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Második felsõ Oldalára hátrálsz

◇◆斬首作戦対応
<◇海兵隊関連
<◆◆◆◆◆◆◆普天間移転問題
<◆◆◆◆◆◆沖縄基地移転問題
<◆◆◆◆◆沖縄基地問題
<◆◆◆◆在日米軍
<◆◆◆日米安保
<◆◆集団安保 目次
<◆日本 目次
東亜FAQ目次

斬首戦

(画像掲示板より引用)


 【link】

「Togetter」◆(2010/07/01)海兵隊の抑止力 台湾関連 decapitation strategy(訳:斬首戦略)

「週刊オブイェクト」◆(2010年01月05日)中国の斬首戦略と台湾侵攻シナリオ ←レス回収完了

「週刊オブイェクト」◆(2010年04月03日)メモ:台湾有事に於けるV22オスプレイの価値

「週刊オブイェクト」◆(2010年04月29日)アフガンで墜落したCV-22オスプレイの事故原因は機体の欠陥ではない

「週刊オブイェクト」◆(2010年05月08日)議会の承認なく動ける云々は別に海兵隊だけに限った話ではない

「週刊オブイェクト」◆(2010年05月25日)中国人民解放軍軍事科学院の江新鳳上級大佐が警戒する沖縄米海兵隊の抑止力

「リアリズムで防衛を学ぶ」◆(2010-03-20)台湾海峡の現在と,有事のシナリオ


 【質問】
 物理的には,なぜ普天間基地移設先は沖縄県内でなければならないの?

 【回答】
 普天間基地移設先は沖縄県内でなければならない理由・・・それは,地政学などといった御大層な代物を持ち出すまでもありません.
 事は単純に「ヘリコプターの航続距離の関係」だからです.

 米海兵隊の大型強襲ヘリコプターCH-53E「スーパースタリオン」は2000kmのフェリー航続距離を持ち,戦闘時にはその半分1000km以下の航続距離となります.
 戦闘行動半径は500km以下,装備状態にもよりますが300〜500kmぐらいです.

 それでは先ず台湾海峡有事を想定してみましょう.
 この際に日本政府は有事法を発動し,真っ先に下地島空港を接収,在日米軍に引き渡します.
 そして普天間基地の米海兵隊ヘリコプター部隊は,戦況次第で急ぐ必要がある場合は,強襲揚陸艦の到着を待たずに普天間基地から飛び立ち,台湾の首都・台北に直接ヘリボーン降下し,米軍による直接介入を果たします.
 そして帰りは下地島空港に降りて,燃料を補給して普天間基地に戻ります.
 普天間-台北-下地島は約1000kmで,これなら空中給油無しで作戦を行えます.

faq38u13f.jpg
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 下地島上空の航空優勢を完全確保できるようなら,出撃基地として利用できるようになり,輸送能力は大幅に上がります.
 以上,挙げた作戦計画は台湾海峡有事の際の対応手段の一つに過ぎず,有事となれば必ずこのような運用を行うとは限りませんが,そうなる機会があるならば,即座に台北へ直接ヘリボーン降下できる位置に海兵隊の航空基地がある事の重要性が,理解できると思います.

 朝鮮半島有事だけを考えれば,別に佐賀空港でも構いません.
 ですが台湾海峡有事を考えるならば,沖縄県内になければ即応投入は出来ません.
 ヘリコプターは巡航速度が遅い為,遠くから飛んでくると時間が掛かる上,パイロットの疲労の限界も考えれば,空中給油を繰り返して休養も与えずに戦場へ投入するのは可能な限り避けたい所です.
 例えば湾岸戦争でも,米本土からサウジアラビアに緊急移動展開したF-15戦闘機パイロットは,移動後の丸1日を休息として与えられています.
 その時間すら惜しい場合,常時実戦部隊が駐留している前線基地の存在価値が非常に重要になってきます.

 台湾海峡有事の際,開戦初頭に中国の特殊部隊が台湾行政府・軍指揮施設を占拠し,台湾軍の指揮系統を麻痺させ,本隊の侵攻を助けようとする手段に出て来た場合,もし自力で特殊部隊を排除できなければ組織的抵抗を行う事すら困難になります.
 そういった場合に外から介入できる戦力が用意されていれば,指揮系統を回復できる可能性が生まれるので,手札の一つとして「沖縄の米海兵隊ヘリコプター部隊」の即時介入能力が必要となってきます.

沖縄海兵隊の戦闘部隊,米「移転困難」 (2005年6月30日 読売新聞)
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 米側の説明は今春,日米の外務・防衛当局の審議官級協議などで伝えられた.
 それによると,中台有事のシナリオとして,中国軍が特殊部隊だけを派遣して台湾の政権中枢を制圧し,親中政権を樹立して台湾を支配下に収めることを想定.
 親中政権が台湾全土を完全に掌握するまでの数日間に,在沖縄海兵隊を台湾に急派し,中国による支配の既成事実化を防ぐ必要があるとしている.

 数日以内に米軍を台湾に派遣できない場合,親中政権が支配力を強め,米軍派遣の機会を失う可能性が強いと見ているという.

 中国は,台湾に対する軍事的優位を確立するため,地対地の短距離弾道ミサイルやロシア製の最新鋭戦闘機を増強したり,大規模な上陸訓練を行ったりしている.
 ただ,こうした大規模な陸軍や空軍の軍事力を使う場合には,米国との本格的な戦争に発展するリスクが大きい.
 これに対し,特殊部隊を派遣するシナリオは,大規模な戦闘を避けることで米軍の対応を困難にし,短期間で台湾の実効支配を実現する狙いがあると,米側は分析しているという.
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 このような,特殊部隊だけで全てを完遂する作戦は少し考え難いのですが,主力部隊と呼応しての作戦ならば,十分に有り得る事です.
 例えばソ連のアフガニスタン侵攻は,首都カブールに侵入したソ連特殊部隊によるハフィズラ・アミン議長暗殺から始まっています.
 これは同盟国の首挿げ替え手術作戦であり,台湾問題とは条件は異なりますが,同様の作戦を中国が行ってくる事を台湾は酷く恐れています.
 特殊部隊への対応の場合は,戦車や重砲といった大型装備は要らないので,ヘリコプターで輸送できる戦力で何とかなります.
 沖縄は米陸軍の特殊部隊グリーンベレーも駐留して居るので,海兵隊と共にこういった状況に対応できる戦力が集まっています.

 つまり,普天間基地を国外ないし県外へ移転しろという主張は,台湾を見捨てるという主張に繋がります.
 何年か前,民主党の長島昭久議員のブログのコメント欄がまだ使えていた頃,長島議員が普天間基地のグアム移設を主張していたので,
「沖縄の海兵隊は台湾救援用だが,台湾を見捨てるという主張と受け取って良いか?」
と聞いてみたのですが,長島議員はそれから突然黙って反応は無くなってしまいました.
 ・・・まぁ,親台湾派として有名になりつつあった長島議員としたら,「はい見捨てます」とは言えなかったんでしょうけれど・・・
 というより,もしそんな事を言ったら台湾人の独立派に,
「長島は台湾を裏切ったようだ」
と伝える気でしたけどね.

 沖縄の海兵隊は日本防衛用では無い?
 ええ,そうです.
 勿論,日本有事や朝鮮半島有事の際には沖縄の海兵隊は活用されますが,一番の目的は台湾防衛用です.

 では日本防衛用の陸上戦力とは?
 それは,ハワイ駐留の米陸軍第25歩兵師団です.
 日本の首都・東京は敵国からかなり遠いので,大陸と近い台湾の首都・台北のように一度に大量の特殊部隊を投入する事は困難です.
 そして敵正規軍の大規模着上陸があった場合,救援戦力は重装備でなければならず,自衛隊が時間稼ぎをしている間に,アメリカが大部隊を揚陸艦で輸送してくる手筈となっています.
 何故,日本に陸上戦力の大部隊を駐留させていないか?
 それは島国だからです.
 地続きなら韓国のように陸戦部隊を貼り付ける必要性が出てきますが,日本は海を隔てているのでその必要がありません.
 台湾のように首都が大陸と近すぎるような問題も無いですし.

 沖縄の海兵師団は台湾防衛用で,ハワイの陸軍師団が日本防衛用であるという事は,基本事項として抑えておくべき事実です.

<以下,同コメント欄より>

 あの,一台湾人としての見解を言わせていただきますね.

・中国特殊部隊により台湾軍指揮システムの麻痺
 中国にとっては理想だが,幾つ克服しないといけない難関がありますね.

1.特殊部隊の侵攻は,増援部隊の到着が前提です.
 でないとただの捨て駒です.
 特殊部隊出発→増援部隊集合,出発では間に合わないので,増援部隊集合,待機→特殊部隊出発,台湾政府制圧→増援部隊出発,という寸法が合理的です.
 そうなると,増援部隊の集合が特殊部隊侵攻の兆しになります.
 大部隊の集合は非常に察知しやすく,我々の政府要人は恐らく敵部隊集合中を察知した時点で,どっかに疎開します.
 当然もう台北市内にはいません.
 特殊部隊がうまく台北市内に降下しても,要人の行方を知らなくては,どうしようもないです.

・特殊部隊の侵攻は,制空権を奪うことが前提ではないか?
 台湾の戦闘機,防空ミサイルをどうやって片付けるのか?
 確かに中国のミサイル攻撃で壊滅させる可能性はあります.
 戦闘機を狙えなくても,空港滑走路を破壊すれば戦闘機はお仕舞いですし,防空ミサイル陣地はそのまま壊滅です.
 しかしこれも幾つ難関があります.

1.ミサイル発射も前触れがあります.
 固定サイロなら燃料注入時察知できるし,移動発射ランチャーといっても常にミサイルを背負っているのではありません.
 平時は格納庫に格納しているので,運び出した時点でばれます.
 戦闘機は,中国ミサイル発射を準備始めた時点でスクランブル離陸し,空中に退避待機させます.
 防空ミサイル陣地は,固定式ではやられる可能性はあるが,移動式(移動ランチャーとレーダー車とのセット)に切り替え中のはずです.
 空港はさすがに弾道ミサイルを防御できない,
 そのため滑走路えて,高速道路で発着できるよう練習しています.

2.中国弾道ミサイルの半数必中界(CEP)では,保有中のミサイルを全弾打っても,台湾全土の軍用空港,民間空港,わけのわからないところになぜか存在する,長くて広くてまっすくな農業道路を全部,発着不可能までズタズタすることはできない,という試算もあります.
 しかも滑走路以外も狙わないといけないところ(陸軍基地,海軍基地など)がいっぱいあるのに,です.
 私は,特殊部隊の狙いは政府要人などよりも,こういう固定基地への襲撃だと思います.

 結論からいうと,台湾の防空戦力が生ているうちでは,特殊部隊も増援部隊も無事到着すら難しいです.

 ではアメリカ沖縄海兵隊はなんの意味があるのか?というと.ブログ主の「台湾防衛用」よりも「台湾有事に備えるためだ」と思います.

 ただ,アメリカが考えた「台湾有事」は,もっと範囲が広いではないかと考えます.
 中国による台湾侵攻だけではなく,台湾自体が日米に矛を向かわせた可能だって,ゼロではないです.
 尖閣諸島問題でも意図的に日本に挑発しています.
 あの「もしキリスト復活したら?」という命題に対して対策を考えたアメリカが,台湾が自ら中国の手先になる可能性に備えないわけがないでしょう.

 私見ですが,沖縄にアメリカが海兵隊を駐留させることは,アメリカにとって非常に作戦の幅を広げます.

