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「2ch.軍事板」◆(2003/06/21〜)高速ミサイル艇「はやぶさ」「わかたか」
レス回収済


 【質問】
 海自のミサイル艇1号は,イタリーのスパルヴィエロ級を
見よう見まねで作った,素人発想のフネ

 【回答】

 そんなことないと思うぞ.
 4次防のPT改,53中業のPMX…
 海自はミサイル艇については,慎重な上にも慎重だった.

 滑走艇にするか水中翼艇にするか,船型が最大の問題.
 後者ではペガサス級の導入案とか,日立造船のジェットフォイル改造案とかもあった.
 56中業の250トン型は,三菱重工主導の滑走艇だったが,結局計画だけで終わった.
 後のはやぶさ級も不審船事件の影響とはいえ,異例の予算成立後の船型変更.

 机上の試行錯誤を再三再四重ねた上での結論が,スパルヴィエロだったんだが…

軍事板,2008/07/11
青文字:加筆改修部分


 【質問】
>特に1号ミサイル艇の末路は省内の既得権益による汚点みたいなものだったからなぁ

 具体的に,根拠に基づいて詳しく.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月22日 12:22:29

 【回答】
 1号型ミサイル艇の建造開始が91年で,配備が93年,
 一方,88式SSMの配備は88年,陸自とはいえ生存性が高く,柔軟性も大差無い(ミサイル艇運用には陸上支援部隊が必要)装備が,既にあるのに配備された.
 しかも当時から,水中翼船の運用の難しさや海象への適合の難しさは指摘されていたし,シドラ湾爆撃やマンティス作戦で,小型艇の生存性の低さへの懸念も出ていた.
 このような整備の背景に,旧軍や米海軍同様に内部勢力の一つとして小型艇閥,現有同様に装備を保持する必要性を押す勢力が疑われ,『世界の艦船』の海自署名記事などからも,他閥と併せて存在が見えてくる.
 内部であり,関係者の断片的な記述からの類推になってしまうが,当時からの署名記事や退役幹部の著書などから,見解の温度差を拾ってもらえれば理解の助けになると思う.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月22日 14:39:44

「週刊オブイェクト」◆(2010年08月21日)コメント欄
青文字:加筆改修部分



 【反論】
 1号ミサイル艇自体は,魚雷艇の後継だ.
 余市の魚雷艇は,掃討や牽制に兵力の分派や拘置を強要し,それによって石狩湾岸に対する侵攻の“敷居を高くする”機能を負っていた.
 ミサイル艇1号型3隻は,魚雷艇の後継として,上述した機能を継承していた訳だ.
 そして,はやぶさ型が工作船対処を任務に加えることにより,PGは改めて存在意義を得,不本意ながらミサイル艇隊は2隻編成3コ隊に改編されて存続することになり,高速艇戦術のノウハウ継承の目途は立った.
 つまりPGは,予算および人員の不足により,最低限の「種苗の保存」レベルながら存続を許された訳だ.

>省内の既得権益による汚点みたいなもの
ではない.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月22日 18:03:34

 【再反論】
 高速艇戦術のノウハウ継承に役立ったというお話は理解しております.
 また,はやぶさ型は優秀な高速艇でしょう.

 しかし,そのためだけにミサイル艇を2代に渡って整備しつつける意義が,本当にあったのでしょうか?
 80年代ならともかく1号型が揃った93年,既に湾岸戦争でイラク軍の高速艇が駆逐される戦訓もあり,またペガサス型もこの年に退役しました.
 石狩湾岸に対する侵攻の敷居を高くするにも,自衛隊の持つミサイルキャリアとして,とりわけ生存性も柔軟性も欠くミサイル艇によらなければならない理由は乏しい…
 それは自衛隊自身が80年代に,資源をDDやDE,P-3Cに注力したことから明らかでしょう.

 その後はお書きになられているように,「工作船対処を任務に加えることにより,PGは改めて存在意義を得」るまで,ノウハウ継承という目的のはっきりしない悲惨な状況を強いられることになりました.

 本来なら有事での有効性が限られることが明らかな90年代に,米海兵隊よろしく小型艇関係者は生き残りのため存在理由を求めるべきだったのでしょうが,そうならず,工作船対応を求められても高価な電装品とミサイルを下ろす決断もできませんでした.
 そして100億するはやぶさ型をもって,20数億のつるぎ型やとから型と同じ任務に当たる現状に繋がっております.

