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◆◆◆阻止行動
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中近東FAQ目次


 【link】

「Blogs of War」◆(2013/06/08) Eye on Iran: Useless Rial Is U.S. Goal in New Iran Sanctions, Treasury Says
 新しい制裁でのアメリカの目標は,イラン通貨「リアル」を無価値にすること

D.B.E. 三二型」(2011/05/22)◆プーチン露首相,大統領時代にイラン核計画の妨害を指示 ウィキリークス

D.B.E. 三二型」(2012/01/08)◆米海軍,海賊からイラン人船員救出 アラビア海

「Defense News」◆(2012/09/17)Massive anti-mine naval exercise underway in Gulf

「Guardian」◆(2012/02/02)Iran stepping up campaign of intimidation and smears against BBC Persian TV's London-based staff

「Guardian」◆(2012/06/18)Iran was behind bomb plot against Israeli diplomats, investigators find

「IISS」◆27 August 2010 - - Al-Arabiya - Strike against Iran still on the table

「kojii.net」■(2011/11/24)今週の軍事関連ニュース
>イラン情勢のまとめなど,いろいろ.

「Naval War College」◆(2012/01/24)Iranian military strikes are not a good option says Prof. Alvi and her reasons why in this Tampa Tribune blog

「Russia Now」◆(2011/10/16)U.S. presses UN nuclear watchdog inspectors on Iran nuclear data - paper

「Russia Now」◆(2011/11/17)IAEA chief defends report on Iran's nuclear program

「Russia Now」◆(2011/11/17)Iran Six to submit new resolution to IAEA

「Russia Now」◆(2012/02/02)Iran Can Produce Four Atom Bombs ? Israeli Intelligence

「Strategy Page」◆(2013/04/06) IRAN: By Any Means Necessary
 新しい経済制裁の影響

「VOR」◆(2012/01/12)イラン 核科学者の殺害 国連に非難求める

「VOR」◆(2012/01/13)イランは前言をひるがえすか?

「VOR」◆(2012/01/12)日本 イランからの石油輸入を削減

「VOR」◆(2012/01/12)米国 イランの政権交代狙う 軍事衝突恐れあり

「VOR」◆(2012/01/12)米中首脳会談 イラン制裁協議

「VOR」◆(2012/01/16)イランを巡る状況 めまぐるしく変化

「VOR」◆(2012/01/16)中国 イラン産石油の代わりを模索

「VOR」◆(2012/01/20)イランに軍事攻撃を加えることは大量の難民を生み ラヴロフ外相

「VOR」◆(2012/01/20)駐ロイラン大使:禁輸は米国の助けにならない

「VOR」◆(2012/01/20)米空母エイブラハム・リンカーンはアラビア海に到着

「VOR」◆(2012/01/20)露外務省 イラン問題の解決は政治外交

「VOR」◆(2012/01/22)ギリシャ イラン産石油禁輸の見返りに大幅譲歩要求

「VOR」◆(2012/01/22)米国 イランへの制裁強化と国際的孤立に向け努力継続

「VOR」◆(2012/01/24)サウジ・アラビア スペインでの石油不足補完へ

「VOR」◆(2012/01/24)オーストラリア イラン石油禁輸に同調

「VOR」◆(2012/01/24)日本,イランの原油輸入削減

「VOR」◆(2012/01/24)ロ外務省:イランはEU追加制裁で譲歩しない

「VOR」◆(2012/01/30)イラン IAEA調査団が到着

「VOR」◆(2012/01/30)イラン 自前の核燃料 数ヶ月で
>イランのサレヒ外相が,数ヵ月後にはテヘランにある実験用原子炉で国産の核燃料を使う予定である,と表明.

「VOR」◆(2012/01/30)イラン議会 EUへの石油禁輸検討を延期

「VOR」◆(2012/01/30)西側の制裁,イランを圧殺できない

「VOR」◆(2012/01/30)米海軍,紅海に入る

「VOR」◆(2012/01/30)米国:イランは1年以内に核爆弾を開発できる

「VOR」◆(2012/01/30)米国とグルジアは対イラン攻撃を準備しているか?

「VOR」◆(2012/01/31)韓国 中東でイラン石油の代わりを模索

「VOR」◆(2012/02/03)イスラエル イラン爆撃の準備できている

「VOR」◆(2012/02/03)日本 米国に対イラン制裁一部免除を要請

「VOR」◆(2012/02/06)イラン 欧州諸国への石油輸出を停止へ

「VOR」◆(2012/02/09)イラン沿岸 4月までに400発以上の米巡航ミサイル

「VOR」◆(2012/02/09)イラン戦略問題顧問 2014年までにイスラエル攻撃を主張

「VOR」◆(2012/02/13)米海軍 起こりうるイランの行動に対し準備

「VOR」◆(2012/02/11)米国空軍,駐ペルシャ湾の航空隊を増強

「VOR」◆(2012/02/15)イスラエルとイランの秘密戦争は続いているのか?

「VOR」◆(2012/02/16)経済分析専門家指摘「イラン攻撃の代償は非常に高くつく」

「VOR」◆(2012/02/17)イスラエルはイラン核施設を攻撃

「VOR」◆(2012/02/17)米国 イランに対する制裁を拡大

「VOR」◆(2012/02/20)イラン 英仏への石油輸出を停止

「VOR」◆(2012/02/24)イラン 国連にイスラエルの敵対的行動を訴える

「VOR」◆(2012/02/26)イラン ギリシャへ大量の石油供給を拒否

「VOR」◆(2012/02/26)米中央軍司令官:ホルムズ海峡に機雷発見システム配備へ

「VOR」◆(2012/03/01)米空軍 イランの核施設への攻撃準備ある

「VOR」◆(2012/03/02)プーチン首相「ロシアはイランでの戦争を許さない」

「VOR」◆(2012/03/04)イスラエル 米国抜きでイラン問題の決定を準備

「VOR」◆(2012/03/05)米国のオバマ大統領,イラン攻撃の時はまだ到来していない

「VOR」◆(2012/03/08)タジキスタン 対イラン制裁に反対

「VOR」◆(2012/03/09)キルギスの米トランジットセンター 対イラン作戦には使用できない

「VOR」◆(2012/03/09)米国防長官 米国による対イラン攻撃はイスラエル以上の効果を持つ

「VOR」◆(2012/03/10)イスラエル イラン攻撃の準備あり

「VOR」◆(2012/03/15)英米 石油の戦略備蓄を利用か

「VOR」◆(2012/03/15)「ヒズボラ」:イスラエルは対イラン戦争に備えている

「VOR」◆(2012/03/15)米国 対インド制裁も発動するか
> 印が自国のエネルギー需要を満たす為にイラン産原油の購入を続けるとの声明を表した事について,オバマ大統領は,印がそれを実行した場合は6月28日から制裁を発動せざるを得ない,と伝える.
> オバマ政権は印がアジアにおける米の重要な同盟国の1つである事から,このような行動に出る事を望んでいないとしている.

