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「2ch.軍事板」◆(2003/08/31〜) ソードフィッシュ
 レス回収済

「Togetter」◆(2011/08/24) RAF,世界初の空軍の誕生,もしくはバトル・オブ・ブリテンへの道

「カラパイア」◆(2011/12/25)未来少年コナンの世界観.テムズ川に今でも残る英国軍要塞の塔「マウンセルの砦」

「週刊オブイェクト」◆(2010年06月26日)蛇の目の花園2巻発売

「ワレYouTube発見セリ」:Lancaster, Bomber Command Tribute

「ワレYouTube発見セリ」:Lancaster Tribute

「ワレYouTube発見セリ」:RAF 1

「ワレYouTube発見セリ」:RAF Air Defences (大戦時の英空軍の防空)

「ワレYouTube発見セリ」:Spitfire

「ワレYouTube発見セリ」:Spitfire and Hurricane Tribute

「ワレYouTube発見セリ」:The Battle of Britain

『暁の出撃』(P.ブリックヒル著,朝日ソノラマ文庫,1991.2)

 連休中に古本屋で回収し,読了.

 WW2でドイツのダム爆撃を遂行した,英617飛行中隊の戦歴を追った本だが,個々人のエピソードもちりばめられており,非常に読み易かった.
 ウォリス博士というタフガイの偉大さを,ひしひしと感じた次第.

――――――軍事板,2011/05/08(日)

『アブロ・ランカスター爆撃機』(鈴木五郎著,光人社NF文庫,2006/10)

 最近は変に引いて見るのが偉いみたいな風潮ですが,やはり入れ込んで書いている元気な本にも魅力はあります.
 本書の元は皆さんご案内の通りですが,いちおう加筆はなされているとのこと.
(オレはナウなヤングなので元本は知りませんが)

 ただ,オレの興味の方向性のためか,本書の一番面白いところが,戦間期のイギリス航空発展史ではありました.
「アタクシ自殺するつもりなので,危険なテスパイ引き受けてもよろしくてよ」
って,この話マジなのかね.
 そのほか,文庫本サイズで許される限り,1910〜30年頃の飛行機の写真も多く載せられており,「入門書」としての価値は減じていないと考えます.
 なにより安いしね.

------------軍事板,2012/05/02(水)

『爆撃機』(レン・デイトン著,早川書房,1979.11)

 レン・デトンの小説.
 1943年,英国空軍ランカスター重爆撃機隊の対ドイツ夜間戦略爆撃がテーマの群像劇.
 ハードカバーで550頁超の大ボリューム.
 後藤安彦氏の訳は少々古臭いかな?

 素人の私には,当時の夜間戦略爆撃の模様が生々しくて面白かった.
 高速のモスキートが,高射砲の届かない高空を先導してマーカーの照明弾を落とし,次に第一陣のランカスター群が照明弾交じりで爆撃,
 その後に本体が続く,とか.

 迎撃のユンカース88が手動で弾装交換するシーンや,爆撃機集団をドイツ軍のレーダー基地が「川の流れ」と評する所も新鮮でした,はい.

――――――軍事板,2010/07/07(水)

 1943年6月31日(存在しない)が舞台なんだよね.
 レン・デイトンは・・・自身かお父さんがRAF整備兵だったはず.

 労働者階級のせいか,英国の家庭事情は知らないけど,彼はその後,敗戦国のドイツにいれあげた小説を書くようになるな.
 1980年代以降,SSとドイツ国防軍における道徳問題(単純に前者が悪で後者が善の通俗説の否定)とか,わりと分裂した第三帝国のイメージが一般にも流布したけど,あの当時,両者のドイツ国内における自画像(庶民的なSS,旧態貴族の高圧的国防軍)を描いたレン・デイトン「SS-GB」「爆撃機」は偉いと思う

――――――軍事板,2010/07/07(水)

『軍服のモスキート』(リチャード・スウィフト著,合同出版,2011.1)

 何か知らんが,タイトルに惹かれて買ってしまった.
 実は蚊の話ばかりだったりする訳で…
 しかも,ピースボートの本だし orz

 で,何故か中にはモスキート爆撃機の話が載っかっていたりする.
 これに騙されて買ってしまったわ.

――――――眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2011/01/15(土)

 普段から推して,要領を得ているであろう眠い人さんの説明でも,カオス過ぎてよく分からない本だ orz

――――――軍事板,2011/01/15(土)

『雷撃』(チャールス・ラム著,朝日ソノラマ文庫,1982.7)

 ソードフィッシュ乗りのお話.
 この本を読めば何故,「ストリングバッグ我に返れ」という歌ができたのか(世界の駄っ作機3参照)理解できるほど,ソードフィッシュ/複葉機萌え・・・じゃなく燃えな本.
 とにかく著者のエピソードがいろいろと凄い.
 タラントに参加した人の戦記が読めるだけでもすごいのに,カレイジャスの沈没からダンケルク支援,イラストリアス被爆,北アフリカの工作員支援,そして捕虜生活と,中々波乱に満ちている.
 特にカレイジャス沈没のシーンは中々迫力がある.

 後半が尻すぼみなのは抄訳だからかな?

 他にも面白いエピソードが満載で,戦友がドイツの西方電撃戦のさい,シェルブールに居る,ホテルを営んでいる友人の所へ,バーで一杯引っかけながら情報でも集めようと行ったら,そのバーにはドイツ兵がすでに居て,あわてて帰ってきたなんて話もあったり.

