c

「第二次大戦別館」トップ・ページへ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ

◆◆◆書籍総記
<◆◆総記
<◆太平洋・インド洋方面 目次
<第二次世界大戦


(画像掲示板より引用)


 【link】

私設文庫館−太平洋戦争編−

「神保町系オタオタ日記」■(2006-07-05)[図書館] 中田邦造館長も買い上げ失敗
>で,日比谷の本は取り戻した.これは間もなく焼けた.

『おかあさんの木』(大川悦生著,ポプラ社,2005.10)

 最近の某作家でやらかしたポプラ社ですが,児童向けには良い本を出しています.
 今手元にあるのが,「おかあさんの木」です.
 私が小6の時に,教科書で読んだタイトル作品の他に,火のなかの声,ぞうとにんげん等が登載されています.
 新書版で570円ですから,非常にリーズナブルです.
 息子7人を兵隊に取られ,ただ一人,五郎だけがビルマ戦線から帰国した時,既におかあさんは息絶えていました.
 その悲しみを追体験するのに,戦記読者である自分が共感せずして,一体誰が共感するのか!と,原点に返る本です.

――――――ZII ◆RPvijAGt7k :軍事板,2011/02/23(水)

『戒厳 その歴史とシステム』(北博昭著,朝日新聞出版,2010.2)

 日本の戒厳制度の改正と,背後の思想についての本.
 一言で戒厳令といっても,時代によって中身が変化してるというのを類型論で語ってる.
 著者は,日本の戦前軍事法についての貴重な研究者.
 なお,先行研究としては,大江志乃夫『戒厳令』(1978)というのが岩波新書に入ってる.

――――――軍事板,2010/03/14(日)

『清沢洌 外交評論の運命』(北岡伸一著,中公新書,2004.7)
>石橋湛山と並んで戦前期における最も優れた自由主義的言論人といわれた清沢洌(きよし)の評伝

『決戦下のユートピア』(荒俣宏著,文春文庫,1999.8)

 要するに,戦争中の日常を,当時の資料を基に描いているわけだが.記憶のままにトピックを書き出すと

・ビールの泡はビールか否かで裁判沙汰に

・兵士向け結婚相談所の内幕.
 愛があれば腕の1本や2本無くても……という娘と,娘の結婚相手に兵隊を選びたくない母親.

・村を挙げての節約で戦時国債を買い込む

・子供向け将来兵器コンテスト.優勝はドリル戦車.
 しかし,専門家から容赦ない突込みが入る.

 その他色々.

------軍事板,2012/01/17(火)

『作家と戦争』(森史朗著,新潮選書,2009.7)

 すごい内容です.
 吉村昭・城山三郎両氏の作家人生をまとめている本です.

 この森さんという人はなぜこうも戦史が書けるのだろう?と不思議に思っていたのですが,城山氏,吉村昭氏と関係が深かったのですね.

 実に多くの戦記の題名が出てくるので,これから読んでみたい,これもまだ未読だと思わせる面白い本です.

 これ1冊で,何冊もの戦記を読んだような気にもなります.
 「指揮官と特攻」の話など興味深かったです.

 既読の戦記ではフィクションかな?と思っていた「逃亡」が,とりあえずフィクション認定はされていないのと,他には戦艦武蔵の戦記がどういった経緯で突然出されたのか,詳述されています.

 森氏には今後も海軍戦史の執筆を続けて欲しい.

――――――軍事板,2009/12/22(火)〜12/23(水)

『小説太平洋戦争』全9巻(山岡 荘八著,講談社,2012/5/30)

 どの程度事実に基づいているかはともかく,美文調に走りすぎているのが鼻につく.
 3〜40年くらい前の「丸」で,山岡氏と牟田口廉也が対談している記事があるんだが,そこで山岡氏は牟田口を「アラカンの鬼将」などと持ち上げた挙句,インパール作戦に関する見苦しい責任転嫁のコメントを,全部鵜呑みにしていた.
 以来,この記事のおかげで,山岡作品を素直に読めなくなった.

------------軍事板,2001/01/31(水)

『対日宣伝ビラが語る太平洋戦争』(土屋礼子著,吉川弘文館,2011.12)

『大日本帝国の領事館建築』(田中重光著,相模書房,2007.10)

 中国や朝鮮,満洲に於ける外交公館24カ所の建設過程や,その狙い,建築家登用の経過,利用技術について解説した本.
 近代建築史からすっぽり抜け落ちている,海外に於ける日本人建築家の作品について,その間隙を埋めるものと言える.

―――眠い人 ◆gQikaJHtf2 in mixi,2007年11月24日20:27

『太平洋大戦争 開戦16年前に書かれた驚異の架空戦記』(H.C. バイウォーター著,コスミックインターナショナル,2001/11)

 当時,日本がどう思われてたか?,どういう兵器が使われると思われてたのか?を知るのには良いとは思います.
 商船を沈める前には臨検をしたり,捕虜を丁調に扱ったりと,日本軍が非常に紳士的に書かれてますが……(^^;

 用語で気になる所はなかったと思います.
 小説が書かれた当時,飛行機の性能が低かったせいもあって,飛行機はあまり活躍しません.
 それと,毒ガスが情け無用に使われます.
 あと,トンデモな兵器が出てきます.
 どんなモノが出てきて,どう活躍しないかは,読んでみてからのお楽しみって事で(^^;

 小説としては,少し読みにくい,盛りあがりに欠ける的なトコロがありましたがね(^^;

------------ベタ藤原 ◆94Ls6/3E :軍事板,2002/03/16

『太平洋戦争図書目録45/94』(日外アソシエーツ,1995.7)
 戦後50年間に日本国内で刊行された,太平洋戦争に関する図書14,200点を集録

『太平洋戦争図書目録1995-2004』(日外アソシエーツ,2005.8)
 1995〜2004年に国内で刊行された,太平洋戦争に関する図書の目録

『太平洋戦争,七つの謎 官僚と軍隊と日本人』(保坂正康著,角川書店,2009.12)

 太平洋戦争に関して,あまり取り上げられてこなかった項目を,日本軍関係のノンフィクションで著名な著者が取り上げて,トピックごとに講演録をまとめた本.
 概説書ではないので注意が必要.
 今までなかなか取り上げられてこなかった論点,例えばシベリア抑留者による集団訴訟の経過や,特攻隊員が突入時恨み事を言っていた,といったようなことが取り上げられており,恥ずかしながらこうした事を知らなかった身としては,大変興味深い.
 また,著者の経験に即した官僚論にも,一見の価値はある.