・平時でも沖縄にアメリカ軍が存在しているだけで,中国の目のの瘤です.
(今年の水害,普天間基地から救援がきてありがたいです.
 沖縄県民およびアメリカ海兵隊ありがとうございます)

・台湾有事(台湾が日米側)では,中国にとって,侵攻のリスクを大幅上げます.

・台湾有事(台湾が中国側)では,台湾に対する先手を打てます.
 台湾は日本シーレーンの重要拠点であるが,万が一この拠点が自ら中国に付くとしたら?
 日米はこれに備えるため,「いかなる手段」でも拠点奪回しようであれば,場所的に沖縄アメリカ海兵隊が先陣を切る役割を持ちます.

・台湾有事で台湾を見捨てる場合,台湾滞在中アメリカ人を撤収することにも使えます.

 以上,浅い知見を申し上げました.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月24日 03:00:12


 素晴らしい知見をご披露頂きました事を感謝します.
 台湾人自身から「台湾が敵に回る事を考慮せよ」と仰られるとは,驚きと共に,安全保障とはあらゆる可能性を考慮しなければならないことを痛感しました.
 このような事は,なかなか言えるものではありません.
 相手側の視点に立って考える事が出来る冷静な頭脳をお持ちで,見識の高さを伺えます.

Posted by JSF at 2009年12月24日 03:36:43

「週刊オブイェクト」,2009年12月21日付
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 斬首作戦に関する軍事的状況は?

 【回答】
 前の日記では,台湾人が決して中国共産党政権に降伏はしないというのを書きました.
 では,台湾有事が起きた場合,日本と中国が交戦したらどうなるかを書いてみます.

 まず中国は斬首戦術を行った上で,部隊を台湾に上陸させます.
中国の斬首作戦と台湾侵攻シナリオ : 週刊オブイェクト

 おそらく,中国人民解放軍陸軍南京軍区の特殊部隊「飛龍」特殊部隊が,台北に突入して中華民国政府の総統府以下政府と軍の中枢を抑えるかと思われます.
 さらに東海艦隊両用偵察中隊も,この作戦に参加するかと思われます.
特殊部隊の一覧 - Wikipedia

 これに対して沖縄の米海兵隊第31海兵遠征部隊(31MEU)が,台北に突入,飛龍特殊部隊と交戦する事になります.
 さらに米軍は台湾軍に,指揮下に入るように指示を出すでしょう.
 前の日記でも書いたように,台湾人は一党独裁政権に屈するくらいなら最後まで戦う意思がありますから,本省人(台湾人)が幅を利かせてきた中華民国軍は,米軍の指揮下に入る可能性は高いのです.
 また,斬首戦術で台湾政府の中枢が抑えられても本省人が多い南部では,地元自治体の首長による臨時の正統政府が建てられれば,抵抗運動を指揮するのは可能です.
 そうなると中国軍は,米軍の補給ルートを抑えるために,琉球諸島に空軍と海軍の部隊を派遣する事になります.
 なお,琉球諸島への上陸はまず考えられないと思われます.
 これは中国側が台湾攻略を優先するために,揚陸艦などを日本側に向ける余裕がないからです.
 空挺部隊や海軍陸戦隊も同様です.
 さらにこれに乗じて,国境で対立しているインドやべトナム,さらにはロシアなどが侵攻する可能性も否定できず,南京軍区だけで戦うとすれば,対日上陸作戦に振り分ける地上兵力などないからです.

 まずは空軍から話してみましょう.
 おそらく台湾侵攻で台湾軍を相手にするのは,J-10戦闘機部隊がメインになると思われます.
 J-10の能力は台湾空軍のF-16以上で,空自のF-2に近いものがあります.
J-10 (航空機) - Wikipedia

 一方,F-15やF-22などの制空任務に特化した戦闘機を有する日米両国軍には,Su-30が振り分けられると思われます.
 F-15やF-22と戦うとすれば,それは当然の判断かとは思われます.
Su-30 (航空機) - Wikipedia
Su-27 - 航空軍事用語辞典++

 これに対してアメリカは,嘉手納の第18戦闘航空団のF-15Cと,アラスカから,第3戦闘航空団に配備されているF-22が嘉手納に再配備され,中国空軍に対応するかと思われます.
 これに対して中国空軍も,空輸されるアメリカ空軍の物資を運んだ輸送機の撃墜を行う可能性が高く,それに対応するために空自の部隊が出動する事になります.

 では,空自と中国空軍の戦闘はどうなるのでしょうか?
 米軍のF-15とも合わせて書いてみる事にしましょう.

 Su-30のAL-31ターボエンジンは,F-15のF-100にも匹敵する推力を持っていますので機動性は両者ともに同じと思われます.
 飛行時間は米軍が400時間,空自が240時間,中国空軍が180時間と,日米が優位にたっていますのでドッグファイトの腕では,日米に分があると見ていいでしょう.
 アビオニクスではSu-30はZhuk-27 N001の探知能力が130nmに対して,米軍のF-15Cに搭載されているAN/APG-63(v)2ASEAレーダーや,空自のF-15J改に搭載されているAN/APG-63(v)1レーダーは160nmと,Zhuk-27より射程は長いです.
 さらにAN/APG-63(v)3ASEAレーダーに換装されれば,即時に中国空軍の戦闘機を探知する事が可能になります.
F-15イーグル AN/APG-63レーダー・電子戦装置

 次に空対空ミサイルです.
 米空軍はAIM-120AMRAAM空対空ミサイルを,空自はAAM-4空対空ミサイルを保有しています.
 F-15Cに搭載されるAIM-120A/Bの射程は75km,F-22に搭載されるAIM-120Cは105kmとなっています.
AIM-120 (ミサイル) - Wikipedia

 空自のAAM-4は最大射程が100km前後で,AIM-120Cに近いと思われます.
 AIM-120は,発射母機の機載レーダーを用いて指令誘導を行いますが,AAM-4はJ/ARG-1中間指令誘導装置を用いて指令誘導を行います.
 J/ARG-1はESMにも探知されにくい,特殊な電波を使って誘導されます.
99式空対空誘導弾 - Wikipedia
J/ARG-1 - 航空軍事用語辞典++

 一方,中国空軍が保有しているR-27空対空ミサイルはR-27R-1が70km,R-27ERが120km,R-27ETだと130kmになりAMRAAMやAAM-4よりかなり長い射程を持っています.
 またAMRAAMやAAM-4と同様,打ちっぱなし機能も装備されています.
「日本周辺国の軍事兵器」◆R-27R空対空ミサイル(中国)

 ただ,アビオニクスにおける射程の問題もあるので,いくら長距離の射程を持つミサイルを持っていたとしても,先に探知されてしまっては全く意味がありません.
 アビオニクスの差から見れば,F-15CやF-15J改の方が有利かと思われます.

 もちろんこれは今現在の状況です.
 これからどう変化するかは予想がつきません.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年04月26日17:46

 台湾有事の話は明日にする予定でしたが,台湾が長距離ミサイルの開発再開に関するニュースが入ってきたので急遽更新します.
「週刊オブイェクト」◆台湾,長距離ミサイル開発計画再開,北京を射程圏へ
「リアリズムと防衛を学ぶ」◆台湾が長距離ミサイルで北京を狙う理由 〜台湾の防衛戦略

 台湾国防部(省)の楊念祖・国防部副部長(国防次官)は,立法院(国会)の答弁で射程が1000kmの巡航ミサイル「雄風二E」(Hsiung Feng 2E)の改良型を開発,北京まで射程を伸ばせる長距離巡航ミサイルの開発に乗り出しました.
 二つの軍事ブログから見ても明らかなように,台湾の馬英九政権が一転して長距離ミサイルの開発を再開した背景には,普天間問題で日米の関係が悪化した上に,鳩山首相が日米安保を破棄を匂わせる言動までし始めたため,馬英九政権はそれまでの親中政策のための政策を一転し,蒋介石や蒋経国と同様の,中国と対決する反共右派路線に戻しました.

 もっともそ,の鳩山政権も5月の普天間次第では辞任し,7月の参院選で民主党が敗退して小沢幹事長の力が失墜して,民主党の保守派が実権を握るか,または普天間絡みで解散・衆参両院選挙により自民党が政権の座に復帰すれば,元通りになるでしょうが,かつてのブッシュ・小泉の関係になるのはすぐには不可能でしょう.
 台湾がそれに危惧を抱くのも無理はありません.

 外省人(1949年の国民党の台湾入りした国民党員の中国人)を基盤とする台湾の馬英九総統と与党・国民党はそれまでの反共右派を一転し,台湾独立を牽制と落ち込んだ台湾経済を再建するために,対中融和路線に変更し,一時は中国との停戦協定にも踏み切る可能性すら見せ,さらには反日路線も取るようになりました.
 しかし対中経済交流は支持されたものの,反日路線は,哈日族の多い台湾の有権者から不評を買い,結局は親日政策に戻しました.

 さらに馬英九総統には,日本も自民党から民主党に政権交代してしまい,その政権が愚劣過ぎたという現実に 愕然としたのでしょう.
 それまで日米の安全保障により,台湾はたとえ政権交代して多少自己主張をしても,台湾は守られるだろうという認識でしたが,普天間でそれが危ぶまれている状況になってしまいました.
 そのため政策を,従来の反共右派の方針に戻したのです.

 もちろん普天間だけではありません.
 アメリカによる台湾への武器売却では,台湾側が要求していたF-16C/Dは結局不承認とされました.
 台湾としては,既に保有しているF-16A/Bでは,中国本土まで航続距離が持たないので,F-16C/Dを保有すれば,イスラエルがよく行っている敵地先制攻撃が可能になるからです.
 しかし2006年には,ブッシュ大統領が台湾へのF-16C/Dの輸出を差し止めた経緯もあり,オバマ政権でもそれが覆られなかった事から,ついに独自の対中攻撃能力を開発する事になったのです.
「日本周辺国の軍事兵器」◆F-16C/D戦闘機「ファイティング・ファルコン」(台湾)

 なお,1980年代でも同じように,台湾へのF-16の売却が進まなかったことから,台湾ではF-KC-1戦闘機を開発しましたが,それと同時に核開発もしていました.
taiwan-nuke

 台湾の核開発は,アメリカの強い要求で断念せざるを得なくなりましたが,台湾が生存のために再び核開発をする可能性は十分にあり得ます.
 中国に侵攻されたら,全てはおしまいなのですからね.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年04月26日21:24

斬首作戦
(うそ)
(画像掲示板より引用)


 【質問】
沖縄基地のこれだが - finalventの日記
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 で,話戻して,ほぉと思ったのは.

>   この状況設定が私個人の妄想と思われない為にも,アメリカ側
>   が実際に想定した状況であることを新聞ソースで示しました.

 で,出てくるのが「沖縄海兵隊の戦闘部隊,米「移転困難」 (2005年6月30日 読売新聞)」という,読売新聞記事くらいしかないのか,というのが,ちょっとがっかり感.
 もう少し公開されているのではないかと思うのだがわからないので.そのあたり米側の資料が見えないと,きちんとした議論にならない.

 まあ,軍事に詳しい人なら,読売のべた記事でもわかるというのもあるかもしれないが.
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 【回答】
 私が言う「この状況設定」とは,「敵特殊部隊への対処」を指します.
 元記事を読めば分かりますが,そう読み取れる筈です.
 つまりfinalventさんは,読売新聞の記事以外で,
「中国が特殊部隊を用いて台湾に侵攻する」
という状況設定について記したソースがあれば,がっかりしないという事になります.

 それでは紹介しておきましょう.
 以下は2004年に書かれたアジアタイムズの記事で,2006年に緊張が高まるかもしれないという前提で,台湾海峡危機について書かれたものです.