 他にもユニークなエピソードてんこ盛りなので,古本屋で見かけたら買い.

――――――軍事板,2010/05/21(金)

 【質問】
 (大戦間)イギリスの飛行機設計者やメーカーや,官の担当者やらの力関係や繋がり,人となりがわかるような読み物はありませんか?

 【回答】
 入門書としては,世界の駄っ作機がいいと思う.
 イギリス機で出てくる奴は大抵,その辺の航空機の迷走期の機体だ.

 また,お題にはとても不十分で,しかも自分は未読なんだが,『アブロ・ランカスター爆撃機』が日本語で読むアブロ社の社史として読む分には面白いと聞いた.
 ネヴィル・シュートがなんか書いてそうだけど,翻訳されてないだろうなぁ.

 あんまり参考に成らんですまん.

軍事板,2009/06/07(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日米に比べ英国の空母艦載機は「駄っ作機ばかり」(C)岡部ださく)なイメージがあるのですが,これは何故ですか?

 【回答】
 とりあえずイギリスの空母艦載機が駄作ばかりなのは,発注者であるイギリス海軍自身が「何を作っていいかわからな」かったから.
 空母を発明したのはイギリス人だけど,主敵であったドイツ海軍はイギリス海軍に激しく見劣りしてた上,空母を持っていなかったので,空母が活躍する状況が発生せず,空母の運用が進歩しなかった.
 結果,空母をどういう用途にどのように使えばいいかということが明確になってなかったので,要求仕様が定まらず中途半端な機体ばっかりが生まれた.

 また,イギリス空母はどれも,装甲防御と荒天時の安定性(北大西洋は海が荒れる事が多い)を重視しすぎて排水量の割に搭載機数が少なく,「数が乗せなれない分を多用途性で補う」という方向性に走ったので,結果「何にでも使えるがどれも中途半端にしかできない」という「戦闘偵察爆撃攻撃機」ばかり開発される羽目に.

 イギリスの空母が重装甲なのは,とりあえず空母が大きさの割に脆弱なのだけは解っていたから.
 何に使うかはともかく,攻撃されて真っ先に沈んでは困るので,とりあえずすぐ沈められないようにだけは気を払った.

 さらに,航空用大馬力エンジンの開発に手間取ったのも大きい.
 WW2初期のレベルのエンジンでバトルやフルマーみたいな機を作ったら,別にえげれす機じゃなくても駄作になるだろう.

 しかし,イギリスの空母は
「ともかく一番脅威なのは潜水艦だ」
ということになって,対潜哨戒とドイツの通商破壊戦術への対抗馬としてそれなりには役に立った.
 駄作ぞろいと言われる艦載機も皆それなりには活躍している.
 フルマーはともかくファイァフラィは索敵・対艦攻撃・対潜哨戒と多用途に活用され,シーファイアやシーフュリーが採用されたあとも朝鮮戦争終了まで現役だった.
 パイロットの評価も高いし,どちらかといえば「傑作」に分類されてる(イギリス人以外にもね).

 それに,イギリスの場合は相手が相手なので,別にあれでもよかった気がする.
 アメリカと日本の艦載機の発達ぶりのほうが,相対的に見ると異常な気がしないでもない.

「ソードフィッシュ」雷撃機
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 第2次世界大戦時の英国空母の艦載機は,何であんな酷い様なのですか?

 【回答】
 WW1でイギリス陸軍航空隊とイギリス海軍航空隊を統合して,イギリス空軍になっていて,1937年までは空母艦載機もイギリス空軍の管轄でした.
 陸上基地から運用される戦闘機の開発にも予算的に苦労していたのに,海軍のために空軍が艦載機の開発をまじめにやるわけも無く.

 航空隊を取り戻したからといって,航空機開発行政をどうこうするには,2年と言う時間は,あまりにも短かったということです.

軍事板,2009/02/08(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ブラックバーン B-20って何?

 【回答】
 ブラックバーン Blackburn B-20は,沿岸哨戒のために試作された飛行艇であり,1940年3月に初飛行しました.
 着水用の主フロートは胴体下に設置され,着水時には下げるが飛行時には胴体に密着するよう上げることができ,また両翼にある補助フロートも飛行中は翼端側へ折り畳まれ主翼の一部を形成するという独創的な設計がなされていました.
 しかし補助翼の不備のため,1940/4/7に試作機は海面に衝突して失われ,第2次大戦勃発により本機の改良は放棄されました.

 【参考ページ】
http://military.sakura.ne.jp/world/w_b20.htm
http://www.warbirds.jp/data/raf/htm/b-20.htm
http://www.warbirds.jp/kiyochan/airpreza06.html
http://www.geocities.jp/aobamil/B.html

【ぐんじさんぎょう】,2009/5/30 21:00

ブラックバーン B-20
faq01ag16b20.jpg
(こちらより引用)
faq01ag16b20b.jpg
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 ロンドン大空襲の死者について教えてください.
 できるだけ信憑性の高い数字が知りたいです.

 【回答】
 1940年のドイツ軍による空襲のことでしたら,7月から12月の間に,民間人の死者23002名,負傷者32138名を記録しています.
・・・とWikiには書いてある.