 しかし一方で,感情がやや先走ってしまっている部分もある.
 例えば著者は,終戦時における開戦の認識を,東條首相兼陸相兼内相,東郷外相,嶋田海相で比較しているが,引用されている記述が東條のみ終戦直前(1945年8月初頭)で,他の2人は終戦後数年して書かれたものであるというのは,不公平であろう.
 また,講演録の編集なので,非常に読みやすいが,一方で章ごとに少々齟齬がある部分もある.
 あと,高射砲は地上を射撃するものではない….

 しかし全体としてみれば,新書らしく大変読みやすく,太平洋戦争の概要を知った上で,もう少し突っ込んだ議論を読みたいという場合には最適だろう.

――――――軍事板,2010/11/03(水)

『大日本帝国の興亡』(ジョン・トーランド著,早川文庫,1984.7)

『帝国ホテル厨房物語』(村上信夫著,日経ビジネス人文庫,2004.7)

 元帝国ホテル総料理長の自伝.
 中国戦線〜占領下での,料理に関する話は面白かったな.

 中国戦線
→作戦前夜,兵士に美味いものを食わせたいと,カレーを作る
→参謀が怒鳴り込んできて,こっそり耳打ち.「後で俺にも食わせろ(ニヤリ」

 シベリア
→粗末な食材をやりくりして美味くしようと工夫してたら,あやうくソ連軍士官付のコックとして連れていかれそうになる

 占領下
→GHQでコックやってたら,年代物のワインの価値が分からない士官か,「司令部地下に古くさい酒があったんで,好きに使って構わん」
→年代物のワインを,山のように料理に使っちまった

――――――軍事板,2010/12/30(木)
青文字:加筆改修部分

『同盟国タイと駐屯日本軍 「大東亜戦争」期の知られざる国際関係』(吉川利治著,雄山閣,2010.11)

 前に購入報告したときに,「書評頼む」と言われてた本だが,ようやく読んだよ.

 著者は大阪外大出で,京大東南アジア研究センターにもいた学者さん.
 タイで客員教授をしていた時期もあり,最期も2009年にタイで亡くなった方.

 本書は書き下ろしじゃなくて,論文4本を再編集したもの.
第1章が,ピブーン視点での対日外交全般の整理.
第2章が,タイ駐屯軍について主に中村明人回想からまとめたもの.
第3章が,戦時中のタイ米の取引について.
第4章が,対日連絡機関の活動について.
 出典は脚注式ではなく,巻末文献リスト.
 主にタイ語だけどな(笑

 タイの公文書館にある一次史料をたっぷり使ってて,例えば閣議でピブンがした,日本を警戒するような発言とかいくつか引用されてる.
 シュムレア事件とかパーゴーン事件みたいな,日本軍との紛争事案についても,わりと詳しく書かれてて,勉強になった.
 独立国のプライドを大事にせんといかんと感じさせる.

 個人的に一番おもしろかったのは,第3章.
 米の輸出先を失って困ったり,逆に大戦後半になると買占めで高騰しちゃったり.
 米の量の数字自体が,不確定な部分があって,もうちょっと研究の余地がある感じでもある.

-----------------軍事板,2011/12/20(火)

『遥かに祖国を語る』(小野田寛郎・酒巻和男対談,時事通信社,1977/09)

 まだ,途中ですがおもしろいです.
 酒巻さんが捕虜になったことを戦時中,小野田さんは知ってらっしゃったとか.
 お二方とも,戦後ブラジルに渡ったというのも,面白いものがあります.

------------軍事板,2001/06/04(月)

『秘話太平洋戦争 知られざる歴史の証言12話』(岡村青著,潮書房光人社NF文庫,2013.7)

『容赦なき戦争 太平洋戦争における人種差別』(ジョン・ダワー著,平凡社,2001.12)

 本書は,太平洋戦争における差別問題を論じる上で,良くも悪くも避けては通れない研究である.
 ダワーは公文書を基調とする古典的な実証研究に代え,新聞記事,映画,ポスター等を分析することで,大戦中の日米両国民が描いていたプロパガンダ・イメージそのものを描き出した.

 こうした著者の姿勢に実証性の不足やある種の恣意性,もっと露骨にといえば思想の偏向を感じる向きは少なくないだろう.
 また,本書で挙げられた日米双方の残虐行為について,その一つ一つを精査することなく,手当たり次第に列挙している,という批判も出来るだろう.

 しかし,本書が日米双方の過失を(双方に厳しいという意味で)平等に追求できたのは,ダワーが保守思想とはいかなる意味でも無縁の――率直に言えばリベラル・レフトな――人間だったからこそだろう.

 とりわけ,二次大戦で生まれた「敵としての日本人イメージ」が,冷戦の始まりと共に,元同盟国として賞賛されていたはずの中国人・ロシア人に転化されていく過程は,ベトナム戦争に激しく反対し,9・11以降の愛国主義に懸念を示してきた著者の面目躍如といって良い.

 戦史研究や外交政策の分析では描けなかった(もしくは,意図的にタブー視してきた)戦争の一側面に,本書は文字通り「容赦なく」切り込んだのであり,その意味においてダワーの業績は,欠点を補って余りあるものだといえよう.

 後,付け加えるとすれば,著者の問題意識の背後には,常に現代への視点があるということか.

 ベトナム戦争(というより冷戦)についてもそうだが,本書の初版(1986年)が出版された背景には,バブル経済下の日米貿易戦争があった.
 そして,改訂版(2001年)が出版される直前には,同時多発テロが起こっている.
 真珠湾攻撃直後と9・11直後,それぞれにおける愛国主義の対比と相似.
 大戦中の日系人差別から学んだ,テロリストとイスラム/アラブとの分離という「歴史の教訓」と,未だに残る「敵」のステレオタイプ化.
 イスラム原理主義過激派と,戦時期日本の対比と相似.

 これらに対するダワーの分析には当然異論があるだろうが,それを置くとしても,「全ての歴史は現代史である」という言葉が示すように,現在への視点と切り離された歴史の研究は存在しないのだという事を,改めて感じさせられる.