The year to fear for Taiwan: 2006 - Asia Times Online
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If China ever makes the decision to invade Taiwan it is unlikely to be a large-scale Normandy-style amphibious assault. The reality is that China is more likely to use a decapitation strategy. Decapitation strategies short circuit command and control systems, wipe out nationwide nerve centers, and leave the opponent hopelessly lost. As the old saying goes, "Kill the head and the body dies." All China needs to do is seize the center of power, the capital and its leaders.

(中国が台湾を侵攻する決定をするならば,それはノルマンディー型の大規模揚陸作戦になりそうではありません.
 現状は,中国は"斬首戦略"を使用しそうだという事です.
 斬首戦略は指揮統制システムをショートさせ,国家中枢神経は麻痺し,敵を絶望的な迷走状態に陥らせます.
 古い格言にはこうあります,
「頭を殺せ,そうすれば本体は死ぬ」.
 中国がしなければならない全ては,首都を占拠し指導者を捕らえる事です.)
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 かなり長い記事ですので,冒頭だけ抜き出して見ました.
 "斬首戦略"とは,明らかに特殊作戦に重きを置いた戦略である事を意味します.
 実際に,特殊部隊を使用する事が,記事後半に出て来ます.
 アメリカ国防当局者の懸念する「台湾乗っ取りシナリオ」であることも書かれています.
 「Call in the US Marines?」なんて見出しもありますね.
 このように,読売新聞に書かれたアメリカ側の想定と,ほぼ同じ想定です.

 そして不可解なのはfinalventさん,貴方は5年前にこの記事について言及している筈なんですよね・・・

米国は台湾への軍事支援を強化してきている:極東ブログ(2004.12.22)
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 ニュースとしては以上なのだが,「ジェーンズ・ディフェンス・ウイークリー」の記事を書いたWendell Minnickについては,Asia Pacific Media Servicesというサイトで近年のエッセイをまとめて読むことができるので,今回の報道との関連あるかとざっと見渡した.うかつにも驚くべきものがあった.
 なかでも,今年の4月の記事だが"The year to fear for Taiwan: 2006"(参照)では,中国軍がどのように台湾を軍事侵略をするかについてのシナリオが掲載されていた.
 あくまで軍事的な意味しかないのだろうが,読んでいて私などには空恐ろしいものであった.
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 5年前に御自分で言及していた記事を,思い出せませんでしたか?



<以下,コメント欄より>

 アジアタイムズは中国の香港のメディアで,アジア地域での英字新聞で,最も発行部数が多かったと記憶しています.

 現行軍事戦略の一次ソースって,普通は秘密ですよ.
 出しても良い情報だけ小出しにする程度です.
 で,それがこれです.

Posted by JSF at 2010年01月05日 18:11:22



 調べてみたら,ブログ「地政学を英国で学ぶ」に首切り戦略について簡単な説明があったわ
http://geopoli.exblog.jp/6738529/
http://geopoli.exblog.jp/6747211/

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月06日 00:41:22



 日本で出版されてる,中国軍に関する軍事本や,中国国内の軍事書籍を読むと,「斬首戦略」は割と頻繁に出てくる言葉だと思います.
 それらを読むと,弾道ミサイルや巡航ミサイル,誘導爆弾や特殊部隊を用いた敵中枢部への攻撃を指していて,湾岸戦争以降のアメリカの手法から影響を受けているそうです.

 中国の場合,軍区ごとに特集部隊が配備されてますけど,台湾侵攻の場合,南京軍区から出動するんでしょうか?
 日米みたいに中央から指示を受けて活動する特殊部隊群は存在しないんでしょうか?

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月06日 10:18:54



 兵法三十六計之第十八計「擒賊擒王」というのがあってですね・・

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月06日 17:45:34



 2007年4月号の「軍事研究」誌でも記事になってた.
 mixiのあるコミュニティで,某氏がJSF氏に報告してたよ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月07日 00:14:43



 敵の組織や命令系統の破壊は,狙撃の教本レベルでも教える基本だからね.
 そこまで大それた話にならなくても,普通に出てくる.

 そして近代だけを見ても,支配体系の掌握を狙うなんてのは,チベット侵略やチェチェン侵攻,アフガン侵攻,キューバクーデター演出失敗事件なんかを見ても,大量に出てくる.
 チベットですらやらかして,何の反省もせず逆ギレまでする中国政府が,台湾では絶対に安全なんて,おかしな話だし,そもそも中国政府自体は武力を否定どころか,法的根拠まで与えてしまった.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月07日 21:04:35



The year to fear for Taiwan: 2006
By Wendell Minnick
 この文章の翻訳がこれ.
http://flurry.g.hatena.ne.jp/flurry/20100110

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月11日 00:19:54



米議会報告書に台湾有事の分析があります.
http://www2.jiia.or.jp/pdf/resarch/h20_PRC/Military_Power_of_PRC_2008.pdf

 既に日本語です.

 Wendell Minnick 記者の妄想ではないことが良く分かることでしょう.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月11日 01:04:37



 finalvent氏の追記・自己コメントに見過ごせない所が2つ.

1.「現下の問題はシビリアンコントロール側」と言っているが,そもそもより良いシビリアンコントロールを行うためには,有事を冷静に考えることのできる土壌を作ることが必要なのに,現下の問題じゃないと言うのは話題逸らしでしかない点.

2.他人に米側の最新資料を要求しておいて,自分は
「なにか別の因子がありそうです(たぶん核兵器運用)」
とか言っちゃう点.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月07日 12:57:49

「週刊オブイェクト」,2010年01月05日付
青文字:加筆改修部分

中国の台湾攻略作戦 米国防次官補代理が証言
>中国軍が実際に準備している台湾攻略の作戦としては
>(1)海上封鎖
>(2)特別ゲリラ投入を含む限定目標攻撃
>(3)空爆とミサイルによる限定攻撃
>(4)水陸両用上陸作戦−などを挙げ,
>そのための軍事力と要員を増強している,とも述べた.

 これは米国議会の先月18日の公聴会で,マイケル・シファー国防次官補代理が,中国と台湾の現状について証言したもの.
>(2)特別ゲリラ投入を含む限定目標攻撃
に対処する役割が,沖縄の海兵隊ヘリコプター部隊だ.

軍事板,2010/04/02(金)
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」
「中国軍特殊部隊による台湾攻撃」という愚(追加あり)

2010年01月04日 17時30分59秒 | 防衛問題

 〔略〕

@台湾は正式には国ではない

最も重要な部分がこれ.
国際的には承認されていない.簡単に言えば,宙ぶらりんの曖昧な地位にいるのが台湾である.中華人民共和国と中華民国の言い分のどちらが正しいか,正当性があるか,というのは定かではない.ただ,外見上の中国というのは中華人民共和国政府であるように見られている.安保理は現実に中国がイスに就いているわけである.

台湾が国際的に正規の承認を受けた国家ではないことは,誰しも知っている.
けれど,実効支配は戦後の台湾政府(とりあえず今はこう呼ぶ)が行ってきていて,WBCの代表チームも中国と台湾で別々であるし,五輪なんかも中華台北とかいう名称で出場している.

海外における多くの識者は,中国と台湾が一つの同じ国家であるという認識は正確にはもっておらず,基本認識としては別々な国のように見ている.ただ,国際関係の正規の立場からいえば,やはり明確に決着がつけられているわけではない.


A中国人民軍は台湾解放軍ではない

仮に,中国が台湾に特殊部隊を送りこもうという場合,中国は台湾に新たな独立政府を樹立させたりする必要性がない.何故なら,そもそもは「一つの中国」なのであり,台湾は中国領であるという認識だからである.なので,台湾を軍事的に占領支配したとしても,それは「国内での活動」という立場をとるのであって,別に台湾を独立させるとか,新たな政権を樹立するなどという手続を必要とするわけではないし,そういう意図も無意味である.

なので,仮に台湾政府中枢を崩壊させ,中国が軍事的に占領支配を完結できたとしても,それは「中国国内の出来事」に過ぎない.すなわち,中国が台湾に傀儡政権のようなものを樹立するという意図がそもそもおかしいのであって,あるとしても,完全吸収して大陸側と統一してしまう,というようなことだけである.


B介入側にこそ特殊部隊を送り込む意味がある

台湾に少数の米海兵隊や特殊部隊を送り込む場合,これには意味があるのである.どういう目的があるかといえば,例えば「新政府樹立」を宣言させ,国外に政府機能を逃亡・移転させる,というような場合である.つまり,中国人民軍が台湾に手出しした途端に,台湾政府に独立を公式に宣言させ,これを支持・支援するという名目や,中国人民軍による戦争犯罪や虐殺等が行われているという介入の大義名分をもって軍事的に台湾介入を行う,ということである.

よって,中国人民軍により台湾の政府中枢が攻撃されたような場合においては,適当に正統性のありそうな台湾政府要人を台湾から脱出させ,国外において暫定政権樹立とかを米国及びその他複数国の立会いなどで認めることとし,当該暫定政府との協定を米軍その他が締結して,台湾に本格介入するといったような手続を行う,というようなものではないだろうか.国家としての国際承認は戦後でも可能であるので,暫定政権さえ維持されればいいというようなことでは.

本当に即応というのが必要とされるのは,こうした事態の場合である.

現実には,軍隊派遣などの場合であると,安保理決議を経る手続が必要となるので,拒否権がある限り中国は反対できる.そうすると,米軍及びその他協力国の軍隊派遣は,国際法違反となり得る.中国側の主張としては,内政干渉であるということも可能である.現に,チベットに中国人民軍が侵出したといっても,米軍等外国軍は介入してはいまい?要するに,そういうのとほぼ近いのである.


C中国人民軍が台湾を占領支配する利益とは?

よくオタなんかが言うのが,中国には台湾に向けて発射できる大量のミサイルを保有している,というものがある.確かに攻撃可能性ということをいえば,そうなのだけれども,それを打ち込むと台湾の経済的価値は大幅に毀損される.また,軍事的占領政策が実行できたとしても,長期に渡る内政不安とかテロなどが頻発するようになることが予想されるので,台湾の価値はもっと低下することになるであろう.中国に対する世界的非難は大きくなり,大陸側の商売にさえ大きな支障を来たすようになるであろう.

そういったトータルの収支を予想するなら,台湾を軍事的に攻略して占領支配し,完全統一を目指す必然性というものはないだろう.何故なら,現在においても,台湾は中国であるということを他国に半ば強制的に認めさせていることに成功している,という背景があるからである.経済発展の協力を行う方が,双方にとって都合がよいのである.

もしも,本格的な世界制覇の野望のようなものを抱くのだとすれば,中国が世界経済から切り離されてもよいというくらいの,超強力な軍事力と経済力を持ったような時で,そういう世界制覇の野望を達成する為に足場をひとつずつ確保してゆこうというような場合なら,台湾を獲るかもしれない.遠大な「信長の野望」みたいなものかもしれんけど(笑).台湾を獲れば,日本や南方のアジア圏攻略にも有利に作用する可能性が高まるから.果たして,そんな計画をもって長期的な軍事戦略を実行してくるのだろうか,という疑問はかなりあるわけではあるが.


D南オセチア問題とコソボ紛争

08年にグルジアが侵攻したことで軍事衝突が発生した.南オセチアも台湾とやや似ている問題である.

・グルジア→南オセチアの独立を認めず
・南オセチア→独立を宣言し別な政治体制を敷いている(一部国際承認)
・ロシア→平和維持軍として駐留,独立支持

グルジアが中国,南オセチアが台湾,ロシアがアメリカ,という構図であれば,ほぼ近いということになろう.
台湾は南オセチアみたいな状況にはないけれどもね.米軍が駐留しているわけではないから(笑).

前記Bで述べたように,台湾を分離独立させ,独立政府との協定などを締結・調印してしまうと,台湾に米軍が進駐することは可能となるだろう(2国間調印ではなく,あくまで複数国間というのが必要になる可能性は高いとは思うが).即応とは,そういうようなことである.