 もし,質問者が第一次世界大戦中のことを聞いているのでしたら,このサイトが参考になります.
 一応govと入っているので信憑性はあるんでしょう.
http://www.nationalarchives.gov.uk/pathways/firstworldwar/spotlights/airraids.htm

 これによれば,ゴータ爆撃機による空襲で1917年6月13日に162名が死亡.
 ちなみに,大戦を通してのロンドンに限らぬ損害総計は死亡1,413名 負傷3,409名.


 【質問】
 「爆撃ルール」とは?

 【回答】
 WW2中のイギリス,ロンドン近郊のゴルフ場で作られたローカル・ルール.
 ドイツ軍機が襲来したときの退避の仕方,退避後のプレー再開までの手順,爆撃で開いた穴にボールが落ちたときの救済措置などが詳細に定められていたそうだ.

(軍事板)


 【質問】
 防空鉄球って何?

 【回答】
 第一次世界大戦で首都への爆撃を経験したイギリス.
 その後,都市の防空と市民の避難について真剣に議論された.

 その議論の中で検討された案に,巨大な鋼球を作ってその内部を避難所にするというモノがあった(笑)
 頑丈な鋼球の中に逃げ込めば,爆弾が直撃しても球がゴロゴロ転がって大丈夫(!?)というアイディア(爆)
 もし何かが間違っていたら,第2次大戦では空襲警報とともにロンドン市民がゾロゾロと鋼球の中に入っていく場面が見れたかもしれない・・・

 普通に考えれば,丸いデカブツが町中に置いてあっても邪魔,ゴロゴロ転がって玉突きしたら危ないわ,
 テムズ川とかに落っこちたらどうすんだ,ボケ.

 当然,この案はイギリスで都市防空を研究していた建築家グループに,痛烈に非難されたんで結局,ボツになりましたとさ.

 当たり前だ.

CRS@空挺軍 in mixi,2007年09月05日23:37


◆◆◆攻爆撃


 【質問】
 アルバコアは駄作機だったの?

 【回答】
 アルバコアは,ソードフィッシュで不評だった様々な点を改良して誕生したが,性能的には大差なし,操縦性はかえって悪いと,生産したその年で退役となってしまった.
 しかし,ソードフィッシュからの改良というのが,航法装置の完備や防音,暖房装備搭載等だったので,一部のパイロットからは非常に惜しまれた.

 因みに,更に後継のバラクーダは6社で競合したにもかかわらず,採用はまたしてもフェアリーとなった.
 英国にはまともな航空機メーカーがないのか?

ふぁいるず in 軍事板


 【質問】
 ウエストランド・ライサンダー Westland Lysander P-12海岸機銃掃射機って何?

 【回答】
 空冷エンジン固定脚複葉機.
 上の翼は前に(操縦席脇).下の翼が胴体後部にあって,その端に垂直尾翼.
 胴体後部には(イギリス人大好きな)鳥かごのような旋回銃座.
 ドイツ軍のドーバー海峡越え侵攻に備えて開発.
 その心配なくなるとボツ

 狙いはいいと思うんだが…….
 スタイルはブッ飛びを通り越している.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 イギリスの複葉機「ソードフィッシュ」について詳しく書かれた本をご存知ないでしょうか?
 木と布とパイプでできた複葉機に,レーダーとロケット弾を装備して使ってた英が不思議で,興味が尽きないのです.
 しかし世傑にもソードフィッシュは出ていないようだし,西部戦線は今まで守備範囲外だったもんで・・・

二人兄弟の墓 ◆z8d8W/sbaQ in 軍事板
青文字:加筆改修部分

 【回答】
 チャールス・ラム「雷撃」って本が朝日ソノラマから出ていたんだが,残念ながら絶版.
 古本屋などで見かけたら,買って損はない.
 元ソードフィッシュ搭乗員の手記で,メカニズムや開発史などは軽く触れられている程度だが,実際の運用などは,本人の体験に基づき詳しく書かれている.

軍事板
青文字:加筆改修部分

"Stringbag The Fairy Swordfish at War" (Pen and Sword)
"Fairey Swordfish Special" (Ian Alan)
 昔,世傑で取り扱っていた様な気もしますが….

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 フェアリー「ソードフィッシュ」雷撃機は,
明らか駄作機では?
 九六艦攻と比べてもソードフィッシュは,同程度のエンジンを積んでいるにも関らず,本当に致命的なレベルの性能差が出ていることからも分かるように.

 【回答】
 ソードフィッシュの性能のどこが,九六艦攻に比べて致命的に悪いのか,説明してくれると有り難い.

九六艦攻:

発動機:光発動機2型(離昇840馬力,公称700馬力)
自重2,000kg,
兵装搭載時全備重量3,600kg
(以下の性能は兵装搭載無しの場合)
最高速度278km,
上昇時間3,000mまで14分,
実用上昇限度6,000m
航続距離1,574km

ソードフィッシュ:

発動機:ペガサスMkIIIM3(公称690馬力)
自重2,360kg,
最大荷重(魚雷搭載時)3,949kg,
最大過荷重(長距離燃料搭載タンク搭載型魚雷搭載時)4,200kg
(以下の性能は最大荷重(機体重量3,949kg)の場合)
最高速度:223km
上昇時間:1524mまで10分(この状態での海面上昇率560ft/min)
     但し兵装非搭載時の海面上昇率は1200ft/minなので,この場合,高度10,000ft(3,048m)まで10分程度で上がったと思われる.
実用上昇限度:
3260m(最大過荷重時),3780m(最大荷重),5870m(兵装非搭載時)
航続距離:
880km(兵装搭載時),1240km(兵装非搭載時),1660km(長距離燃料搭載タンク搭載型)

 データを見ると,ソードフィッシュの最大積載重量(魚雷搭載)での最高速度と,九六艦攻の兵装非搭載時の速度は,確かに50kmばかり差があるが,同一条件だったら,そんなに差は出ないんでないかい?