 まあ,未来の為に生かす以外の歴史の使い方って,趣味以外にないもんな.
 ここは趣味の為に使ってる人が多そうだが(笑)
(いや,嫌味でなくね)

 面白そうな本だけど,個人的にWW1の米国参戦前の「敵に対する意識」の研究なんかも欲しいところだったな…
 いや,主題から外れきってるから仕方ないけどね.

――――――軍事板,2009/10/13(火)〜10/14(水)

 【質問】
 『失敗の本質』読みたいんですけど,戦争について何も知識ないです.
 事前に何読んだらいいですか?

 【回答】
失敗の本質 - Wikipedia

 まずWikipediaで,各章の題材になってる作戦と太平洋戦争,第二次大戦全般についてざっと目を通しておく.
 「失敗の本質」を読み始めて,分からない事があればまた検索.
 特定の何かに興味が湧いたら,読後各項目に挙げられている参考文献に手を出してみると,更に理解が深まる.

 太平洋戦争のおおざっぱな展開と,日本軍の組織構造くらい知っておけばいいと思う.
 部隊編制とか階級なんかで気になるところがあれば,辞書でも引くか,ググれば足りる.
 あとは太平洋戦争の主要戦場が書かれた地図を手元に置いておくと,便利.
 ググれば出る.

 戦前にノモンハン事件
 真珠湾攻撃
→南方作戦(東南アジア占領)
→ミッドウェー海戦
→ガダルカナル
→インパール作戦
→マリアナ沖海戦・サイパン陥落
→レイテ沖海戦
→フィリピン・硫黄島・沖縄陥落
→東京大空襲・原爆・ソ連参戦

 日本軍は,陸軍と海軍が並立.
 空軍は無い.
 陸軍の中枢は参謀本部,海軍は軍令部で,大本営ってのはこの2つの連絡会議みたいなもん.
 連合艦隊ってのは,海軍の実戦部隊ほとんど全部握ってる主力部隊.
 陸軍の部隊の単位は,軍>師団>連隊>大隊>中隊>小隊が基本.
 支隊ってのは,臨時にいくつかの部隊を寄せ集めて作った部隊.
 参謀ってのは,司令官の相談役.

 あとは軍事用語よりも,組織論の用語がカタカナ語でわかりにくい所があるか(笑)

軍事板,2010/11/08(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 今手に入りやすい本だと,できのいい太平洋戦争入門書って何かね?
 せいぜい上下2冊の800ページ以下くらいで,開戦経緯から触れてて,地図とかが多いの.
 中学校の社会の授業くらいの基礎知識で理解できそうなもので.

 自分は,吉田俊男の「四人の連合艦隊司令長官」から入った口なんだが.

 【回答】
 中公新書/文庫の児島襄『太平洋戦争(上・下)』とか.
 40年前の本だし細部には「?」という部分はあるけど,大枠把握にはいいのかもとは思う.

 知識はないけど関心はある,という後輩に,もののためしで薦めてみたことはあるが,悪くない感じだった.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 太平洋戦争と日中戦争の良書教えて.

 【回答】
 太平洋戦争研究会の『図説日中戦争』(河出書房新社,2000.1)は,古典的な通説ベースの入門書で悪くない.
 タイトル通り地図とか写真が多くて,地理的な面でわかりにくい大陸戦線を知る上で良い.
 影の薄い1941年から1943年あたりの作戦も,一通り押えてある.

 政治史的な意味では,やっぱり『日中十五年戦争史 なぜ戦争は長期化したか』(大杉一雄著,中公新書,1999.8)だと思う.

 『日中戦争の軍事的展開』は,共同研究を良く纏めていると思う.

 物語風なのがお好みなら,こんなのもある.
伊藤正徳『連合艦隊の栄光』『帝国陸軍の最後』
児島襄『日中戦争』
 どちらの著者も,これ以外に何冊も関連作品がある.
 併せて読むとなお良し.

軍事板,2010/06/11(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ふとした事で購入した半藤 一利著「ノモンハンの夏」を読み,今まであまり触れることの無かった戦史戦記ものに興味を持ちました.
 今は堀栄三著「大本営参謀の情報戦記」を読んでいます.
 同じようなジャンルの本で,これは読んどけ!というオススメ作品があったら,教えてください.
 よろしくお願いします.
 太平洋戦争ものはもとより,独ソ戦に関して,良いものがあれば,特にお願いいたします.

 【回答】
新刊で手に入るものなら光人社NF文庫
http://www.kojinsha.co.jp/book01.html
学研M文庫
http://gakken-publishing.jp/m-bunko/cul.html
の中で興味を持った物をどうぞ.

 絶版でもまだ手軽に古本がある分野では,朝日ソノラマ文庫全巻(ここはほぼ全部ハズレ無し)

 中でもお勧めは……

 ・情報戦争/実松譲
   光人社NFの日米情報戦が最新?巻末資料がなくなってるが.海軍側の情報戦の話
 ・日本陸軍「戦訓」の研究-大東亜戦争期「戦訓報」の分析/白井 明雄

   陸軍が戦訓をどう分析していて,どう活用していたかの話

 ・情報敗戦―太平洋戦史に見る組織と情報戦略/谷光 太郎
   色々なエピソードを羅列したような本.さほど細かいことは書いてない.

 ・私も或る日,赤紙一枚で―ある応召暗号兵の記録/太田 俊夫
   古い本だが,陸軍暗号の仕組みについて話がある
   個人の回想なので,史実との違いも散見される

 ・情報戦に完敗した日本―陸軍暗号"神話"の崩壊/岩島 久夫
   「私も或る日,赤紙」で陸軍暗号神話が書かれているが,そうじゃないんだよという内容

 ・太平洋戦争 暗号作戦―アメリカ太平洋艦隊情報参謀の証言(上下)/エドウィン・トーマス レートン
   アメリカも情報戦には苦労していますってのが分かる

 ・ノモンハンの真実 日ソ戦車戦の実相/古是 三春
   陸軍による戦車による夜間襲撃戦闘の詳細を書いた本

 ・悪魔的作戦参謀辻政信―稀代の風雲児の罪と罰/生出 寿
   絶対悪が背広着た存在といわれた人んついて書かれた本

 ・ガダルカナル戦記/亀井宏
   陸軍の戦記関係では自分としては最高の本だと思っている

 ・詳解 日本陸軍作戦要務令/熊谷 直
   陸軍の資料として

軍事板,2010/03/08(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 キスカの奇跡やらダンピールの悲劇,戦艦扶桑と山城の最期など,心にくる逸話が載ってる本を探しています .
 なにかオススメなどがありましたらぜひ教えていただきたいです.