「VOR」◆(2012/03/16)国際銀行間通信協会 送金システムからイランを排除

「VOR」◆(2012/03/29)BRICS諸国 イラン問題で「統一戦線」 中国紙
「VOR」◆(2012/03/29)BRICS 気に入らない政権をつぶす手段に国連をつかうことに反対

「VOR」◆(2012/03/31)米国,イランの石油セクターへの圧力増

「VOR」◆(2012/04/01)アゼルバイジャン 自国量からのイラン攻撃を許可しない

「VOR」◆(2012/04/01)トルコ首相:イラン攻撃は大惨事となる

「VOR」◆(2012/04/03)イラン 米国全土を攻撃する準備あり

「VOR」◆(2012/04/04)中国の保険会社 イランからの石油輸入に反対

「VOR」◆(2012/04/12)イラン 欧州からの輸入を禁止する意向

「VOR」◆(2012/04/14)トルコ イラン産原油とガスの購入続ける

「VOR」◆(2012/04/18)露外務省 イランの核問題を巡る緊張の人為的エスカレートに反対

「VOR」◆(2012/04/20)米国防長官 イラン攻撃計画を発表
>パネッタ国防長官がCNNのインタビューに応じた中で,米が具体的な対イラン攻撃計画を持っている事を認める.

「VOR」◆(2012/04/29)EUは「弾が入っていない銃」でイランを威嚇しているだけにすぎない

「VOR」◆(2012/05/01)南ア イラン産石油の輸入拡大

「VOR」◆(2012/05/01)イラン カナダ大使館の査証業務停止に報復

「VOR」◆(2012/04/29)米国 戦闘機部隊を西アジアへ配備

「VOR」◆(2012/05/17)日本の大手銀行 イラン政府・中央銀行の資産を凍結

「VOR」◆(2012/05/17)米国 イラン攻撃の準備整う

「VOR」◆(2012/05/22)米上院 新しい対イラン制裁法案

「VOR」◆(2012/06/03)イラン 攻撃を受けた場合 米軍基地に打撃与える

「VOR」◆(2012/06/12)中国外務省 イランからの石油輸入は国連安保決議に違反しない

「VOR」◆(2012/06/15)イラン 核物理学者の殺害容疑者ら逮捕

「VOR」◆(2012/06/15)政治的コントロール手段としての制裁

「VOR」◆(2012/06/17)米の対イラン制裁 ロシア企業も含まれるか

「VOR」◆(2012/06/21)中国 イラン産原油の輸入削減 米国の制裁対象から除外される可能性

「VOR」◆(2012/06/26)7月1日から韓国 イラン産石油輸入禁止

「VOR」◆(2012/07/06)米国とイランの戦争で誰がとばっちりをうけるか

「VOR」◆(2012/07/11)イラン:核問題に関する建設的対話にとって主な条件は制裁解除

「VOR」◆(2012/07/12)米国 ASEAN諸国にイランへの圧力を呼びかける

「VOR」◆(2012/07/13)米国 イランへの制裁を拡大

「VOR」◆(2012/07/15)エジプト イラン産石油の輸送を継続

「VOR」◆(2012/07/17)米国海軍 UAE沿岸で発砲

「VOR」◆(2012/07/29)米国 イスラエルにイラン攻撃プランをすでに渡す

「VOR」◆(2012/08/02)米上院,対イラン制裁を厳格化する法案を通過

「VOR」◆(2012/08/07)米国,イランの大型資金を洗浄したとして英国銀行を非難

「VOR」◆(2012/08/11)米上院の対イラン新制裁が発効

「VOR」◆(2012/08/17)米国ブロガー イスラエルのイラン攻撃計画を公開

「VOR」◆(2012/09/11)イラン,油輸出への依存を減らす

「VOR」◆(2012/09/17)欧米諸国 イランへの先制攻撃を準備

「VOR」◆(2012/09/22)イスラエルがイランを攻撃した場合,アラブ諸国はイスラエルとの関係を絶つ

「VOR」◆(2012/09/23)イラン 核施設への破壊工作準備でドイツを非難

「VOR」◆(2012/10/06)国連の制裁がイランの人道状況を悪化させた

「VOR」◆(2012/10/28) イスラエル空軍 イラン攻撃演習を行う ロンドン地元紙

「VOR」◆(2012/11/06)イスラエル イラン攻撃の準備ある

「VOR」◆(2012/11/29)ベルリンのイラン大使館,何者かに襲撃受ける

「VOR」◆(2012/12/06)米国,核技術関連物質の対中,イラン禁輸に違反し,3人が有罪

「VOR」◆(2012/12/16)イラン 世界大戦の危険性を警告

「VOR」◆(2012/12/28) 米空母「ジョン・C・ステニス」ペルシャ湾へ

「VOR」◆(2013/02/28) 国連事務総長 イランに核プログラムの説明求める

「VOR」◆(2013/04/09) 米国 イラン沿岸の自国艦隊に特別のレーザー配備

「VOR」◆(2013/08/21) 米国,イランにウラン密輸を試みたアフリカ人を拘束

「VOR」◆(2013/10/06) イラン 核施設での破壊工作が暴露

「Zakzak」◯(2012/01/25)イラン危機が日本を襲う!原油1バレル=200ドルの深刻度
 第一生命経済研究所研究理事・櫨浩一による解説

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/02/11)イランとアメリカ 互いの牽制のなかで,緊張緩和の兆しも