 ちなみに,九六艦攻がソードフィッシュに劣る点は,前方視界が悪いこと
(出典:スケールアビエーション)

 逆に,ソードフィッシュの汎用性は極めて高く,雷撃機ながら急降下爆撃も可能であったり,少々の時化でも発艦可能であったりしたという.
(もちろん,独伊海軍には大した洋上航空能力が無かったことも大きかったが)

軍事板,2003/
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ソードフィッシュはなぜあんなに長く使われたの?

▼ 【回答】
 ソードフィッシュは,凡庸な機体でしたが,練習機並みの安定性と操縦性を持ち,非常に高い信頼性と,急降下爆撃が可能な強度がありました.
 低高度を低速で飛ぶのに安定しており,その点では意外と優秀な雷撃機でした.

 しかし第二次大戦勃発時には,ソードフィッシュはすでに陳腐化しており,第一線機としての使用は限界でした.
 特に,低空を低速でしか飛べず,敵戦闘機に対し非常に脆弱で,敵戦闘機の迎撃を受けると全滅してしまうこともありました.

 そのため英国は,後継のアルバコア,バラクーダといった雷撃機を開発しますが,安定性や信頼性に問題があり,また,ソードフィッシュの安定性と操縦性に慣れたパイロットはこれらを嫌ったため,一部を更新しただけにとどまりました.
 英国が第一線で使える艦上雷撃機を持つのは,アメリカのアベンジャーが給与されるまで待たなければなりませんでした.

 こうした低性能なソードフィッシュでしたが,大西洋での海上作戦はノルウェー沖と対潜作戦が主であり,ここにソードフィッシュの生き残る道がありました.

 北大西洋やノルウェー沖は,季節を問わず非常に荒れます.
 こういった極限の環境下でも,ソードフィッシュは高い信頼性を発揮しました.
 特に,複葉機のため荒天時の発艦が可能であり,他機種の運用が不可能なほど荒れた海面でも,運用できるといった強みがありました.

 また,低空を低速でしか飛べないという欠点も,長時間,低空を低速で飛ばねばならない対潜作戦では,長所となりました.
 高い信頼性と練習機並みの安定性,操縦性は,航空部隊の拡充を容易にし,パイロットの疲労を軽減しました.
 敵戦闘機の心配の無い対潜作戦は,第二線級の任務ではありましたが,英国のシーレーンを守る重要な任務であり,ソードフィッシュにとってはうってつけでした.
 ソードフィッシュは,対潜・対水上レーダーを搭載したMk.3も作られ,索敵・哨戒に使用されました.

 ソードフィッシュの最後の作戦部隊,第836航空隊は,1945年5月21日に解隊されました.
 艦上雷撃機としては,すでにアベンジャーが千機以上も供与されており,戦争も先が見え,対潜作戦も護衛空母のF4Fや大型の対潜哨戒機が受け継ぐようになっていました.
 練習航空隊の一部が,最後までソードフィッシュを使用していましたが,それも1946年夏に解散となり,その歴史に幕を閉じました.

 結局,ソードフィッシュが生き残れたのは主戦場が大西洋だったからであり,海上での航空戦の発達した太平洋だったらまず生き残れなかったでしょう.

軍事板
極東の(以下略 in FAQ BBS(青文字部分)
黄文字:加筆改修部分

 まあ,後継機のアルバコアが余りにも最悪を極めてた,という事情もあったような.
 「ソードフィッシュ帰ってきてよ」の歌ってのもあったらしい…
 あと,太平洋みたいに有力な艦載機が飛び回ってる戦場じゃなかった,ってのもあるかも.

ディセプティコンなんでも参謀 in FAQ BBS


 【質問】
 どうしてもソードフィッシュは完全に旧式化してからの「長い晩年」の実績を持って語られることが多いけど,最新鋭機だった頃の評価や実績について知りたいと思ったり.

 【回答】
 ソードフィッシュは採用後,間もなく旧式化してしまった(苦笑
 採用当時こそ,艦上金属単葉雷撃機は米のデバステーターしか無かったものの,間もなく九七艦攻が登場してしまった.

 そもそも開発時点から,
「金属単葉機にしようか?」
って話があったぐらい
(フェアリー社からは金属単葉機案も提示されてたが,英航空省が複葉機案のほうを採用した)
で,当時から新しいとは言い難い設計だった.
 配備されて大して間もない1936年には,もう後継機の要求仕様も提示されてたから,大して期待もされてなかったんじゃないかと思われ.
(まあ,その後継機に,また複葉のアルバコア選んじゃうあたり,英航空省が何考えてのかが分からんのだけど…)

 実績についても,大戦間の機体だから実戦はWW2始まってからだし,もし後継機開発がうまくいってたら,あっさり退役して『世界の駄っ作機』あたりで,
「操縦性は悪くなかったようだけど,採用当時から旧式で低性能.
 何のために開発されたのか分からん機体だったなあ」
とか書かれてたかも(苦笑

軍事板,2003/09/11-09/12
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ソードフィッシュで三度雷撃したことがあるような凄いパイロットは,この世に存在するのでしょうか?
 日本では三度雷撃して生き残ったパイロットは,数人しかいないようですが.