コソボ紛争では,米国やNATOのとった軍事介入によってやはり独立承認ということになり,同じく台湾に独立運動を働きかけて独立させる,ということを可能にするのは米国等介入側ということになるわけである.中国軍ではない.


中国がもし先に台湾に仕掛けてしまうと,これを口実として正式に台湾の独立を宣言され,それが国際社会で承認されてしまえば今の「中途半端」な事態よりも悪化するということになってしまうわけである.
なので,中国人民軍側から先攻して,特殊部隊を送り込んで台湾政府打倒みたいなことをやってしまうと,「白黒決着をつけさせる」ということの誘因となってしまい,逆効果となりかねないだろう.


Eアフガンの場合

ソ連が侵攻した時の話をする人たちはいるが,それは「侵攻(介入)側」の理屈である.現政権を転覆させ,新政権樹立に成功すると,軍事介入は正当化されるのだから.ソ連が去った後も,米軍やNATO軍が攻めていった01年以降であっても,同じく北部同盟などのうちから有力者をピックアップして暫定政権を作らせ,その政府との協定を締結するわけである.つまり,外部からの介入側にとっては,新政府を作らせる意味というものがあるわけである.アフガンの国内的に正統性のあったであろう「タリバン政権」を転覆させたのは,実質的に米軍やNATO軍ということになるわけで,特殊部隊云々という話はそういう事例だから,ということになろう.


◇◇◇◇


中国軍が台湾に送り込む場合というのは,立場が異なっているのであるから,現実の効力というのは別である.
例えば「内乱罪」とか「反逆罪」といった,「国内テロ殲滅」というような大義名分を正当化できる場合だけであろう.日本でいえば,四国が突如独立を目論んで自衛軍を結成し,武力で四国を封鎖するというような事態であろうか(笑).そういう国内騒乱みたいなことが発生したということなら,多分日本中の自衛隊のかなりの戦力を投入して,「四国独立自衛軍」を攻撃することになるであろう.要するに,そういうような事態が発生しなければ,中国軍が軍事的に台湾を攻撃する意味というのは,殆どないであろう.


あるとすれば,前述のような数百年単位で目指す「遠大な信長の野望」計画とか,持ってる戦力を試したくて仕方のないような軽はずみな指導者のマヌケな命令とか,そういう特殊な場合くらいではないか.
いやまあ,「そういう人間が登場しないと言い切れるのか」みたいな大袈裟なご意見が出されやすいとは思いますがね.そういう稀な事態さえもカバーしろ,とか言う人たちはいるんでしょう.

 【事実】
 米軍にとって大事なのは戦果とかじゃなく,武力介入できるとゆう選択肢と,タイミングを逃さない即応性だと思うのだが.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月05日 03:05:50



 なんていうか
「中共にとって台湾は国内だから,傀儡政権を立てる必要はない」⇒「中共が特殊部隊を送り込む必要がない」
になってしまうところが理解できないですね.
 台湾には軍があるわけで,目的は軍中枢を麻痺させるためで十分だと思うんですが.

 沖縄に基地が必要ないことにしたいばかりに,素人にもわかる理屈を,無理して否定しようとしているようにしか思えないですね.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月05日 05:07:49



 この人は台湾政権を武力崩壊させた後に,いきなり中国共産党の人間をポンと送り込んで,それで円滑に統治できると思ってるのだろうか…?
 台湾のクヴィスリングを利用して,傀儡政権を作った方が明らかに好都合,というか侵略の基本だろうに.
 名目上は国内だから即併合,なんてゲームのやりすぎだわ.
 中国になぜいくつも自治区・特区があるのか,考えたことはないのだろうか?
「自治政府だから"政権"じゃない」
とか考えてるなら,ただの勘違いだけど.
 論点整理が論点整理になってなくて,全体的に不必要な言及が多いし,そもそも元の議論自体をよく理解できてない段階なんだろうな.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月05日 06:24:03



 チベットや香港がどういう形式になっているのか,中国がそれらをどう利己的に利用しているのかを,完全に無視してますよね.
 そして,中国が台湾政府に対して求めている内容も無視してるよね.
 中国の傀儡政府とは,チベットの時の様な中国併合の為の移行措置に過ぎず,そこで台湾が中国を求めたのだという形式を踏んで,他に喧伝する為でしかありません.
 現時点でも中国は台湾が一部だと言っていますが,それだけで軍隊で進駐するには足りません.
 思っていると認めさせるは違うのだと,理解しなければいけません.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月05日 07:50:01



 2006年付近で懸念されたのは,他国が中国を悪者にしていたからではなく,中国が声高に叫んで軍事力を集中させたり,恫喝を繰り返していたからなんだが.

 その間,米軍は軍事行動やら抑制発言なんかで中国を牽制し続けたので,中国は苦々しく思ってるし,中国だけの誠意とやらで回避されたとは言いがたい状況なままだ.

 それからチベットに手を付け出したのは,地方軍閥だったという流れもあるので,党軍閥集合体である中国が暴走しないなんていう保証もない.
 始まっちゃったら「やっちまえ」になる可能性もある.
 中国が人権主義な善人国家に見えて仕方ない人達には,こういう問題はなぜか見えないんだろうけど.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月05日 19:36:33



 米国は中国に対して「中国の対台湾武力行使の放棄要求」を行ったが,それに答えた中国の回答は武力行使を伴う反国家分裂法で,これを発効したのが2005年.
 これにあわせて大規模な召集や演習が繰り返されたから,2006年危機として中国の暴走が危ぶまれた訳だ.
 中国が侵攻の根拠作りをはじめたから,2006年問題になっただけで,他国が中国を悪者扱いしたとかでは無い.

 中国の基本政策とは幹部の見栄であって,良心ではないのでifがおこってしまうことを,欧米と台湾は懸念していた.
 ベトナム懲罰やチベット問題みたいに理屈じゃない.
 また,地方や一部が暴走して有志による潜入クーデター等が発生し,なし崩し的に拡大するケースも恐れられた.
 あらゆる事態を想定して,早めに火消しを出来る,また武力前提の併合政策を思いとどまらせるというメッセージ性が,2005年以降,より重要になった.
 そういう流れなので,中国の暴挙が念頭にあり,なおかつ,米国にとってこれらの問題は冷戦時代よりも重視されているというのは外せない.

 事は台湾の併合に終わらず,米中危機にまで発展しかねず,そうなった場合,政治のみならず経済も世界中に大打撃を受ける懸念が大きい.
 政権だって下手打てば吹っ飛ぶ.
 米国どころか世界中にとって,よい事なんか何一つない.
 当然,沖縄にとってもだ.
 そんな緊張事態になれば,沖縄には今よりも更に大量の自衛隊やら米軍やらが押し寄せる事になる.
 後先考えずに火に油を注ぐ様なものだ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年01月07日 21:04:35

「週刊オブイェクト」コメント欄,2010年01月05日付より
青文字:加筆改修部分


 【反論】
 海兵隊は何年前からいたのかな?
 駐留は斬首作戦のためだっていうのなら,海兵隊に予知能力がなきゃ不可能だなwww

 【再反論】
 だから,変化した状況に対応するための米軍再編でしょ.
 兵器性能その他環境が変わったので,アジアで活動する海兵隊の後方支援・訓練基地だったのが,米軍再編で前線部隊化するんだよ.

 スーパースタリオン以前なら台北までヘリで直接往復できんかったし,中国の空海軍もしょぼかった.
 でも近年のアメリカの予算事情と,中国空海軍の増強により,訓練部門はグアムに移転.
 これが米軍再編.

 それに,そもそも駐留は斬首作戦のため”だけ”なのではなくて,斬首作戦”にも”対応できるようにというのが,JSFの主張だと思うんだが.
http://obiekt.seesaa.net/article/148109546.html

戦争板,2010/05/08(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 こうゆう意見を述べている人もいますが・・・

> 専門家の中には沖縄は台湾にも近いと言う人がいるが,
>台湾海峡危機に即応するのは第7艦隊であって,
>海兵隊が真っ先に飛び出して突入するという作戦シナリオはあり得ない.

http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/12/post_447.html

 ここと全然違うことを言ってるぞ.
 海兵隊は朝鮮半島有事に介入するためにあったものだから,なぜ沖縄に小規模の部隊を残す必要があるのか,米軍は説明しなくちゃいけないんだそうだが.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月28日 23:24:17

 【回答】
 何でもかんでも空母って言えば良いと思ってやがるな(笑)

 台湾有事の第一の即応は嘉手納の空軍戦闘機だ.
 第七艦隊の空母?
 優先順位が違い過ぎる.
 到着まで何時間掛かると思ってるんだよ(笑)

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月28日 23:44:33



>海兵隊が真っ先に飛び出して突入するという作戦シナリオはあり得ない.

---------------------------------------------
「沖縄海兵隊の戦闘部隊,米「移転困難」 (2005年6月30日 読売新聞)

 米側の説明は今春,日米の外務・防衛当局の審議官級協議などで伝えられた.
 それによると,中台有事のシナリオとして,中国軍が特殊部隊だけを派遣して台湾の政権中枢を制圧し,親中政権を樹立して台湾を支配下に収めることを想定.
 親中政権が台湾全土を完全に掌握するまでの数日間に,在沖縄海兵隊を台湾に急派し,中国による支配の既成事実化を防ぐ必要があるとしている.
---------------------------------------------

 これ見て分からんか?
 アメリカ自身が,「海兵隊が真っ先に飛び出して突入するという作戦シナリオ」を提示しているんだよ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月28日 23:53:52


 その記事を書いている人;

――――――
高野孟 - Wikipedia
 高野実(後の総評事務局長)の長男として生まれる.
 なお,気功師で毛沢東主義の新左翼活動家,津村喬は弟.

 かつては日本共産党の党員であり,同党離党後は共産主義労働者党の専従活動家となり,「黒木」名義で同党の機関紙執筆者となるなど関わりを持った.
 大学卒業後に共産党系の通信社「ジャパン・プレス・サービス」に入社し,広告・PR会社「麹町企画」勤務を経て,1975年よりフリーランスジャーナリストとして活動を開始し,ニューズレター『インサイダー』の創刊に参加する.
 1980年より株式会社インサイダーを設立し,代表取締役兼編集長として現在に至る.
------

 典型的な極左運動家.
 まぁ,まともな安全保障論なんて語れる筈が無いね.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月28日 23:49:19

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 どんな状況で中共の台湾進攻があるのかしらねえけど,第7艦隊が駆けつけて台湾海峡を封鎖するだけで,中共の詰みじゃね?

 【回答】
 だから,中共指導者に
「経済的利益やら何やらで米軍は介入しない.」
「第7艦隊は駆けつけてこない.」
という誤解をさせないために海兵隊が居るんだよ.
 そりゃ状況次第で,空軍でも海軍でもそういう役目は果たせるのよ.
 ただ,程度問題と得手不得手というのがあって,陸(海兵)海空取りそろえた方が,より柔軟に状況に対処できるだろ.
 要はチキンゲームの段階でどうすれば勝てるか,相手をあきらめさせるかだ.
 ガチンコの殴り合いに役に立つか,たたないかだけで語るのは片手落ち.

 だいたい,海兵が役にたたんなら空母も程度の差はあれ同じ.

 極論するなら,準備万端整え断固たる意志のもと損害顧みず侵攻してくる中共台湾侵攻軍に,いくら米空母が強力でも空母1隻で対抗できるか?
 だったら空母1隻派遣しても無駄って理屈も成り立つわな.

 また,斬首戦に対抗するには,海軍機動部隊では即応能力が不足.