 【回答】
>心にくる逸話

 もともと日本人はそういうの大好きなんで戦記や従軍記,体験記なんかを片っ端から読めば
いくらでもご要望のエピソードを見つけられる筈.

 割とメジャーな所なら
『大空のサムライ』
『秘めたる空戦』
『彗星夜襲隊』
『雪風ハ沈マズ』
『勇者の海 空母瑞鶴の生涯』

 海戦ものがいいのでしたら,土井全二郎著『撃沈された船員たちの記録』をお勧めします.
 旧題『ダンピールの海』で,ダンピール海峡の悲劇をはじめ,戦時中の商船員側の話です.
 全滅するだろうと予想される船団でも,とりあえずやってみようで出航とか,
 ぐっときます.

 戦記ものとは違いますが,護衛総隊の参謀が書いた,大井『海上護衛戦』もおすすめですね.
 船団護衛用の貴重な燃料を大和特攻に使われて
「何が水上部隊の栄光だ,馬鹿野郎」
の名台詞は有名でしょう.

 同書は大和特攻のくだりが有名だけど,台湾沖航空戦で子飼いの901空をすり潰された時の野村長官の言葉も印象深い.
「こんなにやられてしまったのか.
 これではもう護衛はできんね.
 君,一体,これからどうすればいいんだ?」

 同じく前線部隊に振り回されてひどい目を見るってパターンだけど,「馬鹿野郎」と違って怒りのもってきどころに困って,嘆息してる感じが大和特攻以上にくるものがある.

 他に
『艦長たちの太平洋戦争』
『艦長たちの太平洋戦争(続編)』
とかいかが?
 文庫1冊で何十篇ものドラマチックな海戦が当事者の談話で詳しく綴られています.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 何故日本では,先の大戦に関する将官クラスの人物の回想録が,他国に比べて少ないでのしょうか?
 佐官クラス以下,特に兵卒だった人物のそれは,無数に出てますが.

 【回答】
 機密が絡んでくること,言い訳に聞こえてしまうこと,余命の短かった人もいること,語る手段がなかったこと(本書くの下手とか) ,…色々あるんじゃないかな.
 さらに,敗者があーだこーだ言っても清くないって思うからじゃないの?
 戦後の軍事アレルギーもあって,回想録を出しても叩かれたり……

 そもそも日本は偉い人が回顧録を書くって習慣が無いの,一つ影響してるかもね.
 その代わり,誰でも日記をつけてるけど.
 だから欧州の偉い人は,半ば義務的に回顧録を出版する.

 あと,日本では1960年代に戦記ブームがあったんだが,この時期に将官で回顧録を書けるほど元気な人が,残って無かったのもあるかもね.
 短い雑誌記事程度なら,そこそこ出てるけど.
 代わりに,この時期は中堅士官が元気で,その人たちの書いた本が多く出てる.

 その後,戦時中に若かった人が晩年に入った時,つまり1970年代末から1980年代に自分史出版ブームが来て,ここで日記をもとにした,下級将兵の戦中回顧録が相当数出てるんじゃないかな.

 日本は回顧録より,死後の伝記が多い気がする.
 ○○伝記刊行会(編)みたいな形で,意外とマイナーな人も出てる印象.
 たとえば今村均陸軍大将は,本人の回顧録も出版されているが,やたらに伝記が多い.

 一方,ドイツの場合は,非ナチな事を証明する自己弁護と,NATOへの就職活動という側面もあった.
 また,国防軍は悪くないって主張のために,組織的に書いてた.
 『国防軍潔白神話の生成』 にその辺のことは書いてあったと思う.
 あと,同じ敗戦国ドイツは出世が早かったから,将官の回想録が多いってのもありそうだ.

 でもまあ,回想録については文化の違いが大きい気がするよ.
 欧州だと,昔の人も回想録をたくさん出してるしな.

 回想録を書いた日本の元将官だと,遠藤三郎陸軍中将がいるな.
 自伝「日中十五年戦争と私」の副題が「国賊・赤い将軍と人は言う」.

 ノモンハン事件後の損害復旧とか,航空軍需部門とか,そういう日本の限界を見てきちゃったから,日本は近代戦をできる国ではありませんという結論に行ったという.
 重慶無差別爆撃に反対して,海軍と対立した話なんかが書いてあって,面白かった.

軍事板,2012/02/24(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 『決定版 太平洋戦争』というのは信頼できる本でしょうか?
 1800円位するため,なかなか手が出ないので,教えて下さい.

 【回答】
 信頼に値するかは,記事によりので一概には難しいです.
 ただ,そのシリーズそれなりの調査の上で書かれた記事が多いですので,資料的には便利です.

 考察に関しては,そうそう絶対の答えを見つけるのは至難ですので,そこはお手軽に他人を信頼せずに,自分で資料を読み,知識をつけ,自分で判断すべき事項かと.

 よって,他人の判断に頼りきるという行動は,あまり良く思われない場合が多いです.

 なお,毎日の食費を削ってでも本を買う人間も多いので,1800で高いとか言ってると,
「何を甘えてるのか!」
と思われる事もありますので.

 正直,あのシリーズはコストパフォーマンスに優れ,安い部類の書籍ですので...
(シリーズとはいえ,1冊1週間分の昼食を抜けばいいだけの話)

Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/11/30(月)
青文字:加筆改修部分

 ただ,『決定版 太平洋戦争』シリーズの新刊を読んでみたんだが,森本忠夫の書いてる部分が何だかなぁ…な感じだった.

 そりゃね,日本とアメリカの生産力が隔絶してて覆しようもなかったのは事実だし,生産面での合理化が不十分すぎたってのも事実なんだけど,そのアメリカの生産力が全部,日本に向けられてるかのような書き方をするのって,正直どうなのよ.
 アメリカにとっての主戦線はあくまで欧州で,そこにリソースの3/4以上をぶち込んでも,なお太平洋方面で優勢に立てた,という事こそ書かれるべきなのに,そこら辺を完全スルーして,
「アメリカの生産力凄い,日本はこれだけで全然足りない」
の一点張りで話を進めるのって,はっきり言って稚拙な書き方だと思う.