 【回答】
 ソードフィッシュの帆布張りの機体は,被弾しても比較的大きな損害になりにくかった.
 日本の特攻隊で,複葉の練習機で体当たりした部隊があったが,この場合も同じ現象(帆布張り機体の意外な抗堪性の高さ)がみられたと聞く.

 実際,ソードフィッシュ乗りだったチャールス・ラムという人の回想録では,何度も何度も雷撃を行ってる.
 主に地中海方面の敵港湾への夜間奇襲だけども.
 スツーカと遭遇したときの,
「やつらは稲妻のようなスピードで飛んでいた」
という描写にはワロタ.

軍事板,2004/03/05-03/06
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WW2中,英空軍はアメリカの供与でB‐17を装備してたと聞きましたが,本当でしょうか?

 【回答】
 本当です.
 1941年当時のイギリス空軍爆撃航空団では,スターリングやハリファックスといった四発爆撃機がまだ充実していなかったため,配備機が増加するまでのつなぎとして,41年4月にアメリカからB-17を20機購入しています.
 これらは第90爆撃機中隊として編成されました.

 しかし,購入した機体は初期生産型のC型であり,機体設計もまだ洗練されておらず,武装も貧弱なものでした.
 編成が完了した第90爆撃機中隊は41年7月には最初の昼間爆撃に出撃しました.
 しかし,二ヵ月後には爆撃機として不備が多すぎるということで,実戦配備から外されてしまいました.
 その理由は,武装が貧弱であることやターボ過給器に不具合が多く出たこと,そして爆撃精度があまり良くない等でした.
 言うまでも無くこれらの欠点は,米第8空軍が使用したF型やG型ではすべて改良されています.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2006/02/17(金)
青文字:加筆改修部分

 1941年にB-17Cが20機引き渡されて,Fortress Mk.Iと呼称され,第90スコードロンに配備されました.
 初陣は,1941年7月8日のWillhelmshavenの軍港偵察で,この時は高々度偵察を行いました.
 爆撃機としては,1941年9月からEmden,Kiel,Brest,Willhelmshavenと言った軍港爆撃に使用されましたが,ノルデン爆撃照準器の扱いになれていなかったので,全弾外すという不名誉な記録を出してたりします.
 そうこうしているうちに,尾部銃座が無いことがウィークポイントであることが知られ,4機が11月にエジプトに送られ,Benghaziの爆撃に用いられました.

 1942年1月から残存機はCoarstal Commandの第220スコードロンに送られ,大西洋を飛行する哨戒機となり,7月まで使用されています.

 次いで,1942年半ばからB-17E/F/Gがそれぞれ供給され始め,それぞれMk.II,Mk.IIA,Mk.IIIとして用いられ,200機が引き渡されました.
 こちらも,同じくCoarstal Commandの第59,206,220,251,519,521の各スコードロンに配備され,大西洋の哨戒飛行と気象観測に用いられました.
 また,一部の機体は爆撃機軍団の第214,223スコードロンに配備され,ドイツのレーダー妨害に用いられています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2006/02/17(金)
青文字:加筆改修部分

B-17最終型(うそ)
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 ダムバスターとは?

 【回答】
 ダムの上流から水面すれすれに侵入し,ダム湖上で投下,湖上を跳躍させて魚雷防御ネットを飛び越し,ダムの内壁にぶつける爆弾です.
 爆弾は,ぶつけた後にダム湖に沈みますが,その後に爆発させ水圧を利用してダムを破壊します.
 超低空を飛ばないと爆弾投下出来ないので,記憶に間違いが無ければ,実行部隊は殆ど帰還していません.

 この爆弾による最も有名な攻撃は,「チャスタライズ作戦」である.ガイ・ギブソン空軍中佐を隊長とするRAF(イギリス空軍)第617飛行隊所属の,専用に改造された19機のアブロ・ランカスターにより1943年5月16日夜半から同月17日未明にかけて行われた,ドイツのルール地方のメーネ,エーデル,ゾルベの各ダムに対する同時攻撃である.
 結果は,出動した19機のうちの10機が撃墜されたが,攻撃自体は大成功を収め,メーネ・ダムに至っては戦後になるまで修復できないほど,完膚無きまでに破壊され,RAFに華を持たせた.
 さらに,この攻撃によるオマケの戦果として,決壊したメーネ・ダムからは3億3千万トンに達する水が下流の西ルール峡谷一帯に襲いかかり,この水害によるドイツ側の損害は記録に残っているだけでも,125箇所の工場,25箇所の橋梁,6500頭以上の家畜を押し流した上,約3000ヘクタールの耕地を耕作不能にし,民間人を含む1295人の人々を死亡させている.


 【質問】
 イギリスは急降下爆撃機無しで戦争したのは なぜですか?
 航空支援なんかはどうするつもりだったのですか?

