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◆◆◆◆◆「動機は石油」説
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<◆イラク 目次
中近東FAQ目次


 【link】


 【珍説】
 小ブッシュ政権がイラク攻撃に固執するのは,イラクの石油利権を狙っているからである.

 【事実】
 以下の(1)〜(5)の理由から,ありえない.

 (1) 石油利権が望みなら,欧米や国内の石油企業がイラクの経済制裁を解けとの要求を断固反対していたのことの説明がつかない.(軍事板)

 (2) 石油利権説では,石油食糧交換計画におけるアメリカの態度が説明できない.
「アメリカで最もイラク攻撃に反対している人々,ブッシュの政策を最も猛烈に叩いている人も,この戦争は石油じゃない,今回,石油は関係ないんだと言っているんです.石油じゃない,という,反ブッシュ派から出てきた論評が幾つも,10ぐらい実例があります.
 一番大きな論拠というのは,国連が96年から始めた石油食糧交換計画.御存じのように,イラクというのは世界第2の埋蔵量を誇る石油産出国ですから,湾岸戦争の後に,国連で,勝手に石油を輸出してはいけないというように,経済制裁がかかった.
 それでは国内が貧困になって,薬がなくなる,食糧がなくなる,可哀相だからということで,部分的に石油の輸出を認めようというもの.
 しかし,その分,そのお金は国連が管理する特別な口座に入れて――これはフランスの銀行なんですが,そこで食べ物とか薬を買うようにしなさいと.
 こういう計画を先頭に立って言ったのがアメリカなんです.イラクの恵まれない人達を助けるために,自分達が管理できないところで,石油を使おうということを言い始めた.
 だから,石油が原因というような謀略説がいかにいい加減かということです」

(田久保忠衛 from 「反米論を撃つ」,恒文社21,P. 26-27)

 第3に,米政府がイラクの石油産業を占有したところで,日量250万バレルの生産量では戦争と占領のコストにとても見合わないだろう.イラクが日量600万バレル以上の原油生産能力を回復するころ,ブッシュは再選を果たしたとしても大統領の任期をとっくに終えている.
 石油は,あくまでこのグランドビジョンの一要素として,ブッシュ政権の戦略思考にかかわっているにすぎない.その傾向が強いのは,かねてからサウジアラビアに深い不信感をいだいているリチャード・パール国防政策評議会議長などの超タカ派,つまり「新保守派」だ.
 ブッシュ政権はとくに9.11テロ後,中東原油への依存度を下げるべく,アフリカやアラスカ,それにロシアの新資源を重視する姿勢を強めている.
 「アメリカは長年,中東にイスラエルとサウジアラビアという2人の愛人をかかえてきた」と,ペトロリアム・ファイナンス社のラアド・アルカディリは言う.「その一方を,永久にベッドから追い出そうということだ」
 だがアルカディリら石油専門家の大半は,供給源の多角化は新保守派の幻想にすぎないとみている.サウジアラビアを切り捨てることなどできない,というのだ.
 実際,世界の原油供給が逼迫へと向かうなか,値上がりを止めるために必要な余剰生産力の約75%はサウジアラビアが握っている(現時点でも,同国の増産が原油価格のさらなる高騰を食い止めている).ブッシュ政権のタカ派もそれは承知しており,石油は対イラク戦争の小さな一部にすぎないことを認めている.
 ある高官は,石油は黒い「余得」であると言う.「ヨーロッパのほうが(アメリカよりも)中東原油への依存度ははるかに高い.確かに,大量の石油資源をもつ国は味方につけておくに越したことはない.だが,それを戦争の戦略にする考えはない」

「そもそも,イラクの石油で儲けることなどできそうにない.
 侵攻に必要な戦費は,最大900億ドルにのぼる.
 さらに既存の油田を修復し,新しい油田を開発するには,300億〜400億ドルかかるとみられる.
 それだけの投資をしても,イラクの石油収入が年間220億ドルを超えることはなさそうだ.仮にアメリカがその半分を盗んだとしても,米英両国のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)の0.1%にしかならない.リスクの大きさに比べてあまりに小さな報酬だ.
 アメリカのエネルギー戦略の重点は,世界中で新しい油田を開発することにある.イラクはそのほんの一部にすぎない.また,目標は安定供給であって,できるだけ安く買うことではない.石油価格が下がりすぎれば,ジョージ・W・ブッシュ米大統領の友人達も打撃を受ける」(マックス・ブート米外交評議会上級研究員) ⇒イラク復興費データ