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/03/06)イラン核開発問題 イスラエルのネタニヤフ首相「独自の決定をする主権がある」「これ以上は待てない」

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/09/21)イスラエル 米大統領選挙前にイラン核施設攻撃のうわさ

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/10/09)イラン  経済制裁で通過リアル暴落  強まる保守派内部の大統領批判

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/10/19)アメリカ  ちょっと意外なニュース アメリカの対イラン輸出急増 最大の対米債権国に日本返り咲き

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/11/14)イラン制裁で追い詰められるアフガニスタン難民 イランとアフガニスタンの関係

「時事通信」◆(2012/01/28)地下貫通弾の破壊力不足=イラン核施設に歯立たず?米紙

「週刊オブイェクト」◆対イラン戦争の可能性

「ダイヤモンド・オンライン」◆(2012/01/23)イラン情勢次第で200ドルも 原油高騰が日本経済に落とす影

「地政学を英国で学ぶ」◆(2010/04/05)クリストルの「イランを攻撃せよ」論

「東洋経済オンライン」◎(2012/01/24)欧米が対イラン制裁,くすぶる原油高騰懸念

「中東の窓」◆(2012/07/16)ホルムズ迂回パイプラインの運用開始

「中東の窓」◆(2012/07/17)ペルシャ湾での米艦の発砲事件

「中東の窓」◆(2012/07/26)イラン濃縮工場に対する音楽サイバー攻撃

「中東の窓」◆(2012/09/09)イスラエルのイラン攻撃とヒズボッラ

「中東の窓」◆(2012/09/09)イランに対する電磁波爆弾の使用?

「中東の窓」◆(2012/09/11)イラン奇襲の可能性は失われたが,と題するイスラエル紙記事

「中東の窓」◆(2012/09/20)イラン核濃縮工場電力網に対する攻撃

「中東の窓」◆(2012/10/01)イスラエルのイラン攻撃(アゼルバイジャンの役割)

「中東の窓」◆(2012/11/05)イスラエルは2010年にイラン攻撃を計画した?

「中東の窓」◆(2013/01/07) イラン科学者の暗殺阻止

「中東の窓」◆(2013/04/09) レーザー兵器の配備(米海軍)

「東洋経済オンライン」◎(2012/06/08)米国・イスラエルvs.イラン,戦争の可能性は低い

「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/11/11)◆ イラン核施設を徹底査察=原油輸入削減継続−米国務長官|時事通信

「日本語で読む中東メディア」◆(2010/06/09) 国連安保理イラン制裁決議に,トルコは反対票 (Milliyet紙)

「日本語で読む中東メディア」◆(2010/07/04)ラーリージャーニー議長「イランは国連安保理決議への対応として重大な決定を下した」 (Jam-e Jam紙)

「日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信」◆(2013/01/24) アメリカで唱えられるイランの核武装容認論

「ニューズウィーク」◆(2010/10/06)イラン原発を襲ったサイバーテロ


 【質問】
 イランへの経済制裁は効果あるの?

 【回答】
 経済封鎖がアテにできない,これは鉄板.
 米艦隊がペルシャ湾を完全封鎖するぐらいの気合がないと無理ですし,それに対抗してイランがタンカー戦争ふたたびとかになったら大パニックが起こります.
 また,石油にメイド・イン・ペルシャと書いてあるわけではないので,市場に流れてしまえばもう追えません.
(逆にイランが敵対国には売らないぞと脅すのも無理なんですが)

 ただ,アメリカも経済的なカードを,全て切っているわけではありません.
 アラブ・ボイコットのアメリカ版を厳密に断行したとすると,間違いなくイラン経済は破滅します.
 まずこの手段は不可能なんですが,イランのあの暴走大統領が自分で自分のクビを締めてますので…

イスラエル国防相 ◆3RWR.afkME in 軍事板


 【質問】
 アメリカによるイラン空爆はありえますか?

 【回答】
 アメリカの中東地域における戦略は一貫している,
 それは地域全体にプレゼンスをあたえる大国の出現の阻止し,自国の国益につなげる事. 
 そういう意味ではEUの交渉の進展をみるが,交渉が頓挫したら,核関連施設を空爆して,それで幕を引こう そういうことじゃろ.

 問題の根本的な解決にはなりようもないが,空爆で得られるメリットは
(1) イランは中進国,空爆されたらインフラ回復には途方もない時間がかかる.
(2) 攻撃されたことによる現大統領への批判の高まり,ひいては辞任.
(3) 自国民への求心力のひとつとしてあった対イスラエル強攻策の具現化が頓挫することによる,内部での路線変更,あるいは政変への期待,保守派の弱体化 etc

軍事板

 もし空爆が実施される場合,『同時に多数の目標を叩く』必要がありますが,それができるのは米軍(あるいは多国籍軍)だけでしょう.
 政治的な理由から他国の基地は使わず,海上あるいはディエゴガルシアあたりからの出張になるかと.
 トマホークなどを使うでしょうから,パイロットの被害は考えてないでしょう.

イスラエル国防相 ◆3RWR.afkME in 軍事板

 ちなみに,空爆があるとしたら,それは今年9月までに行われるだろうと見られている.
 以下引用.

 4月の下旬,ロサンゼルスタイムスは,対イラン武力攻撃が行われるとしたら,今年9月までに恐らくイスラエルによってだ,と概要以下のように報じました
(以下,武力攻撃の時期と主体については,ロサンゼルス・タイムス(4月29日アクセス)による.)

 4月25日,ロシアはイスラエルのために偵察衛星を打ち上げた.
 この衛星の目的はイラン核施設の監視であると考えられている.

 同じ日に,ロシアは,イランに7億米ドルで29基のトール(Tor M1)防空ミサイルを販売する計画を予定通り進める意向を表明し,更に国連安保理がイランにいかなる制裁を科することにも反対する,と改めて表明した.
 ロシアのこの二股膏薬的対外政策は,中東で新たな地域戦争を勃発させることを意図したものだという説がある.
 米国を困らせ,石油や天然ガスの価格を高騰させることで得をするのは(石油・天然ガス産出国である)ロシアだ,というわけだ.