 【回答】
 38年の時点でスキュア艦上急降下爆撃機が実戦配備についているので,急降下爆撃機がないというわけではない.
 で,この後の戦争見てりゃわかるけど,急降下爆撃機が必要な戦場が無かったし,それ以外に必要な機体がいっぱいあったので,急降下爆撃機の後継機は登場しませんでした.
(バラクーダは,とりあえず無視)

 そして戦争後半になって,そういう任務が発生したときには,すでに対地攻撃機としての急降下爆撃機は時代遅れになってました.
 ピンポイント攻撃なら,戦闘爆撃機にロケット弾を搭載すれば良い.
 具体的には,イギリスはハリケーンやタイフーンにロケット弾あるいは大口径機関砲を積んで,地上支援に当てました.

 ちなみにアルバコア複葉雷撃機も,一応急降下ブレーキ(フラップと兼用)があるので急降下爆撃はできる(意味あるかどうかは,おいといて)

軍事板


 【質問】
 夜間爆撃に切り替えなよ,と英空軍は米軍に忠告したそうですが,夜間爆撃だって大損害受けてない?
 ランカスターなんて製造機数の内半分近くを失っとるじゃん.

 【回答】
 もちろん夜間爆撃も損害は大きかったが,同じ護衛戦闘機が随伴出来ない地点を爆撃するのならば,夜間爆撃のほうが,ドイツ空軍夜間戦闘機の数と防空レーダーの性能に対する,連合軍側の電子妨害能力・夜間戦闘機キラーの数と,攻撃側としての優位を鑑みればマシな選択だったと言える.
 その為には英空軍や太平洋みたいに無差別爆撃をしないといけないけどね.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ホイットレイ爆撃機って何?

 【回答】
 アームストロング・ホイットワース ホイットレイ Armstrong Whitworth Whitley は,アームストロング・ホイットワース社製の全金属製大型双発爆撃機であり,第2次大戦初期に英国空軍で使用された.
 直線的胴体の機首と尾翼の後ろに動力式の砲塔を持ち,ぶ厚い主翼を備えていた.
 速度性能や高々度飛行性能が低かったため,主に夜間爆撃機として使われたが,1942年頃から次第に爆撃任務から外れ,グライダー牽引や輸送任務に用いられるようになった.

【参考ページ】
http://military.sakura.ne.jp/world/w_whitley.htm
http://en.wikipedia.org/wiki/Armstrong_Whitworth_Whitley
http://www.militaryfactory.com/aircraft/detail.asp?aircraft_id=309
http://www.raf.mod.uk/bombercommand/whitley.html
http://www.fleetairarmarchive.net/Aircraft/Whitley.html
http://www.xs4all.nl/~fbonne/warbirds/ww2htmls/armswhitl.html

ホイットレイ爆撃機
http://military.sakura.ne.jp/world/w_whitley.htmより引用)

【ぐんじさんぎょう】

昭和18年(1943年)12月号の『圖解科學』(中央公論社版)の航空特集号
第1特集「空の戦艦」と題し,連合軍側の重武装長距離爆撃機の開発と配備について詳しく解説
ホイットレー爆撃機の機銃座(写真左と中)や航空機銃の最新情報を

 第2特集は「成層圏飛行」として,ボーイング社の与圧装置や独ドレーガー式酸素吸入器(写真右)などを,戦時中の出版物とは思えないほど,写真や図版を多く使用して,最新航空技術を判り易く解説しています.

 こういう物を見るに付け,ここまで情報が判っていながら何故?…という,いつもの疑問が頭をもたげて来ますねー.
 やはりこれは,情報の片寄りがあったと言うべきか.
 因にこの雑誌,監修はあの物理学の仁科芳雄氏.

よしぞうmaro' in mixi,2007年05月28日02:26


 【質問】
 今,ヒストリーチャンネル見てるんですが,空母に着艦するモスキートを見ました.
 艦載型のモスキートは試作ですか? 量産されて海軍が運用したんですか?

 【回答】
 艦載型のモスキートは戦後,偵察機として配備されている.

軍事板

 Sea Mosquitoは,N.15/44仕様で開発が行われたもので,Mosquito Mk.VIを改造して着艦フックを取り付けた試作型(LR359)が,1944.3.25,E.M.Brownの手によって,Indefatigableへの着艦に成功しました.
 海軍型Mosquitoは,翼幅を延長し,四枚羽プロペラを装備し,5〜10%程度推進効率が向上しています.
 この試作型の他,LR387も改造され,夜戦仕様となっています.

 量産型は1945年秋から生産が開始され,11月に1号機(TW227)は初飛行,MosquitoT.R.33として制式採用されています.
 最初の13機は折畳み翼ではなく,脚も空軍型と変わりありませんでした.
 しかし,TW241から折畳み翼を装備し,脚は着艦用に強化されたLockheedの緩衝装置を装備しています.
 また,TS444/449の2機は脚無し着艦が可能な様に作られた特殊型でした.

 Sea Mosquitoは97機が発注され,50機が引き渡されました.
 雷撃任務には18インチ魚雷を1発を胴体下に,50ガロン増槽を2個翼下に抱えるか,50ガロン増槽の代わりに 30ガロン増槽を2個とロケット弾発射機2基を装備することも可能でした.
 これらのT.R.33は,主にFordの811Sqn,少数が703/706/762/771/778/790の各Sqn..に配備され,1947年まで使用されています.
 後,703Sqn.には試験用として,T.R.33にA.S.Vレーダーを取り付けたT.R.37(VT724)が1機だけ生産されています.