(from Newsweek Japanese Edition on Mar. 12, '03)

 (4) 今度のイラク征討は石油利権を求めたものではない.
 「ついでに……」という副次的動機の一つにはなるかもしれないが,もっと重要なことはアメリカの基本戦略の変化である.
 即ち古典的な「均衡戦略」,つまり中東に強国の出現を許さず,アメリカの威武が中東に及ぶようにしていた.しかし,中東での均衡戦略は限界に達しており,これを「一強戦略」即ち全ての国をアメリカに従順な傀儡にするという戦略に変えつつある.
 その手始めがイラクなのである.

 これは,元は誰にも相手にされなかったウォルフォヴィッツ Wolfowitz の案が,共和党政権の土台になったもので,彼がラムズフェルドらと組んだグループ「ホークス」が,大統領選中にテキサスに滞在してブッシュに叩き込んだ戦略.
 基本的には,冷戦後の唯一の超大国の地位を徹底的に追求して,少しでも軍事的にアメリカを脅かす勢力は許さないという立場だ.(軍事板)

 例えば,ジョージタウン大学のジョン・アイケンベリーは,『フォーリン・アフェアーズ』誌に寄稿した論文(「新帝国主義というアメリカの野望」)において,1990年代初頭のチェイニー(現副大統領)指導下の国防省で,冷戦後の国際社会においてアメリカが軍事的優位性を維持すべきという現在の安全保障戦略が既に練られていたことを指摘.
 その上で,9・11後の世界において,伝統的な抑止力の効かない「ならず者国家」やテロリスト集団からの脅威に曝される中で,軍事的優位を維持するだけではなく,軍事力を実際に行使してアメリカの安全と国益を保障する世界を創り出すという「新帝国主義」の発想が政権中枢部に浸透するようになったと論じている.

(ちなみに,アイケンベリーは,新帝国主義の戦略に基いてアメリカがこのまま突き進めば,
 (1)アメリカがこれまで培ってきた同盟関係(日本やNATOなど)を形骸化する,
 (2)アメリカ中心の善悪の基準で世界を見ることによって,分裂と対決を加速させる,
 (3)そして結果的には,アメリカにとってより危険な国際環境を創り出す
と警告している)

 (5) ラムズフェルドはイラク問題を提起した.アルカイダだけではなく,イラクも攻めればいい.イラク問題に関するラムズフェルドのこの発言は,一人だけの意見ではなかった.ポール・D・ウォルフォヴィッツ国防副長官も,テロリズムに対する戦争の第1ラウンドで,イラクを主要攻撃目標にするという方針を唱えていた.
 9.11同時テロ以前,ペンタゴンは長期に渡り,イラクに対する軍事選択肢を検討していた.会議の出席者は皆,大量破壊兵器を入手して使用すべく血眼になっているイラクのサダム・フセイン大統領を脅威と見なしていた.
 テロリズムを相手に本腰で総力戦を行うのなら,イラクをいずれは攻撃目標にせざるを得ない.
 9.11は,直ちにフセインを征討する好機を提供してくれたわけで,それに乗ずることもできるのではないかと,ラムズフェルドは提案した.
 パウエルは,その時点でイラクを攻撃することには反対で,アルカイダに焦点を絞るのは,アメリカ国民の視点がそこに集中しているからだと反論した.
「どのような行動にも大衆の支持が必要です.それを支えるのは各国の連合だけではありません.それは国民が支えることを望むものでなければならない.国民は,我々がアルカイダに対して手を打つことを望んでいます」
 今はその問題の結論を出す時期ではないと,ブッシュは窘めた.自分の今の主な目標は,テロリストをとことん締め付けて根絶やしにするような軍事計画を示すことだ,と強調した.(ボブ・ウッドワード『ブッシュの戦争』 p.66-67)

 【参考文献】
 ブッシュ政権の戦略転換
http://www.jmrlsi.co.jp/menu/btrend/2003/trend2003_02.html


 【質問】
 以下のような報道についてはどうなの?