 以上,このような目的を失ったまま,漫然とミサイル艇を整備した状況を指して.「省内の既得権益による汚点」と書きました.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月22日 20:42:52

 【再再反論】
 はやぶさ型以降PGは,近海の特定海域を哨戒するDEの排除を目的とした限定攻撃(端的には対水上戦になる)に対して,DEを掩護する目的を負ってたんだ.
 つまり,DE隊をPG隊や陸上基地の対潜ヘリが支援することにより,その対水上戦能力を倍加してDE排除の難度を高めることが,隠された目的だったと.
 ま,その構想は破綻したけど.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月22日 20:57:06

「週刊オブイェクト」◆(2010年08月21日)コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ミサイル艇はそもそも戦後,初の海上警備行動発令した事件で,北朝鮮の工作船に逃げられて,北朝鮮偽装工作船対策でできたの?

http://www.geocities.jp/hggcm317/jmsdfmsb.html
>これらの能力は,北朝鮮の高速工作船に対応したものであり,武装は76mm単装速射砲に強化された

 【回答】
 不審船(工作船)事案と,ミサイル艇の建造には,殆ど関係が無い.
 予算請求の段階で,後から不審船対応も可能,と言う内容が盛り込まれた程度.

 元々,海自創成の頃から魚雷艇を保有していて,それをミサイル艇へ更新したもの.
 不審船対策を中心としてミサイル艇を建造した訳ではない.

 仮に不審船対策中心なら,1号艇型は?

 それに76mm機関砲は,むしろ不審船対策じゃ使いにくい.
 76mmじゃ過剰だし,12.7mmが使えるほど近づくのは危険.
 火砲搭載要求は艇の大きさが増加した事,及び軽量OTOが実用化された事が契機になってる.
 事実,工作船事件を受けて変更される前,11年度概算要求のイラストの時点で,76mm積んでる.

 最高速40ノット強も,内閣府の注文では無い.
 元々.ミサイル艇1号型の要求仕様の時から,速度要求の定義はしてるし.
 水中翼艇では速度域の制御が難しかった(と言うより出来なかった)から,V型底の高速艇形式でのミサイル艇への変更が決定された.
 スパルヴィエロ級のパテント買ってるんだぞ.

軍事板,2010/10/20(水)
青文字:加筆改修部分

 【反論】
>最高速40ノット強は内閣府の注文では無い

 ちがう.
 工作船問題が起きるまでは,最高速度40ノット.
 制服組の基本設計は,200t以下の双胴船だったから,ちょっと波がでたら40knだって怪しかった.

 今のミサイル型は,
「海自の双胴船計画をやめて,最初から設計やり直しでできたもの」
って言う話は,海自とかマニアでは有名.

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 しかしミサイル1号艇を実際に運用してみると,波浪時の船体強度や耐航性が不足し,特に配備を想定していた,冬季の日本海での使用は,かなりの制限が加わることが判明した.・・・
 ミサイル艇1号型の調達が打ち切りになったころ・・・・
 従来のミサイル艇1号3隻分を差し引いた,「はやぶさ」型6隻の整備が決定される.
 「はやぶさ」型は,「ミサイル艇1号」の問題点であった,冬の日本海でも使用できるように,基準排水量は200tとなり,当初は双胴型の船体の採用を予定,要求速力は40ノット程度とし,平成11年度計画で1・2番艇2隻分190億円の予算が承認された.
 しかし1999年に,能登半島沖で起きた不審船事件で,北朝鮮の工作船が40ノット以上の高速を出す事が判明,当初予定していなかった工作船に対応する為,設計を大幅に改定することになり,要求速力を44ノットに引き上げ,赤外線装置の搭載・防弾板の追加・衛生通信装置の搭載などを行う為,新たに1・2番艇用に2隻分27億円が追加され,船体も双胴船体では40ノット以上の速力が困難だった為,滑走艇となり,当初の完成予想図とはまったく違う艦影となった.

http://weapons-free.masdf.com/sea/japan/hayabusamship.html
------------

 これははやぶさ型のwiki読んだだけで分かる話.
 以下引用.

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 同事件を教訓に要求速力が高められ,双胴型では要求達成が困難なため,単胴型となった.
 また,船体強度や耐航性確保,高速時における安定した航行のため,船底はV字型とし,船体の長さに対し幅が狭くなっている.
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軍事板,2010/10/20(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 はやぶさ型を海上保安庁にも保有させて,ロシア,中国,韓国,北朝鮮の不船舶を撃沈できるようにしたらいいのでは?