 この日は,イスラエルのオルマート(Ehud Olmert)首相が,
「誰であれ,われわれを破壊する能力ないし力を持つことは許さない」
との決意を改めて表明した日でもある.
 9月にはイランで上記トール・ミサイルの(恐らく核施設周辺への)配備が完了し,そうなればイスラエルだけではイランの核施設に手が出せなくなるので,イスラエルは9月までに対イラン武力攻撃を行うだろう.

太田述正コラム#1219(2006.5.7)

 【関連リンク】

「中東Today」:アメリカ国民の大半はイラン攻撃支持

「中東Today」:クウエイトのシンクタンクがイラン攻撃の影響予測


 【質問】
 イスラエルによるイラン空爆の可能性は?

 【回答】
 可能性があると見る専門家もいる.
 ただしその場合でも,イスラエル単独とはならないだろうという.
 以下引用.

 この専門家は,イスラエルが精力的に軍事作戦を推進していると見る.
 というのも,イスラエルは,イラン政府の核開発計画推進という(イランにとり)合理的な決定を心配し,イスラエルに対する恐ろしい脅威と見なしている.
 さらに,イスラエルはイランの弾道ミサイルの射程内にある.

 この専門家は,アメリカがイスラエルからの圧力によりイラン攻撃を決定し,空爆を始めるかもしれない,と考えている.
 あるイスラエル軍事情報部の幹部職員は2005年末,イスラエルはイランの核施設を除去する決定をしており,作戦は2006年春に決行されるべきであると付け加えた,と言った.
 しかしながら,私たちがコメントを求めた専門家は,たとえアメリカがイスラエルに,地下施設貫通・破壊用に設計された多くの精密兵器を供給したとしても,イスラエルは単独でイランの軍事目標を攻撃できないと見ている.

 専門家は,精密爆弾とミサイルがイランの核施設に対して使用されるだろうと考えている.
 対象となるイラン核施設は公式には14箇所である.
 しかし,専門家は,イランの核施設はさらに多いだろうと推測している.
 60以上のミサイルおよび空軍基地が第2の攻撃目標になるだろう.
 さらに言うまでも無いことだが,イランの軍産共同体企業も攻撃目標に含まれている.

http://asyura2.com/0601/war78/msg/254.html
 阿修羅,Globalresearch,と胡散臭さ爆発ですが,
記事自体はロシアの著名日刊紙(NezavisimayaGazeta)の転載なので,
ひとつの見方としてはアリでしょう.
(by イスラエル国防相 ◆3RWR.afkME in 軍事板

 たしかにイスラエルはシリアの防空網をかいくぐる能力がある模様で,ときどきシリア上空に威嚇飛行をしたり,シリア領内に爆弾を落としたりしているが,イランはシリアまたはイラクを超えた先にある.
 過去にイスラエルがイラクの原子炉を稼動直前に爆撃したこともあるが,そのときもぎりぎりだった.
 これらから考えると,イスラエルがイランの核施設に航空攻撃というのは,ちょっと考えにくくはある.

軍事板


 【質問】
イスラエルがイランの核施設を空爆するのではないかと報道されていますが, もし実際にイスラエルが空爆する場合,どのように空爆するのでしょうか?
イランは,イラクやシリアと違って,イスラエルからかなり遠いと思うのですが,空中給油機などを使えば,可能なのでしょうか?

 【回答】
 IAF,つまりイスラエルは空中給油機を有しており,最近では6月上旬に地中海からギリシャの空域まで大規模(100機以上だったか)な演習を行っています.
 この演習ではヘリも長距離進出し,戦闘救難の訓練をしたとのこと.

 ということで,トルコ方向からの越境などが考えられるでしょう.

 ただし,イランも核開発施設の分散と地下化を進めており(出て来るだけでもナタンズ,イスファハンなどに分散),イスラエルが果たして危険な賭けに見合うだけの戦果を挙げられるかは疑問という話です.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 イスラエルが全国民にガスマスクの配給を開始,その理由は?
http://karapaia.livedoor.biz/archives/51585355.html

 【回答】
 原文.

EDITORIAL: War with Iran nears
--------------------------------------------------------------------------
This week, a biological-warfare-preparedness exercise is being held in Tel Aviv and other cities.Starting late next month, gas masks will begin to be distributed to every Israeli citizen; similar measures were undertaken before the first and second Gulf wars.
On Sunday, Gen. David H. Petraeus, head of U.S. Central Command (CENTCOM), said in a clear signal to Tehran that it would be "irresponsible if CENTCOM were not to have been thinking about the various 'what ifs' and to make plans for a whole variety of different contingencies" with respect to Iran. The next day, it was reported that America was doubling the value of emergency military equipment stockpiled in Israel, which would be available for Israeli use in the event of an emergency.
--------------------------------------------------------------------------

 オバマがケツ持ち出来るかどうか知らんが,ユダヤは本気になったみたいですな.

 憶測と推測で書くのは躊躇われることですが.

 イスラエルは核兵器を保有しており,イランは核開発中.でもBC兵器は保有.
 アフマディネジャドはイスラエルの破壊を宣言,その動きが公然化.
 イスラエルの取るべき動きとしては,外交手段が最早成立しない以上は,かつてのオシラクを再現すること.
 ただし,航続距離の長さと連続攻撃の必要性(核関連施設は狙うが弾道ミサイル基地は同時に狙えない),
そして報復をBC兵器搭載弾道弾で受ける確率が高い以上,国民へ対BC兵器用装備の配布は,イスラエルが覚悟を決めたと憶測するには十分ではないかと.

bernoulli,2010年01月14日 04:45

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より

 ただし,「イスラエルが覚悟を決めた」的な報道は,過去に何度か出てきているが,今に至るまで実行がない点を考えると,本報道の信憑性も今一つといったところ.
 また,このような報道自体が,イランに対してプレッシャーをかけるためのプロパガンダの可能性も捨てきれない.


 【質問】
 イランは空爆に対する備えはしているの?

 【回答】
 最近になって,ロシアから地対空ミサイルをせっせと買い込んでいるそうです.
 しかしそれでも,イラン空軍は戦力としては役に立たないだろうと考えられているので,イラン指導部はイラクへのゲリラ戦に活路を見出すことになるでしょう.