――――――
「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長,回顧録で暴露

 【ワシントン17日時事】18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で,2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し,ブッシュ政権を慌てさせている.〉
(時事通信2007年9月17日)
――――――

 【回答】
 グリーンスパンは所詮経済官僚であって外交,国防に対して直接的な情報取得手段を有していない.
 したがって彼は一次ソースにはなりえない.
 その分野における国家意思中枢の決定に携わる人々の証言であれば,また話は別だけど.
 つまり彼の当該主張が事実であると裏付けるには,そのソースの明示がなければ,フルフォードやチョムスキーあたりが金目当てに振り撒く妄説となんら変わりない.

 例えば,エリツィン時代プーチンのチェチェン政策(マンション爆破テロとか)について,当時エリツィンの側近で政治にも深く関与してたベレゾフスキーが,色々吹いてるけど,それも一次ソースになりえるかってぇとそうじゃないだろ?

 緑爺もメッキが剥がれて,当時のてめえの舵取りをいろいろ言われ始めてる時だからなあ.
 矛先逸らしとも言えなくも無いというか.

 まあ,俺がうがったような見方をしてしまうのは,一連の金融危機の今までの米国のグダグダさ加減に 怒りを感じてる所為か.

軍事板
青文字:加筆改修部分


▼ 【質問】

▼ 一方,「石油を含む複合的な要因」で始まったとする見解もあるが?
 以下は,(いくつかの点で疑問はあるものの),そうした見解の中では,これまで見た中では一番真っ当と思われるもの.

――――――

 イラク戦争は「複合的な要因」で始まったというのが正しい表現だと思います.
 参考までにwikipedia「イラク戦争」の「それ以外で語られるアメリカの開戦理由」をご覧下さい.

 なお戦争の採算が「簡単には計算出来ない」というのは事実でしょうが,占領政策の失敗によってトータルコストが赤字なのは間違いないでしょう.
 イラク戦争を中心とした対テロ戦争では既に91兆円を支出しておりベトナム戦争を大幅に超過しています.
 戦争が2017年まで長引けば,約2兆3640億ドル(金利分含め約270兆円)という試算があります.
 おまけにイラク戦争から帰還した負傷兵の治療費,社会保障費が確定してる段階で200兆円という試算もあります.
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4500/news/20070203it12.htm
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-09-01/2005090107_01_0.html

 ドルの基軸通貨としての地位を維持することも戦争目的の一つであったという説もありますが,仮にそうだったとしても戦争の失敗によって「逆効果」になったのは間違いないでしょう.
 サブプライム問題も加わってアメリカの経済力が低下し,ドルに対する信用不安が生じたこともあり,2007年ロシアは原油・天然ガスなどの輸出をルーブル建てに切り替えていく方針を示しました.
 また今年に入ってイランは原油取引での米ドル決済を全面的に停止しました.

 ベトナム戦争で財政赤字に苦しんだアメリカはブレトン・ウッズ体制を終了させ変動相場制へと移行し,大幅なドル安によって世界におけるアメリカ経済の地位低下を招きました.
 現在のイラク戦争はベトナム戦争以上の失敗であり,ドルとアメリカの地位の崩壊をもたらすかもしれないという指摘が多くなされています.

――――――経済板住人 in 軍事板初心者質問スレまとめ(2008/6/23アクセス)▲

▼ 【回答】
 一番論理的に見えるが,しかし残念ながら根拠が見つからない.
 頭の中で想像を巡らせているに過ぎない.

 たとえば,ボブ・ウッドワードの『攻撃計画』(日本経済新聞社,2004.7)には,イラク戦の攻撃計画についてのブッシュ政権の会合の内容が掲載されているが,第1回目の会合の際に出された計画は,以下の通りとなっている.

――――――

 1. 動的作戦である<炎作戦>は,従来型の大規模な空爆を含むが,艦艇もしくは航空機から発射するトマホーク巡航ミサイルに加え,射程距離150kmないし300kmで全長約4mの地対地ミサイルを発射する陸軍戦術ミサイル・システム(TACMS)のような長距離地対地システムも使用する.
 総合的には,敵地深くに向け精密兵器を投(発)射するものである.

 2. イラク領内奥深く潜入する特殊作戦部隊を使用する非正規戦――一例を挙げるなら,イスラエルやサウジアラビアに向けてスカッド・ミサイルを発射するのを阻止するため,小部隊による殺傷兵器を使用する襲撃.
 これもアフガニスタンで速度と隠密(ステルス)性を高められることが実証済み.