 【回答】

 いらない.
 そもそも「はやぶさ」の船体は,海保「つるぎ」を参考に設計されているし,余計な武装を積んでいる分,最高速力も「つるぎ」より遅い.
 はやぶさの4分の1の値段で建造できる「つるぎ」型を,量産した方がいい.

 「つるぎ」型の居住性で,何泊の勤務ローテーションに健康維持面で耐えうるか?
 そこが決定的なとこだと思う.
 当初の設計からいくと「つるぎ」型は,ほんとうに沿岸警備だけだから,せいぜい1泊か2泊なんだよな.
 石垣から丁度,100海里(往復200海里)の尖閣だから,平均20knでも5時間.
 往復で10時間以上かかる.(朝出航して到着がお昼.昼に寄港の途について丁度,家に帰って風呂入って,晩飯が食えるかどうかっていう距離.
(海況がよければ,若い妻が待ってるホームスピードは,我らの想像を越える速度だろうが<爆笑)

 つまり,「とから」型のような小型船を,大型巡視船と同じように現場に留めておくことはできないが,だからといって毎日,石垣島と尖閣諸島をいったりきたりするのでは,いろいろな面で無駄が多い.
 だから一航海が「日帰り」よりは「1泊2日」,「1泊2日」よりは「2泊3日},「2泊3日}よりは「3泊4日」のほうがいいのだよ.
 一日でも多く留まる能力をもてば,半年,あるいは1年という期間で見れば,石垣島ー尖閣諸島の往復200nmで消耗する,10時間のロスタイムと燃費が,それだけ節約できるからだ.

 だから最低でも,3泊の勤務に健康維持できるという条件で耐えるは必要だろ.
 「とから」型になると,救難の目的もったから居住区が大きくなってるから,救難目的外せば,もうちっとは長い航海が一応はできそうだよな.
(救難目的の巡視船はいろいろな救難用の装備,設備と救難,保護用の「スペース」をとってるわけね)
 尖閣諸島への便衣兵の上陸阻止の目的の場合は,その救難用の装備費用を,船速の向上とか放水銃の追加(注)とかに使い,被救難者用のスペ−スは,乗員の居住性向上(継戦能力の向上)のために使えばいいんだ.

 そのほか,放水銃を増設する必要がある.
 「つるぎ」型の場合は特に必要だと思う.

(注) 「とから型」は「つるぎ型」に較べておそらく,最大船速が10knくらい遅いだろう.
 だから少なくとも,最大船速が40kn以上くらいでないと,便衣兵が海路から上陸を狙ってきた場合に使うであろうと思われる高速小型ゴムボート(RHIB)を,放水銃などで阻止するための「並走」できない可能性が高い.
 だから最高速度を上げる必要がある.

 人民解放軍の偽装漁船がRHIBを積んでる場合には,ヘリでその偽装船を特定して,小型の高速巡視船に連絡することができるだろうから,小型巡視船は,それをマーク(並走)できる.
 だが,便衣兵がRHIBを下ろして突入開始する直前(つまり低速航行中)には,おそらく,数の力を利用して別の漁船が陽動作戦で巡視船を妨害(体当たりとか,間に割り込み)してくる可能性も高い.

 このまえの事件は,
「巡視船の強度を調べるとか,日本の海上保安庁,政府は体当たりに対して,どういう反応するか? など,なんらかの偵察行動だった」
という専門家の意見がある.
 「体当たり」が公務執行妨害で罰金や執行猶予で済むなら,組織的上陸作戦の本番のときは当然,いろいろな作戦を織り交ぜてやってくるね.
 だから,「体当たり」には船体射撃などして止める方法考えておかないと,体当たりされてる間に,別の偽装船がRHIB降して,島に突入ってことを許すことになる.
 それを防ぐには,「つるぎ型」や「とから型」が積んでる20mmバルカンでは非力すぎるから,最新の40mm速射砲とか,米の沿岸警備隊が使ってるような57mm以上の速射砲で,RHIB搭載漁船と巡視船の間に割って入ってきたり,命令でないのに巡視船に近づいてきたりする漁船には(警告を発し,それでも命令に従わない船には),その船の船首部を数秒で破壊できるような火力が必要だろう.

 同時に法制度の整備と,「船体射撃の条件」に関する国外への徹底した通達が必要だろう.