 まず,ロシアからのミサイル購入については,次のような記事が出ています.

ロシア,イランに地対空ミサイル等を売却

 ロシアの通信社は,ロシアとイランがミサイルや防衛システムに関する10億ドル以上の装備の販売に合意したとの報道を行った.
 そのなかには最大30両のトールM1SAMが含まれている.
 インターファックス通信は,トールM1は最大高度6000mで同時に48目標を追尾し,2目標に対してミサイルを誘導出来ると報じた.
 また通信社は,2つの国がイランの空軍装備の近代化を行う契約を交わしたと報じた
 今の所,この報道に対するイランからのコメントは無い.

 9M331Tor SAMについては
http://missile.index.ne.jp/cgi/misearch.cgi
を参照してください.

イラン,ロシア製地対空ミサイル購入へ(2005年12月16日)

 イランとロシアは2006年の後半にロシア製地対空ミサイル複合体の購入に関する購入計画を策定・承認した
 Pechora-2Aは距離3.5〜38km,高度20m〜20kmの範囲で最大速度700m/秒で飛行する航空目標を攻撃可能.ミサイルシステムは中東の射程範囲でF-16とトマホーク類似の標的への命中に成功した.
 ミサイルシステムには,昼夜に渡って飛行目標を探知する新型の光学式電子装置を有している.
 それは近代的なミサイルと防御装置を使用する.

 Pechora-2Aはブシェールでロシアが建設中の原子力発電所の防衛に用いられるかもしれないと,Grani. Ruwebsiteはロシア連邦政府の軍事技術協力科の情報筋を引用して報告した
「テヘランが発電所を作るのを助けるため,ロシアはこれの安全を確保しなければならない.
 その破壊は中東での環境災害を引起こしかねない」
「それは対空システム分野でのイランと(ロシアと)の協力が継続される理由である」
と情報筋は述べた.

 先にロシアのメディアは,モスクワが11月に,30基のTor-M1対空ミサイルを含む,10億ドルの兵器のイランへの売却に同意したと報道した.
 ロシアのイワノフ国防相は,イランへのTor-M1対空ミサイルの引渡しの契約に調印したと述べた.

 ペチョラ-2Aは,ロシアのアルマズ設計極が開発したS-125ネヴァ(輸出型はS-125M1ペチョラ,NATOコードはSA-3ゴア)の最新改良型です.
 古くからある対空ミサイルですが,電子装備を真空管から最新の電子装備に置き換えて,巡航ミサイル迎撃能力や対ECCM能力を向上,光学/テレビの多チャンネル自動追尾装置を搭載したことなどが特徴です

 ペチョラ-2Aの開発元のアルマズ公式サイト
http://www.raspletin.ru/eng/

軍事板

 しかしそれでも,イラン空軍は戦力としては役に立たないだろうと考えられているので,イラン指導部はイラクへのゲリラ戦に活路を見出すことになるでしょう.
 以下引用.

 アメリカは,イラク統治を安定させようとして泥沼にはまっているため,アメリカが選択できるイラン攻撃の唯一の手段は,空襲および巡航ミサイルとなるであろう.
 言いかえれば,イラン攻撃の目的が空襲によってのみ達成される場合,アメリカはユーゴスラビアでのシナリオを繰り返すだろう:
 (セルビアでは)ミロセビッチ政権は倒され,セルビア人はコソボから追放され,軍事関連産業は徹底的に破壊された.

 イランの防空能力は脆弱なので,決定的に戦局を左右しないだろう.
 専門家によれば,1970年代末にイランに配備されたアメリカの防空システムは,交換部品の不足によって稼動不能である.
 ロシアのS-200システムは適切な防空圏はあるが,高性能戦闘機に対しては無力である.
 中国のS75sは時代遅れで,現代の航空機に対して役立たない.
 イランは,ロシアから数十発の射程の短いTorシステムを最近購入した.
 しかしイラン軍の実戦訓練はまだ行わなれていない.
 以上の理由により,イラン空軍は戦力として計算できない.

 空軍は役に立たないので,イランは地上軍によるイラク侵攻という残りの手段に頼らざるを得ない.
 しかしKhramchikhinは,イラン地上軍はアメリカ軍を攻撃するかなり前に,アメリカ空軍の攻撃で壊滅させられるだろうと推測する.

 しかし,イランの宗教指導者はゲリラ戦に活路を見出し,イラクのシーア派民兵の反乱を援助するかもしれない.
 それはアメリカにとり悲惨な結果を招来するであろう.
 現在でもアメリカは,イラクの3つの田舎州でのスンニ派のゲリラ抵抗を鎮圧することすらできない..
 .イランの反乱は,部族長または聖職者からの宗教令なしでも自然に始まるかもしれない.

 イランは旧式のソビエトおよび北朝鮮のスカッドミサイルの改良型である,一定量の短・中射程Shihab戦術ミサイルを保有している.
 私たちが取材した専門家は,スカッドミサイルの性能は悪評高いので,Shihabミサイルがアメリカ軍に重大な損害を与えることはないと主張している.
 現時点では,イランは高性能兵器を製造する技術はない.

http://asyura2.com/0601/war78/msg/254.html
 阿修羅,Globalresearch,と胡散臭さ爆発ですが,
記事自体はロシアの著名日刊紙(NezavisimayaGazeta)の転載なので,
ひとつの見方としてはアリでしょう.
(by イスラエル国防相 ◆3RWR.afkME in 軍事板

イラン,国産の対空防衛システムを近く発表へ=国営通信
>イランは近く,国産の対空防衛システムを発表する見通し.
>このシステムは,ロシアのS─300対空防衛ミサイルシステム級の威力を持つという.
>国営イラン通信(IRNA)がイラン空軍司令官の話として伝えた.
-----

 北朝鮮が突然,「S-300を自作しました」と言っても,誰も信用しないのと一緒ですね.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年02月09日 00:18
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 イラン核施設空爆は,どのような被害をもたらすと予測されるか?

 【回答】
 イランの軍人の死者は数千人,民間人の死者は少なく見積もって数百人と予想されるという.
 以下引用.