 『マクロ経済学からみた太平洋戦争』というタイトルの本まで出してる人なんだから,「日本とアメリカの生産力には差がありすぎましたね」的な,誰でも知ってる話で終わるんじゃなくて,もっと緻密な分析すべきなんじゃないの,と.

軍事板,2009/12/27(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 大日本帝国,大東亜戦争等を肯定している本で,おすすめのものを教えてください.

 【回答】
 河上徹太郎ほか『近代の超克』(冨山房,1979年)
が一番面白い気がする.
 新品入手可能.
 同時代(1943年)に日本のやっている戦争を積極的に意義付けようとして
「日本は大東亜戦争をやっている,
 しかるに近代=植民地主義の欧米支配の時代を超克したんだ」
という結論を導き出すあたりは,単純に面白いし,太平洋戦争を考える上では無視できない指摘だと思う.
 ただ,座談会の再録なのでややタルい.

 同じ結論を出すものとして
高山岩男『世界史の哲学』(こぶし書房,2001年/原著1942年)
が.

 あとの本は肯定しているというか,当時の行動を理解尊重している本で面白いものだけど
井上寿一『アジア主義を問いなおす』(ちくま新書,2005年)
波多野澄雄『太平洋戦争とアジア外交』(東京大学出版会,1996年)
がある.
 井上は,日本が1938年に「東亜新秩序」を訴えたのを,中国のナショナリズムを尊重した形で戦争を続けるギリギリの選択として,波多野は戦時下のアジア外交を描いて,1943年の大東亜会議が,連合国の唱える大西洋憲章に対抗する大義名分を戦争に付与するために,日本が四苦八苦した結果として描いている.
 結論は日本のひとりよがりを批判してるけど,下手な肯定論よりは面白い.
 波多野本はやや入手困難.

クリストファー・ソーン『太平洋戦争とは何だったのか』(普及版,草思社,2005年)
も,太平洋戦争の長い眼で見た意義は,白人優越主義の相対化や脱植民地化にインパクトを与えたことだよね,と論じてる.
 別に変な「親日派」じゃなくて,きちんとした実証研究もしてきた人だから信頼できる.
 訳文が死んでるけど.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
『第二次世界大戦と日独伊三国同盟―海軍とコミンテルンの視点から』
『日英同盟』
って電波なんですか?
 例の幕僚長の論文の参考文献になったり,コミンテルンがどうのこうの書いてあるらしいんですが.

 【回答】
 「第二次〜」は別に電波と言うようなものではない.
 著者も序文で「コミンテルンを加味した視点が,多少は新しい視点を提供できるのではないか」と書いているけど,このレベルだから安心して読めばいい.
 印象としては現有の史料を使っての推理という感じかな.
 首をかしげるものでもなかった.
 この本のメインはあくまで,海軍を視点としての日独関係の考察だからね.
 自分で電波かどうかを判定したかったら,とりあえずは当該論文の趣旨に沿いつつ,挙げられている参考文献を一通り漁ってみるといい.
 そうすれば一応自分なりの結論が出るでしょ.

 「日英同盟」のほうは出版社柄か,実用的というか「これからの日本はこうすべき」的な色合いが強いので,受け入れられない人がいるかも.
 内容は「第一次世界大戦と日本海軍」を凝縮し,新たな視点を加えたコンパクト版のようなもの.
 なのでどうせなら,「第一次〜」をまず読んでからのほうがいいと思う.
 英国との関係を主軸に,日本近代史をざっと解説している.
 英国との同盟の締結から解消までの流れと,その機能についての分かり易い解説は良い.
 そこから日米安保体制や中国問題にまで手を伸ばしているので,新書の限界か,ギリギリ詰め込んだという感じはするが.
 「大日本帝国の生存戦略」あたりと合わせて読むとよいかもね.

 つーか平間さんの論文は結構読んだけど,研究に関しては別に変な人じゃないぞ.

 コミンテルン云々の部分は1章しか割いてない.(勿論他の章にも登場はするが)
 それに別に取り立てて突飛でもないというか,思わず目を見張るということはない.
 米国内の共産主義者の動向も,当の米国人が非常に優れた研究を出しているので,同上.

 コミンテルンうんたらが気になるなら手始めに,村田陽一や波多野乾一,岩村登志夫,加藤哲郎,Harvey Klehr,John Earl Haynesの有名どころから読んでみたら?
 そしてNDC分類319.3のロシア関係の文献を選別してひたすら目を通すとか.
 また英文やキリル文字文献も当然駆使すべき.
 圧倒的にこちらに頼ることになるけどね.
 エリツィン政権以降かなり自由な研究ができるようになったとは言え,邦訳されているものは少ないからな.

「齢を重ね,学会などとの関係も希薄になりましたので,意を決して「閉ざされた言語空間」から脱して私の信ずる歴史を書きました」
とあるので,よほど過激なことを書いたのかと思ったが,本論に関してはそうでもない.
 中川八洋さんとかと比べたら常識論の範疇.(参考文献には入っていたが)

 海軍を主軸とした考察をメインに据え(インド洋における作戦や,技術交換等も含む),日独両国の動きに米英ソ中(特にソ連邦)の動向を加味して,日独の関係を多角的に分析している.
 日独の接近から同盟締結に至るまで,大戦中の同盟の機能などがよくわかる.
 大戦中のソ連邦との関係や,それを通じた和平工作に関する考察も,よく纏まっている.
 独逸との提携について軍事面での情報を得たい,同盟を下敷きにして2次大戦を読み直したいと言う人にはかなりの良書.

 最後の章における外務省本省に対する批判も,短いけれど個人的には有益だった.
 先の戦争のこととなると,どうしても海軍や陸軍の批判に汲々としがちだから・・・

 ただし,知識のバックボーンが無い人には突飛に,或いは何のことか分からない可能性もある.
 敢えて言うなら,近衛の周辺のことは予め調べたほうがよいかもね.

 ただ平間さんは実証的な研究をされる方だし,当てずっぽうで謀略だ陰謀だという人ではないので,そこらを頭において読んで貰えればいいんじゃないかと.

 仮に電波判定しても,それ以外の部分だけでも十二分に元は取れる.
 全体からすれば,コミンテルンに関する部分は,ほんの少しだから.
 案ずるより読むが易しですよ.
 図書館で借りれば無料だし.