 尚,RHIBに対して火器の使用は止めたほうがいいだろう.
 国際世論の反発を招くだけだから,放水銃で対応すべきだ.

軍事板,2010/10/21(木)〜10/23(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 はやぶさ型,ミサイル艇「1号」型についての質問です.
 自艇に対するミサイルに対して,はやぶさ型は自艇の62口径76ミリ速射砲で対応するのでしょうか?
 また,ミサイル艇「1号」型の20ミリ機関砲についても同様の運用でしょうか?

 【回答】
 一号艇についてはたしか公式サイトに運用構想のポンチ絵がありました.

http://www.dii.jda.go.jp/msdf/oominato/yoichi/index.html
 ここで 第一ミサイル艇隊 → ミサイル艇の性能 で各項目の20mm機関砲のところをみると,対艦ミサイルに対するハードキルも考慮していることが分かります.
 しかし,どの程度これを考えているのかは不明なりよ.
 まぁ,ぶっちゃけCIWSとミサイル艇とどう違うんですか?という話と,20mm機関砲弾で対艦ミサイルは撃退できるんですか?とかそーいう疑問があるわけで.
 しかし,対艦ミサイルにもヘルファイア,ペンギン,ハープーン,グラニートと,大きさと射程もよりどりみどりで速度も様々です.


 【質問】
 はやぶさ型ミサイル艇は,対艦ミサイルに対してはどのように対処するようにできているのですか?
 不審船対策という名目上,必要無いと判断されているのですか?

 【回答】
 はやぶさ型は一応チャフランチャーを積んでる.
 そしてそれだけ.

 あの大きさのミサイル艇に,本格的な対艦ミサイル防御を求めるのは酷.
 OTO76mm速射砲ですら過大な装備では?と言われているくらいだし.
 一回り大きいのだとCIWSやRAM積めるし,さらにコルベット・クラスだと短SAM積んだりできるけど・・・

 敵がミサイル艇(小型で安価)に火力を振り向けてくれれば,護衛艦(大型で高価)の負担が減る訳で.

 まぁステルス考慮形状になってるし小型だから,普通の護衛艦よりは的にされ難いんでね?

 なお,不審船対策はあくまで補助的任務であって,ミサイル艇の主任務じゃありません.

チャフ・ランチャーの説明書き
ただし,はやぶさ型のものかは不明
(画像掲示板より引用)

軍事板

ミサイル艇うみたか

ぎんなんそう in 「軍事板常見問題 mixi別館」
2012年03月13日 01:26


 【質問】
 仮に「はやぶさ」級にCIWSをイモ付けするとして,どの位大きくする必要が有るんだろうね?
 今より100t以上大きくなるなら,運動性にも影響が出るだろうし….

 【回答】
 仰る通り難題なんです.
1.CIWS分だけ全長を長くする
2.旋回性の確保のため,縦横比を考えると幅も広がりRCSが大きくなる
3.排水量が増加する(貴殿の推定100tは鋭い指摘)

 更に
4.機関の出力増大(3基→4基)
5.CIWS駆動電源確保
6.航続時間確保のため搭載燃料増加
7.武器科隊員増加
8.問題の供食設備の充実

と,いろいろ肥大して200t位増加しちゃうかも?

軍事板,2010/04/29(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ミサイル艇「はやぶさ」は,200tの船体にSSMを2×2,さらに76mm砲を装備するけど,トップヘビーじゃないの?

 【回答】
 200tは確かに小さいのですが,旧ソ連のオサ-1級に相当します.
 オサ1級は,スティックス対艦ミサイル4基,30mm機関砲2門を搭載し,イスラエルの駆逐艦,エイラートをスティックス対艦ミサイルで沈めたので有名ですね.

 しかし,確かに荒天の外洋では,運用しにくい艦艇でしょう.
 思い切りステルスに作れば,それなりの運用方法もあるのでしょうが・・・

 一方,例えばイスラエルのミサイル艇,Saar 4.5は500トン弱の排水量で,

ガブリエル対艦ミサイル 6発
ハープーン対艦ミサイル 8発
バラク対空,ミサイル防御ミサイル 32発
76mm砲1基,バルカンファランクス1基.

の武装です.
 まあ,でかい分たくさん載せてはいますが,総体の排水量が増した分,「サール」級はおそらくは外洋での安定性,居住性も良好でしょう.
 海自のミサイル艇の火力としても,このぐらいは欲しい所だと思います.

軍事板,2001/08/13(月)
青文字:加筆改修部分


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