軍事板,2010/05/08(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 中共の特殊部隊とやらが瞬間転移するわけもなく,台湾軍に気づかれずに台北の政府中枢だけを攻撃するのは,不可能では?

 【回答】
 潜入工作部隊という専門の特殊部隊がいます.
 戦略的攻撃を任務のひとつとしていて,その性格上,個々の能力を重視し,高い秘匿性を維持している部隊です.
 組織の規模の小ささを逆手にとって,通常戦力では不可能な秘匿性の高いシステムを確立し,心理戦,革命・政治工作,政権転覆,破壊活動,諜報活動,後方攪乱,要人暗殺,などなどを行います.
 スパイのようなもので,戦うというよりはテロを起こすといった感じです.
 もし台湾で中国がテロを起こす場合,その目的は台湾の指揮系統を一時的にでも混乱させることにより,台湾の抵抗を減らすことによる,中国側の損害の軽減をねらったものです.
 現状では中国は正規軍をさしむけて,台湾を中国のものにした場合のメリットよりも,台湾の抵抗による損害のほうが大きいです.
 そこで中国は,台湾がほしいがために特殊部隊という方法に頼るかもしれません.
 なので特殊部隊を使った際の中国側の損害を,中国が台湾を中国のものにした場合のメリットよりもでかくしないといけなくなりました.
 その答えのひとつが,沖縄の米軍であるのです.

Posted by ss at 2009年12月23日 22:33:38

 特殊部隊だけで台湾軍を無力化できるとは思えませんが,しかしもともとこの場合の特殊部隊の役割は,他の方も述べられているように正規軍と組合わせてこそ威力を発揮するものであり,JSF氏の本文記事でもそう言われています.

――――――
 台湾海峡有事の際,開戦初頭に中国の特殊部隊が台湾行政府・軍指揮施設を占拠し,台湾軍の指揮系統を麻痺させ,本隊の侵攻を助けようとする手段に出て来た場合,もし自力で特殊部隊を排除できなければ組織的抵抗を行う事すら困難になります.
 そういった場合に外から介入できる戦力が用意されていれば,指揮系統を回復できる可能性が生まれる
――――――
――――――
 このような特殊部隊だけで全てを完遂する作戦は少し考え難いのですが,主力部隊と呼応しての作戦ならば十分に有り得る事です.
――――――

とJSF氏の本文記事にあります.
 〔略〕
 それともうひとつ,〔略〕SF氏の本文記事に
>特殊部隊への対応の場合は,戦車や重砲といった大型装備は要らないので,ヘリコプターで輸送できる戦力で何とかなります.
>沖縄は米陸軍の特殊部隊グリーンベレーも駐留して居るので,海兵隊と共にこういった状況に対応できる戦力が集まっています.
とあります.
 アメリカの特殊部隊はもともと対ゲリラ作戦,対テロ作戦といった非正規戦のために組織された部隊なのでテロで,混乱してる国の首都に海兵隊が急遽進駐しても,迅速な対応ができます.
 アメリカの海兵隊は,そのような状況下で戦うための訓練を普段から重ねているのです.

Posted by ss at 2009年12月24日 15:13:59


 マングース作戦を受けてキューバという例もあるんだが.
 失敗しただけで,やらなかった訳じゃないぞ.

 ソ連は成功したが,米国が連携不足でグダグダになって,惨憺たる結果になっただけ.
 でも,やっちゃったんだよ,連中は.
 だから連中は警戒してるんだよ.
 自分たちがやった事を,チベットを侵略したり,ベトナムに侵攻したりする中国が全く考えない筈がないと.
 特に,こういう作戦は政治的に近しい段階になればなるほど,転覆計画が立てやすくなるので,逆に行われ易くなる.
 傀儡を立てられるチャンスを狙う訳だからね.
 中国に接近してるけど,統一はイヤっていう現状は,中国としては狙い目.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月22日 07:55:18


 昔の『月刊軍事研究』の記事で,オウムが計画していた戦力を最大限効率的に使用していた場合,兵力が足りないのでクーデターを成功させることは不可能ながら,東京の首都機能を一定時間麻痺させることは可能だったと結論されていたと思う.
 この一定期間の間に傀儡政権作れば,まさに斬首作戦だよね.

 90年代の日本でもこんな想定が成り立つんだから,現代の台湾で斬首作戦が遂行できないなんてのは,考えにくいでしょうな.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年02月27日 14:33:08

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 先日の沖縄近海における中国艦隊の行動ですが,艦隊に二隻の潜水艦が浮上航行していたそうです.
 潜航していたのなら,沖縄近海での作戦行動の予行演習だと思う(今回の艦隊行動自体そうなのではないかと考えていますが)のですが,態々浮上していたことに,何らかの意味はあるのでしょうか?
 それとも浮上したままでも問題無い(潜水艦が活動する為のデータがもう十分に揃っているので,潜航する必要が無かった,或いは浮上したままでも潜航時のシュミレーションが出来る)という事なのでしょうか?

2010年04月22日 03:39,キズメガネ

 【回答】
「今まで無かったことだから,相手が何を考えているのかわかんないの.今から調べるね」
というのが,防衛大臣の見解です.

 以下独り言

1,あの艦隊は,今は太平洋で訓練中のようです.
  たぶん「ロス級」あたり(「おやしお」も居たらうれしいな)が,どこかでくっついて聞き耳立ててるはずです.

2,,ぶっちゃけた話,浮上航行しないと,ディーゼル潜水艦は,洋上艦艇に追随できませんよね.

3,,潜水救難艦や補給艦,艦隊航洋曳船まで引っ張ってくるあたり,太平洋上での潜水艦救難訓練や洋上補給訓練でもするんじゃないかと.

4,,もしかしたら,太平洋上で訓練中に,何か重要なもの(ミサイルか潜水艦か何か)でも沈めちゃったんで回収に行ったのかも.

5,,ソ連のK-129が太平洋で沈んだときは,ソ連原潜が相次いで出てきて,捜索のために海底に向かってアクティブソナーを打ちまくるという,今までに無い行動に出たこともありました.

2010年04月22日 12:56,極東の名無し三等兵

 技術的な制限以外では,新聞記事ですけど...

――――――
中国艦隊の沖縄近海南下,偵察・挑発の可能性

 公海上では潜水して航行するのが通例である潜水艦が,浮上した状態で沖縄本島と宮古島の間を通過したことも,政府を刺激した.
 中国は台湾海峡有事の際に,米空母などの展開を阻む「接近拒否戦略」を進めており,政府内では
「艦船の訓練海域を広げ,海軍の能力向上を誇示した」
との見方が強い.
 海洋政策研究財団の小谷哲男研究員は,
「中国が目指す近海防衛戦略がかなり実行されてきたことを示している」
と分析した.
―――

 今回は公海でしたけど,潜水艦が他国領海を通過する際には浮上航行する義務があります.
(潜航したまま他国領海に入り込むことは戦争行為とみなされる.)

2010年04月23日 00:39,バグってハニー

 キロ型潜水艦の浮上航行速度は最大10ノット,巡航8ノット程度です.
 ところが他の水上艦は巡航15〜18ノット.
 本来は艦隊を組むべきではありません.
 通常は演習海域に行く場合でも,潜水艦のみ独航させて先に行かせ,後から水上艦を出して現地で合流するのが普通です.

>態々浮上していたことに何らかの意味はあるのでしょうか?

 ディーゼル潜水艦なので,原潜と違って浮上航行は平時なら普通にやります.
 数年前にも大隅半島の先を中国の浮上潜水艦が,通過していった事がありますので,珍しいものではありません.

 今回,異常なのは水上艦と浮上潜水艦が艦隊を組んだ点にあります.
 恐らく意図は・・・「見せる事」ただそれだけです.
 それだけの理由です.

2010年04月23日 19:56,JSF

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分

 監視をしていた海自のP3C固定翼哨戒機に,中国海軍の駆逐艦が速射砲を向けたのが,マスコミにはショッキングなようでしたが,これは軍事的には当然の事です.
中国海軍の駆逐艦が海上自衛隊P3C哨戒機に速射砲の照準を合わせ威嚇行為-東シナ海

 なぜなら海自のP3Cには,ASM-1C対艦ミサイルが装備されており,お互いが相手を攻撃できる武器を持っているからです.
 それを向けあうのは軍事的には問題ありません.
 実際,空自ではソ連/ロシア空軍のTu-95偵察機が防空識別圏に侵入し,スクランブルしてきた空自の戦闘機には機銃を戦闘機に向けますし,空自の戦闘機もAIM-7スパローやAIM-9サイドワインダーなど空対空ミサイルを装備していました.
 つまり,お互い武器を向けあうのは当然の行為なのです.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年04月21日19:01

 中国艦隊の沖縄通過を台湾からみると,側面を抜け,後方へ.
 援軍を遮断する形にしか見えないよ,という地図を作って見ました.
 現在地はこの赤矢印をぐっと東へ曲がって,沖の鳥島付近みたいです.

zyesuta in mixi,2010年04月21日00:51

 画像を見ますと,中国艦隊は琉球諸島を横切って航行しています.
 中国海軍の行動は,明らかに在沖米軍を意識したものです.
 沖縄のアメリカ海兵隊が台湾防衛用の部隊であり,さらに中国が台湾を占領したらアメリカは第7艦隊のルートを,日本はシーレーンを失いますし,台湾国民も元々中国共産党政権に一度も支配された事もないと認識しており,いくら資本主義に移行したとはいえ,一党独裁体制の中国との併合を,複数政党制の議会制民主主義体制下にいる台湾国民が容認するわけがありません.
 中国はそれをよく知っています.
 つまり中国の台湾侵攻は周辺事態などではなく,日本の有事,第二次日中戦争に繋がるのです.
 さらには米中戦争も勃発します.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年04月21日19:01

 4月10日に中国海軍の艦艇が日本近海を通過する事件が発生して,10日が経ちましたが,その中国海軍は東シナ海に向けて北上を開始したところをみると,中国への帰還を開始したようです.
中国艦隊が反転,東シナ海に向け北上…帰港か 読売新聞 - 2010年4月22日

 その中国海軍の航行ルートですが,zyesutaさんのブログによれば,驚くべきことに何と琉球諸島を横切るかのような動きをしていたのは,先日の日記でもお伝えした通りです.
「リアリズムと防衛を学ぶ」◆中国海軍の沖縄通過は何を意味するのか?

 zyesutaさんによれば,これは台湾有事における米軍の補給ルートに,中国海軍が立ちはだかるのではないかという分析をしています.

――――――引用開始

 卒然と見るに,あたかも有事の際に沖縄,横須賀,あるいはグアムから台湾海峡にかけつけるアメリカ軍の進路上に中国海軍が立ちはだかるが如しです.
 これは中国海軍の近年の構想そのものです.

――――――引用終了

 となれば,この中国海軍の航行は,「台湾を諦めない」とするデモンストレーションだった可能性が高いのです.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年04月26日12:43


 【質問】
 中共海軍の動きを監視する我が方の「すずなみ」に,敵(?)ヘリが90米(朝日新聞は100米)にまで近づいたというというニュースですが,飛行機と違ってヘリの場合は,特別の決まり(国際法上の)があるのでしょうか?

高志

 【回答】
 ご質問の件,国際法には何も規定されていませんが,東西冷戦当時に米ソ間で取り決めた 相互の取り決め「米ソ海上事故防止協定」があります.
 不慮の事故が武力紛争に発展しないようにするための,最低限の協定でしたが,あくまで紳士協定に過ぎず,その後も艦艇同士の衝突事故や体当たり進路妨害なども起きました.
 でも,双方が抑制して発砲には発展しなかった,と思います.