 3. 戦闘機動(敵に対して有利な位置を占めるための部隊などの移動).正規部隊の従来の地上戦を陸軍および海兵隊が実行する.

 4. 影響力作戦――情報の流布および幅広い心理戦・欺騙工作.

 5. イラク反体制派の支援.北部のクルド人と現政権に不満を抱く南部のシーア派組織に加え,場合によってはイラク軍部も含む.
 CIAとの全面的協力のもとに行う.
 この支援には,武器の供給から反体制派の情報収集,戦略偵察,破壊工作などの能力の向上も含まれる.

 6. 外交手段の政治・軍事面.戦闘終了後のイラク国民との協働を目的とする軍民協同作戦を含む.

 7. イラク国民への人道支援.

――――――p.73-74

 つまり,どこにも油田確保などという言葉は出てこない.
 石油利権確保が目的であると仮定するなら,肝心の油田を無傷で確保しないことには意味がない.
 したがって高い確率をもって,その仮定は誤りだと言うことができる.

 基軸通貨云々も同様.
 本書の始めからどこにも出てこない.
 すなわちその説を肯定する具体的な証拠を,どこにも見つけることができない.

 同書によれば,イラクは湾岸戦争が終わっても,相変わらずアメリカにとって脅威だったという.
 少なくとも米国政府はそのように認識していたという.
 そのため,「サダム・フセイン政権打倒」が,クリントン政権時代から法律の形で存在していたという.

 そしてブッシュ大統領はクリントン政権の外交を
「リスクを毛嫌いしていた」(p.36)
と元々感じていたが,9.11テロにより,
「アメリカ国民の安全が最優先事項になった」(p.37)
と考えるようになったという.

 「弱腰ではない態度」で,「最優先で」イラクという脅威を除く,となれば,ブッシュにとっては開戦も辞さずという態度が当然の帰結になったものと見られる.▲

▼ なお,クロス・チェックは今後,着手も続行の予定.
 その結果次第では,回答もまた変わりうる.


 【珍説】
 アメリカのアキレス腱は,埋蔵石油資源があと1300億バレルしか確認されていないにもかかわらず,年間消費が現時点で70億バレル という冷厳な事実に尽きる.つまり現在以上に石油の需要が伸びな いと仮定しても,アメリカは自前の石油ではあと18.6年しか生きら れないのである.
 翻って,アメリカ以外の世界には石油があと2兆 3000億バレル埋蔵されていると確認されており,現在の世界の消費 は年間200億バレルだから,100年以上は保つ.
 チェイニーの「長期的にはアメリカ資源の増産を推進し,将来の需要増に備える」との政策は構造的に破綻しているばかりか,アメリカを10数年足らずの うちに外国依存の資源小国に陥れることになる.http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kak3/1305282.htm
 この事実と,イランとイラクを含め,中東には地球の大半の石油が眠っていることとを考えれば,石油以外に理由が無い事は明らか.

 【事実】
 アメリカの石油輸入相手国は二宮道明編 『データブック・オブ・ザ・ワールド」(二宮書店)によれば,7割以上が中南米,カナダであり,中東には約2割しか依存していない.
 さらにアフリカ,東南アジア,北海油田からも低い割合ながら輸入するなど,リスク分散を図っている.
 仮に,現在消費量の5割を賄っているアメリカ国内産の石油が枯渇したとしても,各地域へ分散して輸入が図られるのは確実であり,戦争をしてまでアメリカがイラク・イラン2国に,その5割分を肩代わりさせるとは,リスク分散の観点から言っても,非常に考えにくい.その戦費を油田開発に充てたほうが,遥かにリスクが少ない.
 日本も,このような狡猾さには学ぶべきであろう.

 「石油の枯渇」自体,ありえないとする説もある.
 「このままのペースで石油を消費すると〜〜」というのは,現実的にはありえず

石油が少なくなる

石油の希少性が増し,高くなる

石油の消費量が減る

 また,石油の希少性が増せば,安価なエネルギーを作る競争が起き,結果的に石油よりも良いエネルギーが作られる可能性が高くなる,という説である.

 オイル・ショック後の傾向から見ても,この説は一定の説得力を持つ.