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ 【追記】
 平間教授に関する上のレスを見て安心していたら,こんなものが…
http://kakutatakaheri.blog73.fc2.com/blog-entry-869.html

 ナカテルと一緒になって陰謀論…
 嘘だ,嘘だと言ってくれよ,先生…

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 加藤陽子の『それでも,日本人は「戦争」を選んだ』を読んだ方いますか?
 感想を聞きたいのですが宜しいでしょうか.

 【回答】
 解釈論になるから,微妙な書物なのはしようがないだろう.

 結局,その時にリアルに存在した人でないと,その時の時勢は分からないと思う.
 俺は祖父母が明治生まれだったので,
「ABCD包囲網からハルノートに到るまでの日米交渉の閉塞感は最悪だった.
 真珠湾攻撃のラヂオ放送(大本営発表と思われる)を聞いたときの開放感といったらなかった」
みたいな話を,散々聞かされて育ったんだよ.

 父母が昭和一桁だったので,「戦時中は芋畑を作らされて」とか「代用教員に行かされて」とかいう話も,同時に聞かされたんだけどさ.

 まあ,読んで損のない本だとは思う.

 個人的に面白かったのは,松岡洋右の余り知られていない一面に関する紹介の部分.

軍事板,2009/10/18(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 吉田裕の著作はどう?

 【回答】
 岩波新書の吉田裕本は全て読んでおきたい.
『昭和天皇の終戦史』
『日本の軍隊』
『アジア・太平洋戦争〈日本近現代史 6〉』

 岩波現代文庫に入っている『日本人の戦争観』は,少し???って感じだけど.
 吉田裕は旧軍の制度的な部分なら,わりとまともだったが,戦闘とか戦争犯罪など前線に近い部分を語るには,どうも基礎的な知識が欠けてると感じる.

軍事板,2009/11/18(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 吉村昭の太平洋戦争関連の作品は,参考文献として使えるのでしょうか?
 ノンフィクション小説という,紛らわしい分類がされてるので.

 【回答】
 少し前のスレッドでも,吉村昭が参考文献どうのとか言ってる人がいたけど,
「参考文献として使えるのでしょうか?」
ってのが最近流行ってるの?
 最近,こればっかり.

 去年は「読む価値があるのでしょうか?」だったよね.

 その本を読んで参考になったら,既に参考文献なんですが.
 で,書いてある事が真実かどうかなんて,もう誰にもわからないし.

 吉村昭について限って言うと,戦艦武蔵・海軍乙事件,深海の使者,関東大震災,いずれも素晴らしい本だと思いますよ.
 吉村昭はエッセイもたくさん出版されていて,それぞれの題材の取材時の苦労談や,本編には載っていない事も書いているので,詳しく知りたければエッセイ集もせっせと図書館で借りる必要があります.
……と,ほぼ同じ事を以前のスレに書いて,二度目.

 参考文献云々が,「ソースとして提示できるのか?」という意味あいなら,そういう意味ではアウト.
 人名については変えてあるみたいだし,その他にも手が入っていてもおかしくはありません.
 そして,どこなのか判然としません.

 吉村氏のは,小説と小説を書くための取材記の二パターンがあります.
 「戦艦武蔵」と「戦艦武蔵ノート」のように.
 「陸奥爆沈」のように後者しかないものもりますが.
 後,氏の作品の場合,フィクション部分では登場人物を仮名にしてあるケースが多いように思います.
 「光る壁画」でも,実名で書かれている東大関係者部分や開発の部分は史実.
 主人公である「オリオン光学」の方の私生活に関わる部分は,完全なフィクションというようになっていますし.

 基本的に戦争を書いたものでは,多くの証言者に直接取材できていますので,ほぼ証言者の証言どおりに進みます.
 沖縄戦だったかで,いわゆる完全なフィクション小説を書かれていますが,これは沖縄戦で生き残った女性に取材した後に書いた小説だと,あとがきに書いています.
 それ以前の昔の時代の小説では,さすがにフィクションな部分がありますが,それでも古い本を収集してよく書いています.
 読者から,「今度出た本の何々は当時ではありえません」という手紙が来ていたそうですが,考証の根拠になった資料メモを送っていたそうな.
 これもエッセイ集に・・・(吉村昭はエッセイ集まで読まないといけない作家)

 知らない事件を学ぶ最初の道具としては,非常に素晴らしいと思います.

 ついでに書いておくと,最近熱いのが森史朗氏.
 この人は元編集者で,城山三郎・吉村昭の作家人生に関する本まで出している.
 非常に重く分厚い本ばかりなので,文庫化され次第コンプリートすると良い.



42 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2010/02/21(日) 01:18:38 ID:???

 吉村さんの作品で,伊33号潜内部から遺書が出てきた話が好きだなあ.
 水枕の中に沢山の遺書が入ってた.


43 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2010/02/21(日) 01:28:15 ID:???

 水枕?
 本来の用途とは真逆に,防水嚢として使われたの?


45 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2010/02/21(日) 01:44:36 ID:???

 そうです.
 機関室の配管に縛り付けてあった水枕を開けたら,乗組員の事故経過報告と遺書が沢山出てきました.
 「万年筆の旅」という短編集に入ってます.

軍事板,2010/02/21(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 『戦史叢書』(全102巻) 防衛庁防衛研修所戦史室(朝雲新聞社)は良書?

 【回答】

 信頼性という部分では最も秀でている.
 だが,いかんせん既に絶板のうえ,凄まじいボリュームのため,これに全部目を通した人間など,いくらも居ないのではないかと思われる.
 必要な時に必要な部分だけを手に取るのが,現実的かつ正しい利用のしかただろう.
 国立図書館等で閲覧できるほか,下記の場所でも利用できる.
http://www.nids.go.jp/siryousitu.htm

 ただし上記サイトでは,戦史叢書の内容を直接知ることは出来ない
 面倒だが,自ら図書館に足を運ぶ以外に無い.
 いつかはネットで自由に閲覧出来るようになるかもしれないが,今は無理だろう.
(ホンとにそうなったら,我々ミリオタはどれだけ助かることか)

 ちなみに大学の中にも,揃えているところがあるらしい.
 君が大学生なら要チェックだ!

軍事板,2001/03/23(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦史叢書は,どうして大戦直後ではなく,かなり経ってから刊行されたんですか?
 証言者が亡くなってからでは,正確な記録を作るのは困難だと思いますが?

 【回答】
 戦史叢書第1巻「マレー進攻作戦」の序より.