 このほか,仕様Q.19/45で,General AircraftがMosquito B.16を改造して高速標的曳航機T.T.39を作って,艦隊航空隊と地中海艦隊に配備し,811/777/778/780/787Sqn.では,1945年9月から訓練用に空軍のMosquito F.B.VIを引き渡されて慣熟訓練用に用いたり,複操縦装置付きT.3が1機海軍に引き渡されたりしています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板


 【質問】
 英空軍は大量の爆撃機でドイツを廃墟にしましたが,戦後,余った爆撃機はどうなったのですか?

 【回答】
 戦後,Lancasterは軍用機として英空軍籍に止まり,英連邦でそのまま軍務に就いたもの,Argentinaで爆撃機として余生を送ったものもあります.
 また,一部は輸送機に改造して軍で活動し,また,民間に放出されました.
 それらが,ベルリン大空輸の際,活躍しています.
 それ以外の大部分は解体されました.

 Lancasterの場合,1946年にBritishSouthAmericanAirwaysが6機,南アメリカ路線で運行していますし,50年代まで7機のLancasterが民間に(うち,1機はイタリアで)放出されています.
 もう一つ,その発達改造型Avro691は,TranceCanadaAirlineが1機を改造し,BOACは32機を改造して,豪州,ニュージーランドと言った,戦前のエンパイアボートの路線や南アメリカ線に投入されました.
 1946年には更に12機が完成し,7機が英国,5機はイタリアのAlitaliaに引き渡されています.

 また,Halifaxも同様に,民間改造型が作られ,BOACがアフリカ線に投入しました.
 その後,LondonAero&MotorServiceが6機購入して生鮮食品輸送に活躍しています.
 最終的に数十機のHalifaxが貨物輸送機として使用され,ベルリン空輸では41機が投入されました.
 変わったところでは,1950年9月20日にDailyExpressが主催したエア・レースに"AirVoyager"(G-AKEC)と言う機体が参加し,平均速度450km/hで24位に入っていたりします.

 Short Stirlingは輸送機バージョンとしてMk.Vが160機改造され,人員輸送に使用されました.
 これらはVickers Wellingtonに代わって,1945年から任に就き,英国〜欧州〜北アフリカ〜イラク〜インドの路線を運行していました.
 兵員輸送では,英国と中東を結ぶ路線を運行し,1946年3月まで,中東〜インド線に就航していました.

 Handley-Page Halifaxについては,爆撃機型は自由フランス空軍に引き渡されていたので,その解放後もかの国で爆撃機として一時使用されていました.
 また,戦後は,G.R.VIがCoastalCommandで哨戒機として使用され,最後の部隊は1952年までGibraltarで使用していました.
 このほか,空挺部隊輸送用に改造されたA.VII,A.IXも300機程度生産されて戦後まで使用されています.
 A.VII,A.IXは中東(特にパレスチナ),インドで1946年末まで使用されました.

 1945年からは,HalifaxC.VIIIが改造で出現しています.
 これは100機が改造され,各地で輸送任務に使用されました.

 Lancasterは爆撃機として,CanberraやLincolnが充足する1950年3月まで第一線の爆撃機として使用され,Coastal Commandで,Liberatorの返還後,その後継哨戒機として使用されています.
 こちらは,Shucl;etonやNeptuneが充足されるまで使用され,1954年に第一線を退き,最後の機体は,1956年10月まで使用されました.
 もう一つ重要な改造型は偵察機であり,1946年から1952年10月まで,西アフリカ,中央アフリカ,東アフリカ各地の測量任務に就いていました.
 これは,1953年12月まで使用されています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2005/09/04(日)
青文字:加筆改修部分


◆◆◆◆戦闘機


 【珍説】
905 :霞ヶ浦の住人 ◆iQXTBGahk. :2009/09/27(日) 15:29:27 ID:xUyBZd4a
>904
>896
>その生産数だと有効じゃ無いけど機体がほしいから部品の残ってる94機だけつくったとし>か読み取れませんが.

霞ヶ浦の住人の回答.
ご教示ありがとうございます.
>896を再度掲載します.

>元質問は下記です.
>852
>イギリスの戦闘機は7.7mm機関銃を使用していましたが,防弾が優れたドイツ機に有効だったんでしょうか?

>「有効だったんでしょうか?」と質問しています.
>1940年の時点で,大口径を装備するスピットファイアと共に,「7.7mm機銃を8挺搭載する」
>スピットファイアをイギリス空軍が生産していたという事実は,イギリス空軍は「有効だった」>と認めていたと,霞ヶ浦の住人は想像します.

 【事実】
 違います.
 あるものでとりあえず生産しただけです.
 日本で首なし飛燕が五式戦闘機になったようなものです.
 完成さえすれば,地上掃射なりなんなり,とりあえず使い道はあるからで,有効だから生産したわけではありません.

 大事な点ですが,スピットにおいて主翼と機体は別パーツです.
 だからこの場合,7.7mm×8版の主翼パーツが機体本体より余計に完成してしまい,死蔵するのも勿体ないので,後追いで完成した本体パーツにくっつけて完成させただけです.

