機応変な対応が要求されます.
 少なくとも私は車と同精度で船を動かすことはできません.

 また,船舶の自動運転の研究が進まないのはニーズが少ないからです.
 自動車は日常生活での移動に使用するため需要がありますが,船舶は日常生活では不要ですから,趣味人または専門家のみが運転しているのが実情です.
 難易度からも需要からも,まずは自動車からというのが正道でしょう.

まる in FAQ BBS

 比較するなら車より旅客機のほうがまだ妥当じゃないか?
 やるとしても単艦のシステムだけでは無理だろうね.
 一定の範囲にいる全艦の航路を管制するシステムが別にいる.
 空と違って海は平面だから飛行機よりもややこしいかも.
 船は車と違って,急に止まれない,曲がれない.目の前にいる距離だと当然手遅れ.
(レーン分けされていない裏路地を例に出していたが,そういうところは,急に止まれないほど速度出してない(技術的なものもあるし法律の問題もある)から比較対象としてはおかしいと思う.)

MRE in FAQ BBS

 車の場合は(位置関係上考慮する必要のある)他の車との距離が短い.
 そのため,走行情報など相互にデータをやり取りする必要のある場合はVHF〜SHF帯を使用できる.
 通信機材も小さくて済むし出力も小さいのでISMバンドを使えるかもしれない.
 アマチュア無線家は怒るかもしれないが1200MHz帯が使えるかも.

 だが,船舶は他の船との距離があるので,少なくとも見通し距離分の通信を考える必要がある.
 そうなれば,少なくともVHF帯で出力を10W〜50W程度確保する必要があり,現在洋上での通信に使っている国際VHFの他にもういっこVHF帯で通信用バンドを確保する必要がある.
 だが,既に「地デジ後」の空き周波数帯をめぐる争いは水面下で始まっている.
 そこにねじ込める可能性は低いんじゃないかな.
(船舶なら周波数帯については国際的な枠組みが必要ですね.
 400MHz帯をGSM携帯電話に使っている国もある中で,その合意を取り付けるのは至難の業と愚考します)

 短波帯は地表波の減衰が著しく実用に向かないと思う.
 電離層反射通信なら,10Wでも地球の裏側との交信は条件が難しくなるが不可能ではない.
 ただこういった用途では確実性に劣るし,たった30メガヘルツしかない帯域をこんなことに使うのは周波数資源の無駄でしかない.

 GMDSSみたいに衛星を使う手もあるが,衛星のカバーしている範囲でどれだけの船がいるか考えると頭痛い.

 あと道路なら地面に電子マーカーを埋め込む芸当(IMTSみたい)も不可能ではないが,船舶はそれができない.
 飛行機なら障害物が無いので「電波の発信源に向かって飛ぶ」こともできるが,船舶はそれも難しい.

ウィナ・ツァハル in FAQ BBS


 【質問】
 現代の軍艦の内で,人目を避けて乗組員同士がセックスできる場所を探すとしたら,どこかありますか?
(米軍の場合,夫婦で同じ艦の乗組員だった場合,個室が同じになると聞きましたが…)

 【回答】
 海自はどうか知らないが,米海軍だと艦内での性行為は御法度だよ.
 事情はどうあれ,双方に厳重な罰が与えられる.
 たいていは艦内で当事者の言い分を聴取した上で,自主的な退役を求められ,断るなら軍法会議,ってことになる.
 次の寄港地で,二人ともおろされる.

 こういうことを厳しく処罰しないとね,歯止めがきかなくなるから.
 たとえ空母のような大鑑であっても,艦内に基本的に一人になれる場所はないし,常に誰かがそばにいる.
 ばれない,ってのは不可能に近い.
 そこらを踏まえて,なんかしらの特殊な状況を生み出すのは,作者の仕事でしょうな.

 ただ,厳罰化=絶対無くなる,ってわけじゃない.
 米空母って女性兵士の妊娠率の高さから,ラブボートとか呼ばれてる程.
 というか,無くならないからこそ厳罰化が継続してる,とも言える.

軍事板,2010/02/12(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 護衛艦案内のビデオ見たんですけど,軍艦の中って鉄骨だらけで気持ち悪いんで,一日いたら精神がいかれそうなんですけど,艦内で犯罪者や発狂者が出た場合に隔離拘置しておく牢屋みたいな部屋ってあるんですか?
 ビデオではそういう部屋は紹介されませんでした.

 【回答】
 「営倉」って呼ばれる独房は軍艦なら必ずある.
 外部向けの資料や案内図には「倉庫」って書いてあるけど.
 いわゆる「隔離室」,壁や床にクッション詰めた精神病患者用の隔離室や拘束服も大概ちゃんとあります.

 そういうのがない小さな艦艇の場合は,ふん縛って倉庫に放り込む.