――――――
 戦史室が創設されて十年,ここにようやく,その成果の一部を逐次刊行する運びとなった.
 刊行は,自衛隊の教育,または研究の資とすることを主目的とし,かねて,一般の利用についても配慮したものである.
 終戦時において,大量の資料の消滅と散逸をきたし,そのうえ,戦史室の開設までに十年間の空白を生じたため,戦史編さんの困難さは,既往内外のそれと比して,筆舌に尽くしがたいものがあった.
 ただ,幸いにも,関係方面の理解と,多数歴戦者各位の熱誠あふれる協力とによってこの刊行を実現しえたものであり,ここにあらためて,深く謝意を表する次第である.

 記述にあたっては,紙面の都合などで割愛したものも少なくない.
 また,今後さらに,新たな資料の収集によって,加筆修正を必要とするものがあることも予想される.
 ひきつづいて,部内外の協力と叱正を懇願してやまない.
 本書は,戦史編さん官不破博の執筆にかかるものである.
 なお,本書記述の内容に関する責任は,戦史室長と執筆者のみにあることを特に付言する.

 昭和四十一年六月
              防衛庁戦史室長 西浦 進
――――――

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦史叢書が全面改訂されるという話を聞いたんだが,詳しいやついね??

 【回答】
 ググッたらこんな情報が出てきた.

――――――
 防衛庁防衛研究所は,太平洋戦争までの作戦などを記録した「戦史叢書」(102巻)を全面改訂することを決めた.
 現在,改訂準備のための資料編さんを進めており,約10年後には1巻目を出したいという.
 本だけでなく,CD―ROM化し,コンピューターグラフィックス(CG)を使った動画を入れるなど,利用しやすい工夫もする方針だ.
 新事実を盛り込み,分量も1・5倍ほどに膨らむことになりそうだ.

 〔略〕
 叢書の資料収集,執筆には主に旧日本軍の関係者らが当たった.
 終戦とともに,軍にあった公文書などの多くは焼却処分されたが,残された資料や,旧軍関係者らからの聞き取り調査などをもとにまとめられた.
 だが,完成後事実関係の間違いや誤植が1000か所以上指摘され,新事実や追加すべき項目なども見つかった.
 さらに「専門家でなくても読める本に」という要望もあり,同研究所で全面改訂を検討してきた.
 今後5年程度かけて新叢書の概要を決めるが,CD―ROM版では,中高校生でも理解できるようにCGや図表を多用,必要な部分をすぐに検索できるようにする考えだ.
 また,海外の資料などをもとに,米軍側の作戦や行動,戦後の安全保障についても,叢書に盛り込む方針という.
――――――2003/8/12 読売新聞

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ 現在のほぼ5割増しかそれ以上のボリュームになるそうな.
 1.5倍だと個人じゃ収容不可能故,ROM化される.
 収容スペースほとんど食わない.
 ただ,味気ないのは認める.

 当時と比べて,確実に需要はないだろうに・・・
 ほんとに全巻発行までもつのか・・・?

 また,事業のための資料収集はずるずるやってるものの,改訂にあたって大元帥の戦争指導をどう書くかが問題となり,頓挫していると聞いた.
(関わらないところは進めてるみたいだが)
 ソースは確実だが明かせない系のものなので,話し半分に聞いてくれれば.

軍事板
青文字:加筆改修部分

 なお,防研は戦史叢書完結後の史料公開と,研究の進展を踏まえて,開戦経緯から戦後の講和までを対象とした,太平洋戦争の概説書を全3巻の予定で,平成26年度に第1巻を出すのを目標に刊行準備してるようだよ.

戦史研究年報 第13号
活動報告(平成21年)
http://www.nids.go.jp/publication/senshi/pdf/201003/18.pdf

 扱う期間の長さやテーマの多さを考えると,3巻で収まるかどうか微妙だけど.

軍事板,2010/05/22(土)
青文字:加筆改修部分



320 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 00:01:54 ID:???

>「専門家でなくても読める本に」

 ちょっと怖い改訂されませんように.

>戦後の安全保障について

 これは叢書には要らない部分な気がする.


321 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 00:02:14 ID:???

>「専門家でなくても読める本に」

 全巻合わせて,数万円に抑えてくれるのか?


322 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 00:05:30 ID:???

>「専門家でなくても読める本に」

 萌えキャラを使ってみますた(これじゃ萌えられねーんだよ!)

>戦後の安全保障について

 現在の自衛隊としての政治的な立場,要求の表明の場として使います.

だったら悪夢だな(笑)


324 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 00:30:50 ID:???

 一ヶ月に一冊くらいのペースで出るなら買ってもいいかも.


337 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 09:38:00 ID:???

 昔のはそのままで,子供向けの戦史叢書を別に作ればいいだけなんじゃないかと…
 まあ,子供向けの戦史叢書って何だ,ってのはあるけど.
 「マンガ・戦史叢書」…?
 日米両軍の司令軍を全員女性化?


338 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 09:39:48 ID:???

 子供向け…×
 大きなお友達向け…○


339 名前: ぼぼばん♭ ◆gdH1Km1a0U [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 09:46:34 ID:???
>>337
 学研の学習マンガとかの勢いで作ればいいんじゃないかと.


340 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 09:46:56 ID:???

 平易に書くって程度の意味じゃなかろうか.
 公刊戦史でも『湾岸戦争 砂漠の嵐作戦』ぐらいなら中高生でも読めるだろう.
 ってか読んだ記憶がある.


325 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 00:36:29 ID:???

 週刊「戦史叢書」
 今,年間予約すると特製バインダーがついてきます.

♪でぃあごすてぃーに


326 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 01:25:43 ID:???
>>325
 ちょっと欲しいかもしれん(笑)


327 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 01:31:41 ID:???

 分冊百科だと項目がばらばらに刊行されちまうな.


333 :ZII ◆RPvijAGt7k :2009/01/17(土) 03:03:20 ID:???

 分冊百科はレベルが低いですからねぇ….
 ワールドウエポンは冊子DVD共にそこそこ満足させてくれましたが,後の軍事系のはスカスカでしたもん.
 あれに560円は出せませんよ.
 おまけに保存性が悪い.
 何年かしたらゴミになるような体裁に,合計何万も突っ込む気には到底なれませんよ.