 2月13日には,英国のブラッドフォード大学のロジャース(PaulRogers)が,概要次のような論考
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2006/02/14/2003292995.2月15日アクセス)
を出版しました.

 米国かイスラエルがイランの核施設を突然空襲したならば,イランの軍人の死者は数千人,民間人の死者は少なく見積もって数百人と予想される.
 これは,イランの核施設が人口密集地に多く設置されていること,核開発の技術的支援部門やミサイルのインフラ部門も攻撃する必要があり,これらの施設(工場)がやはり人口密集地に多いからだ.
 空襲の対象となるのは,テヘランの研究用原子炉・ラジオアイソトープ生産施設・各種核関連研究所・カラエ(Kalaye)電力会社のほか,イスファハン(Isfahan)とナタンツ(Natanz)にある施設や,ブシェール(Bushehr)に建設中の原子炉だろう.
 この最後の原子炉は2006年に完成するが,それから空襲したのでは,イラン内はもちろん,湾岸諸国やサウディの湾岸一帯が放射能で汚染されてしまいかねないので,やるとしたら,それまで,ということになる.
 空襲は,同時並行的に一挙に実施され,それにより,できるだけ多数の技術者を殺害しようとするだろう.
 イランの防空能力は弱体であり,かかる大規模空襲に対処するすべはないだろう.

太田述正コラム#1086(2006.2.19)


 【質問】
 イラン核施設空爆は,イランの現体制強化になってしまうのではないか?

 【回答】
 そうとも言えないという見解もある.
 以下引用.

ワシントンのシンクタンクのCenterfor Strategic and International Studiesのシニア・フェローのルトワク(Edward N. Luttwak)は,概要次のような論考(2月11日アクセス)を2月10日付のロサンゼルスタイムスに寄せました.

 イランの核施設を空襲すると,イランの現体制をむしろ強化してしまう,という意見があるがこれは誤りだ.
 確かに,ドイツ・日本・セルビアに対する空襲は,それぞれの体制を強化してしまったが,それはこの三国がいずれも単一民族国家(nation-state)だったからだ.
 これに対し,イランはペルシャ人中心の多民族帝国(multinationalempire)であってかつてのソ連と似ている.
 しかし,ソ連ではロシア人が多数を占めていたが,イランではペルシャ人は半数ちょっとしか占めていない.
 そして,イランでは,ペルシャ人だけはイランに強い愛着を持っているものの,その他の民族はペルシャ人が支配的なイランにほとんど愛着を持っていない.
 東に居住するバルーチ(Baluch)(人口の2%),西(クゼスタン地方)に居住するアラブ(3%),北西に居住するクルド(9%)の間では,叛乱ムードが燻り続けている.
 これらの少数民族は,いずれも核施設への空襲を歓迎するだろう.
 ただし,少数民族とは言っても,トルクメン(Turkmen.2%)ラー(Lur.2%)やギラキ・マザンダラニ(Gilaki・Mazandarani.計6%)は,ペルシャ語の方言を用いていることから,ペルシャ人寄りの可能性がある.
 しかしもう一つ大きな少数民族がいる.ペルシャ系だがトルコ語を用いている北のアゼリ(Azeri)だ.テヘランに居住するアゼリの多くはペルシャ人に同化してしまっているが,北に行けば行くほどそうではない.
 国境のすぐ向こう側のアゼルバイジャンがソ連から独立してからというもの,アゼルバイジャンを自分達の祖国だと思うアゼリが増えている.
 これに加えて,イスラム革命以来のシーア派原理主義にその他の宗派の人々が辟易しているという現状がある.
 バハイ・キリスト・ユダヤ・ゾロアスター各教の信者は,全部併せても人口の2%を占めるのみだが,人口の9%を占めるスンニ派は無視しがたい.何と言っても,100万人ものスンニ派が居住するテヘランで,専用のモスク一つつくることさえ認められていないのだから.

太田述正コラム#1086(2006.2.19)


 【質問】
 イランへの地上侵攻はありえますか?

 【回答】
 地上軍による侵攻は当面ありえません.この先もないでしょう.
 イラクよりも遙かに利権が入り組んでますので.
 攻撃があるとしたら核施設限定になる筈.
 バビロン作戦でイラクの核開発がたちまちヘタったように,途上国では失われた技術の再建に恐ろしく時間がかかります.
 時間稼ぎ以上の効果が見込めるわけです.

イスラエル国防相 ◆3RWR.afkME in 軍事板

 ただし,限定的な地上戦の可能性はあるという見方もあります.
 以下引用.

 またこの専門家も,イラクとアフガニスタンで行われたように,アメリカ軍が中東の基地から空挺部隊をイラン領土に降下させる可能性を排除していない.
 大量破壊兵器拡散防止や反テロリズムの大義名分のもと,アメリカ政府はアフガニスタン空爆の時と同様,周辺諸国政府からアジア諸国およびコーカサス山脈の空軍基地を使用する許可を得ようとするかもしれない.

 イラン政府は,最悪のシナリオである軍事衝突の準備をしている.
 実際,イランはかなり大規模な訓練済み軍隊を保有している.
 しかしながら,イラン政府はイラン軍はアメリカとの正面切っての全面対決に耐えられないことを知っている.
 そのため,イラン政府は国境警備隊と革命防衛隊を動員して,イラン国内至る所でゲリラ戦を行おうとしている.
 イランにおける反米主義の高揚は,アメリカがイランに侵攻すれば,イラクやアフガニスタンよりさらに多くの困難に直面するであろうということを明確に示している

 〔略〕

 世界的には,イラク人がサダム・フセインの転覆を歓迎したように,イランでも新政権の樹立は歓迎されるだろうと考えられているが,アメリカ軍は狂信的な抵抗に遭遇する覚悟をしたほうがよい.
 イラン人は死傷者がいくら出ても問題にはしない.ジハードで殉教した勇士は天国へ直行できるので,イラン人は死を恐れない.

http://asyura2.com/0601/war78/msg/254.html
 阿修羅,Globalresearch,と胡散臭さ爆発ですが,
記事自体はロシアの著名日刊紙(NezavisimayaGazeta)の転載なので,
ひとつの見方としてはアリでしょう.
(by イスラエル国防相 ◆3RWR.afkME in 軍事板


 【質問】
 イラン・ブシェール原子力発電所にも感染したらしい,Stuxnetワームの一件ですが,

http://www.gizmodo.jp/2010/10/post_7733.html
>ペンタゴンがイランの核施設のみを狙って放ったワーム
というのは本当ですか?