 このルールは,当然にNATO諸国をはじめ東西両陣営が,それを行動の規範にしたので,事実上の世界標準になりました.
 艦艇同士は1000m以上近づかない,航空機は直上を通過しない,等があったように記憶していますが,残念なことに私は詳しい内容を忘れてしまいました.
 ヘリと固定翼機で扱いが異なるような記憶はありません.

 以上,ヨーソロの管見でした.

おきらく軍事研究会,2010.4.15


 【質問】
 特殊部隊を混ぜ込んだ軽歩兵1個大隊を投入すれば,敵の特殊部隊を排除できるんでしょ?
 だったら最初から,それに対処するための台湾軍部隊を台北周辺に配置しておけば済むんじゃねえの?
 こんなマニア向けのサイトで対処方法が示されているくらいだから,とうの昔に台湾軍は対処済みなんじゃねえの?

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年02月27日 03:32:59

 【回答】
 (普天間の)海兵隊の仮想敵は中国側特殊部隊.つまり同じ軽装備の少数部隊だ.
 中国側特殊部隊によって引き起こされた,台湾軍及び台湾政府の混乱からの速やかな回復が,海兵隊の任務.

 大規模侵攻なら事前察知が可能なので,その場合はヘリ部隊は余り意味はない.
 代わりにこちらも事前に戦力を集め,警戒を密にすればいい.

 何処か?
 行政府と軍(最高)指揮施設.
 仮に他にいても,ここだけ奪還できれば,台湾軍の混乱は収拾可能.
 後は彼らの出番.

 連携をどうするのかは,私はまったく知らない.
 ただ,台湾軍が混乱しているのが前提条件だから,(混乱してなければ台湾軍単独で対処できる),
 海兵隊が連携を考えずに,独力で奪還する想定をしていてもおかしくないと思う.

 あと,米軍が台湾に降り立った事実その物が欲しいってのもありそう.
 即ち,台湾全土の掌握の為には,米軍の排除が必須になり,仮に軍事的にはそれが出来うる状態になっても,米軍の排除が米国との全面対決を生み出しかねなくなると,中国側が考える状態にしたいと.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年02月27日 04:14:31

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 かなり限定された状況とは言え,それほど深刻な状況下で,現地軍ほど能力を発揮できず規模もそんなに大きくない海兵隊戦力が保険と聞くと,「それで大丈夫なのか」と思えてきます.

 ないよりはマシでしょうが,他に方法ないのでしょうか?

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月22日 13:09:30

 【回答】
 即座にアメリカが介入することで,既成事実を作らせないようにすることができます.
 そのための緊急展開部隊なのです.

 ただの,たとえば建物や陣地に拠って戦うことに関しては,たしかに現地軍の方が上なのです.

 そして政府転覆など,その現地軍の能力がひっくり返されるような,政略レベルの動きに備えているということです.
 沖縄の海兵隊は.
(ただし,それ専用の部隊というわけではないので念のため)

 そうして時間を稼ぐ間に,アメリカは強力な増援を整えるという寸法です.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月22日 13:44:04

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 台湾軍との連携も無く,自軍のバックアップも無い軽装備の海兵1個大隊だけで,独力で中国軍特殊部隊を排除するという設定自体が現実離れしているんじゃないですか?
 現地の情報もなく支援も補給もなんにもない状態で,海兵隊はこんな戦闘出来るんですかね?
 道案内すらいないんですよ.
 それに海兵隊が勝つとは限りません.
 形勢が不利になったときとかどうするつもりなんだろ?

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年02月27日 07:42:51

 【回答】
 その「バックアップも無い軽装備の1個大隊」をもし仮に返り討ちにした場合,どんな事態が起こるのか?
 米中が「いやー全滅しちゃったよ,さすがだねー」「ははは,今回はこちらの勝ちアルね」とかで終わって,アメリカがささっと引き下がる・・・とか思ってる?

 「形勢が不利になった時」のみならず,「増援が間に合わず海兵隊が全滅した時」でも結構.
 その時はどうなるか? 朝鮮戦争の再来でつよ.
 米軍本体と中国軍本体が台湾を舞台に,互いの正当性を主張し合いつつのドンパチ開戦は必至.

 中国も,直接台湾を軍事的に落とした「だけ」ではその後が大変だ,下手したら元の木阿弥だと理解しているからこそ,台湾をまずは政治的に同化しようと必死こいてるわけで.
 そしてその警戒心の源は,まさに沖縄に駐留している米軍が,
「いざという時にはすぐ台湾に駆けつける」
という,現在の配備状況にこそある,つーことで.

「どうするつもりなんだろ」
という疑念を,米軍に対してだけでなく中国に対しても(海兵隊を壊滅させた後,怒れる米軍本体相手にどうするつもり?)向けられるようになると,事の本質がもう少し見えてくるんじゃないスかね.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年02月27日 08:16:15


 31MEUに期待されてる役割って,要するに,朝鮮戦争の時のスミス支隊だよね.
 スミス支隊(第24師団第21連隊第1大隊(-))は烏山の戦いで破れてしまったが,アメリカ地上軍が戦闘加入したということで,韓国軍を大いに勇気づけるとともに,アメリカ軍に,北朝鮮軍に関する重要な知見を提供した.
 このときは,それを生かせずに第24師団は大敗してしまったが,コンセプトそのものは今でも有効だと思う.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月24日 14:26:52

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 海兵隊無意味論者が言っているのは,中国が斬首戦術の第1波に使用するであろう空挺3個師団を阻止するには,海兵隊1個大隊では戦力として過少だって事だろう?

 【回答】
 最初に3個師団もまとめて送ろうとしたら,さすがに米国に早期に気付かれ阻止されるよ.
 だから中国側としては,米国に気付かれないように,第1陣は精鋭の特殊部隊を少数だけ送る.
 もちろん第2陣も用意するし,第2陣の準備には米軍も気付くだろうが,米軍だってまとまった戦力を揃えるには時間が掛かる.
 米軍の側でも,少数でもすぐに動ける即応部隊の存在が重要になる.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月04日 22:51:14



 第1陣として大規模な輸送部隊を用意しようものなら,すぐに米軍に気付かれるわけでして
「これから台北を強襲します!」
って言っているようなもんだからね.
 そして台湾軍も迎撃する準備に入るわけでして,台湾軍が機能停止する前に,空輸部隊全滅しますな.

 ならば中国は,ミサイル撃って台湾海軍と空軍の戦力を削いでから(ry
 これはもう大規模な戦争に突入する事を意味します(笑)

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月04日 22:57:20

「週刊オブイェクト」コメント欄,2010年01月05日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 海兵隊が1個大隊だけ間に合ってもしょうがないだろう?

 【回答】
 間に合う間に合わないというよりは,当然間に合わせるが,被害を極限するために極力早期に投入するという考え方が基本にあるのだと思いますわね.
 中共軍が対米戦にさけるリソースがまだ少ないうちに投入するという.

 仮に中共軍が100万人用意したとしても,いきなり100万人が同時に上陸できるわけではなく,向こうも最初は一個大隊程度なわけです.
 これは時間とともに膨らんでいくわけですが,投入が早ければ早いほど,MEUがその時点で直接向き合う中共軍の最前線の部隊規模も小さくなるであろうと想像できるわけです.

 とは言え,MEUが戦闘で中心的役割を果たすとは誰も思っていないはずですね.
 まずは現地の情勢把握,そして台湾軍との連絡線確保が第一でしょう.
 本来的には海兵師団の前哨の役割でしょうが,MEUからの情報によって条件が良いと判断されれば,空挺師団やストライカー旅団を先に投入することもありえるのではないでしょうか.

 それに中国にとっては,アメリカが数時間で台北に歩兵を投入できる能力を持っているが重要.
 実際にやるかどうかは関係なく,そこに能力がある以上は,実施された場合の対処を考えておかないといけません.
 生身のアメリカ兵を数百だかぶち殺してでも,台湾を武力統一するのか否か?
 数百のアメリカ兵をぶち殺した場合,アメリカはどう動くのか?
 核で脅せば引き下がるのか?
 では,事前に沖縄を攻撃するか?
 嘉手納,普天間,那覇,離島の各空港を破壊して,航空優勢を獲得しヘリでの行動を妨害する?
 第7艦隊の空母群が派遣されても,航空優勢を確保できる戦力はどの程度なのか?
 沖縄に手を出した場合,日本海軍も相手にしなくてはならないが,第7艦隊+日本海軍の沿岸や台湾への接近を阻止できる戦力は,どの程度なのか?
 準備に必要なコストとリードタイムは?
 そして,そこまでやって台湾島を統一して,その後の国際社会ではどのような立場になるのか?
 破壊された台湾島をどうするのか?

 そうやってハードルを高くするのが抑止力.

軍事板,2010/05/02(日)
青文字:加筆改修部分


 【反論】
 アメリカの想定だと,即応部隊が動くのは,台湾の政府機能が特殊部隊にやられて台湾軍が機能停止した後だぞ.
 即応の意味が全然ないな.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月04日 23:03:50



 以下ソース.

――――――
沖縄海兵隊の戦闘部隊,米「移転困難」 (2005年6月30日 読売新聞)

米側の説明は今春,日米の外務・防衛当局の審議官級協議などで伝えられた.それによると,中台有事のシナリオとして,中国軍が特殊部隊だけを派遣して台湾の政権中枢を制圧し,親中政権を樹立して台湾を支配下に収めることを想定.親中政権が台湾全土を完全に掌握するまでの数日間に,在沖縄海兵隊を台湾に急派し,中国による支配の既成事実化を防ぐ必要があるとしている.

数日以内に米軍を台湾に派遣できない場合,親中政権が支配力を強め,米軍派遣の機会を失う可能性が強いと見ているという.

中国は,台湾に対する軍事的優位を確立するため,地対地の短距離弾道ミサイルやロシア製の最新鋭戦闘機を増強したり,大規模な上陸訓練を行ったりしている.ただ,こうした大規模な陸軍や空軍の軍事力を使う場合には,米国との本格的な戦争に発展するリスクが大きい.これに対し,特殊部隊を派遣するシナリオは,大規模な戦闘を避けることで米軍の対応を困難にし,短期間で台湾の実効支配を実現する狙いがあると,米側は分析しているという.
――――――

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月04日 23:14:08

「中国軍が特殊部隊だけを派遣して台湾の政権中枢を制圧」
している以上,台湾軍は命令がないから動けないが?
 ていうか,台湾軍が好き勝手に動いて反撃できたら,断頭戦略なんてはなっから成立してないじゃん.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月04日 23:24:21

 【再反論】
 この記事には少なくとも
>台湾軍が機能停止した後
とは書かれてないな.

>台湾全土を完全に掌握するまでの数日間に,在沖縄海兵隊を台湾に急派し,
って書いてあるけど.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月04日 23:17:40



 上掲記事には,
>即応部隊が動くのは,台湾の政府機能が特殊部隊にやられて台湾軍が機能停止した後
というような事は一言も書いてないし
 そして,その記事を紹介しているJSF氏のエントリーにも,そのような事は一言も書かれてないわけだが.