341 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 10:29:47 ID:???
>>325
 初回のみ数百円で,次回から数千円(笑)


342 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 10:30:54 ID:???

栗田ターンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
ジンギスカン作戦(笑)

とかなると確かに読みやすいかも知れないが,権威は薄れるな.


343 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 11:01:31 ID:???

 権威が薄れるってレベルじゃねーぞ!


344 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 11:03:48 ID:???

 しかし,そういうものを普段読まない人にとっては,重厚な権威は読もうという気の妨げにしかならないからな.
 ある程度親しさを持たせるのは良いかもしれない.
 ただ,防衛省はもうちょっと絵師を選べ.


345 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 11:15:06 ID:???

 ここはぜひとも一等自営業閣下に.


346 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/01/17(土) 11:19:42 ID:???

 それだと一般人に親しくない(笑)

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ 【追記】
 「改訂はない」説も出てきている.

>戦史叢書が全面的に改訂されるという噂があるのだが,
>実際のところはそのような話は現在ないという防衛研修所の方の話を聞いたので,
>今後もこのような大作は当分編纂されることはないであろう.
http://blogs.yahoo.co.jp/skylinegtrr33jp/29733496.html

 飛ばし記事説も.

>当の防衛省防衛研究所戦史部は,
>この読売報道よりあとの時期に,戦史叢書の改訂版や要約版の発行について,
>戦史部の能力・組織・時間的に多くの困難があるとしています.

>通達(注3)でも,戦史叢書の補完も触れられてはいるものの,
>具体的な改訂版発行の話までにはなっていません.
http://yamanekobunko.blog52.fc2.com/blog-entry-273.html

軍事板,2009/12/19(土)
青文字:加筆改修部分

▼ 【追記】
301 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 14:07:13.31 ID:???

防研 研究成果生かし「太平洋戦争史」
日中戦争から講和条約まで 新資料で再検証 
3年後から順次刊行
http://www.asagumo-news.com/news/201202/120209/12020904.html


304 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 16:19:35.03 ID:???
>>301
 結局,戦史叢書の改定ではなくて,コレになっちゃったのかな?
 タイトルも微妙だなぁ.


305 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 16:33:05.54 ID:???
>>301
 戦史叢書では「大東亜戦争」の呼称を採っていたのにな.

>>戦争を指導した大本営や上級部隊の意思決定や動向に焦点を当てて検証したい

 『戦史叢書』では殆んど触られていない兵站や衛生,情報戦も取り上げて欲しかったな.


307 :Lans ◆xHvvunznRc :2012/02/13(月) 17:00:31.46 ID:???

 だから,戦争指導重視で,戦史叢書とは重複しないって,前から書いてたやん.


308 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 17:40:08.48 ID:???

 いや,戦史叢書でも,兵站や衛生,情報戦はほとんど取り上げられてないから,取り上げても重複しないよ.


306 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 16:53:55.69 ID:???
>>305
 長門,五十鈴に乗ってた祖父も,普通に「大東亜戦争」と言っていた.
 当時の政府が命名した呼称にすべきと思う.


312 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 18:51:21.29 ID:???
>>306
 著しく実態から乖離していなければ,人口に膾炙した名称でいいんじゃないかな.
 日露戦争を,正式に「明治三十七乃至八年戦役」と呼ぶべきだという人は,少ないと思うし.


309 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 17:40:25.67 ID:???

 戦争の名称なんかどうでも良い.
 重要なのは中身.


310 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 17:47:11.27 ID:???

「日本人が
絶対勝てない相手に
成り行きで戦争して負けました」

>中身

 3行ですんでしまうがな…


311 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 18:06:12.47 ID:???

 そんな事言ったら世界史だって,

「人間が
色々あって
今も戦争しています」

で終わってしまう…


314 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 18:53:14.33 ID:???

「賢く戦えば
戦争に
勝てます」

 クラウゼヴィッツを3行でまとめてみました.


315 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 18:54:22.00 ID:???

「勝てる相手と
戦えば
勝てます」

 孫子を3行で(ry


316 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 18:56:48.09 ID:???

「大日本帝国を
批判する奴,
みなサヨク」

 戦争論(小林版)を(ry


317 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 18:57:57.33 ID:???

「すべては
海軍の無理解が悪い.
バカヤロー」

 「海上護衛戦」を(ry


318 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 19:02:20.03 ID:???

「遠征して
反撃をしりぞけて
戦後処理もしてきた」

 「ガリア戦記」(ry


319 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 19:05:47.23 ID:???

 古典的名著を三行で語るスレッドはここですか?


320 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 19:07:27.83 ID:???

「来た.
 見た.
 勝った」

 
「3行で」の元ネタはカエサルだったのか.


328 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 20:21:11.56 ID:???
>>320
「来た,見た,買うたの喜多商店」

 昔の関西ローカルCM思い出したわ.


322 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 19:11:41.68 ID:???

「腹が
減っては
いくさはできぬ」

 「補給戦」(ry


323 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 19:37:44.58 ID:???

「グルーシー,
何時になったら
来るのやら」

 「セント=ヘレナ覚書」(ry


324 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 19:38:07.70 ID:???

「決勝点,
兵力つぎ込め
できるだけ」

 ジョミニ.


325 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 19:52:39.48 ID:???

「思えば
遠くに
来たもんだ」

 「アナバシス」(ry


326 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 19:54:25.82 ID:???

「戦争に
行ったら嫁(予定)に
逃げられた」

 「ジューコフ元帥回想録」(ry


327 :名無し三等兵:2012/02/13(月) 20:20:42.58 ID:???

「国体はゴジされたぞ.
 朕はタラフク食ってるぞ.
 ナンジ人民飢えて死ね」

(ry


329 :眠い人 ◆gQikaJHtf2 :2012/02/13(月) 21:00:01.93 ID:???

 何その『帝国戦争標語集』

軍事板,2012/02/13(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦史叢書は改訂版刊行開始まで,買い控えたほうが良いでしょうか?

 【回答】
 2003年時点で「約10年後に第1巻を刊行したい」ですから,後5年待たねばなりません.
 全巻刊行までは15〜20年でしょうか.
 毎月1冊ペースでも100冊以上あるのだし.

 なので必要な分を見繕って,入手しておいた方が何かと役立つでしょう.

ゆうか ◆9a1boPv5wk in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分


目次へ

「第二次大戦別館」トップ・ページへ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ

inserted by FC2 system