 【回答】
 「煽るな,馬鹿者」と言いたいところ.

 まあ,おおよそ何が起こったのか,どうなったかは想像は出来る.
 もっともそれについて語ることは私自身,絶対にないし,明らかにされることもなく,闇から闇に葬るべき事項だが.

 ただ,留意すべきなのは「ターゲット」になったのが
「ドイツのシーメンスが世界各地の産業用施設に提供するSupervisory Control And Data Acquisition(SCADA)システム」
(日本国内では通称「監視制御システム」)
ということ.

 イラン核開発事案前後に渡り,イランにとってドイツは有数の貿易相手国.そのため,民生用としての各種制御システムにシーメンス製品が導入されていることは,容易に想像できる.
 しかし,これら監視制御システムは,あまりに普及した世の中にありふれたものであり,シーメンス製の有無は別次元として,ドイツやイランだけではなく,全世界ほとんど全てに普及しているシステムと言って良い.

 逆に言えば,それだけに広範囲な被害を及ぼすことが理論上では可能なわけだが,その範囲を極端に特定・かつ限定しなければ,「イランの核施設のみ」を対象に攻撃を仕掛けることが出来ず,付随する施設ではなく,同種の設備を組み込んだ施設全てに,極めて大きな影響を及ぼすこととなる.

 以上,核関連施設に限定,とは簡単に記事では言うが,それは極めて難しいことと言える.
 おまけにブシェール原発の場合,途中ロシアのシステムが入ってきたため,原設計とは違う分野に転用されたり,マッチングやメンテナンスが出来ないなどの理由で,そもそもロシア製システムに置き換えられている可能性も高い.
 その場合,所定の効果を上げないことは十二分に考える必要がある.

 むしろ,核関連施設にとって脅威なのは,核関連施設そのものに対しての攻撃ではなく,その他の部分にあることはあまりに知られていない.
 もちろん,私個人がそのことについて説明することは今後に渡っても絶対にないが,綺麗な核兵器ならぬ,核関連施設だけを攻撃する綺麗なワームと言うことはあり得ない.
 そして,核関連施設にダメージが出る前の段階で,仮に核関連施設に対象設備が無く直接の影響が無くとも,何らかの外的要因により,物理的な影響が発生することは,考慮しておく必要がある.

 実際には,核関連施設はそこまでハイテクな施設でもなく,現実は想像上のお話しと明確に区切られているのだが,実際についてはもちろん秘密.
 その点は,私自身の首が掛かりますので,どうかご容赦ください.

 皆さんは如何お考えでしょうか.

へぼ担当 in mixi,2010年10月02日13:27

 なお,その後の報道によれば,2010年10月1日(金),ファイル名が,聖書に関連した「ミルトス」となっていることが判明.
 犯人がイスラエルの関係者なのか,偽装工作なのか見方が分かれている(イディオット・アハロノット)という.

 また,2010年10月3日(日),イラン国内にコンピュータウイルスを蔓延させ,核施設に影響を与えた「スパイ」を逮捕したとイラン政府は発表した.
 逮捕の人数や時間は明らかにされていない(イディオット・アハロノットエルサレム・ポスト)という.

▼ 質問で採りあげられているgizmodoのぶち上げ方はぶっ飛んだ感じになっていますが,ウイルス対策ソフトの老舗f-secureの解析とその推測,と言うのがあって,こっちはかなり地に足が付いた風な見解になってます.

――――――
http://blog.f-secure.jp/archives/50464996.html

 Q:「Stuxnet」コードは遠心分離機により,およそマッハ2で飛行している発射体を崩壊させる可能性があるのか?

 A:修正されたことにより,遠心分離機が粗悪なウランを生産するというケースの方が,より可能性があるだろう.
 その変化は,長期間気づかれない可能性がある.
――――――

 どこまで正しいか(f-secureが正しいことを言っているかも含め)は何とも分かりませんが,gizmodoのそれよりも「それっぽい」,「より『可能っぽさ』が高い」ように感じます.

Ai in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年12月08日 23:28

▼ 上記以外では,この件については,一切の解説を差し控える.
 ただ,記録だけは残すこととする.
 なお,本記事は現在入手できる,技術的に最も優れた最高レベルのまとめと愚考.
Stuxnet の PLC 感染プロセスの調査 | Symantec Connect

 蛇足だが,今回の問題が投げかけているのはシーメンス製有無ではなく,ターゲットがPLCに及んだ点.
 この意味は大きい.

2010年10月09日 21:53 へぼ担当

電力重要インフラ防護演習に関する調査 報告書
http://www.ipa.go.jp/security/fy15/reports/infra/documents/infra_2004.pdf

 日本語で書かれ,現在公開されているものとしては最高レベルの資料.
 信頼性は,ipaそのものであるので十分保証できるが,それに対する対応については一切言及できないし,仮に言及すれば当事者の首があっさり飛ぶ重要事項.
 なお,その後に関しては当然のことながら一切公開されておらず,今後もその可能性は無いどころか,本資料の改訂公開もあり得ない状況であること.
 公開されて残っている現時点で手元に置かなければ,将来削除される可能性が高いことまでは言及できると愚考.

2010年10月09日 22:02 へぼ担当

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分

▼ そして公知になっている以下の日本語訳文を紹介します.
 不親切で申し訳ありませんが,機微情報も絡みかねないため,了解いただければと考えます.
 なお,英文で申し訳ございませんが,現在公にて入手可能な最高レベルの知見が以下にまとめられています.
 ご興味の方は是非ご一読下さい.http://www.symantec.com/content/en/us/enterprise/media/security_response/whitepapers/w32_stuxnet_dossier.pdf

――――――
解明が進む「Stuxnet」の目的
 周波数変換ドライブ(筆者注釈:いわゆるVVVF電源)は,出力周波数を変換することで,モーターの速度を制御できる電源です.
 周波数が高くなればなるほど,モーター速度が上昇します.
――――――

 これが全てを物語っています.
 要はStuxnetコードがこのVVVF電源のコントローラを乗っ取り,
「出力電力(電圧・周波数)を滅茶苦茶にすることで正常な動作を妨害する」
と言うことになります.