 そもそもJSF氏の記事では,海兵隊派遣は手札の一つと説明されてるわけだし,なにも中台有事を海兵隊だけで対応するなんて,どこにも書かれてないぞ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月04日 23:29:45



 その記事に書いてあるのは,「海兵隊が動くのは台湾軍機能停止後」ではなく,「親中政権が台湾全土を完全に掌握する」前だね.
 機能停止後でいいなら即応部隊はいらないが,それでは斬首戦略阻止の役に立たない.
 阻止できるからこその抑止なので,阻止できる位置(つまり沖縄)に海兵隊がいることこそが,斬首戦略の抑止になる.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月04日 23:30:34



 斬首戦略の最初の段階では,台湾中枢の指揮系統の混乱や麻痺は一時的なものであって,でもこのまま手を下せなければ,数日後には親中政権による掌握に変わる.
 そうなる前,麻痺の段階で海兵隊が介入して,麻痺を一部でも解けば台湾軍も動ける.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月04日 23:51:12



 正規軍による大規模攻勢では,準備段階で米国や台湾に気付かれ,対応策をとられる可能性が高くなる.
 だから気付かれる前,または気付かれても対応策をとられる前に第一陣として,少数だが精鋭の特殊部隊だけ送って斬首戦略を実行させるのでは.
 もちろん,その場合でも海兵隊による特殊部隊阻止は有効.
 中国が大規模攻勢をするのに準備期間が必要なように,米軍も敵正規軍阻止のための大部隊を派遣するには時間が掛かる.
 その穴(敵特殊部隊の攻撃から米軍の派遣までの間)を埋めるのが即応部隊であり,ヘリですぐ駆けつけられる位置にいる沖縄の海兵隊.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年03月07日 06:51:55

「週刊オブイェクト」コメント欄,2010年01月05日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 そもそも中国が台湾有事時に大規模奇襲上陸作戦を決行して,アメリカに勝てる勝算は?
 上陸しても制圧できる見込みのない台湾に,あえて上陸させるメリットはなんなんだよ?

 【回答】
 正面から戦ったらその通り.
 だから中国は,特殊部隊による台湾首脳部の制圧を構想しているとされる.
 奇襲により台湾の指揮系統を混乱させ,臨時政府を立ち上げて,アメリカに介入の暇を与えずに,中国の台湾帰属の既成事実化を図る.

 アメリカはそれに対抗する為に,台湾に即座に介入する必要がある.
 そのために沖縄に海兵隊を置いている.
 アメリカが即時に介入できる態勢を構築する事で,台湾侵攻=アメリカとの戦争であることを示し,中国の侵攻を抑止しているのだ.

軍事板,2010/04/23(金)
青文字:加筆改修部分



 【反論】
 なるほど,面白い考察だ.
 ただ,台湾軍の存在無視してね?
 アメリカが介入するまでもなく,台湾軍が制圧する可能性もあるよな.
 制圧できない場合でも,グァムから海兵隊が来るまでの足止め程度には使えるだろ.
 少数精鋭の特殊部隊なら,グァムからB-2のようなステルス機で来て,パラシュート降下で上陸すれば,即時展開の距離的制約はさほど問題ではない.

 【再反論】
 特殊部隊の目標はなんでしたでしょうか?
 台湾政府首脳部を制圧し指揮系統を混乱させること.
 奇襲を受けた時点で,台湾軍の指揮能力は機能不全に陥っていることが想定される.
 台湾から独立した海兵隊の存在意義はそこにある.

 キーワードは「抑止力」
 その為に必要なのは「プレゼンス」
 実効制圧能力を高めたいとか,投射できる火力を増強しようとかって話じゃない事に注意した方が良い.

 ぶっちゃけると,即応できる海兵の規模は最小限で構わん.
 それが一個師団の中の空中騎兵連隊,強行偵察大隊(もしくは特殊部隊)である,というだけ.

 問題はリアクションタイムの短縮なんだ.
 人民解放軍が
「台北に侵入しました.
 台湾人民に圧政を敷いている現台湾政府を排除しました.
 正しい民意を受けて台湾は中国本土と同一の政体に復帰します」
と動き始めてから台北現地で宣言するまでに何日かかるのか.
 おそらく何日もかかれば作戦失敗,
 三日で普通,大成功なら初動から一両日のうちに片付けたい.

 その僅かな間に,在日米軍は台湾情勢にコミットしなきゃアカンのよ.
 台北に侵入した人民解放軍が,どうやっても無視できない手段で,ね.

 一週間後に第七艦隊が海峡に突入して,強襲揚陸艦が逆上陸できたって手遅れなの.
 コストが高すぎるの.
 向こうは消耗も現地の反発も,どっちも織り込み済みで開戦に踏み切れるんだから.

 けど,現地政府の要所・要人の掌握を巡って海兵隊と人民解放軍がドンパチやってる間は,政体の転換なんて現地から発表できないでしょ.
 その間に国連決議でも何でも,共産党の行動に合理性無し,排除されるべきと宣言せなあかん.

 「そんな事はさせません」というアメリカの「意思の表れ」が,沖縄に即応部隊が駐留し,ヘリを運用し,一体となって訓練してる事なの.
 西表や伊江島だったら移転もアリなの.
 けど,九州やグアムに引っ込むのはどうやってもダメなの.

>少数精鋭の特殊部隊ならグァムからB-2のようなステルス機で来て
>パラシュート降下で上陸すれば

 釣りなら,今のうちに宣言してくれないかな?

軍事板,2010/04/24(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 海兵隊には直接手を出さず,兵糧攻めで締め上げるという選択肢はありえると思うんだが.
 そうなったらアメリカの方が人質を取られたようなもんだろ?

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年02月27日 12:40:44

 【回答】
 その間に第七艦隊が出張ってきますし,在日,在韓米軍も展開しますよ,と.

 中国がアメリカと正面切って戦闘を回避するには,台湾に傀儡政権を立てて,中国との統一を宣言させるしかない.
 そうなったら,アメリカは介入の口実を失くすから.

 そのためには,中国は,アメリカが本格的な介入をする前に,台湾の現政権を確保,あるいは「処分」しなくてはいけない.
 これはスピード勝負.

 従って,中国に「兵糧攻め」という選択肢はない.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年02月27日 12:52:45

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
>半島有事にも使うが,台湾有事が第一だという事

米軍やここは解放軍の特殊作戦への対応を重視して,ヘリの沖縄配備の必然を強調する.
ではなぜ戦力の開きが大きい南北朝鮮間において青瓦台に対する特殊作戦を想定しない?
突発の可能性が高いのは明らかに半島だよ.中台にはその予兆はない.
基地の位置だけ見てもまるで分かりませんな.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月30日 06:13:39

 【回答】
 想定はしている.
 だからこそ,韓国内に部隊展開が為されている.
 「軍事的深奥性」が,台湾と韓国では決定的に異なるのだよ.
 台湾は狭い上,長細い島の形状が大陸と並行しているので,全土が攻撃を受け易く,台湾国外に予備戦力を配置しないといけないが,韓国は38度線の最前線から後方の釜山まで,かなり距離がある.
 つまり遅滞戦闘が可能という事だ.

 在韓米軍の陸軍の配置を見ればいい.
 ちゃんと北朝鮮の特殊部隊に対する作戦は,即座に行える手筈になっている.

 そして,半島にも台湾にも同時に対応できる,沖縄の戦略的価値は非常に高いのだよ.
 三沢では半島とロシアにしか対応できないからな.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月30日 07:12:42


 朝鮮半島はそもそも駐留部隊もあるし,日本の拠点も経由していける.
 北朝鮮は中国と比べて,そこまで強大な相手という訳でもない.
 かつての朝鮮戦争時みたいに,南まで追いやられても追い返せる可能性がある.
 台湾の場合は,そもそも戦力をあげておくなんか無理だし,グアムからだと途中で経由とか,そういう訳にもいかない.
 また,政府をのっとられると,韓国と違って国家承認があいまいな地域なので,強引に押し通される懸念がある.

 そして何より,米軍が下がっても北朝鮮が南下するとは限らないが,台湾や魚釣島の場合はフィリピンと同じ様に,中国は前進してくる懸念がある.
 そんな事態になったら,中国との取引や契約に重大な悪影響を与える事になる.
 そんなリスクを,なんで好んで日米が受け入れなければならないのか?という話.

 中国は党の偉い人の自己満足で済むけど,こっちはそんな我侭に付き合ってられないので.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月30日 09:21:00

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 台湾有事に対馬からMV-22を飛ばせば,空中給油が必要になりますが約2時間半で到達できますが,その条件でも台湾有事での即応性として不十分ですか?

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月22日 03:42:33

 【回答】
 「空中給油が必要になる」事は望ましくない,というのはJSF師が既に文中で仰ってるので読んどいてください.

 もし沖縄に補給拠点を置き,部隊配備は本州などの土地にする場合,本州から沖縄に移動し,そして沖縄で補給を行いしかる後に台湾に向かう場合と,沖縄に部隊を配備し,そして台湾に向かって往復するだけの場合だと,後者のほうが圧倒的に時間が短くなる為,やはり後者のほうが望ましいかと.
 特に想定される,特殊部隊による指揮系統寸断への対策(政府中枢を麻痺させる事による行動不能に対するカウンター部隊の投入)という任務の場合,一分一秒を惜しむというより,文字通り出来うる限り速やかに任務を達成せねばならない訳だから,やはり近すぎず,かといって遠すぎずというこの沖縄以外の土地に移るというのは,問題があるかと思われます.

 自分は素人なので間違ってる部分があるかと思われますが,さすがにこのエントリの軍事上におけるメリットを覆すだけの手法というのは多分無いかと思われます.
 県外移転となり,この手段が軍事的に最善な手法ではあるが,政治的に取れない手段となる可能性は,政治状況等を考えると否定できないのが問題ですが(汗

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月22日 09:55:59

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
>不十分です.同条件で普天間から飛び立てば1時間ちょいです.
説明になってない.
CH-53Eで所要時間が2時間でMV-22が遅くても3時間なら,
何故2時間は良くて3時間が駄目なのか
説明されていない.
JSFは乗員の疲労を根拠のひとつにしたが,
2時間は疲労しないで3時間は限界で持たないと言うのか.
どれだけ自分勝手な俺様基準なんだそれは.
MV-22なら沖縄から1時間?
話を摩り替えるなよ!
これは到達許容時間の問題だ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月22日 15:13:13

 【回答】
>JSFは乗員の疲労を根拠のひとつにしたが,
>2時間は疲労しないで3時間は限界で持たないと言うのか.

 「即応部隊」なんですから,少しでも早く到達できるのは理想かと.

 後は,肉体的な疲労の他に,ストレスによる精神的な疲労を忘れてませんか?
 そして,疲労が溜まるとミスを起こしやすくなります.
 任務を完全にこなすためにも,乗員の負荷軽減は戦略上考慮すべきと愚考しますが?

「軍隊なんだから,死ぬほど無茶させて当然」
って,それなんてインバール作戦を考案した旧帝国陸軍?

Posted by 名無しRPG7信者 at 2009年12月22日 15:45:51

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 海兵隊ヘリが求める有事発生の際の移動先ってのは,地上のヘリポートではなく,強襲揚陸艦じゃないのか?
 それが目的なら佐世保の船だって移動出来る訳だし,ヘリの平時の配備先は神戸・岩国・長崎・沖縄,どこでもそんなに違わないだろ?
 嘉手納がある沖縄本島ってのは空軍の為の島だし,日本に居る海兵隊は空軍基地と日本国領土の防衛の為じゃない.
 あいつらは基本的にドコでもいいはずだ.

 【回答】
 海兵隊のF/A-18は,浜頭堡あるいは作戦地域近くに飛行場が確保されるまで空母から発着するし,作戦地域へ空母で運ばれるから,基地を飛び立って外洋を航行中の空母に降りることになる.
 ヘリに比べてF/A-18は,雲上飛行が可能で全天候性に優れ,高速でもあるから,基地はどこでも良い.
 だからF/A-18は,岩国を基地にしても構わない訳だ.

 しかしヘリは違う.
 全天候性・速力・航続力に劣るから,揚陸艦の寄港地の近くに基地がないと困る.
 その寄港地とは,具体的にはホワイトビーチだ.