 【珍説】
 サウジアラビアとイラク,そしてイランの石油を抑えることで,アメリカは裏でOPECを支配することができる.現在アメリカはそのために,サウジ,イラクを手に入れ,イランも手中に収めようと,現在外交攻勢を強めているのである.(イラク情勢板他複数)

 【珍説】
 現状において,アメリカがイラクの石油を全て手に入れられるとでも思っているのか?まことにおめでたい事だ.
 イラクの石油をなかった事にする.これだけで先進国全てに対し,どれだけのアドバンテージを得られると思っている?(地政学太郎?)

 【事実】
 そのアドバンテージとは,もしかして石油を武器とした恫喝戦略のことかな?
 OPEC操作どころか,石油恫喝戦略そのものが現代では成立しにくい状況となっているのだが.

 これは,ロシア石油を安く売ってくれるようになったりとか,各国の中東依存度が昔より低くなったりしたことによる.

 サウジアラビアのヤマニ元石油相がいいことを言ってます.
 サウジは石油採掘のコストが格段に安いため,今の情勢下でOPECの石油減産協定には反対なんです.オイル・ショックの頃とは違って,OPECが減産して原油の値段が上がると,先進国はすぐにエネルギー源を石油以外の資源に求めますからね(これもオイル・ショックから先進国が得た教訓から可能になったことですが).
 で,ヤマニ曰く.
「石器時代は,石が枯渇する前に終わりを告げた.
 石油時代も,石油が枯渇する前に終わるかもしれない.」
 自国の国益を,壮大な文明論で表現したものです.
『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書)に載っています.

 だいたい,現状,なしんこにされたフランスとロシアから,徹底して協力拒否というディスアドバンテージ食らってますが?

軍事板他)


 【珍説】
 中東が不安定になれば原油はあがる.それが米国の石油業界が便乗しているのこともあるでしょう.
 とにかくサウジはブッシュさん家と仲が良い.
 そして中東の依存が高い日本は,テキサスに関係なく高値になるのは当たり前.

(ぼたんの花)

 【事実】

>テキサスに関係なく高値になるのは当たり前.

 先物取引の概念をご存知でしょうか?
(参考)ジェット証券株式会社
かぶ入門講座 時事編
http://www.jetsnet.co.jp/nyumon/jiji/bn/jiji_37.html

 ブッシュとサウジが仲が良いから値を上げていると言いますが,むしろ,仲が悪いから原油価格が引き上げられるという説もありますが?
 しかし,仲良いサウジからの輸入量は減って,ベネズエラからの輸入量は増えているように,サウジを軽視する方向にあるのですが.
 田中宇の記事は陰謀論が多いですが,中東依存度の低下や事実の部分の資料は参考になります.
(参考)田中宇の国際ニュース解説
ベネズエラとアメリカ
http://tanakanews.com/c0509venezuela.htm
サウジアラビアとアメリカ(下)
http://tanakanews.com/c1209saudi.htm
石油大国サウジアラビアの反撃
http://www.tanakanews.com/e0528oil.htm (October 7, 2004 20:00)

 あと,政府が原油高を引き起こしているのはむしろロシア.
 野党側の最大の支援企業であるユコスに対して,強権を発動して経営社を逮捕,資産凍結などを行い破産に追い込もうとしています.
 そのため,供給能力に不安を持つ人が多くなり,先物取引市場における原油価格が高騰する現象が起きております.
(参考)毎日新聞
露ユコス事件 政権介入で石油業界統制=モスクワ支局・町田幸彦
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/archive/news/2004/07/24/20040724ddm004070098000c.html

 他には長期的なエネルギー需要増と供給能力の限界があります.
 特に,中国の急速なエネルギー需要の増加などがあり,これが将来にわたる原油価格の高騰の予想を裏付ける根拠として取りざたされております.
(例え今の需要に比べて明白に高い取引き値だとしても,将来の中国の需要増により高騰するから元はとれるとの判断)
(参考)日本エネルギー経済研究所
特別速報 高騰する原油価格の背景と今後の展望 (2004/09/03)
http://eneken.ieej.or.jp/data/pdf/921.pdf
原油価格高騰は「投機」ではなく「根拠ある熱狂」だ (2004/09/27)
http://eneken.ieej.or.jp/data/pdf/931.pdf
中国の石油需給動向について (2004/09/02)
http://eneken.ieej.or.jp/data/pdf/919.pdf (October 7, 2004 20:01)

(Gainer)


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