> ペンタゴンがイランの核施設のみを狙って放ったワームというのは本当ですか?

 質問で採りあげられているgizmodoのぶち上げ方は,ぶっ飛んだ感じになっていますが,ウイルス対策ソフトの老舗f-secureの解析とその推測,と言うのがあって,こっちはかなり地に足が付いた風な見解になってます.

――――――
http://blog.f-secure.jp/archives/50464996.html

Q:
 「Stuxnet」コードは遠心分離機により,およそマッハ2で飛行している発射体を崩壊させる可能性があるのか?

A:
 修正されたことにより,遠心分離機が粗悪なウランを生産するというケースの方が,より可能性があるだろう.
 その変化は,長期間気づかれない可能性がある.

 どこまで正しいか(f-secureが正しいことを言っているかも含め)は何とも分かりませんが,gizmodoのそれよりも「それっぽい」「より『可能っぽさ』が高い」ように感じます.
――――――

という問いに真正面から答えることは,(機微情報が絡む故)難しいところですが,以下のことは指摘できます.
 正確な分析は上記Symantecの翻訳記事,及び英文pdfを参照願いたいが,仮にこれがイランのウラン濃縮施設に作用した場合,以下の問いにはこう答えるべきと考えます

----
Q:
 「Stuxnet」コードは遠心分離機により,およそマッハ2で飛行している発射体を崩壊させる可能性があるのか?

A:
 修正されたことにより,遠心分離機が粗悪なウランを生産するというケースの方が,より可能性があるだろう.
 その変化は,長期間気づかれない可能性がある.
----

----
筆者Ans:
 『粗悪なウラン』が何を示すか不明だが,濃縮工程として遠心分離機にかけられているUF6(六フッ化ウラン)の化学組成が変動することはあり得ない.
(仮に遠心分離機が破損して,他の化学物質が混入する可能性はあるが,これは別次元の問題である.)
 ただ,ウラン濃縮を行う遠心分離機がまともに動かない,と言うことは,
「ウラン濃縮がまともに行われなくなる」
と考えるべきである.

 また,電源がまともに動かない(正確には安定に動かない)と言うことは,精密高速回転体にとって,その回転速度が滅茶苦茶になることを意味するため,その影響は「滅茶苦茶」になった「時だけではなく」,その後に渡っても長期にわたり影響を及ぼす可能性がある.
 卑近な例で言えば,車のエンジンを高負荷で回しているのであれば,適切な潤滑等のメンテナンスがある限り,正常に稼働するのが普通だが,エンジンをアイドリング状態で空ぶかしを何度も何度も続けていれば,エンジンの寿命を著しく縮め,壊してしまう可能性が高い.

 よって,仮に「Stuxnet」コードがイランのウラン濃縮施設に侵入し,妨害活動を行った場合,その影響は軽微なものに留まるか,長期にわたるものとなるか,現段階では評価できないし,仮に評価できる材料があっても公にする物ではないと考えるが,「少なくない影響」を与えたであろう事は予想できる.
----

 本来なら,その評価を行うところですが,機微情報が絡みかねないため,以上とさせていただきたいと考えます.どうかご容赦ください.
 以上,ご参考まで.

へぼ担当 in mixi,2010年12月09日20:15
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 モスタファ・アフマディロシャン暗殺事件とは?

 【回答】
 イランのファルス(Fars)通信などによると,20121.11朝,テヘランにて起きた,核科学者のモスタファ・アフマディロシャン Mostafa Ahmadi Roshan (32)が爆死した事件.[1][3]
 テヘラン東部にある大学――ANNは「北部」と報じている[4]――の前で,同氏が乗る車にバイクの2人組が近づき,車の下にマグネット式の爆弾を仕掛けて爆発させたという.[1][3][4][6]
(読売新聞は,「爆発物を投げ入れた」と報道)[5]

 アフマディロシャンは死亡.[1][3]
 車を運転していたボディーガード[1]も,搬送先の病院で死亡した.[3]
 他に1人が負傷.[1]

 アフマディロシャン氏は,出身大学のウェブサイトによると,ナタンツ(Natanz)のウラン濃縮施設の副所長を務めていた.

 イラン政府は直ちに,イスラエルと米国による仕業だと非難.[1][3]
 イランの治安当局者は,
「シオニスト(イスラエル)の工作員による,核科学者を狙った過去の『テロ攻撃』と似通っている」
と述べ,イスラエル情報機関による暗殺事件との見方を示した.[7]

 これに対してクリントン米国務長官は,米国の関与を「明確に否定する」と述べた.[2][3]
 イスラエル政府からは公式なコメントは出されていないが,軍の広報がフェイスブックページで11日,
「誰がイランの科学者を狙ったのかはわからないが,涙は1滴も出ない」
とコメントした.[3]

 イランでは,2010年と11年にも,同様の手口による攻撃で科学者3人が殺害される事件が発生している.[1]
 2010年1月には大学教授1人が死亡,[6]
 同年11月にも,科学者1人が死亡している.[6]
 このうち2人は核活動に従事していた.[1][4][5]

 オシラク原子炉爆撃の前にも,同様の事件が発生していることから考えて,イスラエル諜報機関による単独犯行の可能性が高い.

 【参考ページ】
[1]AFP,2012年01月12日 07:07 発信地:テヘラン/イラン
[2]読売新聞,2012年1月12日(木)12時55分 【ワシントン=山口香子】
[3]CNN,2012年1月12日(木)11時3分
[4]テレビ朝日系(ANN),2012年1月12日(木)3時17分
[5]読売新聞,2012年1月11日(水)22時48分 【テヘラン=五十嵐弘一】
[6]CNN,2012年1月11日(水)18時51分
[7]時事通信,2012年1月11日(水)17時39分


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