 また,海兵隊は人員・物資の空輸にMC-130を使っているから,その発着が可能な滑走路も欲しい.
 キャンプシュワブ移転案では滑走路を新設するが,その理由がこれ.
 嘉手納は,有事には米本国から飛来した空軍の大部隊が展開・中継に使うから,平時の利用状況だけ見て「余裕がある」と早合点してもらっては困る.
 その点は,現状の普天間飛行場や代替飛行場(移転先)の規模と,平時/有事の利用状況の関係も同じ.
 そういう訳で,県外移転は不可だし,辺野古以外の県内移転も非常に難しい.

 てか,ホワイトビーチ近くにメガフロート浮かべる案でも代わりに出してみるかい?(笑)

軍事板,
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 別にヘリで台湾に乗り付けんでも,C-130なりC-27で降りればいいだろうに.
 グーグルマップで台北を見たら,降りられそうな場所は一杯あったぞ.
 それに共同作戦や介入の準備をしてないところに,ヘリで特殊部隊でもない,少しばかりの兵員を送り込んで,どれだけ実効性があるのやら.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 08:49:53

 【回答】
 グーグルマップ程度で降りられ「そう」とか判断したの?
 お話にならない.

>それに共同作戦や介入の準備をしてないところに

 何のために合同訓練やってると思ってるの?

>ヘリで特殊部隊でもない,少しばかりの兵員を送り込んでどれだけ実効性があるのやら.

 海兵隊ってバリバリの実戦経験持ちなんだが.
 技量的には一般的な特殊部隊に匹敵するし,海兵隊って元々SEALSって特殊部隊持ちな訳で.
 即応として出るなら,まずSEALS投入しない?
 沖縄にいるか知らないが.

 それと,キミの中の特殊部隊ってのは,映画の主人公みたいに一人で100人以上居る敵をなぎ倒す活躍でもするのか?
 沖縄に残すのは「即応部隊」.本格的な兵員補充までの「つなぎ」なんだよ.

 戦闘を継続して持ちこたえてくれないと,後から押っ取り刀で駆けつけても間に合わないから,即応部隊を派遣するって,散々言われてるわけだが.

Posted by 名無しRPG7信者 at 2009年12月23日 09:24:27


 空輸で送り込めばいいとかいう人は,補給とかはどうするつもりなんだろう?
 近場にヘリが運用できる基地がある方が,やりやすいだろうに.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 09:28:34


 ヘリボーンと輸送機での空輸は全然違います.
 完全な制空権があったとしても,地上部隊が制圧してない飛行場に輸送機を降ろすなんて,自殺行為です(それこそ義烈空挺隊じゃないんだから)
 空挺部隊が都市へ直接降下することはできません.
 あと,特殊部隊は必ずしも通常の戦闘における能力に傑出してるわけではないです.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 09:59:53


輸送機:
・高速,長距離,大容量
・降りられる場所を探さないといけない=目的地に直に乗りつけ不可

エアボーン:
・高高度
・開けた土地にしか兵員を降ろせない
・全兵員に空挺降下訓練を施さないといけない
・降下後の兵員の移動は基本的に徒歩
・降下した兵員の撤収には別の手段が必要

ヘリ:
・低速,近距離,低容量
・降りる場所を選ばない=目的地に直に乗り付け可能

ヘリボーン:
・低高度
・どこでも降りれる
・特殊な訓練は不要
・降下後の兵員を状況により再度ヘリに乗せ高速移動が可能
・降下後の兵員をピックアップし撤収可能

 目的地が台北の行政中枢なら,どう考えてもヘリボーンのが良いね.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 10:38:26

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 輸送機が目的地に直に乗りつけ不可だとしても,輸送機にハンヴィーでも積んで着陸させれば解決可能でしょう.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 10:41:11

 【回答】
 その「降りられる場所」が安全だという保障は?
 確かに巡航してる間は,輸送機のが安全かも知れませんが,離着陸の瞬間はヘリより遙かに脆弱ですよ.
 対抗勢力にとっては,離着陸可能な場所だけを見張っていればいいわけだし.

 ハンヴィーって・・・
 ヘリとハンヴィー,どっちが安全だと思います?

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 10:48:05


 事が起きたときに,

・多数の輸送機,兵員,車両を用意して
・諜報員その他からの報告を待ち
・MANPADSの脅威が無い場所に着陸し
・兵員,装備を降ろして車両に乗って目的地に向かう

 こういうわけだ.
 ・・・これのどこが一体「即時介入」?

 ヘリなら兵員乗せて目的地まで乗り付けるだけだよ?
 MANPADSの脅威なんて,ヘリボーン作戦には付き物じゃないか.
 その為に最近は,IRジャマー等の妨害手段,支援の充実を図ってるのが,ヘリボーン作戦等で用いられる強襲部隊を運用する上での,最近のトレンドでしょ.

 あと,撤収のことも考えようよ.
 作戦が失敗に終わったとき,兵員はどうやって沖縄まで戻るのさ.
 輸送機に待っててもらうの?
 着陸場所を察知されて攻撃を受けたら?
 そこまでの足である車両が破壊されたら,どうすればいいの?
 撤収中の車両が追撃を受けたら?

 輸送機で着陸するという事は,即応性を捨てるのと同義なんですよ.
 攻撃をするにも,逃げるのにもね.

Posted by 589 at 2009年12月23日 11:55:06

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 まるでヘリボーンなら準備不要といわんばかりですけど,兵員と機材の準備が必要なのはヘリも同じなわけですが.
 現地情勢の把握等情報面での準備まで含めたら,作戦展開にさほど時間差は出ないでしょうね.
 あと,作戦失敗時には,敵の攻撃を受けながらヘリで離脱するのは,極めて危険な行動で全滅の危険さえある.
 輸送機展開でも作戦のステップは増えるが,全体的に考えれば大差はないと思いますがね.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 12:19:19

 【回答】
 輸送機だと単位当たりの損失が大きすぎて,損失覚悟の強襲に向かなくね?
 ヘリなら何機か落とされても,的の数が多いから,降下できる戦力がゴソッと無くなることはない気がする.
 離脱時だって輸送機が離陸するより多数のヘリが,個別に機動戦闘しながら離脱する方が,生き残る数は多いと思うんだが.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 12:26:26


 そりゃまぁ,普段から輸送機をスタンバイさせとくような贅沢ができるならともかく,そうでないならヘリの方が圧倒的に準備時間短いよ.
 あと,途中で行き先を変えたり引き返したり,兵員を降ろした後で偵察に回ったりと小回りが利く.

 と言うか,輸送機で展開したとしても,ヘリはやっぱり必要になるような・・・

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 12:36:45


 なんか輸送方法で盛り上がってるみたいだけどさ,素朴なギモンとして,なんで二者択一なんだ?
 想定状況に応じてヘリボーン展開しつつも,航空輸送の作戦準備やるだろうし,しかも時間的にタイミングが変わらない,ないしは近いなら,展開可能兵力だってその分増えるわけだしさ.
 アメリカの後方支援能力が,空輸かヘリボーンかどちらかしか選べないほど脆弱だとでも思っているわけですの?
 さらにいえば,同時に海上輸送だって視野に入ってくるだろうし,重層的な支援体制とるでしょ,台湾有事なんて緊張状態ならさ.
 第1陣がどちらかなんていう話は,その時の使用可能な機材の状態でどうにでも変わるし,リスク判定に大きな差があるわけじゃない.
 大事なのは1陣の展開において,敵浸透部隊の攻撃に対応できるだけの物量と能力であり,次にそれらを支えるための,追加展開を含む重層的支援体制なんだから.

 確かに緊張状態の推移を,ある程度情報活動で把握している状態では,準備態勢が上がっていない訳ないんだから,その点では展開速度に大差ないかもしれないという論は一理ある.
 しかし,だからといって沖縄からのヘリボーンが意味ないなんていう論は成立しないよ.
 実現可能でかつ最大に効果を得るべく作戦は計画するのだから,使える手段はすべて利用するさ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 12:55:34


ヘリボーン作戦:
 兵員乗せて,飛んでって,降下,作戦遂行,着陸して,兵員乗せて,離陸,離脱

輸送機を使った空輸作戦:
 着陸地点を確保して,兵員乗せて,車輌乗せて,飛んでって,着陸して,タキシングして,兵員と車輌降ろして,目的地まで移動して,作戦遂行して,輸送機まで移動して,兵員乗せて,タキシングして,離陸,離脱

・・・いやどう考えてもヘリのが早い.

 あと,撤収時こそヘリの面目躍如でしょう.
 原則,場所を選ばず着陸して,素早く兵員を拾い上げ,無防備な時間を極力短く出来る.
 離陸してしまえば対空火器以外の脅威は少ない.
 それ用の妨害手段も最近は有る.
 ベトナムや湾岸,アフガンで見慣れた光景,コンバットレスキュー.

 あなたが兵士なら,車とヘリとどっちで逃げたい?
 しかも車は途中で,輸送機に乗り換えないといけない.

どう考えても上策はヘリボーン作戦だよ.輸送機を使うメリットが無い.

Posted by 589 at 2009年12月23日 13:28:01


 アメリカの空挺戦力を投入しようとするなら,ゼロから用意すると数ヶ月はかかりますよ…….
ヘリボーン戦力の方が部隊数も多く,小回りが利く為,即応性が高いのです.
 なにより,初期作戦に投入される海兵隊には,大々的な空挺能力はありません.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 14:30:13


 っていうか,海兵隊で空挺降下可能なのってフォースリーコンだけじゃないっけ?

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 14:30:55

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 本件におけるどんな想定状況でもですか?
 最も効率的かつ効果的だと算定した根拠なり基準なりを見せていただけますか?
 私がこんなこと言われたら,パラメーターの多さで辟易しますが,’最も効率的かつ効果的だ’と断言しているのですから提示できるのでしょう?

Posted by 666 at 2009年12月23日 13:13:34

 【回答】
 柔軟性の問題だよ.
 滑走路を敵に制圧された状況でも,ヘリなら草原とか砂浜みたいな,ひらけた場所があれば着陸可能だし,それが無理でもロープがあれば降りられる.
 これが固定翼機なら,パラシュート降下が必要になる.
 パラシュート降下が特殊技能であることは言うまでも無いよね?

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 13:37:09


 台湾有事が起こったら,中国は台湾に対地ミサイルを大量にぶち込んでくる.
 2005年時点で,台湾に向いた短距離弾道ミサイルは784基で,年100発近く増えてる.
 台湾から1000km圏内の戦闘機は700機以上で,動員される兵力は40万を超えるとの試算.

 どう考えても,空港に強襲着陸は難しい.
 エスコート付きのヘリで海岸線を押さえて,後詰めの揚陸艦を待つしかないと思うぞ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 13:47:39


>輸送機

 輸送機の強行着陸による襲撃ですが,一応成功例はいくつかあります.
 イスラエルによるエンテベ空港人質救出作戦や,ソ連のアフガニスタン侵攻でのカブール空港占領,あと実戦例ではありませんが,北朝鮮はAn-2を敵空軍基地に強行着陸させて占領してしまう作戦を大真面目に考えていましたし.
 飛行場のような目標の場合,もしかするとヘリボーンより有効な占領手段かもと思います.
 ただ,コメントで指摘の通り,中台開戦後は弾道ミサイルが雨あられと降り注ぐことになり,現地の空港が使える保証がないので,やはり台湾行きの第1陣はヘリの方が有利と考えます.

 なお,この台湾有事で日米両国が最も懸念しているのは,現行の台湾政府が倒れることではなく,台湾周辺海域の不安定化なのではないかと.
 なので,一朝台湾での有事の際に沖縄の海兵隊は,台湾の支援ではなく,まず(安保理動議と同時に)中台両軍の切り離しに動き,後日停戦監視団として追認を得るつもりなのではないかと予想します(もし途中で攻撃があれば,即国連の敵認定).

Posted by 名無しコメット神信者 at 2009年12月23日 22:08:03

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分


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