軍事板
青文字:加筆改修部分

 まれに,特殊部隊出身のコックを冷蔵庫に閉じ込めたりもする(うそ)


◆◆◆塗装


 【質問】
 艦船についての質問なんですが,なんで軍艦の船底は赤い・・・というか茶色というかあの独特な色に塗られているのでしょうか?
 軍艦じゃない船も船底はあの色なので,同じものなのだとは思うのですが,軍艦は目立たない方がいいのだから,赤系じゃない色にすればいいと思うのですが・・・.
 それとも,赤系の色じゃないといけない理由でもあるのでしょうか?

 【回答】
 フジツボ除けの塗料がそう言う色だから.
 フジツボやカキの付着を防ぐ主成分「亜酸化銅」が赤いため,ペンキも赤くなります.
 一時期,錫化合物を防虫塗料に使用した時期もありましたが,毒物として1990年に内航船に使用禁止になっています.

(鷂 ◆Kr61cmWkkQ)


 【質問】
 アメリカ海軍や海上自衛隊の軍艦は,水上の部分(いわゆる普通に見えるとこ)と船底の間に黒い帯が入っていますが,あれは何の為なのでしょうか?

 【回答】
 これは水線塗装と呼ばれるもので,外舷塗装と船底塗装の中間に2m幅(自衛艦)で施されています.
 水線部(吃水部)は波に洗われてドライとウエットの状態を繰り返すため,むしろ艦底部より腐食し易い厳しい条件になっています.
 このため,腐食性や耐磨耗性を考慮した艦底部とは違う種類の塗料を,水線部に塗布しているのです.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 一部の模型の塗装指示には,米軍の軍艦は船底は濃い緑色(一昔前のアメリカ陸軍の車両のような色)に指定してありましたが,これは正しかったのでしょうか・・・???

 【回答】
 実は最初は通常の茶褐色で塗られています.
 ところが,この塗料は,ある一定の耐用期限を過ぎると暗緑色に変色してしまうのです.
 つまり色の変化によって補修時期を知ることが出来るようになっているのです.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 現代の軍用水上艦艇の喫水線より上の露出している部分は,おおかたグレー一色の塗装ですが,やはりアレが一番,遠目にも見つかりづらい色なんでしょうか?
 イタリア海軍の艦なんかは妙に白いようですが,地中海だと白い方が馴染むんでしょうか?
 昔の軍艦の写真なんかを見ると,黒い線で迷彩を施しているっぽいのなんかがありますが,現在そんな塗装を見ないということは,迷彩はあまり意味がなかったんでしょうか?

 【回答】
 現代艦艇は制海・制空権を持つ状態ではグレー塗装が常用されます.
 場所や時間,海上気象によって変化する光の中で,軍艦がどのように見えるかの原則を求めるのは難しいのです.

 現代艦艇の殆どは空中に溶け込むような色である明灰色,米軍の基準で言えばメジャー3が採用されています.
(余り迷彩効果が高すぎると艦艇同士の接触事故を招きます)
 ただし,この灰色も主な作戦地域に適するように微妙に違う色になっています.

 白色塗装は,伝統的に植民地警備などに当たる域外派遣艦の塗装であり,巡洋艦などが白色に塗装されている場合は植民地警護艦である場合が多いです.

 現代でも戦時においては塗装が変更されることも有り,
 ベトナム戦争では米海軍の一部艦艇はデルタ地帯の沿岸作戦に適した塗装,メジャー31が用いられました.
 他にも沿岸作戦艦艇は迷彩を施している場合が多く,北欧諸国のコルベットは3色ほどのスキーム・パターン迷彩をされている艦が多いです.

 第一次・第二次大戦時の水上艦の迷彩は非常に高い効果を発揮していました.
 しかしレーダーが発達した現代では,大洋作戦用艦艇に(沿海作戦用艦艇及び潜水艦は別)視覚的ステルスを用いる意味が薄れており,滅多に迷彩される事はありません.

 なお,船体に斜めの線を入れた迷彩は「ジャズ・デザイン」と呼ばれているもので,主に潜水艦に対しての視覚的ステルスです.

 史上最も効果を発揮した迷彩は非常に奇抜なもので,1941年,後の海軍元帥マウントバッテン大佐が指揮する第5駆潜隊に施された,通称「マウント・バッテン・ピンク」と呼ばれるピンクががったグレーです.
 これは北大西洋の潜水艦攻撃の3分の2が暁と黄昏時に行われていたので,その時間帯に対応した迷彩です.
 同隊の衝突事故の多さがその効果の高さを物語ります.

 ちなみに1953年のエリザベス2世戴冠式の際には,英海軍艦艇は殆どが緑っぽい御祝儀色に塗装されました.


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