 生産中止命令は即時発効するわけではなく,一定のタイムラグが生じ,その間にある程度の数は完成してしまうものです.
 7.7mm主翼はあくまでそういう経緯で完成した,余剰パーツに過ぎません.

軍事板,2009/09/27(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 スピットファイアは,他の爆弾のような増槽と違い,胴体部分にケースのような増槽を装備していたようですが,
・この増槽にはどのような特徴があるのでしょうか?
・これが他国(他機)に普及しなかった理由は何ですか?

 【回答】
 元々,本土防空用戦闘機として基本設計が為された機体ですが,それでも,設計開始当時は,巡航2時間,戦闘30分の飛行が可能でした.
 しかし,機関銃8丁装備要求が途中で追加されたため,主翼内に燃料タンクが装備出来ず,巡航1時間30分,戦闘15分に低下してしまいました.

 と言うわけで,燃料搭載量が当初から不足していたのですが,タンク増設のスペースが無く,内翼前縁とか後部胴体に申し訳程度のタンクを増設しても焼け石に水.

 仕方なしに,増槽を準備したのですが,これも装備するスペースが限られており,結果的にスリッパ型のものを装備した訳です.
 これには,30gal,90gal,170galの各容量のものがありますが,最も多く使用されたのは,30galのもので,90,170galはフェリー用でした.
 特に,170galを装備する場合は,操縦席後方に29galの増設タンクを使わねばならず,これでは機動性は期待できません.

 なお,MkIX後期型からは50galの筒型増槽が使用され,SeafireMk.47では,主翼下面に増槽が装備されています.

 他国にも同じようなスリッパ型の増槽が使用されています.
 日本では九七式戦闘機に装備されたものが有名です.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板


 【質問】
 第二次大戦開戦(1939年)の時点で使用されていたスピットファイアの防弾装備について教えてください.
 どの部分にどの程度の防弾処理が施されていたのでしょうか?

 【回答】
 初期型Spitfireについては,防弾鋼鈑が少なくとも操縦席後部のパイロット頭部部分にあり,防弾ガラスがCanopy前面にありました.
 但し,防弾ガラスや防弾鋼鈑については,1939年の時点で取り付けられたものであり,開戦時点では無い機体も在ったようです.
 その後,1943年に掛けて,パイロット背部,座席下,上部燃料タンク覆い,燃料タンク前面,冷却液タンク前面に防弾鋼鈑が装備され,Cウィングを付けた場合は,主翼の弾倉に防弾鋼鈑が取り付けられています.

眠い人◆gQikaJHtf2

スピットファイア Mk.5B
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 サンダース・ロー Saunders-Roe SR/A1って何?

 【回答】
機首にエアインテークを開口し、胴体側面に排気ノズルを有する双発のジェット戦闘飛行艇.
 二式水戦や「強風」に触発されて,1943年に計画提案.
 しかし陸上戦闘機が性能を大幅に向上したため,また,空母機が有用であることが明らかになったため,1951年に計画はキャンセルされた.

 【参考ページ】
http://tanks45.tripod.com/Jets45/Histories/SRA-1/SRA1.htm
http://www.militaryartprints.co.uk/saro_sra1_modern_aviation_prints.htm
http://www.airsceneuk.org.uk/hangar/museums/southampton/southampton.htm
http://www.ipmsstockholm.org/magazine/2008/06/early-british-jets-02.htm
http://en.wikipedia.org/wiki/Saunders-Roe_SR.A/1

【ぐんじさんぎょう】,2009/7/13 21:58
に加筆

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 ブラックバーン・ロックって何?

 【回答】
 超低空で艦隊に接近し,雷撃を仕掛けてくる敵航空機に対し有効な迎撃ができる艦上戦闘機として,英国海軍が1937年に発注した航空機.
 当初,海軍は,後方に旋回式の銃座を持ち,同航戦(敵機と同高度で同じ方向に進行しながら撃ち合う戦闘)に適したボールトンポール「デファイアント」に目を付けていたが,イギリス空軍が反対したため,ブラックバーン「スクア」艦上急降下爆撃機の操縦席後部に,ディファイアントと同様の7.7mm機銃×4挺装備の銃座を搭載し,代わりに主翼の機銃を全廃した.
 しかし実戦に投入してみると,すぐにその弱点(後部下方には無防備,前方も無防備)を突かれ,被害のみ増加したため,生産の追加注文・補充部品の生産は行われず,1943年には修理部品不足により退役した.

 【参考ページ】
http://en.wikipedia.org/wiki/Blackburn_Roc
http://military.sakura.ne.jp/world/w_roc.htm
http://freespace.virgin.net/john.dell/blackburn_roc.htm
http://www.fleetairarmarchive.net/aircraft/roc.htm
http://www.historyofwar.org/articles/weapons_blackburn_roc.html

側面図
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blackburn_Roc.pngより引用)

写真
http://military.sakura.ne.jp/world/w_roc.htmより引用)

【ぐんじさんぎょう】,2011/12/04 20:20
を加筆改修

 空飛ぶミートチョッパーだと思えば,それなりに使えそうな機体と錯覚するかも……
 学生時代に『宮崎駿の雑想ノート』を読んだ時には,完全に創作機体だと思っていまちたので(笑)

さかきまもる in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2011年08月25日 21:55


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